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12話
しおりを挟む殿下との婚約破棄の話をしてから早2ヶ月が経とうとしていた。
こんなに待っても話が進んでいる気配がないっていうことは無かったことになってるよね。
はぁ...結局ゲームの設定からは逃れられないってことなのかな......。
スカーレットも日が経つにつれて孤立していってるし。
ヒロインって名前だけだったのかなぁ......。
そう思いながら家の廊下を歩いていると
「なんでよ!」
というスカーレットの声が聞こえてきた。
えーっと、執務室から...だよね?
多分お父様と話をしてるんだろうな。
「婚約者はいらないわ!しかも子爵子息だなんてありえない!!」
......ん?婚約者?
スカーレットに?
そんなのゲームではなかったと思うけど......。
というか、ドアが閉まってるのに聞こえてくるってスカーレットの声大きすぎでしょ。
「お姉様は王太子の婚約者なのに、おかしいわ!お父様は私が可愛くないのね!!」
いやー...可愛いとかそういう問題じゃないでしょうよ。
相変わらずだなぁ...
と思いながら執務室の前を通り過ぎようとすると、バンッと急に扉が開いた。
開けたのはもちろんスカーレットだ。
私に気付いたスカーレットは私を睨みつけた後、走ってどこかに行ってしまった。
なんで私が睨まれなきゃいけないのよ?
婚約者が決まったのも私は関係ないしねぇ。
お父様も私に気付いてしまったから、仕方なく執務室の中に入った。
「スカーレットに婚約者ですか?」
という話をするために。
「あぁ、昨日やっと決まった」
そう言って苦笑するお父様は、確かに最近忙しそうにしていた。
それはスカーレットの婚約者のことだったのか。
「それにしても、子爵家ですか。一応スカーレットも公爵令嬢なのに珍しいですね?」
私がそう言うとお父様は苦笑しながら
「ベルン子爵家以外は全て断られてしまったんだよ」
と言って椅子に深く座り直した。
スカーレットの評判は今や最悪。
今のスカーレットと婚約するメリットは公爵家に入れるっていうことだけだもの。
誰も問題児と婚約したいなんて思わないよね。
そういえば、一応次期公爵家を背負うことになるんだけどわかってるのかな?
2人姉妹で私が殿下と結婚して家から出ることになってるからスカーレットが次期公爵当主ってことになってるのよ。
もう1人兄弟とか居たら良かったんだけど...。
それはお父様達次第だから仕方ないことだよね。
.........あれ?あの子、勉強とか全くしていないのに当主になんてなれるの?
というか、ベルン子爵家って一人息子じゃなかったっけ?
なんだか色々噛み合わないことが多くて首を傾げていると、お父様から衝撃的なことを言われた。
「実はエリーが妊娠したみたいなんだ」
あらあらあら......妊娠!
あ、エリーというのは私とスカーレットのお母様のことね。
お母様が妊娠...っ!
思わず
「男の子ですか!?女の子ですか!?」
と聞かずにはいられなかった。
この国では生まれるまで性別がわからない。
でもテンションが上がってしまってついつい聞いてしまった。
お父様も、まだ生まれてないぞ、と苦笑している。
...あ、そういうことか。
今のお父様の言葉でさっきの噛み合わないことがピッタリとはまった気がした。
「つまり、次期当主はスカーレットではなく、今から生まれてくる子がなるんですね?」
だって、そうじゃなきゃ一人息子のところにスカーレットが嫁ぐ話が出ないはずだもん。
私がお父様にそう言うと、
「あぁ、スカーレットがこの婚約を破棄することがあったら平民に落とすことも考えている」
と言って頷いた。
流石にそれには驚くしかなかった。
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