悪役令嬢だけど、私としては推しが見れたら十分なんですが?

榎夜

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20話

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殿下が変になって1週間が過ぎた。

あの1件があってから、2人は生徒会室に来ることはなくなりましたがところ構わずイチャついているのが目に入った。

「ナナリー様......殿下は一体どうしたんですか?」

そう心配そうに私を見ているのはフィリップ様の婚約者、マリアンナ様だ。

正直、何が起こっているのか私にもわかんないんだよね。

1つわかっていることは、スカーレットが殿下に何かをした、ということだけ。

例えばさ、知らないところでイベントが起こって好感度が上がってました、とかだったらわかるんだけどさ?

でも殿下を攻略しても、あんなキザみたいなセリフは言わないんだよねぇ...。

まぁ、攻略できたならそれでいいけど。

とりあえず、お父様に殿下との婚約を解消してもらおうかなぁ。

そう思いながら、今日も茶番を繰り広げている殿下とスカーレットを眺めた。





扉をノックすると、中から返事があった。

執務室に入ると、お父様が難しそうな顔をして書類と睨めっこしてた。

あらー...タイミング最悪だったな。

でもこういうのは早めに言っておきたいよねぇ。

ってことで

「お父様、お話があります」

と私が言うと、書類から目を離してくれた。

「どうした?またスカーレットか?」

と聞かれたから素直に頷いた。

少し嫌そうな顔をしながらため息をつくお父様にちょっと同情しそう。

こんなに騒ぎを起こす娘がいたら大変だよねぇ...。

「スカーレットと殿下が恋仲になったようです」

私が単刀直入にそう言うと、お父様は目を見開いた。

そりゃあそうだ。最近まで嫌がってるっていう報告しかなかったもんね。

「それは......本当か?」

信じられないと言った様子でそう聞いてくるお父様にとりあえず少し詳しく説明することに。

「えー...っとですね。ここ1週間くらいでしょうか?常に2人で抱き合っていますわ」

そう言うと、お父様の顔が険しくなってしまった。

婚前の、しかもそれぞれ別の婚約者がいるのに人前でそんなことをするなんて、貴族らしくない、ありえない行動だ。

それは殿下もわかっていると思っていたから余計そんな顔をなってしまったんだろう。

「それから、殿下とスカーレットがそうなる前に少し気になることがありましたの」

そう、気になること。

もしかすると、お父様が何か知ってるかな?っていう希望も含めて

「それが、いつも通り生徒会室に来たスカーレットを殿下が嫌がっていると思ったら急に態度を一変して愛しのスカーレット、などと言うようになったのです」

と伝えた。

急に態度が変わったんだもん。もし証人が必要だったら生徒会メンバー全員が見ていたから頼めばどうにかなるしね。

私の言葉に、なるほど...、と少し考え事をした後

「私もスカーレットのことで少し気になるところがあったんだ」

とお父様が言ってきた。

正直、スカーレットについて気になることは山ほどあるけど、お父様が私に言うってことはなにか関係があるんだろう。

「家の金庫から100万ナルが消えていた。メイド達に話を聞くと、なくなる前に執務室に出入りしたのはスカーレットだけだそうだ」

は?あの子、家のお金を盗んだの!?

家にあるとはいえ、税金を収めたり、領地のことに使ったりとかするから勝手に使っていいものじゃないのに!?

うわぁ......これには呆れてフォローも何も出来ないわ。

そして、お父様が

「それから、スカーレットの専属メイドから見たことのないブレスレットが増えているとの報告もあった。多分それを買うために盗んだのだろう」

そう言ったことで、原因がなんとなくだけど掴めたような気がした。
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