悪役令嬢だけど、私としては推しが見れたら十分なんですが?

榎夜

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33話

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さて、ついに来ました。

建国パーティーの日です!

もう会場入りは終わっているけど、まだダンスは始まっていない、という感じ。

「ナナリー嬢、凄く似合っている」

私の姿を見ると早速殿下が褒めてくれた。

しっかりと殿下がくれたドレスを身にまとっています。

サイズがピッタリだったんですけど、一体いつサイズを教えてもらったんでしょう?

まぁ、お世辞でもやっぱり褒められるのは嬉しいよね。

「まさかこんなに素敵なドレスを頂けるなんて思っていませんでしたわ」

と私が言うと

「気に入ってくれたか?」

殿下は少し心配そうな顔をしてそう聞いてきた。

「えぇ、もちろんです」

そう言って微笑むと、見るからにほっとした表情を浮かべて手を差し出してきたので、私の手を重ねると

「あ!殿下ぁ~」

という声が聞こえてきた。

この馬鹿っぽい喋り方はもちろん、スカーレットだよね。

わぁ......今日のドレスはなんというか...まぁ.........この場には相応しくないよね。

なに?娼婦にでもなりたいのか?ってくらい胸元が空いていて、スカートの部分にはスリットが入っている。

お父様もよく許したよなぁ......。

「今日はお姉様のエスコートするんですかぁ?」

スカーレットの声は甲高くてよく通るから遠くまで聞こえるなぁ。

周りがチラチラこっちを見てるのがわかる。

でも殿下は気にすることなく

「あぁ、ナナリー嬢は婚約者だからな」

サラッと言うと、スカーレットは

「私もエスコートしてもらいたかったですぅ......」

と言って殿下の腕にしがみつこうとした。

でも殿下は

「機会があればな」

そう言って殿下は私の手を引いたままスカーレットから離れた。

スカーレットはなんだか面白くない顔をしているけど.....。

それよりもあの子、誰からも話しかけられないんだなぁ。

一応公爵令嬢だから取り入っておいて...って考える人がいると思ったんだけど。

そう思っていると、ダンスの音楽が始まった。

「ナナリー嬢、行こうか」

そう殿下に誘われたから返事をして、会場の中央に向かった。

「え......あれ、殿下とナナリー様じゃありません?」

「まぁ!今日は妹の方をエスコートするものだと思っていましたわ!」

「仲が悪くなったんじゃありませんの?」

「でも、凄く楽しそうにしていらっしゃいますわ...」

普通に踊っているだけなのに仲良く見えるのかね?

一般的な婚約者同士として普通だと思うけど...。

そう思いながら

「なんだか、凄く注目されていますね?」

なんで注目されているのかは分かっているけど、わざと殿下にそう言うと

「そりゃあ俺がスカーレット嬢に落ちたと思われていたからな」

不服そうな顔でそう言ったから

「あら、じゃあ仕方ないですわね」

そう言ってクスクス笑うと、殿下は少し複雑そうな表情で笑った。

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