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38話
しおりを挟む「なんで......っ!?私はヒロインだもん......ヒロインを好きにならない人が悪いの......!」
はぁ....こんな状況になってもまだそんなことを.....。
「貴方はヒロインじゃないわ。犯罪者よ」
いい加減に現実を見なさい、いう意味を込めて言ったのに、スカーレットには逆効果だったみたいで
「なんでよ!なんであんたが皆に愛されてんのよ!私の方が可愛いでしょ!私の方がヒロインでしょ!」
目を血走らせながらそんなことを叫んでいる。
全く....別に私が皆に愛されてるなんてことはないだろうけど、何も努力をしてこなかった人に言われたくないよね。
私はそれなりに認められるように....いや、ただアルム様に会いたかっただけなんだけどさ。
でも、頑張ってきたのは確かだからね。
思わずため息をつきながら
「じゃあ貴方は皆に愛されるために何をしたの?勉強は?マナーは?見た目以外に自慢出来る何かがあるの?」
とスカーレットを追い詰めるようなことを言ってしまった。
案の定、
「うるさい!うるさいうるさいうるさい!」
髪の毛を振り乱して叫んでいる。
あー....こりゃ、ダメだな。
もう何を言っても無駄だ、と判断して下がろうとすると
「ナナリー嬢、もう良い」
私が下がる前に殿下が庇うように前に出てくれた。
殿下の隣には、いつの間にか陛下もいたから
「愚妹が申し訳ございません......」
と頭を下げると
「いや、ナナリー嬢には感謝している。ナナリー嬢が居なければハルトはスカーレット嬢に操られたままだったんだからな」
気にするな、と肩を軽く叩いて微笑んでくれた。
「勿体ないお言葉です」
前に出た陛下は、スカーレットをギロリ、と睨みつけ
「さて、スカーレット嬢。そなたの処罰を言い渡す」
そう言うと、スカーレットの肩がビクッと震えた。
やっと自分がやったことの重大さをわかったのかな?
でも、スカーレットがやったことが重罪なのは変わらない。
陛下がどういう判断をしたのか、私にもわからないから緊張しちゃうな。
ドキドキしながら陛下の言葉を待つ。
「はぁ......こんなことをしなければ修道院送りで済んだんだけどな。そなたのやったことは重罪だ」
.....やっぱり修道院じゃあ済まされないよね。
それはスカーレットの自業自得だから仕方がない。
心の中で頷いていると
「王族に対して魅了を使い、王妃の座に収まろうとした。浅はかな考えだ。そなたを斬首刑とする」
「.........は?」
.......え?
私の心の声とスカーレットの声が奇麗に重なった。
斬首刑.....つまり死刑ってことだよね?
.....いや、妥当か。
王太子に魅了を使った理由はしょうもないけど、やったことがまずかったよね。
スカーレットは呆然としてしまっている。
まぁ、死刑判決されたからそうなるよね。
でも
「連れて行け」
と陛下が言ったことで我に返ったみたい。
兵士たちに引きずられながら
「い、嫌よ!私は死にたくないわ!お父様!お姉様!助けてよ!」
と私とお父様に助けを求めだした。
こくこんなことをして助けてもらおうと思うよね。
私にやったこと、忘れたわけじゃないから。
「今までの自分の行いを恨むのね。貴方がヒロインだって勘違いして努力を怠った結果よ」
私がそう言うと、スカーレットは泣き叫びながら会場から消え去った。
終わった.....。
これで終わったんだ。
思わず力が抜けてその場にへ垂れ込むところを殿下が気付いて支えてくれた。
「ナナリー嬢、お疲れ様」
と言った殿下の顔はなんだかスッキリしていたように見えた。
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