乙女ゲームのヒロインに生まれ変わりました!なのになぜか悪役令嬢に好かれているんです

榎夜

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2話

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ご飯を食べた後、学園に向かう馬車の中で私は思考を巡らせていた。


この乙女ゲームの世界には魔法というものが存在する。

ヒロインは平民ながらも魔力の高さ、属性の多さから2ヶ月前に貴族に養子として迎えられた。

そして、様々な淑女教育を受けた後、入学式にあわせて転入することになる。

確か、私は2年生で、義弟であるロイは1年生という設定だ。

さっきエマが言っていることが正しければ、今日は ヒロインが攻略キャラの2人と遭遇することになる。

校門の前で初めて見る学園に感動している所に案内役として王太子とその側近が現れることになる。


「......自分の身になって考えると、たかが子爵家に対して王太子が案内するとかありえない話なのよね」

「お義姉様?何か言いましたか?」

思わず呟くと、目の前に座っているロイが不思議そうな顔をして尋ねてきた。

流石に自分は転生してきました、ここは乙女ゲームの世界です!なんて言えないので私はにっこりと笑って

「いえ、なんでもないわ」

と答えた。




✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼

学園に到着すると、画面越しでは何度も見たことがあるが実物でみる学園の大きさに驚いた。

思わず呆気にとられて立ちすくんでいると、後ろからドンッと鈍い衝撃がきてふらついてしまった。

あぁ、誰かがぶつかってきたんだな、と後になってから頭が追いついて振り返ると、そこにはピンク色の髪の毛をした女の子が倒れていた。

ぶつかってきた人が転ぶの!?と思ったが

「大丈夫ですか?」

と手を差し伸べると、その女の子は

「だ、大丈夫ですぅ...」

と目にたくさんの涙を溜めて走り去って行った。

なんだったんだろう?あのヒロインカラーの子。


あ、ヒロインカラーというのは

何故か貴族系のゲームのヒロインは髪の毛がピンク色で小柄、大きめの瞳ということが多くて、私とオタク仲間の中で出来上がった言葉だ。


頭にはてなマークを付けていると横から

「おい」

と声をかけられた。



見るとそこには攻略キャラでこの世界の王太子でもある『カイン・ハーヴェン』と、その側近の『アレク・ハロルド』が立っていた。

カイン・ハーヴェンは青色のサラサラな髪の毛で深い青色をしたつり目の美少年。

俺様系の自信家で仲良くなるとヒロインにベタ惚れになるキャラだ。

一方、アレク・ハロルドは赤いクセのある短髪に黄色の切れ長な目をしている。

公爵家の一人息子なのに、剣を得意としていて、人を疑うことを知らない素直で優しいキャラだ、と記憶している。


それぞれのキャラ設定を思い出しているとカインが少し不機嫌そうに

「俺が声をかけてやったんだぞ?返事くらいしろよ」

と言ってきた。

あー、なるほど。実際に俺様系の態度を取られるとわかっていたけど少しイラッとくるものね...。

という気持ちを抑え

「申し訳ございません。たかが子爵令嬢の私に声をかけてくれるなんて、と驚いてしまいました」

確か、初めて出会う時の好感度が上がるセリフはこんな感じだったと思う。

それを聞いたカインは、少し上機嫌になってふんっ、と鼻を鳴らしてから

「わかってるじゃないか。この俺がお前の案内をすることになったこの国の王太子だ」

と自己紹介をしてくれた。



......うん。実際に見ると俺様系ってただのナルシスト野郎にしか見えないのね。

2次元だから許されてただけかぁ...


そんなことを思っているなんて露知らず、カインは勝手に自己紹介をした後、何かあったら言えよ、という少しだけイケメンっぽいセリフを残して立ち去った。


あれ?確かこの後、一緒に校内を歩いて説明があったはずなんだけど.........



最初のイベントが思ってもいない形で終了してしまった。
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