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5話
しおりを挟む私が転入してから、1ヶ月がたった。
それなのに...
「なーんで攻略キャラに会えないのー!!」
もう!皆聞いて欲しいんだけどさ!攻略キャラってカイン様とアレク様、義弟のロイしか会ってないのよ!
攻略キャラは全部で5人。
出会いのイベントは全員、1ヶ月以内に起こるはずなのに、校内を歩き回っても出会うことは愚か、すれ違うことだってない。
マナーレッスンだって、魔法の授業だって全部真面目に受けているのになぜ!?
ここまで会わないと自分が本当にヒロインに転生したのか疑いたくなってくるわ......。
はぁ.........と重いため息をついていると隣に座っていた人から声をかけられた。
「リナさん?どうしたんですの?そんなため息をついて...」
私と一緒にお茶を飲んでいたのはシエラ様!
なんと、ゲームではありえなかった、シエラ様とお友達になったんです!
もう遠くから見つめるだけでも麗しくて仕方ないのに隣で見れるなんて...美人だし、めっちゃいい匂いだし、それでいてツンデレ要素もあると最近発覚したのよ!
「なんでもありませんわ。なんか毎回心配かけてしまって申し訳ないです」
とお嬢様らしくお淑やかに答えるとシエラは私の数十倍の優雅さで、気にしなくていいですわ、と微笑んでくれた。
破壊力抜群!もう、眼福!推しが尊いとはこの事を言うのね!
私がシエラに癒されていると、少し離れたところが急に騒がしくなった。
「何かあったんでしょうか?」
と私が聞くとシエラは首を傾げて、さぁ?と言ったあと、
「少し気になるので行ってみませんか?」
と尋ねてきたので、私は即答で勿論!と答えた。
騒ぎを起こしている場所に近付くにつれて、少しずつ声が聞き取れるようになってきた。
その中の1つで
「今日もモニカは可愛いな!」
という声が聞こえてきた。
うわぁ...ただのバカップルがイチャついてるだけかよ......来るんじゃなかった
と思ったのも束の間、次に聞こえてきた言葉に私は声を失った。
「やだぁ~!カイン様ったら!」
甘ったるくて鼻につくような声で彼氏(?)に甘えてる声が聞こえてきた。
......ん?カイン様?それってあの?王太子の俺様カイン様?
シエラの方をチラっ見ると笑って聞いているが、明らかに怒っているオーラを出していた。
「シエラ様...っ、その!人違いかも知れませんし...っ!」
という私のフォローも虚しく、人混みをかき分けて騒ぎの中心を見てみるとそこにはカイン・ルーヴェンと前にぶつかった令嬢がイチャイチャしていた。
「あぁ、あの人ですか」
シエラがため息混じりに言うのを聞いて、誰ですか?と尋ねると
「あの令嬢、前は大人しかったんですが1か月前くらいから人が変わったように男を誑かしているみたいですの。今はカイン様、アレク様、侯爵子息のユリウス様、伯爵子息のハノン様......それから、貴方の義弟さんも」
他にも何人か居るみたいですけど、と付け加えてバカップルのような2人を見つめた。
多分、婚約者が他の人とイチャイチャしていて不愉快なのだろう。
でも私はシエラの話を聞いて違うことに衝撃を受けていた。
......今挙がった名前って攻略キャラが全員入っているんだけど...?ヒロイン役、取られてない??
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