7 / 48
6話
しおりを挟む私とシエラが会話をしている間にも、カインとモニカの声は大きくなって、少し離れていても余裕で聞こえるくらいの大きさになっていた。
「シエラが居なければモニカを婚約者にしてやるのに」
「やだぁ~、そんなこと言ったらシエラ様が可哀想ですよぉ」
あ、シエラ様のこめかみがピキって......
ここまで怒ったシエラ様、初めて見たよ.........
というか、モニカって人のどこがいいのか?
そう思った私がモニカをチラッと見ると、それに気付いたみたいで目が合ってしまった。
え、え、え?めっちゃ睨んでくるじゃん。なに?初めましてなのに何事!?
モニカは私のことを睨みつけた、と思ったらまた猫撫で声を出してカインにベタベタくっつきだした。
その様子を傍から眺めている私達ですら、少し不愉快な気持ちになるのだからシエラはもっと不愉快な思いをしているだろう、と思った私は
「シエラ様、ここから離れましょう?」
とシエラに声をかけた。
でもシエラは首を横に振って
「一応、私の婚約者が皆様に迷惑をかけているんです。止めるのも私の仕事ですわ」
と苦笑しながら儚い感じで言ってくるので、私は引っ張ってでも離れさせたい気持ちを抑えてわかりました、と頷いた。
シエラが苦言を言いに行こうとしたとき、先に誰かが動いたのが見えた。
誰だろう?と思っていると
「モニカさん、少し宜しいかしら?」
と凛とした声が響いた。
見ると、カインとモニカの前に四人の令嬢が立っていてモニカはわざとらしく、誰?こわぁーい、とか言ってカインに擦り寄っている。
凄ーい。怖いのにしっかり演技出来るのね。
なんて思いながら令嬢達の方を見てみると、なんということでしょう。全員見覚えがある人達ではないか。
モニカに声をかけたのは『アリア・イーツェン』
アレクの婚約者で、深めの青い髪の毛は羨ましいくらいサラサラで黄色の猫目をしている。
シエラ様ほどではないけど美人さんでモデル並みに細くて身長も高い。羨ましい。
その隣に居るのは『サーシャ・エライス』
ユリウスの婚約者でブロンドのふわふわした髪の毛に澄んだ青色のタレ目をしている。
もう貴方がヒロインで良いよって思うくらい可愛いしほんわかした雰囲気をしている。
少し後ろの右側に居るのが『ノエル・カーン』
ハノンの婚約者で金髪のサラサラヘアーに緑色の目をしている。
見た目に特徴がある訳では無いけど、とにかくこれだけは言わせて欲しい。めっちゃ巨乳なのよ。
んで、最後は『リディアーヌ・ゾクシュ』
ロイの婚約者で赤い髪の毛はドリル...いや、縦ロールにしていて、紫色の大きな目をしている。
義弟の婚約者だから、勿論会ったことがある。凄く私のことを慕ってくれてて、お義姉様って呼んでくれるの!可愛い妹って感じ!
一気にでてきたから紹介が長くなっちゃったけど、この令嬢達って、攻略キャラのルートに入ると邪魔してくる悪役令嬢なのよ。
ちなみに、シエラ様はめっちゃ綺麗だけど、私はサーシャ様推しでした......。
「モニカさん?前回会った時と随分態度が違うのね?」
あ、やべ、紹介に夢中になってて大事なことを忘れるところだった。
アリアの声に一気に現実に戻された私はとりあえず、シエラと二人で様子を見守ることにした。
「そ、そんなことないですよぉ...」
モニカはアリアに言われたことに心当たりがあるのか言葉に詰まっていた。
「お前!俺のモニカに何のようなんだ!」
それを見ていたカインは自分的には助けてあげたつもりなんだけど、状況とその言葉が悪すぎて令嬢四人以外の人たちも白けた目で見ていた。
まぁ、それに気付いてないみたいだけど...ほらカイン様ぁ~って抱き合ってるし。
「モニカさん、私達の婚約者に近付くのは辞めてもらいませんか?...といいますか、そんなに男性を誑かして何をしたいんですか?」
ノエルが睨みながらそう尋ねると、モニカはビクッと肩を震わせて自分の口の前に手を持っていった。
そのモニカの行動に私は少し心当たりがあった。確かあの人が常にやっていた気がする。
「モニカに指図をするな!俺が良いと言ってるんだ!」
カインはモニカを抱きしめながらそう言うが、お前に言ってねぇよ、とここに居る全員が思っただろう。
「はぁ......カイン殿下、周りを見てください。皆の表情がわかりますか?」
アリアにそう言われたカインがやっと周りにいた人達のことを見た。
すると、全員がコソコソと話しながらカインとモニカを白けた目で見ているからなのか、顔を真っ赤にさせて、モニカ!行くぞ!と逃げ出してしまった。
その姿は誰が見ても無様な姿、と答えるだろう。
ん?あれぇ...?この展開、ゲームでは無かったよね?
31
あなたにおすすめの小説
【完結】『運命』を『気のせい』と答えたら、婚姻となりまして
うり北 うりこ@ざまされ2巻発売中
恋愛
ヴォレッカ・サミレットは、領地の危機をどうにかするために、三年ぶりに社交界へと婚姻相手を探しにやってきた。
第一にお金、次に人柄、後妻ではなく、できれば清潔感のある人と出会いたい。 そう思っていたのだが──。
「これは、運命だろうか……」 誰もが振り返るほどの美丈夫に、囁かれるという事態に。
「気のせいですね」 自身が平凡だと自覚があり、からかって遊ばれていると思って、そう答えたヴォレッカ。
だが、これがすべての始まりであった。 超絶平凡令嬢と、女性が苦手な美丈夫の織りなす、どこかかみ合わない婚姻ラブストーリー。
全43話+番外編です。
ヒロインしか愛さないはずの公爵様が、なぜか悪女の私を手放さない
魚谷
恋愛
伯爵令嬢イザベラは多くの男性と浮名を流す悪女。
そんな彼女に公爵家当主のジークベルトとの縁談が持ち上がった。
ジークベルトと対面した瞬間、前世の記憶がよみがえり、この世界が乙女ゲームであることを自覚する。
イザベラは、主要攻略キャラのジークベルトの裏の顔を知ってしまったがために、冒頭で殺されてしまうモブキャラ。
ゲーム知識を頼りに、どうにか冒頭死を回避したイザベラは最弱魔法と言われる付与魔法と前世の知識を頼りに便利グッズを発明し、離婚にそなえて資金を確保する。
いよいよジークベルトが、乙女ゲームのヒロインと出会う。
離婚を切り出されることを待っていたイザベラだったが、ジークベルトは平然としていて。
「どうして俺がお前以外の女を愛さなければならないんだ?」
予想外の溺愛が始まってしまう!
(世界の平和のためにも)ヒロインに惚れてください、公爵様!!
死亡予定の脇役令嬢に転生したら、断罪前に裏ルートで皇帝陛下に溺愛されました!?
六角
恋愛
「え、私が…断罪?処刑?――冗談じゃないわよっ!」
前世の記憶が蘇った瞬間、私、公爵令嬢スカーレットは理解した。
ここが乙女ゲームの世界で、自分がヒロインをいじめる典型的な悪役令嬢であり、婚約者のアルフォンス王太子に断罪される未来しかないことを!
その元凶であるアルフォンス王太子と聖女セレスティアは、今日も今日とて私の目の前で愛の劇場を繰り広げている。
「まあアルフォンス様! スカーレット様も本当は心優しい方のはずですわ。わたくしたちの真実の愛の力で彼女を正しい道に導いて差し上げましょう…!」
「ああセレスティア!君はなんて清らかなんだ!よし、我々の愛でスカーレットを更生させよう!」
(…………はぁ。茶番は他所でやってくれる?)
自分たちの恋路に酔いしれ、私を「救済すべき悪」と見なすめでたい頭の二人組。
あなたたちの自己満足のために私の首が飛んでたまるものですか!
絶望の淵でゲームの知識を総動員して見つけ出した唯一の活路。
それは血も涙もない「漆黒の皇帝」と万人に恐れられる若き皇帝ゼノン陛下に接触するという、あまりに危険な【裏ルート】だった。
「命惜しさにこの私に魂でも売りに来たか。愚かで滑稽で…そして実に唆る女だ、スカーレット」
氷の視線に射抜かれ覚悟を決めたその時。
冷酷非情なはずの皇帝陛下はなぜか私の悪あがきを心底面白そうに眺め、その美しい唇を歪めた。
「良いだろう。お前を私の『籠の中の真紅の鳥』として、この手ずから愛でてやろう」
その日から私の運命は激変!
「他の男にその瞳を向けるな。お前のすべては私のものだ」
皇帝陛下からの凄まじい独占欲と息もできないほどの甘い溺愛に、スカーレットの心臓は鳴りっぱなし!?
その頃、王宮では――。
「今頃スカーレットも一人寂しく己の罪を反省しているだろう」
「ええアルフォンス様。わたくしたちが彼女を温かく迎え入れてあげましょうね」
などと最高にズレた会話が繰り広げられていることを、彼らはまだ知らない。
悪役(笑)たちが壮大な勘違いをしている間に、最強の庇護者(皇帝陛下)からの溺愛ルート、確定です!
公爵様のバッドエンドを回避したいだけだったのに、なぜか溺愛されています
六花心碧
恋愛
お気に入り小説の世界で名前すら出てこないモブキャラに転生してしまった!
『推しのバッドエンドを阻止したい』
そう思っただけなのに、悪女からは脅されるし、小説の展開はどんどん変わっていっちゃうし……。
推しキャラである公爵様の反逆を防いで、見事バッドエンドを回避できるのか……?!
ゆるくて、甘くて、ふわっとした溺愛ストーリーです➴⡱
◇2025.3 日間・週間1位いただきました!HOTランキングは最高3位いただきました!
皆様のおかげです、本当にありがとうございました(ˊᗜˋ*)
(外部URLで登録していたものを改めて登録しました! ◇他サイト様でも公開中です)
【完結】転生したら悪役令嬢だった腐女子、推し課金金策してたら無双でざまぁで愛されキャラ?いえいえ私は見守りたいだけですわ
鏑木 うりこ
恋愛
毒親から逃げ出してブラック企業で働いていた私の箱推し乙女ゲーム「トランプる!」超重課金兵だった私はどうやらその世界に転生してしまったらしい。
圧倒的ご褒美かつ感謝なのだが、如何せん推しに課金するお金がない!推しがいるのに課金が出来ないなんてトラ畜(トランプる重課金者の総称)として失格も良い所だわ!
なりふり構わず、我が道を邁進していると……おや?キング達の様子が?……おや?クイーン達も??
「クラブ・クイーン」マリエル・クラブの廃オタク課金生活が始まったのですわ。
*ハイパーご都合主義&ネット用語、オタ用語が飛び交う大変に頭の悪い作品となっております。
*ご照覧いただけたら幸いです。
*深く考えないでいただけるともっと幸いです。
*作者阿呆やな~楽しいだけで書いとるやろ、しょーがねーなーと思っていただけるともっと幸いです。
*あと、なんだろう……怒らないでね……(*‘ω‘ *)えへへ……。
マリエルが腐女子ですが、腐女子っぽい発言はあまりしないようにしています。BLは起こりません(笑)
2022年1月2日から公開して3月16日で本編が終了致しました。長い間たくさん見ていただいて本当にありがとうございました(*‘ω‘ *)
恋愛大賞は35位と健闘させて頂きました!応援、感想、お気に入りなどたくさんありがとうございました!
婚約破棄された悪役令嬢の心の声が面白かったので求婚してみた
夕景あき
恋愛
人の心の声が聞こえるカイルは、孤独の闇に閉じこもっていた。唯一の救いは、心の声まで真摯で温かい異母兄、第一王子の存在だけだった。
そんなカイルが、外交(婚約者探し)という名目で三国交流会へ向かうと、目の前で隣国の第二王子による公開婚約破棄が発生する。
婚約破棄された令嬢グレースは、表情一つ変えない高潔な令嬢。しかし、カイルがその心の声を聞き取ると、思いも寄らない内容が聞こえてきたのだった。
異世界に喚ばれた私は二人の騎士から逃げられない
紅子
恋愛
異世界に召喚された・・・・。そんな馬鹿げた話が自分に起こるとは思わなかった。不可抗力。女性の極めて少ないこの世界で、誰から見ても外見中身とも極上な騎士二人に捕まった私は山も谷もない甘々生活にどっぷりと浸かっている。私を押し退けて自分から飛び込んできたお花畑ちゃんも素敵な人に出会えるといいね・・・・。
完結済み。全19話。
毎日00:00に更新します。
R15は、念のため。
自己満足の世界に付き、合わないと感じた方は読むのをお止めください。設定ゆるゆるの思い付き、ご都合主義で書いているため、深い内容ではありません。さらっと読みたい方向けです。矛盾点などあったらごめんなさい(>_<)
魔法学園の悪役令嬢、破局の未来を知って推し変したら捨てた王子が溺愛に目覚めたようで!?
朱音ゆうひ@11/5受賞作が発売されます
恋愛
『完璧な王太子』アトレインの婚約者パメラは、自分が小説の悪役令嬢に転生していると気づく。
このままでは破滅まっしぐら。アトレインとは破局する。でも最推しは別にいる!
それは、悪役教授ネクロセフ。
顔が良くて、知性紳士で、献身的で愛情深い人物だ。
「アトレイン殿下とは円満に別れて、推し活して幸せになります!」
……のはずが。
「夢小説とは何だ?」
「殿下、私の夢小説を読まないでください!」
完璧を演じ続けてきた王太子×悪役を押し付けられた推し活令嬢。
破滅回避から始まる、魔法学園・溺愛・逆転ラブコメディ!
小説家になろうでも同時更新しています(https://ncode.syosetu.com/n5963lh/)。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる