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7話
しおりを挟むカインとモニカが逃げるように立ち去ったあと、一時は皆が呆然としていたが、今は何も無かったかのように穏やかにお茶を飲んでいた。
あ、今更って思うかもしれないですけど騒ぎがあったのはカフェテリアですよ。
折角シエラ様と一緒に優雅にお茶を飲んでいたのに、カイン様とモニカさんのせいで台無しになっちゃったの。
シエラも周りの皆と同様に席に戻るのか、と思いきやいつの間にかさっきの令嬢達の輪の中に入って話し始めてしまった。
なので私は邪魔にならないように、と先に戻ろうとした時
「お義姉様~!」
と言う声が聞こえてきた。
まぁ、今この場で私をそう呼ぶのは一人しかいないけど。
輪の中でも一番目立つ縦ロールの令嬢が私を見つけて顔をぱっと明るくしているのが見えた。
「リディアーヌさん、お久しぶりです」
私が令嬢達に近づくとリディアーヌは私の腕にギュッとしがみつくと、会いたかったですわ!と満面な笑みを浮かべた。
いや、可愛いな!マジでこんな妹がずっと欲しかったのよ。
傍から見たらうふふ、と笑い合っているただの仲の良い義姉妹だけど、鼻の下が伸びないように細心の注意をはらっている。
あ、別に変態とかじゃないですよ?
「お義姉様...ということは、この方が噂の?」
とノエルがシエラに尋ねているのが聞こえてきた。
いや、噂って何?
私なんかやらかしたっけ...?
「えぇ、こちら私のお友達でもあります、リナ・アージェさんですわ」
シエラが微笑みながら私の紹介をすると、それを聞いていた全員が驚いた顔をした。
いや、私も驚いたよ?だって、シエラ様が私のことをお友達って...!うわぁ、ニヤけそう...。
私は必死にニヤけそうになるのを抑えながら、初めまして、とだけ挨拶をした。
するとリディアーヌは
「私のお義姉様は素晴らしい人なんですよ!」
と自慢げに語り始めようとした。
でもそれはアリアによって止められてしまった。
「私達も存じてますよ。リナ・アージェさん。魔力の高さから平民から貴族に上がってきた、ということも」
そう言いながら微笑んでいるアリアを見つめるが、どう思っているのか探ろうとしても完璧なポーカーフェイスで全くわからない。
私的に、たかが平民ごときが魔力だけで上がってきた、という意味なのか、純粋に知ってますよってだけの意味なのか知りたかったのに無理そうだ。
とりあえず、ありがとうございます、とだけ返すと横にいたサーシャが
「私も知っていますよ。マナーも授業態度も全て完璧で本当に元平民なのか?と噂されている方ですよね?」
とゆっくりとした、穏やかな表情でそう言った。
あ、なるほど。噂っていうのはいい方の噂なのね。
シエラを含めて皆が優しい眼差しで私を見ているのに気付いた私は、変に疑って申し訳ない気持ちになってしまった。
そろそろ帰ろうか、と話をしていると私に向かってあの!と声をかけてきた令嬢がいた。
「折角だし、もしよければ...なんですけど、同じ子爵家だし仲良くしてくれたらなぁ...って」
えへへ、と笑いながら手を差し伸べてきたのはノエルだ。
すると、
「私も是非仲良くして欲しい、一緒にお茶でも...」
とアリアが照れながらそう言った、思ったら横にいたサーシャも
「あ...私もお願いしたいです」
とおずおずと手を挙げた。
ずっと私の横にいるリディアーヌには
「流石お義姉様!モテモテですわ!」
と言われてしまった。
まぁ、こんな可愛い子達に言われて断る人なんていないよね!
「もちろんです!」
と答えると気のせいか、皆喜んでいるように見えた。
おーっと?女の子にモテるヒロインになってしまっている?まぁ、可愛いから良いか!
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