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8話
しおりを挟むあれから数日後
「あんた、転生者でしょ」
私を睨みつけながらそう言うのはモニカさん。
なんと、私一人で呼び出されてしまったのだ。
しかも人気の無い、ここどこ?みたいな階段の踊り場で。
私と悪役令嬢達が優雅に...そりゃ、もうお嬢様らしくお茶を楽しんでいた時、急にモニカさんが
「そこのピンクの髪の毛の人、話があるんだけど」
とか言ってきたのよ。
貴族社会では、地位が低い人から話しかけるのはダメって教わらなかったのかな?
一応私が子爵令嬢でモニカさんは男爵令嬢だから話しかけてこれないはずなのにね。
ちなみに、周りにいたシエラ様達は
「非常識にも程がある!」
と少し怒っていた。
私としては、モニカさんに話があったから別に良かったんだけどね。
最初の質問に対して
「...そうだけど、何か問題でもあるの?」
と私も睨みながらそう言うと、モニカの肩がビクッと震えた。そして手はまた口の前に。
1回だけなら偶然だと思っていたけど2回も、しかも同じような場面でやるということは...
「......ねぇ、モニカさん。その口の前に手をやるやつ......癖なの?」
とりあえず自分の考えに確証が欲しかったから単刀直入に聞いてみた。
すると
「そうよ!なにか文句でもあんの?」
と少しキレながら答えてくれた。
これで私が想定していた人と多分合致した。
そう思い、違ったら申し訳ないけど少し賭けに出ることにした。
「あ、そうよね。ごめんなさい。高山もかさん」
すると、モニカは目を大きく見開いてなんで...と呟いたけど、私は話を続けた。
「こうやって話すのは初めてよね...というか、随分と性格が変わったわね?そのビッチみたいな性格が本性だったってこと?」
私が微笑みながらそう言うと、モニカは顔を真っ青にしながらガタガタと震えていた。
まさか自分のことを知っている人だとは思わなかったんだろう。いや、私もまさか、と思ったよ?でも本当に高山さんだったとは。
前世の高山さんはいじめられっ子。私は他クラスだから話しか聞いたことなかったけど、可愛い名前のくせにめっちゃブスの女がいるー、とかでいじめの対象になった......ような感じだったと思う。
私がモニカを見つめると、少し血走っている目をして
「あんた誰よ!クラスの奴!?」
と叫んだ。
なので私は多分知らないと思うよ?と区切ってから
「私は橋本里奈、隣のクラスだったわ」
なるべく優しく、キツそうに聞こえない感じでそう言うと、モニカがさっきより落ち着いたような気がした。
それを見て、同じクラスの人だったらどうなっていたんだろう、と少し怖くなった。
ふぅ...と一呼吸してから
「あれだろ?隣のクラスの陽キャで学年の人気者。そんなに美人でもないくせに、なんで人気があるのか最後までわからなかったわ」
「あら、知ってたのね。嬉しいわ」
無愛想に言うモニカに対して、私がお嬢様らしくふふっ、と微笑むと
「お嬢様ぶるの辞めてくんない!?はぁ......いいよな、人気者は...私の気持ち知らないよな」
キレた、と思ったら急にしゅんとし出して戸惑っていると、モニカは話を続けだした。
「媚び売れば男には好かれるけど、女に嫌われるのは前世も今も変わんないみたいだわ」
モニカはそう言うけど、婚約者がいる男に媚びを売るからそうなるんだろって話なのよ。
なんで気付かない!?もしかしてバカなのかな?
「はぁ...転生してもヒロインになれないし。てか、なんでお前がヒロインになってんだよ。結局ヒロインじゃなきゃ攻略も中途半端なところで終わるんだよ。ハーレムエンド作りたかったのに...」
もうね、さっきから黙って聞いているけどツッコミどころが多いのよ。
なんでヒロインかって?知らないよ!
でも良いじゃん!ヒロインより攻略対象に好かれてるみたいだし!男は皆、味方なんだろ?
ハーレムエンド?そんなのこのゲームの世界ではなかったよ!
私が心の中でひたすらツッコミを入れていると
「ねぇ、さっきからわざと口に出してるの?」
とモニカが呆れた、と言いたそうな顔をして聞いてきた。
ん?さっきから?わざと?なにを??
「えぇぇ!今まで、私が心の中で言ったやつ聞こえてた!?」
「うん、しっかり聞こえてきた」
「あらぁ...失敗したわぁ」
どうやら、モニカに全部聞かれてしまったようだ。
聞かれて困るものでもないし良いんだけどね。
そろそろシエラ達のところに戻らないと、と思ってそれを伝えると、仕方ないね、と言われ解散することになった。
私的には話をしてみると別に悪い子ではないし、男を誑かすのだけ辞めれば仲良くなれそう、そう思っていた。
これを聞くまでは
「あ、ヒロイン役は私がやるから。どうなるかわかんないけど、ハーレムエンド狙ってんだから邪魔しないでよね」
いや、だからハーレムエンドって無いんだって!!
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