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36話 マリアンヌ父side
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このマリアンヌは本当に俺の娘だったマリアンヌなのか?
今までは俺の言いなりになっていたマリアンヌが、ここまでハッキリと自分の思っていることを言うなんて......。
俺が軽く怒鳴りつけるだけで言うことを聞くと思っていたのに......。
クソっ!こうなったのも隣にいるこの男のせいだ!
こいつがマリアンヌに何か言ったんだ!
そう思っていると
「隣国に送り返してやれ」
マリアンヌの隣にいる男が指示すると、俺の周りを兵士に囲まれてしまった。
「何をする気だ!俺はマリアンヌの父親だぞ!」
と叫んだのも虚しく、呆気なく兵士に捕まってしまった。
しかも俺を掴む力も強いし、振りほどけないじゃないか!
俺を誰だと思っているんだ!
こんな乱暴な扱いをしていいと思っているのか!
そう思った俺は
「クソ!こんな扱いをしていいと思っているのか!」
と叫ぶと、特に気にする様子もなく
「あ、帰りの馬車の支払いはあっちの国王達に請求しておくから」
なんだと!?
陛下にバレたらただでは済まない!
俺がそう思っている間にも、男は近くにいたメイドに何か指示をしているのが見えた。
それを見た俺は咄嗟に
「おいっ!ちょっと待て!マリアンヌ!お前からも何か言ってやれ!」
と叫んだのは良いが、マリアンヌは育ててやった恩を忘れたのか
「さようなら。ちゃんと国に帰してもらえるだけありがたいと思った方が良いですわよ?」
俺を虫けらを見つめるような目で見ながらそう言ってきやがった。
そのまま俺は気絶させられて気がついたときにはもう馬車の上だった。
「クソ!舐めやがって.....っ!」
あぁ!本当に腹が立つ!
マリアンヌもあの女に似て生意気な奴だ!
だからあんなやつの子供なんかいらなかったんだ!
誰があんなに大きくなるまで育ててやったと思っているんだ!
クソ!こうなったらもう一度マリアンヌのところに行って説教してやらんとな。
そう思った俺は、馬車を動かしている男に
「おい!馬車を止めろ!」
と言った。
だが、いつまでたっても馬車は止まる気配もなく、返事も何もない。
「聞こえないのか!?馬車を止めろと言っているんだ!」
俺がそう言うとやっと返ってきた答えが
「なぜですか?私は送り届けるようにしか命令されていません」
という素っ気ないものだった。
こいつはあの国の奴か。
なら戻る、なんて言ったら無理やりでも送り届けるだろうな。
瞬時にそう判断した俺は
「よ、用を足したい!ここでされるのも嫌だろう!?」
そうだ、こんなところで用を足されるなんて嫌に決まっている!
我ながら良いことを言ったじゃないか。
なんて思ったのも一瞬で、
「私はそちらに乗らないので構いませんよ。ただ、請求する金額が上がるだけなので」
男はそう言うと、本当に一回も止まることなく長い長い道のりを走り続けた。
屋敷に到着すると、すぐに男は俺を放り出して来た道を戻っていった。
俺は、というと、帰ってくる道のりで風呂もトイレも行けなかったから自分でもわかるくらい異臭を放っている。
クソ!こんな屈辱的なことは初めてだ!
誰にも見られないように屋敷に入らないと........。
そう思っていると帰ってきたのに気付いたのか、俺が隣国に行くときに止めてきた執事が駆け寄ってきた。
「旦那様っ!うっ!本当に行ってしまったんですか.....」
俺の酷い有様を見るなり顔を歪めたが、すぐに状況を察知して絶望的な顔に変わった。
今はそんな些細なことすら腹立たしく思ってしまう。
「うるさい!着替える!さっさと用意しろ!」
そう言って自分の屋敷の中に入ろうとするが、執事は大きなため息をついてその場から動かなかった。
なんだ、こいつ。
今ため息をつきやがったのか?
自分の主の目の前で?
そう考えると自分が汚いことも忘れて
「なんだその態度は!」
と詰め寄ると執事は
「もう付き合っていられません。今日で辞めさせてもらいます」
そう言って、今まで履いていた手袋を地面に落とし、辞表と書かれた紙を渡してきた。
あまりにも急な出来事に
「な、何を言っているんだ!?」
と戸惑っていると
「ちなみに、旦那様がいない間に他の人は皆辞めていきましたよ。旦那様が心を入れ替えて帰ってきたなら私は残るつもりでしたが、無駄でしたね」
はぁ!?
ということは、俺は今1人、ということか?
呆然としたまま立ち尽くしている俺に
「では...退職金はいりませんよ。そんなお金もないでしょうしね」
とだけ言って立ち去ろうとしたから
「お、おい!ちょっと待て!」
と引き留めようとしたが、執事は振り返ることはなかった。
今までは俺の言いなりになっていたマリアンヌが、ここまでハッキリと自分の思っていることを言うなんて......。
俺が軽く怒鳴りつけるだけで言うことを聞くと思っていたのに......。
クソっ!こうなったのも隣にいるこの男のせいだ!
こいつがマリアンヌに何か言ったんだ!
そう思っていると
「隣国に送り返してやれ」
マリアンヌの隣にいる男が指示すると、俺の周りを兵士に囲まれてしまった。
「何をする気だ!俺はマリアンヌの父親だぞ!」
と叫んだのも虚しく、呆気なく兵士に捕まってしまった。
しかも俺を掴む力も強いし、振りほどけないじゃないか!
俺を誰だと思っているんだ!
こんな乱暴な扱いをしていいと思っているのか!
そう思った俺は
「クソ!こんな扱いをしていいと思っているのか!」
と叫ぶと、特に気にする様子もなく
「あ、帰りの馬車の支払いはあっちの国王達に請求しておくから」
なんだと!?
陛下にバレたらただでは済まない!
俺がそう思っている間にも、男は近くにいたメイドに何か指示をしているのが見えた。
それを見た俺は咄嗟に
「おいっ!ちょっと待て!マリアンヌ!お前からも何か言ってやれ!」
と叫んだのは良いが、マリアンヌは育ててやった恩を忘れたのか
「さようなら。ちゃんと国に帰してもらえるだけありがたいと思った方が良いですわよ?」
俺を虫けらを見つめるような目で見ながらそう言ってきやがった。
そのまま俺は気絶させられて気がついたときにはもう馬車の上だった。
「クソ!舐めやがって.....っ!」
あぁ!本当に腹が立つ!
マリアンヌもあの女に似て生意気な奴だ!
だからあんなやつの子供なんかいらなかったんだ!
誰があんなに大きくなるまで育ててやったと思っているんだ!
クソ!こうなったらもう一度マリアンヌのところに行って説教してやらんとな。
そう思った俺は、馬車を動かしている男に
「おい!馬車を止めろ!」
と言った。
だが、いつまでたっても馬車は止まる気配もなく、返事も何もない。
「聞こえないのか!?馬車を止めろと言っているんだ!」
俺がそう言うとやっと返ってきた答えが
「なぜですか?私は送り届けるようにしか命令されていません」
という素っ気ないものだった。
こいつはあの国の奴か。
なら戻る、なんて言ったら無理やりでも送り届けるだろうな。
瞬時にそう判断した俺は
「よ、用を足したい!ここでされるのも嫌だろう!?」
そうだ、こんなところで用を足されるなんて嫌に決まっている!
我ながら良いことを言ったじゃないか。
なんて思ったのも一瞬で、
「私はそちらに乗らないので構いませんよ。ただ、請求する金額が上がるだけなので」
男はそう言うと、本当に一回も止まることなく長い長い道のりを走り続けた。
屋敷に到着すると、すぐに男は俺を放り出して来た道を戻っていった。
俺は、というと、帰ってくる道のりで風呂もトイレも行けなかったから自分でもわかるくらい異臭を放っている。
クソ!こんな屈辱的なことは初めてだ!
誰にも見られないように屋敷に入らないと........。
そう思っていると帰ってきたのに気付いたのか、俺が隣国に行くときに止めてきた執事が駆け寄ってきた。
「旦那様っ!うっ!本当に行ってしまったんですか.....」
俺の酷い有様を見るなり顔を歪めたが、すぐに状況を察知して絶望的な顔に変わった。
今はそんな些細なことすら腹立たしく思ってしまう。
「うるさい!着替える!さっさと用意しろ!」
そう言って自分の屋敷の中に入ろうとするが、執事は大きなため息をついてその場から動かなかった。
なんだ、こいつ。
今ため息をつきやがったのか?
自分の主の目の前で?
そう考えると自分が汚いことも忘れて
「なんだその態度は!」
と詰め寄ると執事は
「もう付き合っていられません。今日で辞めさせてもらいます」
そう言って、今まで履いていた手袋を地面に落とし、辞表と書かれた紙を渡してきた。
あまりにも急な出来事に
「な、何を言っているんだ!?」
と戸惑っていると
「ちなみに、旦那様がいない間に他の人は皆辞めていきましたよ。旦那様が心を入れ替えて帰ってきたなら私は残るつもりでしたが、無駄でしたね」
はぁ!?
ということは、俺は今1人、ということか?
呆然としたまま立ち尽くしている俺に
「では...退職金はいりませんよ。そんなお金もないでしょうしね」
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「お、おい!ちょっと待て!」
と引き留めようとしたが、執事は振り返ることはなかった。
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