(完結)モブ令嬢の婚約破棄

あかる

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入学式と、昔馴染み

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    私は生徒会のメンバーに選ばれたので、新入生を案内しています。…のはいいのですけれど、こちらをガン見している新入生がいますわ…金の髪とエメラルドのような澄んだ緑の瞳。

「ルミーナ    エマニエル?」
「何ですか、藪から棒に。確かに私はルミーナですわ…そういう貴方は、ユアン    アトレイア様ですか?」
「!そう。俺…ずっと謝りたかったんだ。あの時、まさか泣くなんて思わなくてさ!そのうちルミーナはロロイと婚約しちゃうしさ。あ、でも今は微妙な立場だって聞いた。正直、どうなるの?」

    子供の頃からのお喋りは変わらないわね。そして、いくら親戚とはいえ、礼儀は守って頂かないと。
「アトレイア様?取り敢えず個人的なお話はそれ位にして下さいませ。もうみなさん、お集まりですわ」

「うわ。まずい。じゃあ後で!ルミーナ!」

    全く、いつまでも子供みたいに。…でもあのいたずらっ子のような笑顔、懐かしいですわ。

「ちょっとあんた、さっきの方は?」
「!マリアナ様…どうして」
    生徒会のメンバーでない皆様には、授業がありますわ。
「いいから、どういう関係?」
「ユアン様は、アトレイア公爵家のご長男ですわ。私とは遠い親戚ですの…それが何か?」

「彼こそ私が探していた隠しキャラよ!私のものになるんだから、余計な事しないでよね!」
「…はあ」

    相変わらず訳の分からない事を。ロゼリア様達にもご相談してみましょうかしら?実はあれから結構仲良くなりましたのよ。
    リーファ様とは勿論親友の間柄ですけれど、ロゼリア様とエミーナ様も、卒業してからも一緒にスイーツを食べに行ったり、お茶をご一緒したり。

    それぞれの婚約者が隔離されている時ですけれど、今後についての話も出てきます。
    一番の問題は、魅了されていたとして、その行動を許せるのか。操られていたのだから、その間の行動責任を問えるのか。
    特にロゼリア様は王子妃教育も終了していて、相手が王族だから、望んだ通りにはならないでしょう。

    エミーナ様は、再び婚約をする事は絶対に嫌だと言ってましたわ。おかしくなる前のレイン様は、とにかく自分が上でないと気が済まない方で、エミーナ様の点数が上だと、文句を言われるような方だったようで、ずっと我慢していたようです。

    リーファ様が一番心配ですわ。アレス様の事を本当に愛していて、婚約破棄されてから、学園にも来ていませんでした。

    私が何とか説得して、皆様達とのお茶会に参加して頂く事は出来たのですが、酷く気落ちして、休んでいた間は体調も崩されていたとか。

    新学期からは頑張って通学してますけれど、平気なふりをしていても、ため息が目立つのです。

    私は…完全に平気とは言えませんが、生徒会のメンバーに選ばれた事もありますし、わりと平気でしょうか?
    元々、気持ちの切り替えも早い方で、心から愛していたかと問われれば、首を傾げる位の気持ちでしたので。

    私、冷たいでしょうか?

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