裏の林にダンジョンが出来ました。~異世界からの転生幼女、もふもふペットと共に~

あかる

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ぼたん鍋

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    タマが強くなって、7階層への期待が湧いた。ウルフ相手には、ポチとピヨちゃんで対処出来るし、私もレベルが上がって魔力量も増えたと思う。
    魔法として放つ方が魔力量が上がりやすい気がする。気のせいかもしれないけどね。
    だから、ダンジョンを出る最後には思い切り魔法を使う。

    ダンジョンで戦うようになってから、ピヨちゃんの産む卵が美味しくなった。
    むかごとか食べてるし、体内で何か変化が起こっているのかも?

    それに、5階層で手に入る鶏肉もピヨちゃんは食べてるし…共食い?いや…ピヨちゃんは少なくともまだ魔物じゃない。普通?の白色レグホンだ。

    冒険者の書には、ペットが進化した話なんて、当然載っていない。進化して、お互いに信頼関係を築き上げていても、周囲からは魔物化した動物にしか見えないからだ。

    タマも気をつけよう。まあ、魔物というよりは妖怪だけど。

    変化といえばおじいちゃんだ。元は筋肉なんてなかったのに、結構ムキムキになったし、おばあちゃんは腰がピンと伸びた。
    みんなダンジョンのお陰だって言ってるけど、子供の私には恩恵がない…そうでもないかな?
    前世を思い出せた。強くなったし、タマ達とも凄く仲良くなれた。


    ちょっとだけ8階層を覗いてみた。フォレストボア…猪だ。
    ちょっと覗くだけで、戦うつもりなんてなかったのに、ピヨちゃんが降りてしまった!
    フォレストボアは突進してくる。私も降りて、物理障壁を…違う。これは魔法も避けられる結界魔法だ。

    強い力で突進されても、結界にはひびも入らない。
    物理障壁と魔法障壁を使いこなせて、その2つを完璧に使いこなせて初めて扱えるのが結界だ。
    前の私ならともかく、今の私は…どうして扱えるのかは分からないけど、助かった。

(ちゃんと気をつけて?突進されたら怪我じゃ済まない。死んじゃうからね!)
「ココー?」
「ああもう!とにかく階段上がって!」

    結界に当たってクラクラしてる猪に、タマが華麗にとどめを差す。

    進むとしたら、この方法もいいかな?
    魔力を込めた杖で叩くのも効果的だ。簡単に肉になる。
    肉か魔石。猪の毛皮はごわごわしてそうだしね。

    魔石は今までで一番純度が高く、買い取り価格も期待出来そう。

    家族に猪肉を渡したら、驚きつつも感謝された。
    うちの家族のメインは5階層で、たまに6階層に行く程度だ。
「ちょっとだけ覗いたつもりだったのに、ピヨちゃんが降りちゃったから」
「美優には魔法もあるけど、本当に気をつけてね?」
「分かってる」
    冒険者は自己責任だ。

    多少の臭みはあるけど、猪鍋は凄く美味しかった。何より味噌味がご飯に合う!

    短い冬休みも終わり、また幼稚園が始まった。

    寒いので外遊びする子はいないかと思うと、そうでもない。
    今日はかくれんぼだ。実は美優はかくれんぼが得意。園庭限定でも、思わぬ所に隠れられる。

    まあ、それで誰も見つけてくれなくて、自分から出て行った事もしばしばあるけど。
    家でなんてやったら半日位は隠れていられる。

    喜ぶべき事なのか、存在感がない事を嘆くべきなのか、微妙な所ではある。

    体も冷えたし、中で遊びたい。
    でも、時間的にもそんなには遊べない。午後は短いから、すぐにお帰りの時間が来てしまう。
「美優ちやんは、時計が読めるの?」
「長い針が6の所に来たら、バスに乗るんだよね」

    本当は普通に読めるけどね。キャラクターの時計も持っているし、不便だから覚えた。
    先生が、バスに乗る子を集め始めた。

    園児の数は少なくても、町の面積は広い。殆どの子は保育所に通っているそうだ。
    美優の家は祖父母がいるので、保育所は難しかった。農家の仕事はあるけど、ずっとじゃないからね。

    ダンジョンが現れた今は、それが逆に有難い。
    記憶を取り戻した今は、大人に見ててもらう必要もない。

    バスから降りると、いつも元気なポチがいつものようにじゃれついてくる。
    タマは寒くなって特に、部屋にこもってばかりだ。

    それでもダンジョンは誘えばついて来てくれる。
 
    いつものように4人でダンジョンに入ろうとしたら、翔真兄ちゃんと、薙刀の子が来た。
「ダンジョン遊びも大概にしておけよ」
「大丈夫だもん。兄ちゃんは今日は早いね」
「テスト期間だからな」
    それって勉強しなくてもいいのだろうか?

    そして普通に降りていく。

    いいもん。私も1人じゃないから!
(なあに、あれ。美優もイライラしないで、あたしがいるじゃない!)
    ポチも存在を主張するように吠えて、足にまとわりつく。ピヨちゃんだけが、通常運転だ。

    いつものように、7階層に行くけど、昨日のぼたん鍋を思い出してしまった。
    ダンジョンで採れる肉は熟成が要らない。何故か食べ頃状態でドロップするのだ。

    そうして、血抜きも要らないから、すぐに調理出来る。
「ちょっとだけ下に降りない?」
(いいけど、美優は昨日の魔法の壁みたいの作ってちゃんと身を護るのよ!)

    タマはすっかりお姉さん…というか、お母さん気取りだ。
    結界を展開しつつ、中から魔法を放ってみる…うん。出来る。

(今日はちゃんとあたし達にもその肉、渡しなさいよ!夕べ、美味しそうに食べてて羨ましかったんだから!)
(あ…ごめん。今日はちゃんとお母さんに言うよ)

    今日もぼたん鍋だ!楽しみ!


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