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熊
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魔物が出たらしい。本来なら食事が要らないダンジョン産の魔物も、外に出て生命エネルギーを取り込むことで、本来の生き方を思い出す。
この世界には魔素がないので、これ以上増える事はないだろうけど、町内に住む者達にとっては大問題だ。
私の魔力捜索範囲なんて、せいぜいが半径1キロ程度。だけど頑張った。でも山はあるし、道はないしでどうしても範囲は狭くなる。
遂に、犠牲者が出た。山菜採りに行ってた人で、腕1本が犠牲になった。
厳密に言えば魔物ではなかった。だけど人の血を覚えてしまったその熊は退治するしかなくて、魔力を込めた杖で叩くと、頭が吹き飛んだ。
今まで散々魔物を蹴散らしてきたのに。記憶の中では外の魔物を屠るなんて、日常茶飯事だった。
生きていた動物を殺してしまった…
だから何?盗賊を魔法で倒した事だってあったのに?
スタンピードでダンジョンから出てきた魔物だって倒した、その時は平気だったのに。
「ダンジョンの魔物はドロップアイテムになって消えてしまうからな」
「冒険者、止めてもいいのよ?」
「儂の孫は立派な事をしたんじゃ。町内の平和を守ったんじゃ」
「美優は立派な稼ぎ頭だから、違う形でダンジョンに関わればいい」
「たかが熊じゃん?」
そう。人を殺した訳じゃない。
それでもショックだった。
鉄砲を持った人達だって、山に入っていたんだから、任せれば良かった。
普段は布団になんて入ってこないタマが、寒くもないのに布団に入ってきてくれた。
柔らかい毛並みの下には、筋肉質な体。普通の家猫はぽちゃぽちゃなのに。
(しばらくダンジョンから離れてみたら?)
(ピヨちゃんは、むかごを集めたらいいと思うの)
(ボクも美優の側にいるよ!)
優しいな…うちのもふもふ達は最高だ。
コロン。とむかごが転がる。大丈夫。まだ私は戦える!
こんな風にむかご集めをするのも久しぶりだ。ダンジョンでゆっくりするなんて、あんまりないから。
しばらくただぼんやりしてたけど、スキル訓練も始めた。
「美優ちゃん…少しは元気出た?」
「まあね…ご町内の平和は私が守るんだから!」
「町内って…狭っ!」
「いいじゃん?有名パーティーに入って第一線で活躍する気もないし。手の届く範囲で充分だよ」
「なら、ボス戦やらないか?」
「まだ魔鉄足らないの?」
「そ、それは…母さんに、魔鉄をショップにも卸してくれって」
それはそうだ。只の鉄よりも魔鉄にするだけで性能も段違い。お値段も段違いだけど、魔物素材の武器は加工出来る人が極端に少ないから、まだ鍛冶初心者の海人君に独占させる訳にはいかない。
10階層のボスなら、もう秒で倒せる。
「おい…僕も経験値欲しいんだけど!」
「あー…大丈夫だよ。経験値は5等分されるはずだから」
「なら、15階層に付き合ってくれよ」
「あれ?14階層には行けたの?」
「一応。でも、僕もマジックベリーとか取りたいし、蟻は飽きた」
蟻は却って海人君にとっては戦いやすいかもしれない。でも、次は15階層だ。特に椎茸は相性が悪そうだ。
「でも…牛は充分に戦えたんだよね?なら、大丈夫かな?」
「牛か…たまに出るチーズに火をかけて、トロッとかけて食べると最高だよな!」
「!そっか…その手もあったか」
早速今夜にでもやってみようかな?また最近お父さんのお腹が出てきたから、カロリーオーバーになりそうだけど。
火を避け、吹いた直後を狙って攻撃を仕掛けている。
私の戦い方とはやっぱり違うな。私は魔法防御で弾けるし。
「やった!チーズ!」
「…はいはい。いいから14階層突破を手伝ってくれよ」
ちゃんとやるってば。
海人君が蟻は飽きたって理由は、一撃で倒すのか困難だからだ。剛力に魔力もそれなりに使うし、海人君は回復が遅い。
「このまま15階層に進んでも大丈夫?シイタケはそれなりに体力あるよ?」
「だって15階層にはマジックベリーが生えてるんだろう?だから行けると思う」
ああ。確かに。あの階層は美味しい。
「もっと余裕を見て進んだ方がいいと思うけど?」
「しばらくは15階層にいる予定だし」
仕方ないな…。
15階層に行き、しばらく海人君の戦いを見守る。
「剛力に頼ってしかシイタケを倒せないのは、問題あると思うよ?」
「…くっ」
「ダンジョンに入る時は、ポチかタマにお願いしてね?」
「分かったよ…ちゃんと強くならないと、ワーウルフには敵わないだろうし」
「そういう事。2人共、お願いね?」
(あたし達にお願いするなら、せめて言葉が通じる努力位しなさいよ)
「念話、覚えてって」
「マジか…まあ、当然だよな。意志疎通は出来た方が便利だし」
カイは結構口だけの所があったけど、今回は頑張ってくれるかな?
この世界には魔素がないので、これ以上増える事はないだろうけど、町内に住む者達にとっては大問題だ。
私の魔力捜索範囲なんて、せいぜいが半径1キロ程度。だけど頑張った。でも山はあるし、道はないしでどうしても範囲は狭くなる。
遂に、犠牲者が出た。山菜採りに行ってた人で、腕1本が犠牲になった。
厳密に言えば魔物ではなかった。だけど人の血を覚えてしまったその熊は退治するしかなくて、魔力を込めた杖で叩くと、頭が吹き飛んだ。
今まで散々魔物を蹴散らしてきたのに。記憶の中では外の魔物を屠るなんて、日常茶飯事だった。
生きていた動物を殺してしまった…
だから何?盗賊を魔法で倒した事だってあったのに?
スタンピードでダンジョンから出てきた魔物だって倒した、その時は平気だったのに。
「ダンジョンの魔物はドロップアイテムになって消えてしまうからな」
「冒険者、止めてもいいのよ?」
「儂の孫は立派な事をしたんじゃ。町内の平和を守ったんじゃ」
「美優は立派な稼ぎ頭だから、違う形でダンジョンに関わればいい」
「たかが熊じゃん?」
そう。人を殺した訳じゃない。
それでもショックだった。
鉄砲を持った人達だって、山に入っていたんだから、任せれば良かった。
普段は布団になんて入ってこないタマが、寒くもないのに布団に入ってきてくれた。
柔らかい毛並みの下には、筋肉質な体。普通の家猫はぽちゃぽちゃなのに。
(しばらくダンジョンから離れてみたら?)
(ピヨちゃんは、むかごを集めたらいいと思うの)
(ボクも美優の側にいるよ!)
優しいな…うちのもふもふ達は最高だ。
コロン。とむかごが転がる。大丈夫。まだ私は戦える!
こんな風にむかご集めをするのも久しぶりだ。ダンジョンでゆっくりするなんて、あんまりないから。
しばらくただぼんやりしてたけど、スキル訓練も始めた。
「美優ちゃん…少しは元気出た?」
「まあね…ご町内の平和は私が守るんだから!」
「町内って…狭っ!」
「いいじゃん?有名パーティーに入って第一線で活躍する気もないし。手の届く範囲で充分だよ」
「なら、ボス戦やらないか?」
「まだ魔鉄足らないの?」
「そ、それは…母さんに、魔鉄をショップにも卸してくれって」
それはそうだ。只の鉄よりも魔鉄にするだけで性能も段違い。お値段も段違いだけど、魔物素材の武器は加工出来る人が極端に少ないから、まだ鍛冶初心者の海人君に独占させる訳にはいかない。
10階層のボスなら、もう秒で倒せる。
「おい…僕も経験値欲しいんだけど!」
「あー…大丈夫だよ。経験値は5等分されるはずだから」
「なら、15階層に付き合ってくれよ」
「あれ?14階層には行けたの?」
「一応。でも、僕もマジックベリーとか取りたいし、蟻は飽きた」
蟻は却って海人君にとっては戦いやすいかもしれない。でも、次は15階層だ。特に椎茸は相性が悪そうだ。
「でも…牛は充分に戦えたんだよね?なら、大丈夫かな?」
「牛か…たまに出るチーズに火をかけて、トロッとかけて食べると最高だよな!」
「!そっか…その手もあったか」
早速今夜にでもやってみようかな?また最近お父さんのお腹が出てきたから、カロリーオーバーになりそうだけど。
火を避け、吹いた直後を狙って攻撃を仕掛けている。
私の戦い方とはやっぱり違うな。私は魔法防御で弾けるし。
「やった!チーズ!」
「…はいはい。いいから14階層突破を手伝ってくれよ」
ちゃんとやるってば。
海人君が蟻は飽きたって理由は、一撃で倒すのか困難だからだ。剛力に魔力もそれなりに使うし、海人君は回復が遅い。
「このまま15階層に進んでも大丈夫?シイタケはそれなりに体力あるよ?」
「だって15階層にはマジックベリーが生えてるんだろう?だから行けると思う」
ああ。確かに。あの階層は美味しい。
「もっと余裕を見て進んだ方がいいと思うけど?」
「しばらくは15階層にいる予定だし」
仕方ないな…。
15階層に行き、しばらく海人君の戦いを見守る。
「剛力に頼ってしかシイタケを倒せないのは、問題あると思うよ?」
「…くっ」
「ダンジョンに入る時は、ポチかタマにお願いしてね?」
「分かったよ…ちゃんと強くならないと、ワーウルフには敵わないだろうし」
「そういう事。2人共、お願いね?」
(あたし達にお願いするなら、せめて言葉が通じる努力位しなさいよ)
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