119 / 168
第114話・不安の先にある、あなたの手
しおりを挟む
予約時間の少し前に、ふたりは産婦人科に到着した。
受付で名前を告げると、すぐに案内があり、待合室の一角で呼ばれるのを待つことに。
澪は緊張した面持ちで椅子に座り、崇雅はその手をそっと握って寄り添った。
「……俺も、一緒に診察室に入る」
澪は少し驚いた顔をしたが、すぐに「ありがとうございます」と小さく返した。
やがて名前が呼ばれ、ふたりは並んで診察室へと入る。
中には穏やかな雰囲気の女性医師が座っており、軽く会釈をすると、柔らかな声が迎えてくれた。
「こんにちは。おふたりでの来院ですね。今日はどういったご相談でしょうか?」
崇雅が、少しだけ緊張を滲ませながら口を開いた。
「昨夜……避妊に失敗してしまって。事情があって、アフターピルの処方をお願いできればと思っています。体調面の不安もあるので、診ていただけると助かります」
医師は頷きながら、カルテにメモを取りつつ、澪の方を見た。
「避妊の失敗は、昨日の夜ですね?」
「……はい」
「持病や常用薬、アレルギーなどはありますか?」
「特には、ありません」
「今現在、発熱や強い頭痛、吐き気などの症状は?」
「少し疲れてはいますが、それ以外は……大丈夫です」
医師は丁寧に問診を続け、身体に過度な負担がかかっていないかを確認し終えると、やがて優しい表情のまま説明を始めた。
「緊急避妊薬は、服用のタイミングが早ければ早いほど効果が高いです。今の時点であれば、問題なく処方可能です」
澪が小さく頷く。
「ただ、副作用として一時的な吐き気や頭痛、眠気、生理周期の乱れなどが起こることがあります。場合によっては、不正出血があることも。何か、体調の変化があればすぐに連絡してくださいね」
崇雅がすぐに口を挟んだ。
「もし何かあったときは、こちらに連絡すれば?」
「はい。電話でも大丈夫ですし、診療時間内であれば直接来ていただいても構いません」
医師はカルテに記入しながら、優しく言葉を添えた。
「では、緊急避妊薬の処方を出しておきますね。受付で処方箋を受け取ってください。お薬は、すぐ隣の薬局で受け取れます」
「……ありがとうございます」
ふたりは深く礼をして診察室をあとにし、待合室へと戻った。
名前を呼ばれ窓口へ。
処方箋が手渡され、澪は小さく会釈し、崇雅と並んでクリニックをあとにする。
外に出た瞬間、澪は静かに息をついた。
緊張の糸が、少しだけ緩んだようだった。
崇雅はそんな彼女の背をそっと支えながら、薬局へと向かった。
クリニックに隣接する薬局で、処方箋を渡し、薬剤師から服用方法や副作用についての説明を改めて受けた後、ふたりは静かに車に戻り、自宅へと帰った。
帰宅後——。
「水、持ってくる」
崇雅はすぐにキッチンへ向かい、常温のミネラルウォーターをコップに注いで戻ってきた。
澪はソファに腰掛けたまま、手元の小さな薬包を見つめていた。
「……飲みます」
「ああ。……俺はすぐ横にいる。無理はしなくていい」
差し出されたコップを受け取る澪の手が、かすかに震えているのを崇雅は見逃さなかった。
ゆっくりと深呼吸をひとつ置いてから、澪は薬を口に含み、水で流し込む。
飲み終えたあと、目を閉じて静かに息を吐いた。
コップを受け取る手が、ほんの少しだけ震えているのを崇雅は見逃さなかった。
「……大丈夫か?」
崇雅の問いに、澪は小さく頷いた。
けれどそのまま、視線を伏せて沈黙したまま。
その沈黙の奥にある感情は、言葉にせずとも崇雅に伝わっていた。
崇雅はそっと隣に腰を下ろし、澪の手を包むように握る。
「……副作用が出たら、すぐに教えてくれ。何があっても、俺が全部対応する」
「……はい、ありがとうございます」
言葉は短かったけれど、そこに込められた気遣いは痛いほど伝わっていた。
薬を服用してからしばらく、ふたりは言葉を交わさぬまま、静かに時間を過ごした。
崇雅は澪のすぐ隣に腰を下ろし、時折そっと彼女の表情をうかがいながら、何も言わずに寄り添っていた。
やがて30分ほどが経った頃、崇雅は静かに声をかけた。
「……澪、少しベッドで横になろう。今日は、身体を休めるのがいちばんだ」
立ち上がろうとしたその瞬間、澪は首を振った。
「……まだ、ここにいたいです」
その声はかすれていたけれど、はっきりとした意思がこもっていた。
「……崇雅さんの、そばにいたいです」
崇雅は、驚いたように彼女を見た。
普段なら無理をさせたくない一心で、すぐに抱き上げてでもベッドに運んだかもしれない。
けれど、今の澪の瞳は少し揺れていて。
言葉にしない不安を、精一杯押し込めているのがわかった。
「……副作用、出てきた?」
「ううん。まだ大丈夫です。でも……」
澪は少しだけ視線を落とす。
「……もしかしたら、妊娠してるかもしれない。
もしかしたら、副作用が出るかもしれないって。……考えたら、なんだか怖くなって」
言葉にしたとたん、澪の肩がふっと小さく震えた。
崇雅は何も言わずに彼女を抱き寄せ、ぎゅっと胸元に抱きしめる。
「……ごめん」
心からの、たったひと言だった。
彼女の身体にどれだけの不安と負担をかけているか。
分かっていたのに、あの夜、感情に任せてしまった。
澪は何も責めていない。
それでも、全てを澪に背負わせていることに、崇雅は堪え難い痛みを感じていた。
「……俺がちゃんとコントロールすべきだった。
なのに、自分の気持ちばかり優先して……澪に、全部押しつけた」
「……そんなふうに思ってないですよ。私も、受け入れましたから」
そう言いつつも、彼女の声はかすかに弱い。
「……でも、ちょっとだけ……不安で。
だから今は、崇雅さんのそばが、いちばん落ち着きます」
「……ずっと傍にいる。澪が安心できるまで、どこにも行かない」
崇雅はそう言って、そっと澪の髪を撫でる。
その指先は、どこまでも優しく、深い愛情を含んでいた。
少しの間、崇雅の胸に身を預けていた澪は、やがて顔を上げた。
「……ねえ、崇雅さん」
「ん?」
「……膝、貸してもらってもいいですか?」
意外そうな顔をした崇雅だったが、すぐに柔らかな笑みを浮かべて応じる。
「もちろん」
ソファに深く座り直し、膝の上をそっと示すと、澪はそこに頭を預けた。
柔らかい感触と、彼の体温。
そのどちらもが、今の澪にとって安心できる拠り所だった。
「……大丈夫か?」
「はい。すごく落ち着きます……」
小さく返したその声に、崇雅は何も言わず、優しく髪を撫で続ける。
絡まないように、子どもをあやすように――そっと、静かに。
「……澪が安心できるなら、何時間でもこうしてる」
その言葉に、澪は目を閉じたまま、ふっと微笑んだ。
しばらくして、崇雅は膝で眠りについた澪の顔を見つめながら、そっと息をついた。
(もっと、ちゃんとしないといけない)
どれだけ優しくしても、どれだけ尽くしても、
たった一度の過ちで、澪の心と身体に残るものは大きい。
――それでも。
今、彼女が自分の膝で静かに眠ってくれていることが、崇雅にとって何よりの救いだった。
彼は動かぬまま、そっとその髪を撫で続ける。
澪が目を覚ますそのときまで、ずっと、そばで。
受付で名前を告げると、すぐに案内があり、待合室の一角で呼ばれるのを待つことに。
澪は緊張した面持ちで椅子に座り、崇雅はその手をそっと握って寄り添った。
「……俺も、一緒に診察室に入る」
澪は少し驚いた顔をしたが、すぐに「ありがとうございます」と小さく返した。
やがて名前が呼ばれ、ふたりは並んで診察室へと入る。
中には穏やかな雰囲気の女性医師が座っており、軽く会釈をすると、柔らかな声が迎えてくれた。
「こんにちは。おふたりでの来院ですね。今日はどういったご相談でしょうか?」
崇雅が、少しだけ緊張を滲ませながら口を開いた。
「昨夜……避妊に失敗してしまって。事情があって、アフターピルの処方をお願いできればと思っています。体調面の不安もあるので、診ていただけると助かります」
医師は頷きながら、カルテにメモを取りつつ、澪の方を見た。
「避妊の失敗は、昨日の夜ですね?」
「……はい」
「持病や常用薬、アレルギーなどはありますか?」
「特には、ありません」
「今現在、発熱や強い頭痛、吐き気などの症状は?」
「少し疲れてはいますが、それ以外は……大丈夫です」
医師は丁寧に問診を続け、身体に過度な負担がかかっていないかを確認し終えると、やがて優しい表情のまま説明を始めた。
「緊急避妊薬は、服用のタイミングが早ければ早いほど効果が高いです。今の時点であれば、問題なく処方可能です」
澪が小さく頷く。
「ただ、副作用として一時的な吐き気や頭痛、眠気、生理周期の乱れなどが起こることがあります。場合によっては、不正出血があることも。何か、体調の変化があればすぐに連絡してくださいね」
崇雅がすぐに口を挟んだ。
「もし何かあったときは、こちらに連絡すれば?」
「はい。電話でも大丈夫ですし、診療時間内であれば直接来ていただいても構いません」
医師はカルテに記入しながら、優しく言葉を添えた。
「では、緊急避妊薬の処方を出しておきますね。受付で処方箋を受け取ってください。お薬は、すぐ隣の薬局で受け取れます」
「……ありがとうございます」
ふたりは深く礼をして診察室をあとにし、待合室へと戻った。
名前を呼ばれ窓口へ。
処方箋が手渡され、澪は小さく会釈し、崇雅と並んでクリニックをあとにする。
外に出た瞬間、澪は静かに息をついた。
緊張の糸が、少しだけ緩んだようだった。
崇雅はそんな彼女の背をそっと支えながら、薬局へと向かった。
クリニックに隣接する薬局で、処方箋を渡し、薬剤師から服用方法や副作用についての説明を改めて受けた後、ふたりは静かに車に戻り、自宅へと帰った。
帰宅後——。
「水、持ってくる」
崇雅はすぐにキッチンへ向かい、常温のミネラルウォーターをコップに注いで戻ってきた。
澪はソファに腰掛けたまま、手元の小さな薬包を見つめていた。
「……飲みます」
「ああ。……俺はすぐ横にいる。無理はしなくていい」
差し出されたコップを受け取る澪の手が、かすかに震えているのを崇雅は見逃さなかった。
ゆっくりと深呼吸をひとつ置いてから、澪は薬を口に含み、水で流し込む。
飲み終えたあと、目を閉じて静かに息を吐いた。
コップを受け取る手が、ほんの少しだけ震えているのを崇雅は見逃さなかった。
「……大丈夫か?」
崇雅の問いに、澪は小さく頷いた。
けれどそのまま、視線を伏せて沈黙したまま。
その沈黙の奥にある感情は、言葉にせずとも崇雅に伝わっていた。
崇雅はそっと隣に腰を下ろし、澪の手を包むように握る。
「……副作用が出たら、すぐに教えてくれ。何があっても、俺が全部対応する」
「……はい、ありがとうございます」
言葉は短かったけれど、そこに込められた気遣いは痛いほど伝わっていた。
薬を服用してからしばらく、ふたりは言葉を交わさぬまま、静かに時間を過ごした。
崇雅は澪のすぐ隣に腰を下ろし、時折そっと彼女の表情をうかがいながら、何も言わずに寄り添っていた。
やがて30分ほどが経った頃、崇雅は静かに声をかけた。
「……澪、少しベッドで横になろう。今日は、身体を休めるのがいちばんだ」
立ち上がろうとしたその瞬間、澪は首を振った。
「……まだ、ここにいたいです」
その声はかすれていたけれど、はっきりとした意思がこもっていた。
「……崇雅さんの、そばにいたいです」
崇雅は、驚いたように彼女を見た。
普段なら無理をさせたくない一心で、すぐに抱き上げてでもベッドに運んだかもしれない。
けれど、今の澪の瞳は少し揺れていて。
言葉にしない不安を、精一杯押し込めているのがわかった。
「……副作用、出てきた?」
「ううん。まだ大丈夫です。でも……」
澪は少しだけ視線を落とす。
「……もしかしたら、妊娠してるかもしれない。
もしかしたら、副作用が出るかもしれないって。……考えたら、なんだか怖くなって」
言葉にしたとたん、澪の肩がふっと小さく震えた。
崇雅は何も言わずに彼女を抱き寄せ、ぎゅっと胸元に抱きしめる。
「……ごめん」
心からの、たったひと言だった。
彼女の身体にどれだけの不安と負担をかけているか。
分かっていたのに、あの夜、感情に任せてしまった。
澪は何も責めていない。
それでも、全てを澪に背負わせていることに、崇雅は堪え難い痛みを感じていた。
「……俺がちゃんとコントロールすべきだった。
なのに、自分の気持ちばかり優先して……澪に、全部押しつけた」
「……そんなふうに思ってないですよ。私も、受け入れましたから」
そう言いつつも、彼女の声はかすかに弱い。
「……でも、ちょっとだけ……不安で。
だから今は、崇雅さんのそばが、いちばん落ち着きます」
「……ずっと傍にいる。澪が安心できるまで、どこにも行かない」
崇雅はそう言って、そっと澪の髪を撫でる。
その指先は、どこまでも優しく、深い愛情を含んでいた。
少しの間、崇雅の胸に身を預けていた澪は、やがて顔を上げた。
「……ねえ、崇雅さん」
「ん?」
「……膝、貸してもらってもいいですか?」
意外そうな顔をした崇雅だったが、すぐに柔らかな笑みを浮かべて応じる。
「もちろん」
ソファに深く座り直し、膝の上をそっと示すと、澪はそこに頭を預けた。
柔らかい感触と、彼の体温。
そのどちらもが、今の澪にとって安心できる拠り所だった。
「……大丈夫か?」
「はい。すごく落ち着きます……」
小さく返したその声に、崇雅は何も言わず、優しく髪を撫で続ける。
絡まないように、子どもをあやすように――そっと、静かに。
「……澪が安心できるなら、何時間でもこうしてる」
その言葉に、澪は目を閉じたまま、ふっと微笑んだ。
しばらくして、崇雅は膝で眠りについた澪の顔を見つめながら、そっと息をついた。
(もっと、ちゃんとしないといけない)
どれだけ優しくしても、どれだけ尽くしても、
たった一度の過ちで、澪の心と身体に残るものは大きい。
――それでも。
今、彼女が自分の膝で静かに眠ってくれていることが、崇雅にとって何よりの救いだった。
彼は動かぬまま、そっとその髪を撫で続ける。
澪が目を覚ますそのときまで、ずっと、そばで。
118
あなたにおすすめの小説
『冷徹社長の秘書をしていたら、いつの間にか専属の妻に選ばれました』
鍛高譚
恋愛
秘書課に異動してきた相沢結衣は、
仕事一筋で冷徹と噂される社長・西園寺蓮の専属秘書を務めることになる。
厳しい指示、膨大な業務、容赦のない会議――
最初はただ必死に食らいつくだけの日々だった。
だが、誰よりも真剣に仕事と向き合う蓮の姿に触れるうち、
結衣は秘書としての誇りを胸に、確かな成長を遂げていく。
そして、蓮もまた陰で彼女を支える姿勢と誠実な仕事ぶりに心を動かされ、
次第に結衣は“ただの秘書”ではなく、唯一無二の存在になっていく。
同期の嫉妬による妨害、ライバル会社の不正、社内の疑惑。
数々の試練が二人を襲うが――
蓮は揺るがない意志で結衣を守り抜き、
結衣もまた社長としてではなく、一人の男性として蓮を信じ続けた。
そしてある夜、蓮がようやく口にした言葉は、
秘書と社長の関係を静かに越えていく。
「これからの人生も、そばで支えてほしい。」
それは、彼が初めて見せた弱さであり、
結衣だけに向けた真剣な想いだった。
秘書として。
一人の女性として。
結衣は蓮の差し伸べた未来を、涙と共に受け取る――。
仕事も恋も全力で駆け抜ける、
“冷徹社長×秘書”のじれ甘オフィスラブストーリー、ここに完結。
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
【完結】あなた専属になります―借金OLは副社長の「専属」にされた―
七転び八起き
恋愛
『借金を返済する為に働いていたラウンジに現れたのは、勤務先の副社長だった。
彼から出された取引、それは『専属』になる事だった。』
実家の借金返済のため、昼は会社員、夜はラウンジ嬢として働く優美。
ある夜、一人でグラスを傾ける謎めいた男性客に指名される。
口数は少ないけれど、なぜか心に残る人だった。
「また来る」
そう言い残して去った彼。
しかし翌日、会社に現れたのは、なんと店に来た彼で、勤務先の副社長の河内だった。
「俺専属の嬢になって欲しい」
ラウンジで働いている事を秘密にする代わりに出された取引。
突然の取引提案に戸惑う優美。
しかし借金に追われる現状では、断る選択肢はなかった。
恋愛経験ゼロの優美と、完璧に見えて不器用な副社長。
立場も境遇も違う二人が紡ぐラブストーリー。
冷徹社長の「契約」シンデレラ~一夜の過ちから始まる溺愛ルート!? 嘘つきな私と不器用な御曹司のオフィスラブ~
藤森瑠璃香
恋愛
派遣社員の桜井美月は、ある夜、会社の懇親会で泥酔し、翌朝目覚めると隣には「氷の彫刻」と恐れられる若き社長・一条蓮がいた。まさかの一夜の過ち(実際には何もなかったが、美月は勘違い)に青ざめる美月に、蓮は「責任は取る。だがこれは恋愛ではない、契約だ」と、彼の抱えるある事情のため、期間限定で恋人のフリをするよう持ちかける。破格の報酬と蓮の真剣な様子に、美月は契約を受け入れる。
定時で帰りたい私と、残業常習犯の美形部長。秘密の夜食がきっかけで、胃袋も心も掴みました
藤森瑠璃香
恋愛
「お先に失礼しまーす!」がモットーの私、中堅社員の結城志穂。
そんな私の天敵は、仕事の鬼で社内では氷の王子と恐れられる完璧美男子・一条部長だ。
ある夜、忘れ物を取りに戻ったオフィスで、デスクで倒れるように眠る部長を発見してしまう。差し入れた温かいスープを、彼は疲れ切った顔で、でも少しだけ嬉しそうに飲んでくれた。
その日を境に、誰もいないオフィスでの「秘密の夜食」が始まった。
仕事では見せない、少しだけ抜けた素顔、美味しそうにご飯を食べる姿、ふとした時に見せる優しい笑顔。
会社での厳しい上司と、二人きりの時の可愛い人。そのギャップを知ってしまったら、もう、ただの上司だなんて思えない。
これは、美味しいご飯から始まる、少し大人で、甘くて温かいオフィスラブ。
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
会社のイケメン先輩がなぜか夜な夜な私のアパートにやって来る件について(※付き合っていません)
久留茶
恋愛
地味で陰キャでぽっちゃり体型の小森菜乃(24)は、会社の飲み会で女子一番人気のイケメン社員・五十嵐大和(26)を、ひょんなことから自分のアパートに泊めることに。
しかし五十嵐は表の顔とは別に、腹黒でひと癖もふた癖もある男だった。
「お前は俺の恋愛対象外。ヤル気も全く起きない安全地帯」
――酷い言葉に、菜乃は呆然。二度と関わるまいと決める。
なのに、それを境に彼は夜な夜な菜乃のもとへ現れるようになり……?
溺愛×性格に難ありの執着男子 × 冴えない自分から変身する健気ヒロイン。
王道と刺激が詰まったオフィスラブコメディ!
*全28話完結
*辛口で過激な発言あり。苦手な方はご注意ください。
*他誌にも掲載中です。
その卵焼き俺にも食わせろ!―ワンナイトラブから逃げたはずなのに、契約で縛られてました!?―
鷹槻れん
恋愛
新沼 晴永(にいぬま はるなが/36)は俺様上司として恐れられる鬼課長。
そんな彼に毎日のように振り回されるのが、犬猿の仲(だと彼女が勝手に思っている)部下の小笹 瑠璃香(こざさ るりか/28)だ。
飲み会の夜、酔ってふにゃふにゃになった瑠璃香を晴永がまんまと持ち帰り――翌朝待っていたのはワンナイトの証拠と契約結婚の書類!?
晴永には逃げようとする瑠璃香を逃がすつもりはないらしい!?
笑いと誤解と契約の、ドタバタラブコメディ!
○表紙絵は市瀬雪さんに依頼しました♥(作品シェア以外での無断転載など固くお断りします)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる