【完結】見えてますよ!

ユユ

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登校を再開するとよくわからない雰囲気の学園が待っていた。

聞こえるような悪口が無くなったな。

チラチラ見られるけど目が合うと逸されたり立ち去られたり。

朝礼開始まで10分というところでランドルフ様が訪ねてきた。

「ちょっと来てくれる」

「朝礼が始まりますわ」

「5分だけ」

教室を出て、少し歩いた廊下の端まで来ると

「昨日の手紙はどういうこと」

「何がでしょう」

「社交のことだ」

「事故を機に少し変わろうと思いましたの。
卒業まで真面目に勉強しようと思いまして。
過去の記録をみたら、社交が多いと感じました。
正直、記憶がないのにご一緒しても意味がないと思います」

「だったら私が教えればいいだろう」

「公爵令息様にはご自身の勉強がございます。

私は既に5人講師を雇いましたから」

「5人!?」

「はい。皆様は幼い頃から励んでおられるのに私はこれからです。ほぼ休み無しでやらないと卒業までに間に合いませんわ」

「間に合わないとは?」

「出来るだけ上位の卒業を目指そうと思います」

「休み無しって?」

「はい。平日の放課後1日だけ身体の休息日にしましたの。後はとにかく勉強の日々になりますわ」

「オヌール公爵夫人になるのにそんなに勉学は必要ない。社交の方が大事だ」

「でも、あのままでは私は殺されてしまいます。
学生になってから二度も命の危険があったようですね。凍死させられそうになったり、転落死させられそうになったり。

私が公爵令息様に相応しくないと思っているからではありませんか?」

「悪かったと思っている。私のせいだ。だが…」

「同じです」

「同じ?」

「公爵令息様も同じですわ。
二度も命の危険があったことについて“悪かった”の一言で済まされるのですから。皆様と同じように私のことを軽んじていらっしゃる。

納得しましたわ。日記を読んでみたら婚約してからずっと嫌がらせを受けていたようです。
婚約者が軽んじていたら、皆様も軽んじますわね」

「っ!!」

「先生がいらしたわ。失礼いたします」



スッキリした。
心臓バクバクだけど、あんな風にランドルフ様に言ったのは初めてだった。いつも逆らわなかったから驚いていたわね。

婚約解消に近付いてくれるといいのだけど。



お昼は家から持ってきた昼食を持って急いで教室を出た。

屋上について敷き布の上に座り食べ始めた。

金髪の令息が寝転がっていたが、無視した。
食べ終わってマリエッタ様から借りた1年生の時の過去問題を見ていた。

最後の問題が解けなくて困ったが、鐘の音に慌てて教室へ戻った。



すぐに帰れるよう最後の授業が始まる前に荷物を整理していたら過去問題が無いことに気がついた。

授業が終わり、慌てて屋上へ行くと扉の内側に立て掛けてあった。

誰かが拾ってくれたのね。

拾い上げ、馬車乗り場まで急ぐ。

「リリアーナ」

「公爵令息様、ごきげんよう。急ぎますので」

「リリアーナ!」



ランドルフ様を無視して家に着いた。
授業まで30分。着替えてお茶を飲んだ。
屋上に忘れた過去問題の続きをやろうとすると、あの時解けなかった問題が解いてあった。
分かりやすく解き方も書いてある。

誰が…。



次の日も、また次の日も屋上で昼食を食べ過去問題を解く。

金曜日はフランシス先生に髪を結ってもらい、マリエッタ様と3人で街へ繰り出す。
初回は人気のカフェに行った。

3人で味見し合った。フランシス先生と過ごすのはすごく楽しかった。


「よく見てて。このタルトはこうやって食べると、上品に見えるからね」

「食べやすいし綺麗に切れます!」

「かけ離れた食べ方をするのは駄目だけど、多少なら優雅に食べる方がいいからね」

「先生は指先の動きまで美しいです」

「ありがとう。そういう褒め言葉は嬉しいな」



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