30 / 30
閑話
リリアーナに打ち明けた秘密と別の色
しおりを挟む
【 国王 】
ギフトに関する契約をする時に、私は秘密を明かさなくてはならなかった。
エリアスが王家の秘密を話してしまったので使えない。
王妃に絶対にバレないようにお願いをした。
「政略結婚で、王妃ともうひとり候補が残っていた。どちらも決め難かった。
どうやって決めようか悩んでいたが、ある方法で決めた。
2本の木の枝を用意して令嬢のイニシャルを彫った。同時に投げて犬が拾ってきた方を娶った」
「…言ってはいけないやつです」
「知ってる」
【 王太子 】
私の秘密は濡れ衣をエリアスに着せたこと。
リリアーナとだけ契約を結んで秘密を話した。
私の秘密はそれしかなかったからだ。
「私はおねしょをした。まだ小さかったエリアスを部屋から連れてきて私のベッドに寝かせた。
私はソファで寝ていたフリを」
「おねしょ冤罪ですか」
「…二度」
「再犯ですか!」
「私なら怒られるがエリアスの幼さなら怒られない」
「ひどい」
「すまん」
本当の秘密は私もギフト持ちだということ。
落馬事故の後に見えるようになった。
他人の寿命。
自然死は金色、自殺は黒、他殺は赤。
リリアーナには感謝している。
エリアスは他殺のはずだったが、君と婚約してから金色の長い寿命に変わった。
妻も寿命が伸びた。
彼女は神が遣わされた者かもしれない。
ところで父上、エリアスに騙されていますよ。
3人の契約なのに父上は父上の秘密、リリアーナはギフト、エリアスは王子教育の内容。
エリアスの秘密は父上もご存じではありませんか?
【 リュカ 】
リリアーナのギフトの文字は赤と黒だけだと思っていたがもう一つあった。
それは罪人が公開処刑になった時のこと。
連続幼女強姦事件の犯人が侯爵家の次男だった。現行犯逮捕され、私室を調べると何かしらの戦利品が隠されていた。
「リュカ様……よく見ないと分からないのですが色が違います。名前が全部濃い紫です」
「濃い紫か」
「彼の犠牲者のリストを見せてください」
従者に持って来させたリストと名前を見比べる。
「リュカ様、これは問題です。
リストに載っている11人の中で当てはまる名前は1人しかいません」
「10人分は冤罪ということか」
「はい。この名前では。
その代わり別の名前が3人見えます。
もしかするとこの色は暴力によるもののようです」
「強姦を意味しているのか。余罪を書いてくれ。あと冤罪ではない名前に丸をつけて欲しい」
「残りの10人中は、彼ではなくてあそこに立っている貴族から見えます」
「特徴は」
「深緑に金の刺繍、体格が良く金髪の癖毛で頭頂部が寂しくなっておられる方です」
「…侯爵だ。死刑囚の父親だ。
共犯か、同じ趣向を持った息子に罪を被せられているのか」
「だとしたら名前が被ると思うのですが被りません。同じ趣向を持っていて別々に行動しているのではないでしょうか」
「侯爵の方はどのくらいだ。
黒も沢山いますが…50人はいそうです。
最初は約30年前で初体験も犯罪ですね」
「別室で調べなくてはならないな」
「13年前と9年前…ローレン・ミシュラー、カトリーナ・ミシュラー……死刑囚の家門と同じ名前で色が…」
「娘だ。侯爵は娘に手を出したんだ」
「!!」
「娘達は妹だから10歳位の時の日付だろう」
「死刑囚の最初の犯行はローレン・ミシュラーの数日後」
「父親が娘を犯しているところを見てしまって目覚めたんだな」
その後、娘達を呼び2人については公表しないことを条件に証言をとった。
古株のメイドや御者の証言も取れ、リストにあった被害者で来られる者を呼び面通しさせた。
鼻に大きなホクロという目立った特徴を持っていた為、意識があった者は顔を覚えていて侯爵を指差した。
そして拷問をかけ認めさせると処刑された。
領地は次女の嫁ぎ先に、私財の4分の1は長女に。残りは被害者に分配され取り潰しとなった。
裕福な家門だったので、縁戚が犯罪者として処刑されても分配のおかげで婚家は離縁しなかった。
「リリアーナ、辛いものを見せたな」
「その代わりリュカ様が甘やかしてくださるのでしょう」
「愛しいリリアーナ」
ギフトに関する契約をする時に、私は秘密を明かさなくてはならなかった。
エリアスが王家の秘密を話してしまったので使えない。
王妃に絶対にバレないようにお願いをした。
「政略結婚で、王妃ともうひとり候補が残っていた。どちらも決め難かった。
どうやって決めようか悩んでいたが、ある方法で決めた。
2本の木の枝を用意して令嬢のイニシャルを彫った。同時に投げて犬が拾ってきた方を娶った」
「…言ってはいけないやつです」
「知ってる」
【 王太子 】
私の秘密は濡れ衣をエリアスに着せたこと。
リリアーナとだけ契約を結んで秘密を話した。
私の秘密はそれしかなかったからだ。
「私はおねしょをした。まだ小さかったエリアスを部屋から連れてきて私のベッドに寝かせた。
私はソファで寝ていたフリを」
「おねしょ冤罪ですか」
「…二度」
「再犯ですか!」
「私なら怒られるがエリアスの幼さなら怒られない」
「ひどい」
「すまん」
本当の秘密は私もギフト持ちだということ。
落馬事故の後に見えるようになった。
他人の寿命。
自然死は金色、自殺は黒、他殺は赤。
リリアーナには感謝している。
エリアスは他殺のはずだったが、君と婚約してから金色の長い寿命に変わった。
妻も寿命が伸びた。
彼女は神が遣わされた者かもしれない。
ところで父上、エリアスに騙されていますよ。
3人の契約なのに父上は父上の秘密、リリアーナはギフト、エリアスは王子教育の内容。
エリアスの秘密は父上もご存じではありませんか?
【 リュカ 】
リリアーナのギフトの文字は赤と黒だけだと思っていたがもう一つあった。
それは罪人が公開処刑になった時のこと。
連続幼女強姦事件の犯人が侯爵家の次男だった。現行犯逮捕され、私室を調べると何かしらの戦利品が隠されていた。
「リュカ様……よく見ないと分からないのですが色が違います。名前が全部濃い紫です」
「濃い紫か」
「彼の犠牲者のリストを見せてください」
従者に持って来させたリストと名前を見比べる。
「リュカ様、これは問題です。
リストに載っている11人の中で当てはまる名前は1人しかいません」
「10人分は冤罪ということか」
「はい。この名前では。
その代わり別の名前が3人見えます。
もしかするとこの色は暴力によるもののようです」
「強姦を意味しているのか。余罪を書いてくれ。あと冤罪ではない名前に丸をつけて欲しい」
「残りの10人中は、彼ではなくてあそこに立っている貴族から見えます」
「特徴は」
「深緑に金の刺繍、体格が良く金髪の癖毛で頭頂部が寂しくなっておられる方です」
「…侯爵だ。死刑囚の父親だ。
共犯か、同じ趣向を持った息子に罪を被せられているのか」
「だとしたら名前が被ると思うのですが被りません。同じ趣向を持っていて別々に行動しているのではないでしょうか」
「侯爵の方はどのくらいだ。
黒も沢山いますが…50人はいそうです。
最初は約30年前で初体験も犯罪ですね」
「別室で調べなくてはならないな」
「13年前と9年前…ローレン・ミシュラー、カトリーナ・ミシュラー……死刑囚の家門と同じ名前で色が…」
「娘だ。侯爵は娘に手を出したんだ」
「!!」
「娘達は妹だから10歳位の時の日付だろう」
「死刑囚の最初の犯行はローレン・ミシュラーの数日後」
「父親が娘を犯しているところを見てしまって目覚めたんだな」
その後、娘達を呼び2人については公表しないことを条件に証言をとった。
古株のメイドや御者の証言も取れ、リストにあった被害者で来られる者を呼び面通しさせた。
鼻に大きなホクロという目立った特徴を持っていた為、意識があった者は顔を覚えていて侯爵を指差した。
そして拷問をかけ認めさせると処刑された。
領地は次女の嫁ぎ先に、私財の4分の1は長女に。残りは被害者に分配され取り潰しとなった。
裕福な家門だったので、縁戚が犯罪者として処刑されても分配のおかげで婚家は離縁しなかった。
「リリアーナ、辛いものを見せたな」
「その代わりリュカ様が甘やかしてくださるのでしょう」
「愛しいリリアーナ」
1,001
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
婚約破棄に乗り換え、上等です。私は名前を変えて隣国へ行きますね
ルーシャオ
恋愛
アンカーソン伯爵家令嬢メリッサはテイト公爵家後継のヒューバートから婚約破棄を言い渡される。幼い頃妹ライラをかばってできたあざを指して「失せろ、その顔が治ってから出直してこい」と言い放たれ、挙句にはヒューバートはライラと婚約することに。
失意のメリッサは王立寄宿学校の教師マギニスの言葉に支えられ、一人で生きていくことを決断。エミーと名前を変え、隣国アスタニア帝国に渡って書籍商になる。するとあるとき、ジーベルン子爵アレクシスと出会う。ひょんなことでアレクシスに顔のあざを見られ——。
婚約者に愛する人が出来たので、身を引く事にしました
Blue
恋愛
幼い頃から家族ぐるみで仲が良かったサーラとトンマーゾ。彼が学園に通うようになってしばらくして、彼から告白されて婚約者になった。サーラも彼を好きだと自覚してからは、穏やかに付き合いを続けていたのだが、そんな幸せは壊れてしまう事になる。
婚約破棄したその場から、ざまぁは始まっていました
ふわふわ
恋愛
王国随一の名門、アルファルド公爵家の令嬢シャウラは、
ある日、第一王子アセルスから一方的に婚約を破棄される。
理由はただ一つ――
「平民出身の聖女と婚約するため」。
だが、その“婚約破棄したその場”で、ざまぁはすでに始まっていた。
シャウラは泣かず、怒らず、抗議もしない。
ただ静かに席を立っただけ。
それだけで――
王国最大派閥アルファルド派は王子への支持を撤回し、
王国最大の商会は資金提供を打ち切り、
王太子候補だったアセルスは、政治と経済の両方を失っていく。
一方シャウラは、何もしていない。
復讐もしない。断罪もしない。
平穏な日常を送りながら、無自覚のまま派閥の結束を保ち続ける。
そして王国は、
“王太子を立てない”という前代未聞の選択をし、
聡明な第一王女マリーが女王として即位する――。
誰かを裁くことなく、
誰かを蹴落とすことなく、
ただ「席を立った」者だけが、最後まで穏やかでいられた。
これは、
婚約破棄から始まる――
静かで、上品で、取り返しのつかないざまぁの物語。
「私は何もしていませんわ」
それが、最強の勝利だった。
「いらない」と捨てられた令嬢、実は全属性持ちの聖女でした
ゆっこ
恋愛
「リリアーナ・エヴァンス。お前との婚約は破棄する。もう用済み
そう言い放ったのは、五年間想い続けた婚約者――王太子アレクシスさま。
広間に響く冷たい声。貴族たちの視線が一斉に私へ突き刺さる。
「アレクシスさま……どういう、ことでしょうか……?」
震える声で問い返すと、彼は心底嫌そうに眉を顰めた。
「言葉の意味が理解できないのか? ――お前は“無属性”だ。魔法の才能もなければ、聖女の資質もない。王太子妃として役不足だ」
「無……属性?」
初耳なのですが…、本当ですか?
あおくん
恋愛
侯爵令嬢の次女として、父親の仕事を手伝ったり、邸の管理をしたりと忙しくしているアニーに公爵家から婚約の申し込みが来た!
でも実際に公爵家に訪れると、異世界から来たという少女が婚約者の隣に立っていて…。
私の頑張りは、とんだ無駄骨だったようです
風見ゆうみ
恋愛
私、リディア・トゥーラル男爵令嬢にはジッシー・アンダーソンという婚約者がいた。ある日、学園の中庭で彼が女子生徒に告白され、その生徒と抱き合っているシーンを大勢の生徒と一緒に見てしまった上に、その場で婚約破棄を要求されてしまう。
婚約破棄を要求されてすぐに、ミラン・ミーグス公爵令息から求婚され、ひそかに彼に思いを寄せていた私は、彼の申し出を受けるか迷ったけれど、彼の両親から身を引く様にお願いされ、ミランを諦める事に決める。
そんな私は、学園を辞めて遠くの街に引っ越し、平民として新しい生活を始めてみたんだけど、ん? 誰かからストーカーされてる? それだけじゃなく、ミランが私を見つけ出してしまい…!?
え、これじゃあ、私、何のために引っ越したの!?
※恋愛メインで書くつもりですが、ざまぁ必要のご意見があれば、微々たるものになりますが、ざまぁを入れるつもりです。
※ざまぁ希望をいただきましたので、タグを「ざまぁ」に変更いたしました。
※史実とは関係ない異世界の世界観であり、設定も緩くご都合主義です。魔法も存在します。作者の都合の良い世界観や設定であるとご了承いただいた上でお読み下さいませ。
【完結】私を捨てた国のその後を見守ってみた。
satomi
恋愛
侯爵令嬢のレナは公然の場でというか、卒業パーティーで王太子殿下イズライールに婚約破棄をされた挙句、王太子殿下は男爵令嬢のラーラと婚約を宣言。
殿下は陛下や王妃様がいないときを狙ったんでしょうね。
レナの父はアルロジラ王国の宰相です。実家にはレナの兄が4名いますがみんなそろいもそろって優秀。
長男は領地経営、次男は貿易商、3男は情報屋、4男は…オカマバー経営。
レナは殿下に愛想をつかして、アルロジラ王国の行く末を見守ろうと決意するのです。
次男監修により、国交の断絶しているエミューダ帝国にて。
居候と婚約者が手を組んでいた!
すみ 小桜(sumitan)
恋愛
グリンマトル伯爵家の一人娘のレネットは、前世の記憶を持っていた。前世は体が弱く入院しそのまま亡くなった。その為、病気に苦しむ人を助けたいと思い薬師になる事に。幸いの事に、家業は薬師だったので、いざ学校へ。本来は17歳から通う学校へ7歳から行く事に。ほらそこは、転生者だから!
って、王都の学校だったので寮生活で、数年後に帰ってみると居候がいるではないですか!
父親の妹家族のウルミーシュ子爵家だった。同じ年の従姉妹アンナがこれまたわがまま。
アンアの母親で父親の妹のエルダがこれまたくせ者で。
最悪な事態が起き、レネットの思い描いていた未来は消え去った。家族と末永く幸せと願った未来が――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる