笑顔で冷遇する婚約者に疲れてしまいました

ユユ

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しつこい謝罪

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さすがに大きなお屋敷ね。

「ほら、降りろ」

先に降りたジオ公子が手を差し伸べた。

「御者さん、このままセルヴィー伯爵邸に送ってください」

「まったく」

「やっ、ちょっと!」

抱き上げられて屋敷の中に運ばれた。

「ヒューゴ様、そちらのご令嬢は」

「セルヴィー伯爵令嬢だ。茶を頼む」

「お茶は結構です。この人攫いを縛り付けて今すぐ私を帰してください」

「え?」

「気にするな。甘い物が食べたくて気が立っているんだ。見た目は子猫だが中身は猛獣だ。早く用意してくれ」

「かしこまりました」

「“かしこまりました”じゃない!」

「ロナード、イアン、一緒に来てくれ」

「「かしこまりました」」

「降ろして!私は忙しいの!」

「煩いなぁ。言うことを聞かないとケツを叩くぞ」

「…変態」

「おまえはどうして…まあ、いいだろう」

「変態呼びの公認?大胆ね」

「「ぷっ」」

「ロナード?イアン?」

「「失礼しました」」


客間らしき場所に入ると、ソファに降ろされた。

「ロナード、イアン。ドアを塞げ。この猛獣を通すな」

「「かしこまりました」」

私兵だろう。2人はドアの前に塞ぐように立った。

「クリスティーナ、くつろいでくれ」

「あっそう」

靴を脱いでソファの上に横座りをして背もたれに身を預けた。

「……」

怒って早く帰してくれたらいいのに

「お茶はまだですか」

「もう少し待ってくれ。

クリスティーナ、先日のパーティでは大変失礼な態度を取った。申し訳なかった。心から謝罪する」

「もういいです。許します」

「本当か?」

「本当です。では ごきげんよう」

「待て!」

「話は終わりましたよね?」

「ゼインとジネットが俺にクリスティーナを紹介しようとした理由がこの肌だ。君がエステルの肌を治したから、俺の肌も治せるかもと思って引き合わせたらしい」

「はい。聞きました。だから主治医に相談なさってくださいと申し上げました」

「俺があんな態度をとっていなかったらアドバイスをくれたのだろう?」

「さあ、今となっては分かりません」

コンコンコンコン

「入れ」

「お茶をご用意いたしました」

カチャ

メイドがお茶とお菓子を置いて退室した。

「本当に申し訳なかった。良い茶葉を使っているし、菓子も美味いはずだ。食べ終わったら屋敷に送ろう」

「いただきます」

「セルヴィー家はかなり裕福みたいだな。この程度の茶では喜ばないか」

「…この品種はもう少し標高の高い場所で採れるものがよろしいかもしれませんね。ですがお茶を淹れてくださった方がお上手のようです」

「クリスティーナの言った茶葉は持っているのか?」

「少し持っています」

「なんか敬語を使われると怒ってるように感じるな」

我儘な人ね。

バン!!

「ヒューゴ!何やってるんだ!!」

「お、ゼイン」

「クリスティーナ嬢、大丈夫か!?」

ジネット様の婚約者ゼイン・モルゾン公子が乱入して来た。

「いいえ、大丈夫ではありません。拉致されて監禁されています。あれからストーカーと化し、先程は馬車の中で変態になりました」

「なっ!」

「ヒューゴ…おまえという奴は…」

「ち、違う、違う!」

「目撃者がいたからモルゾン公子は駆け付けてくださったのですよね?
ストーカーの件はうちの門番から執事まで証言いたします。
馬車の中のことは多少ジオ家の御者が聞こえているかもしれません」

「だから、誤解だって」

ジオ公爵おじさんに報告しなくては」

「待ってくれ!」

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