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好奇の目
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学生食堂でいつものようにエルザとジネットと昼食をとるのだけど、まだまだ新鮮な話題としてヒソヒソされている。
以前は“身の程知らず”とか“無理矢理婚約した”だとか“早くシャルル様を解放しろ”だとか。
今は…
“あんな女に寝取られるなんて”とか“シャルル様に似なかったらこの世の終わり”とか“微塵もメリットがない悲惨なご縁”だとかビクセン嬢に対して言いながら私に少しだけ哀れみの目を向けるご令嬢達と、“天罰よ”とか“2人とも駄目になればいい”とか、私への口撃を忘れることなくビクセン嬢にも吠えているご令嬢達に分かれている。もちろん無関心の人達もいるけど。
ビクセン嬢は毎日シャルル様の瞳の色に近い青いリボンで髪を結ぶ。下腹部をよくさすり時折話しかけたりもしてる。食堂の受取口で“これは妊婦に影響はありませんか”などと聞いていたし。
彼女の強さ並みの盾や鎧があったら是非うちの私兵達に支給したい。
「いいの?アレ」
「いいのいいの。あそこまでいくと珍獣観察みたいな気分だから」
「ヘインズ様は相変わらず?」
「花とか頻繁に贈ってくるけど屋敷が花屋かと勘違いされそうな気がするわ。お高めの物は受取拒否しているし」
「機嫌をとりたくて一生懸命なのね」
「そんなことをする必要なんかないのに」
「まあ、確かに。愛人も子供もヘインズ家に迎える宣言していた人だものね。妊娠したところでティナの機嫌を取る必要はないものね」
「それがちょっと…婚姻前に他の女性と子を成したときは婚約破棄できるの」
「「え!?」」
「指摘されるまで忘れていて」
「それだわ」
「それよ」
「婚約破棄されるかもしれないからティナの機嫌をとりたいけど、本当に妊娠していたらと思うとどんな顔してティナの前に現れたらいいか分からなくて贈り物攻撃しているのよ」
「そうかしら。だってシャルル様は私との婚約が嫌だったのよ?寧ろ喜ぶことじゃない?ちょっと自分で言っていて虚しいわね。まあ、お相手が意外でびっくりしたけど」
「ふふっ」
エルザが笑った。
「ふふふふっ」
ジネットも
「何だか私だけよね。いつも話題の提供をしてるの。2人からは何かないの?特にジネット」
「なっ、何で私!?」
「だってエルザだと殿下絡みだから言うに言えないかもしれないじゃない」
「だからって、私だって何もないわ。
それより週末のパーティは行くわよね?」
「ハングベリー侯爵家でしょう?行くわよ」
「ハングベリー家はデビューしたご令嬢がいるから気を付けてね」
「気を付ける?」
「1年生にいるわ。可愛いんだけど、どういう育てられ方をしたらああなるのかってくらい自分中心に世界が回ってる子らしいの。兄の方は私達より2つ歳上ね。妹を溺愛しているらしいわ」
招待状を集めてしまったから行かないわけにはいかないし。
「ひっそり出席して目立たないように食べて帰るわ」
「うん。そうね、そうしましょう」
「私達だけで楽しめばいいわ」
週末のパーティは男性の同伴者を伴わず3人で行こうということになっていた。エルザが可哀想だものね。
ガタッ!
「うっ」
バタバタバタバタ…
ビクセン嬢が口を押さえて走って食堂を出た。
静まり返ったのは10秒ほどで、すぐに令嬢達が騒ぎ始めた。
「あれ、ビクセン嬢よね」
「悪阻?」
「嘘じゃなかったのね」
「ショック~、あんな女でもシャルル様の子を産めるなんて」
「つまり私達でも可能性があるわね」
「馬鹿ね。婚約者はどうするのよ」
「解消してシャルル様の子を産むわ」
「いくらなんでも何人も囲えないわよ」
そんな会話が聞こえてくるものだから、エルザ達は心配してくれた。
「ティナ」
「大丈夫よ」
令嬢達の会話を聞いていると、私とは婚約解消で、ビクセン嬢は妾、自分が正妻になる…という妄想であふれていた。
私とエルザとジネットはそれを聴きながら食事を済ませた。
屋敷に帰るとまたヘインズ家から花と菓子が届いていた。
メッセージカードを用意して書いてヘインズ家に届けさせた。
“ご令嬢は悪阻が始まったようです。
お見舞いに行って花はご令嬢に差し上げてください”
以前は“身の程知らず”とか“無理矢理婚約した”だとか“早くシャルル様を解放しろ”だとか。
今は…
“あんな女に寝取られるなんて”とか“シャルル様に似なかったらこの世の終わり”とか“微塵もメリットがない悲惨なご縁”だとかビクセン嬢に対して言いながら私に少しだけ哀れみの目を向けるご令嬢達と、“天罰よ”とか“2人とも駄目になればいい”とか、私への口撃を忘れることなくビクセン嬢にも吠えているご令嬢達に分かれている。もちろん無関心の人達もいるけど。
ビクセン嬢は毎日シャルル様の瞳の色に近い青いリボンで髪を結ぶ。下腹部をよくさすり時折話しかけたりもしてる。食堂の受取口で“これは妊婦に影響はありませんか”などと聞いていたし。
彼女の強さ並みの盾や鎧があったら是非うちの私兵達に支給したい。
「いいの?アレ」
「いいのいいの。あそこまでいくと珍獣観察みたいな気分だから」
「ヘインズ様は相変わらず?」
「花とか頻繁に贈ってくるけど屋敷が花屋かと勘違いされそうな気がするわ。お高めの物は受取拒否しているし」
「機嫌をとりたくて一生懸命なのね」
「そんなことをする必要なんかないのに」
「まあ、確かに。愛人も子供もヘインズ家に迎える宣言していた人だものね。妊娠したところでティナの機嫌を取る必要はないものね」
「それがちょっと…婚姻前に他の女性と子を成したときは婚約破棄できるの」
「「え!?」」
「指摘されるまで忘れていて」
「それだわ」
「それよ」
「婚約破棄されるかもしれないからティナの機嫌をとりたいけど、本当に妊娠していたらと思うとどんな顔してティナの前に現れたらいいか分からなくて贈り物攻撃しているのよ」
「そうかしら。だってシャルル様は私との婚約が嫌だったのよ?寧ろ喜ぶことじゃない?ちょっと自分で言っていて虚しいわね。まあ、お相手が意外でびっくりしたけど」
「ふふっ」
エルザが笑った。
「ふふふふっ」
ジネットも
「何だか私だけよね。いつも話題の提供をしてるの。2人からは何かないの?特にジネット」
「なっ、何で私!?」
「だってエルザだと殿下絡みだから言うに言えないかもしれないじゃない」
「だからって、私だって何もないわ。
それより週末のパーティは行くわよね?」
「ハングベリー侯爵家でしょう?行くわよ」
「ハングベリー家はデビューしたご令嬢がいるから気を付けてね」
「気を付ける?」
「1年生にいるわ。可愛いんだけど、どういう育てられ方をしたらああなるのかってくらい自分中心に世界が回ってる子らしいの。兄の方は私達より2つ歳上ね。妹を溺愛しているらしいわ」
招待状を集めてしまったから行かないわけにはいかないし。
「ひっそり出席して目立たないように食べて帰るわ」
「うん。そうね、そうしましょう」
「私達だけで楽しめばいいわ」
週末のパーティは男性の同伴者を伴わず3人で行こうということになっていた。エルザが可哀想だものね。
ガタッ!
「うっ」
バタバタバタバタ…
ビクセン嬢が口を押さえて走って食堂を出た。
静まり返ったのは10秒ほどで、すぐに令嬢達が騒ぎ始めた。
「あれ、ビクセン嬢よね」
「悪阻?」
「嘘じゃなかったのね」
「ショック~、あんな女でもシャルル様の子を産めるなんて」
「つまり私達でも可能性があるわね」
「馬鹿ね。婚約者はどうするのよ」
「解消してシャルル様の子を産むわ」
「いくらなんでも何人も囲えないわよ」
そんな会話が聞こえてくるものだから、エルザ達は心配してくれた。
「ティナ」
「大丈夫よ」
令嬢達の会話を聞いていると、私とは婚約解消で、ビクセン嬢は妾、自分が正妻になる…という妄想であふれていた。
私とエルザとジネットはそれを聴きながら食事を済ませた。
屋敷に帰るとまたヘインズ家から花と菓子が届いていた。
メッセージカードを用意して書いてヘインズ家に届けさせた。
“ご令嬢は悪阻が始まったようです。
お見舞いに行って花はご令嬢に差し上げてください”
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