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第四章 東への旅
4ー2 残されし者たち
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夏休みの最終日である8ビセットの末日である29日になっても、カラガンダ夫婦とマルコが戻ってくる様子が無かった。
これはもしや湯治の旅の途中で何かあったかと、モンテネグロ家の者と商会の者達が心配をしている。
長男であるボルトスも少し不安であった。
既に壮年期を超えている自分であり、万が一両親に何事かあってもモンテネグロ商会を切り回してゆくだけの才覚は持っいるとの自信もある。
が、親父は親父であって、いつまでも自分たち子供の、いや、一族の心の拠り所ではあってほしいのだ。
不吉な考えは持ちたくはないが、なんとなく不安感があるのは確かである。
念のためではあるが、親父たちが向かったフラノード峡谷に向けて冒険者ギルドに依頼して調査に向かわせる準備を進めていた。
今日一日待って、三人が戻らねば、明日朝一番には冒険者を出立させるつもりである。
王都からの使いの人も頻繁に商会に顔を出しているが、余程の案件を抱えているのか不安そうにしている。
少なくとも王都の貴族連中との間での懸案事項は何もなかったはずであり、親父からは何も聞いていない。
親父は前回の商いの旅から戻ってから、全面的に俺を含む子供たちに商売を任せて隠居に入っていた。
その引継ぎの時点では、商売に関わることで貴族と揉(も)めるような話は何も無かった筈なのだ。
29日の夕刻間近になって、いよいよ捜索の指示をださなければならなくなり、ボルトスは一旦自分の書斎に戻った。
用意してある冒険者ギルドとの契約書を再確認するためだ。
その書類を冒険者ギルドへ提出すれば、正式な依頼となり、親父たちの捜索が始まることになる。
部屋に入って、すぐに、机の上に見慣れぬ書簡が置いてあることに気づいた。
中を改めると親父からの手紙だった。
すぐに中を見て驚いたが、ここで騒いではならなかった。
親父からはこの手紙を見たなら必ず燃やせと明確な指示をしているのだ。
つまりは、内容を迂闊に余人に漏らしてははならないということだ。
その手紙によれば、何と、親父は北ではなく、東へ向かって旅をしているとある。
理由はマルコだった。
幼いマルコは類稀な錬金術師であり、魔法師でもある。
以前に他人には言うなと釘を刺されて親父から聞いているのだ。
どうやらそのことが王都の貴族に知られたようで、マルコを取り込もうと画策している大物貴族がいるらしい。
生憎と貴族が絡めば、商人風情がその要求に抗するのは非常に難しい。
親父は、それを避けるために、王都からの使いが来る前に、マルコを連れて逃亡の旅に出たようだ。
フム、では王都の使いと称して再三来るあの男はその貴族の使いということのようだ。
いったいどうやって、そんなことを事前に察知したものかは不思議だが、親父の情報網とマルコの不思議な力があればそれも可能かと割り切った。
そうしてまた、手紙には親父の足取りは追うなと明確に指示されている。
しかしながら、親父の行方をごまかすためにもフラノード峡谷への捜索の手は出した方がいいだろうと思う。
身内が消息不明になっているにもかかわらず、残った者が探しもしないでは、それこそ大物貴族からマルコを隠していると疑われるだろう。
丁稚のようなさほど重要でない用人が居なくなったのとはわけが違う。
親父はモンテネグロ商会の顔役なのだ。
俺までが親父の共犯と見做されて貴族から睨まれるのもかなわんから、偽装の為にも捜索はせねばならん。
北を暫くやってもらい、それでも痕跡が無ければ南と東を当たる。
が、それも三月までだな。
普通、消息不明となった場合にそれ以上の手間はかけないのが商人の常道なのだ。
隊商が旅の途中で消息を絶っても捜索するのは普通で一月、長くて三月なのだ。
そうして、今一つ、結構な分量のある書簡が同封されていた。
中身はマルコの手になる新たな魔導具のようだ。
「小型冷却装置」と記載してある設計図と解説書のようだ。
概ねニオルカンの食堂で一般的に使われている陶器製のエール容器の大きさに合わせたような装置であり、エールを入れた容器ごとこの装置の窪みに入れると左程の時間を置かずして良く冷えたエールが楽しめるようになっている魔導具とわかった。
装置の一部に魔石を入れる部分があって、スライムやゴブリンの魔石でも冷却装置が作動する優れものである。
魔法陣と窪みの底に張り合わせた二種類の金属に秘密があって、魔力が無い者であっても発動ができる優れものである。
この装置は、一定レベルの技量を有する錬金術師ならば設計図から製造できるようだ。
どうやらマルコが別れに際しての置き土産として置いていったもののようだ。
ふと気づくと実物が窓際の棚の上にちょこんと置いてあった。
どうやってこの手紙や装置をここに置いたものかがわからないが・・・。
おそらくはマルコの魔法なのだろう。
昼過ぎにボルトスが書斎に入った際には絶対に無かった書簡と道具だった。
ボルトスは、親父の手紙だけを火鉢にかざして燃やした。
次に親父から何らかの連絡があるまでは、親父たちのことは知らぬ存ぜぬで通そうと決めたボルトスであった。
設計図は魔導具とともに金庫にしまい、それから、ボルトスは手代のマーカスを呼んだ。
冒険者ギルドに対して、フラノード峡谷方面での親父の足取りを調査する依頼を出すためである。
◇◇◇◇
当然のように、9ビセットの1日になってもカラガンダ老夫婦とマルコの三人は戻らず、その行方は分からなかった。
ボルトスは、自ら第一学院へ出向いて、学院長に対してマルコと両親が未だ湯治の旅から戻っていないことを告げた。
一応、冒険者ギルドを通じてフラノード峡谷一帯の捜索を行ってもらっているが、かなり広い地域であるために何らかの情報を掴むのにかなり時間がかかるかも知れないと伝えたのだった。
その上でマルコが長期にわたって復学できない場合はどうなるかと敢えて尋ねた。
サリバス学院長が、ため息をつきながら言った。
「はてさて、優秀な子がいなくなって我が学院でも困ったことになりますな。
もし、マルコの消息に関して何らかの情報があれば是非に教えていただけますかな。
それまでの間は、一応休学処分としておきましょう。
期間は1年のみ、それ以上になれば退学処分となります。」
「1年ですか・・・・。
止むを得ませんね。
もし必要とあれば、マルコの学籍を維持するために応分の経費は負担いたしますけれど・・・。」
「いや、その必要はありません。
金を積まれてもできないこともあります。
1年以上もの間、学院に出席できなければ退学というのは、行方不明者や失踪の際に使われる規定でしてな。
例外が無いのですよ。
仮に、その後に所在が分かったならばその時点でまたご相談ください。」
話を終えて、ボルトスが学院の門を出て行くのを横目で見ながらサリバスは呟いた。
「王都で誰ぞマルコの取り込みに動いた者が居るのかな?
まぁ、時間の問題ではあったのだろうが、それにしてもカラガンダ殿に加えて奥方も一緒とは・・・。
誰ぞ人をつけて逃がすぐらいのことはするだろうとは思っていたが・・・。
まぁ、隠居の金持ちだからこそできる冒険やもしれぬな。
西には行き場がない。
北と見せて南に向かったか?
あるいは意表をついて東へ向かったか。
東なれば未だ王都近辺にも届いては居まい。
国外に出る前に各所で数々の検問が有ろうな。
警護もつけずに二頭曳の馬車だけでマルコと三人旅とは、カラガンダ老人も思い切ったことをされる。
まぁ、儂としては、無事を祈るしかないのお。」
サリバス学院長は、この始業式の日から三年生になった子たちにマルコが事情があって学院に来られない旨を伝えに行った。
その事情を詳しく聴かれても学院長からは何も答えられないのだが・・・。
◇◇◇◇
私は、シルヴィア、この9ビセットから第一学院の三年生になりました。
1日の始業式に行きましたけれど、マルコだけが来ていませんでした。
あら、珍しいこと・・・。
風でもひいたのかしらと、その時は随分と呑気なことを考えていました。
昼前にわざわざ学院長がクラスに来られ、同級生のマルコに事情があって学院に暫く来られないかもしれないと告げたのです。
嘘っと、私は思いました。
私の一番親しい友が居なくなるなんて嫌よ。
何故なの?
私は学院長に尋ねました。
「学院長様、事情というのはどのようなことなのでしょうか?」
「ふむ、正直なところ儂にもよくわからぬのだが、北のフラノード峡谷方面へ両親と湯治の旅に出かけ、昨日までにニオルカンに戻る予定が、未だ戻っていないということらしいのじゃ。
何か旅の途中で事故などあれば、その旨の情報が入って来るじゃろうが、今のところ家の方には何の通報もないらしい。
モンテネグロ家では冒険者ギルドに頼んでマルコ達の捜索を依頼したそうじゃ。
今のところマルコの所在については手掛かりが無いので、学院としては休学扱いとすることにした。」
行方不明?
嘘でしょう?
マルコなら、少々のことがあっても切り抜けられるはず。
失踪なんかするわけも・・・。
あ、ひょっとして王都の貴族がマルコを獲得しようとして攫った。
いや、それにしてはご両親も一緒というのは頷けない。
何れにしろ、とっても不安。
マルコがもしもいなくなったら、私はどうすればいいの?
別に婚約者でもないけれど、私が一番好意を寄せていた男の子なのに。
少し泣きべそをかきながら近くにいるアリシアとハリーの友を見ると、二人ともに、今にも泣き出しそうな顔をしている。
うん、うん、私と一緒。
とっても不安だよね。
親しい友が急に居なくなるなんて、全く考えていなかったもの。
寄りにもよって、それがマルコだなんて・・・。
マルコ、・・・。
今にも「やぁ。久しぶり、元気だったかい。」と明るく声をかけてきそうなのに・・・。
マルコ一人が居ない。
それだけで私達をモノずごく不安にさせる存在。
あ、マルコってそんなに大きな存在だったんだ。
私は初めて気づきました。
失いたくない。
だから、だから、マルコ。
きっと、きっと戻ってきてちょうだい。
私、待ってるよ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
8月14日より、
「浮世離れの探偵さん ~ しがない男の人助けストーリー」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/792488792/836789252
を、また8月15日より、
「仮想戦記:蒼穹のレブナント ~ 如何にして空襲を免れるか」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/792488792/812730078
を投稿しております。
よろしければ是非ご一読ください。
By サクラ近衛将監
これはもしや湯治の旅の途中で何かあったかと、モンテネグロ家の者と商会の者達が心配をしている。
長男であるボルトスも少し不安であった。
既に壮年期を超えている自分であり、万が一両親に何事かあってもモンテネグロ商会を切り回してゆくだけの才覚は持っいるとの自信もある。
が、親父は親父であって、いつまでも自分たち子供の、いや、一族の心の拠り所ではあってほしいのだ。
不吉な考えは持ちたくはないが、なんとなく不安感があるのは確かである。
念のためではあるが、親父たちが向かったフラノード峡谷に向けて冒険者ギルドに依頼して調査に向かわせる準備を進めていた。
今日一日待って、三人が戻らねば、明日朝一番には冒険者を出立させるつもりである。
王都からの使いの人も頻繁に商会に顔を出しているが、余程の案件を抱えているのか不安そうにしている。
少なくとも王都の貴族連中との間での懸案事項は何もなかったはずであり、親父からは何も聞いていない。
親父は前回の商いの旅から戻ってから、全面的に俺を含む子供たちに商売を任せて隠居に入っていた。
その引継ぎの時点では、商売に関わることで貴族と揉(も)めるような話は何も無かった筈なのだ。
29日の夕刻間近になって、いよいよ捜索の指示をださなければならなくなり、ボルトスは一旦自分の書斎に戻った。
用意してある冒険者ギルドとの契約書を再確認するためだ。
その書類を冒険者ギルドへ提出すれば、正式な依頼となり、親父たちの捜索が始まることになる。
部屋に入って、すぐに、机の上に見慣れぬ書簡が置いてあることに気づいた。
中を改めると親父からの手紙だった。
すぐに中を見て驚いたが、ここで騒いではならなかった。
親父からはこの手紙を見たなら必ず燃やせと明確な指示をしているのだ。
つまりは、内容を迂闊に余人に漏らしてははならないということだ。
その手紙によれば、何と、親父は北ではなく、東へ向かって旅をしているとある。
理由はマルコだった。
幼いマルコは類稀な錬金術師であり、魔法師でもある。
以前に他人には言うなと釘を刺されて親父から聞いているのだ。
どうやらそのことが王都の貴族に知られたようで、マルコを取り込もうと画策している大物貴族がいるらしい。
生憎と貴族が絡めば、商人風情がその要求に抗するのは非常に難しい。
親父は、それを避けるために、王都からの使いが来る前に、マルコを連れて逃亡の旅に出たようだ。
フム、では王都の使いと称して再三来るあの男はその貴族の使いということのようだ。
いったいどうやって、そんなことを事前に察知したものかは不思議だが、親父の情報網とマルコの不思議な力があればそれも可能かと割り切った。
そうしてまた、手紙には親父の足取りは追うなと明確に指示されている。
しかしながら、親父の行方をごまかすためにもフラノード峡谷への捜索の手は出した方がいいだろうと思う。
身内が消息不明になっているにもかかわらず、残った者が探しもしないでは、それこそ大物貴族からマルコを隠していると疑われるだろう。
丁稚のようなさほど重要でない用人が居なくなったのとはわけが違う。
親父はモンテネグロ商会の顔役なのだ。
俺までが親父の共犯と見做されて貴族から睨まれるのもかなわんから、偽装の為にも捜索はせねばならん。
北を暫くやってもらい、それでも痕跡が無ければ南と東を当たる。
が、それも三月までだな。
普通、消息不明となった場合にそれ以上の手間はかけないのが商人の常道なのだ。
隊商が旅の途中で消息を絶っても捜索するのは普通で一月、長くて三月なのだ。
そうして、今一つ、結構な分量のある書簡が同封されていた。
中身はマルコの手になる新たな魔導具のようだ。
「小型冷却装置」と記載してある設計図と解説書のようだ。
概ねニオルカンの食堂で一般的に使われている陶器製のエール容器の大きさに合わせたような装置であり、エールを入れた容器ごとこの装置の窪みに入れると左程の時間を置かずして良く冷えたエールが楽しめるようになっている魔導具とわかった。
装置の一部に魔石を入れる部分があって、スライムやゴブリンの魔石でも冷却装置が作動する優れものである。
魔法陣と窪みの底に張り合わせた二種類の金属に秘密があって、魔力が無い者であっても発動ができる優れものである。
この装置は、一定レベルの技量を有する錬金術師ならば設計図から製造できるようだ。
どうやらマルコが別れに際しての置き土産として置いていったもののようだ。
ふと気づくと実物が窓際の棚の上にちょこんと置いてあった。
どうやってこの手紙や装置をここに置いたものかがわからないが・・・。
おそらくはマルコの魔法なのだろう。
昼過ぎにボルトスが書斎に入った際には絶対に無かった書簡と道具だった。
ボルトスは、親父の手紙だけを火鉢にかざして燃やした。
次に親父から何らかの連絡があるまでは、親父たちのことは知らぬ存ぜぬで通そうと決めたボルトスであった。
設計図は魔導具とともに金庫にしまい、それから、ボルトスは手代のマーカスを呼んだ。
冒険者ギルドに対して、フラノード峡谷方面での親父の足取りを調査する依頼を出すためである。
◇◇◇◇
当然のように、9ビセットの1日になってもカラガンダ老夫婦とマルコの三人は戻らず、その行方は分からなかった。
ボルトスは、自ら第一学院へ出向いて、学院長に対してマルコと両親が未だ湯治の旅から戻っていないことを告げた。
一応、冒険者ギルドを通じてフラノード峡谷一帯の捜索を行ってもらっているが、かなり広い地域であるために何らかの情報を掴むのにかなり時間がかかるかも知れないと伝えたのだった。
その上でマルコが長期にわたって復学できない場合はどうなるかと敢えて尋ねた。
サリバス学院長が、ため息をつきながら言った。
「はてさて、優秀な子がいなくなって我が学院でも困ったことになりますな。
もし、マルコの消息に関して何らかの情報があれば是非に教えていただけますかな。
それまでの間は、一応休学処分としておきましょう。
期間は1年のみ、それ以上になれば退学処分となります。」
「1年ですか・・・・。
止むを得ませんね。
もし必要とあれば、マルコの学籍を維持するために応分の経費は負担いたしますけれど・・・。」
「いや、その必要はありません。
金を積まれてもできないこともあります。
1年以上もの間、学院に出席できなければ退学というのは、行方不明者や失踪の際に使われる規定でしてな。
例外が無いのですよ。
仮に、その後に所在が分かったならばその時点でまたご相談ください。」
話を終えて、ボルトスが学院の門を出て行くのを横目で見ながらサリバスは呟いた。
「王都で誰ぞマルコの取り込みに動いた者が居るのかな?
まぁ、時間の問題ではあったのだろうが、それにしてもカラガンダ殿に加えて奥方も一緒とは・・・。
誰ぞ人をつけて逃がすぐらいのことはするだろうとは思っていたが・・・。
まぁ、隠居の金持ちだからこそできる冒険やもしれぬな。
西には行き場がない。
北と見せて南に向かったか?
あるいは意表をついて東へ向かったか。
東なれば未だ王都近辺にも届いては居まい。
国外に出る前に各所で数々の検問が有ろうな。
警護もつけずに二頭曳の馬車だけでマルコと三人旅とは、カラガンダ老人も思い切ったことをされる。
まぁ、儂としては、無事を祈るしかないのお。」
サリバス学院長は、この始業式の日から三年生になった子たちにマルコが事情があって学院に来られない旨を伝えに行った。
その事情を詳しく聴かれても学院長からは何も答えられないのだが・・・。
◇◇◇◇
私は、シルヴィア、この9ビセットから第一学院の三年生になりました。
1日の始業式に行きましたけれど、マルコだけが来ていませんでした。
あら、珍しいこと・・・。
風でもひいたのかしらと、その時は随分と呑気なことを考えていました。
昼前にわざわざ学院長がクラスに来られ、同級生のマルコに事情があって学院に暫く来られないかもしれないと告げたのです。
嘘っと、私は思いました。
私の一番親しい友が居なくなるなんて嫌よ。
何故なの?
私は学院長に尋ねました。
「学院長様、事情というのはどのようなことなのでしょうか?」
「ふむ、正直なところ儂にもよくわからぬのだが、北のフラノード峡谷方面へ両親と湯治の旅に出かけ、昨日までにニオルカンに戻る予定が、未だ戻っていないということらしいのじゃ。
何か旅の途中で事故などあれば、その旨の情報が入って来るじゃろうが、今のところ家の方には何の通報もないらしい。
モンテネグロ家では冒険者ギルドに頼んでマルコ達の捜索を依頼したそうじゃ。
今のところマルコの所在については手掛かりが無いので、学院としては休学扱いとすることにした。」
行方不明?
嘘でしょう?
マルコなら、少々のことがあっても切り抜けられるはず。
失踪なんかするわけも・・・。
あ、ひょっとして王都の貴族がマルコを獲得しようとして攫った。
いや、それにしてはご両親も一緒というのは頷けない。
何れにしろ、とっても不安。
マルコがもしもいなくなったら、私はどうすればいいの?
別に婚約者でもないけれど、私が一番好意を寄せていた男の子なのに。
少し泣きべそをかきながら近くにいるアリシアとハリーの友を見ると、二人ともに、今にも泣き出しそうな顔をしている。
うん、うん、私と一緒。
とっても不安だよね。
親しい友が急に居なくなるなんて、全く考えていなかったもの。
寄りにもよって、それがマルコだなんて・・・。
マルコ、・・・。
今にも「やぁ。久しぶり、元気だったかい。」と明るく声をかけてきそうなのに・・・。
マルコ一人が居ない。
それだけで私達をモノずごく不安にさせる存在。
あ、マルコってそんなに大きな存在だったんだ。
私は初めて気づきました。
失いたくない。
だから、だから、マルコ。
きっと、きっと戻ってきてちょうだい。
私、待ってるよ。
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8月14日より、
「浮世離れの探偵さん ~ しがない男の人助けストーリー」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/792488792/836789252
を、また8月15日より、
「仮想戦記:蒼穹のレブナント ~ 如何にして空襲を免れるか」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/792488792/812730078
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よろしければ是非ご一読ください。
By サクラ近衛将監
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