49 / 83
第五章 サザンポール亜大陸にて
5ー1 ケサンドラス
しおりを挟む
リーベンのツロンを出て10日目の昼過ぎに、グリモルデ号は無事にサザンポール亜大陸の商港都市ケサンドラスに入港することができました。
サザンポール亜大陸での旅は陸路を予定しています。
一般の船と違って、グリモルデ号を使っての海路の旅の方が間違いなく早いし、安全ではあるのですが、一方で旅のほとんどを船内で過ごすことになるために、旅の楽しみというか醍醐味が味わいにくくなります。
当初からマルコが12歳になって成人するまでの一緒の旅とカラガンダ夫妻も割り切っていますから、その意味でも残り二年足らずを、あちらこちらと特段に当てもない遊興の旅と決めていたのです。
マルコにしても、お世話になったカラガンダ夫妻ですからできる限り孝行をしてあげたいので、夫妻の希望に沿って動くことにしています。
従って、サザンポール亜大陸を東西に横断するまでは、夫妻と一緒の旅になるのです。
サザンポール亜大陸の東端まで達する頃にはマルコも12歳の成人を迎えそうですから、その時点でカラガンダ夫妻についてはマルコが転移魔法でニオルカンの屋敷まで送り届けるつもりでいるのです。
カラガンダ夫妻もそこが三人の旅路の終焉と割り切っています。
それ以降もマルコと一緒に旅を続けるのはできますが、老いてゆく者が余りマルコのような少年の荷物になってはいけないとも思っているのです。
マルコが12歳になれば冒険者ギルドもそうですけれど、商業ギルドも含めて種々のギルドに所属できる年齢になります。
そうなってからは一人前と見做されますから、カラガンダ夫妻はあまり口を挟まない方が良いのです。
増してマルコの場合は腕利きの魔法使いで錬金術師でもあります。
カラガンダ夫妻という負担が無ければより簡単に郷里にも戻れるはずなのです。
それゆえに、せめてサザンポール亜大陸までは我が子と一緒に旅をしたいという老人の我儘ということを重々承知しているのです。
ケサンドラスに入港して、一行は市内の宿に入りました。
グリモルデ号の方は、明日には船員三名が乗ってケサンドラスを出港し、沖合でマルコが亜空間に収容することにしています。
そうして十日程は、ケサンドラス市内若しくは周辺地で主として観光に費やす予定なのです。
その間に、マルコは少なくとも一度は冒険者ギルドでのクエストもこなして、会員証の有効期間を三ヶ月ほど伸ばすことになります。
ケサンドラス第一日目は、種々の手続きを行うだけで終わりました。
第二日目は、マルコは冒険者ギルドへ、カラガンダ夫妻は、セバスとエマを連れて市内の名所観光巡りです。
マルコはクエストとして市内の雑用を請け負いました。
今回は配送業務です。
本来は町の様子を知らないとできないクエストなのですけれど、マルコは一般の人には真似できない様な特殊能力を持っていますから、簡単に片づけて3か月間の有効期間延長を勝ち取りました。
ケサンドラスでのクエスト受注は、この一回だけの予定です。
次回はケサンドラスからサザンポール東端の港イタロールまでの旅の途中で、それぞれの地域のギルドでクエストの受注を図る予定です。
単純に二ヶ月に一度くらいの頻度でクエストを受注しておけば問題ありません。
第三日目からは、カラガンダ翁やステラ媼と一緒にケサンドラス市内の観光に行きました。
カラガンダ老がケサンドラスを訪問したのは二十年以上も前のことだそうで、最近はケサンドラスよりも南にあるザール港での交易が多かったようです。
一行には、護衛を兼ねてセバスとエマがついています。
クリシュとアッシュは宿で留守番、ビルを含む船員三名はグリモルデ号と共にマルコの亜空間で待機中です。
市内観光では由緒ある寺院や建造物などを見て歩きましたが、途中でチンピラ三人に絡まれました。
この時に活躍したのはセバスではなくエマでした。
ヒトと見間違うほどの美少女アンドロイドのエマが、大通りで大立ち回りを演じてチンピラ三人を撃退したときには周囲の見物人から拍手が湧きました。
エマの能力からすれば赤子の手をひねる様なもので、如何に手加減をするかが面倒だったはずです。
チンピラ三人が絡んできて若干の口論となり、向こうが殴りかかるまでに二分ほどかかりましたけれど、その直後数秒で地面に叩きつけられて伸びていた三人組でした。
彼らが伸びてから五分ほどしてから警備隊の兵士がやって来て事情を聴かれましたけれど、僕たち五人にはお咎め無し、チンピラ三人組は屯所に連れて行かれたようですが、その後は知りません。
その後7日程、ケサンドラス若しくはその周辺に居たわけですけれど、彼らから報復などはありませんでした。
仮に報復などに出てくれば、命までは取りませんけれど相応の怪我は覚悟してもらおうと思っていたのですけれど、そのようなことはありませんでした。
むしろ、そのような兆候が出る前に警備隊の方で厳重な注意をしていたようです。
確かにお礼参りなんぞを許していては町の治安は守れませんよね。
その意味でケサンドラスの町は警備隊に良く守られているようですね
第4日目からは馬車を出してケサンドラス周辺部の観光地巡りです。
今日は宿の留守番もなしですけれど、ケサンドラスの宿には夕刻には戻って来て宿泊するパターンを繰り返しています。
ケサンドラス出発までこれを繰り返していましたが、観光の最中は何事も起こらず、緩やかに時は流れて行きました。
9ビセット下旬にケサンドラスを出て、陸路イタロールに向けてシナシル往還を東進し始めました。
サザンポール亜大陸は、どちらかと云うと亜熱帯に近い気候であり、冬場でも寒くない地域が多いのです。
但し、東西に横切るシナジル往還の中ほどにはサザンポール大陸を南北に貫くようなバドル山脈が存在し、ここだけは一年中雪と氷に閉ざされた地域もあります。
この山岳地帯は難所の一つでしたが、今ではこうした寒冷高地にかかる往還の大部分がトンネルもしくは屋根のついた道路となっており、寒ささえ凌げば往来は可能となっているのです。
バドル山脈にまで到達するには、1年程度は優にかかる見込みなのです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
今回は少し短いですが、これで勘弁してツカァさい。
風邪気味で鼻水が止まりません。
By サクラ近衛将監
サザンポール亜大陸での旅は陸路を予定しています。
一般の船と違って、グリモルデ号を使っての海路の旅の方が間違いなく早いし、安全ではあるのですが、一方で旅のほとんどを船内で過ごすことになるために、旅の楽しみというか醍醐味が味わいにくくなります。
当初からマルコが12歳になって成人するまでの一緒の旅とカラガンダ夫妻も割り切っていますから、その意味でも残り二年足らずを、あちらこちらと特段に当てもない遊興の旅と決めていたのです。
マルコにしても、お世話になったカラガンダ夫妻ですからできる限り孝行をしてあげたいので、夫妻の希望に沿って動くことにしています。
従って、サザンポール亜大陸を東西に横断するまでは、夫妻と一緒の旅になるのです。
サザンポール亜大陸の東端まで達する頃にはマルコも12歳の成人を迎えそうですから、その時点でカラガンダ夫妻についてはマルコが転移魔法でニオルカンの屋敷まで送り届けるつもりでいるのです。
カラガンダ夫妻もそこが三人の旅路の終焉と割り切っています。
それ以降もマルコと一緒に旅を続けるのはできますが、老いてゆく者が余りマルコのような少年の荷物になってはいけないとも思っているのです。
マルコが12歳になれば冒険者ギルドもそうですけれど、商業ギルドも含めて種々のギルドに所属できる年齢になります。
そうなってからは一人前と見做されますから、カラガンダ夫妻はあまり口を挟まない方が良いのです。
増してマルコの場合は腕利きの魔法使いで錬金術師でもあります。
カラガンダ夫妻という負担が無ければより簡単に郷里にも戻れるはずなのです。
それゆえに、せめてサザンポール亜大陸までは我が子と一緒に旅をしたいという老人の我儘ということを重々承知しているのです。
ケサンドラスに入港して、一行は市内の宿に入りました。
グリモルデ号の方は、明日には船員三名が乗ってケサンドラスを出港し、沖合でマルコが亜空間に収容することにしています。
そうして十日程は、ケサンドラス市内若しくは周辺地で主として観光に費やす予定なのです。
その間に、マルコは少なくとも一度は冒険者ギルドでのクエストもこなして、会員証の有効期間を三ヶ月ほど伸ばすことになります。
ケサンドラス第一日目は、種々の手続きを行うだけで終わりました。
第二日目は、マルコは冒険者ギルドへ、カラガンダ夫妻は、セバスとエマを連れて市内の名所観光巡りです。
マルコはクエストとして市内の雑用を請け負いました。
今回は配送業務です。
本来は町の様子を知らないとできないクエストなのですけれど、マルコは一般の人には真似できない様な特殊能力を持っていますから、簡単に片づけて3か月間の有効期間延長を勝ち取りました。
ケサンドラスでのクエスト受注は、この一回だけの予定です。
次回はケサンドラスからサザンポール東端の港イタロールまでの旅の途中で、それぞれの地域のギルドでクエストの受注を図る予定です。
単純に二ヶ月に一度くらいの頻度でクエストを受注しておけば問題ありません。
第三日目からは、カラガンダ翁やステラ媼と一緒にケサンドラス市内の観光に行きました。
カラガンダ老がケサンドラスを訪問したのは二十年以上も前のことだそうで、最近はケサンドラスよりも南にあるザール港での交易が多かったようです。
一行には、護衛を兼ねてセバスとエマがついています。
クリシュとアッシュは宿で留守番、ビルを含む船員三名はグリモルデ号と共にマルコの亜空間で待機中です。
市内観光では由緒ある寺院や建造物などを見て歩きましたが、途中でチンピラ三人に絡まれました。
この時に活躍したのはセバスではなくエマでした。
ヒトと見間違うほどの美少女アンドロイドのエマが、大通りで大立ち回りを演じてチンピラ三人を撃退したときには周囲の見物人から拍手が湧きました。
エマの能力からすれば赤子の手をひねる様なもので、如何に手加減をするかが面倒だったはずです。
チンピラ三人が絡んできて若干の口論となり、向こうが殴りかかるまでに二分ほどかかりましたけれど、その直後数秒で地面に叩きつけられて伸びていた三人組でした。
彼らが伸びてから五分ほどしてから警備隊の兵士がやって来て事情を聴かれましたけれど、僕たち五人にはお咎め無し、チンピラ三人組は屯所に連れて行かれたようですが、その後は知りません。
その後7日程、ケサンドラス若しくはその周辺に居たわけですけれど、彼らから報復などはありませんでした。
仮に報復などに出てくれば、命までは取りませんけれど相応の怪我は覚悟してもらおうと思っていたのですけれど、そのようなことはありませんでした。
むしろ、そのような兆候が出る前に警備隊の方で厳重な注意をしていたようです。
確かにお礼参りなんぞを許していては町の治安は守れませんよね。
その意味でケサンドラスの町は警備隊に良く守られているようですね
第4日目からは馬車を出してケサンドラス周辺部の観光地巡りです。
今日は宿の留守番もなしですけれど、ケサンドラスの宿には夕刻には戻って来て宿泊するパターンを繰り返しています。
ケサンドラス出発までこれを繰り返していましたが、観光の最中は何事も起こらず、緩やかに時は流れて行きました。
9ビセット下旬にケサンドラスを出て、陸路イタロールに向けてシナシル往還を東進し始めました。
サザンポール亜大陸は、どちらかと云うと亜熱帯に近い気候であり、冬場でも寒くない地域が多いのです。
但し、東西に横切るシナジル往還の中ほどにはサザンポール大陸を南北に貫くようなバドル山脈が存在し、ここだけは一年中雪と氷に閉ざされた地域もあります。
この山岳地帯は難所の一つでしたが、今ではこうした寒冷高地にかかる往還の大部分がトンネルもしくは屋根のついた道路となっており、寒ささえ凌げば往来は可能となっているのです。
バドル山脈にまで到達するには、1年程度は優にかかる見込みなのです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
今回は少し短いですが、これで勘弁してツカァさい。
風邪気味で鼻水が止まりません。
By サクラ近衛将監
52
あなたにおすすめの小説
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
勇者パーティのサポートをする代わりに姉の様なアラサーの粗雑な女闘士を貰いました。
石のやっさん
ファンタジー
年上の女性が好きな俺には勇者パーティの中に好みのタイプの女性は居ません
俺の名前はリヒト、ジムナ村に生まれ、15歳になった時にスキルを貰う儀式で上級剣士のジョブを貰った。
本来なら素晴らしいジョブなのだが、今年はジョブが豊作だったらしく、幼馴染はもっと凄いジョブばかりだった。
幼馴染のカイトは勇者、マリアは聖女、リタは剣聖、そしてリアは賢者だった。
そんな訳で充分に上位職の上級剣士だが、四職が出た事で影が薄れた。
彼等は色々と問題があるので、俺にサポーターとしてついて行って欲しいと頼まれたのだが…ハーレムパーティに俺は要らないし面倒くさいから断ったのだが…しつこく頼むので、条件を飲んでくれればと条件をつけた。
それは『27歳の女闘志レイラを借金の権利ごと無償で貰う事』
今度もまた年上ヒロインです。
セルフレイティングは、話しの中でそう言った描写を書いたら追加します。
カクヨムにも投稿中です
私と母のサバイバル
だましだまし
ファンタジー
侯爵家の庶子だが唯一の直系の子として育てられた令嬢シェリー。
しかしある日、母と共に魔物が出る森に捨てられてしまった。
希望を諦めず森を進もう。
そう決意するシェリーに異変が起きた。
「私、別世界の前世があるみたい」
前世の知識を駆使し、二人は無事森を抜けられるのだろうか…?
幼馴染パーティーから追放された冒険者~所持していたユニークスキルは限界突破でした~レベル1から始まる成り上がりストーリー
すもも太郎
ファンタジー
この世界は個人ごとにレベルの上限が決まっていて、それが本人の資質として死ぬまで変えられません。(伝説の勇者でレベル65)
主人公テイジンは能力を封印されて生まれた。それはレベルキャップ1という特大のハンデだったが、それ故に幼馴染パーティーとの冒険によって莫大な経験値を積み上げる事が出来ていた。(ギャップボーナス最大化状態)
しかし、レベルは1から一切上がらないまま、免許の更新期限が過ぎてギルドを首になり絶望する。
命を投げ出す決意で訪れた死と再生の洞窟でテイジンの封印が解け、ユニークスキル”限界突破”を手にする。その後、自分の力を知らず知らずに発揮していき、周囲を驚かせながらも一人旅をつづけようとするが‥‥
※1話1500文字くらいで書いております
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
30代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。
ひさまま
ファンタジー
前世で搾取されまくりだった私。
魂の休養のため、地球に転生したが、地球でも今世も搾取されまくりのため魂の消滅の危機らしい。
とある理由から元の世界に戻るように言われ、マジックバックを自称神様から頂いたよ。
これで地球で買ったものを持ち込めるとのこと。やっぱり夢ではないらしい。
取り敢えず、明日は退職届けを出そう。
目指せ、快適異世界生活。
ぽちぽち更新します。
作者、うっかりなのでこれも買わないと!というのがあれば教えて下さい。
脳内の空想を、つらつら書いているのでお目汚しな際はごめんなさい。
神々に見捨てられし者、自力で最強へ
九頭七尾
ファンタジー
三大貴族の一角、アルベール家の長子として生まれた少年、ライズ。だが「祝福の儀」で何の天職も授かることができなかった彼は、『神々に見捨てられた者』と蔑まれ、一族を追放されてしまう。
「天職なし。最高じゃないか」
しかし彼は逆にこの状況を喜んだ。というのも、実はこの世界は、前世で彼がやり込んでいたゲーム【グランドワールド】にそっくりだったのだ。
天職を取得せずにゲームを始める「超ハードモード」こそが最強になれる道だと知るライズは、前世の知識を活かして成り上がっていく。
石しか生成出来ないと追放されましたが、それでOKです!
寿明結未
ファンタジー
夏祭り中に異世界召喚に巻き込まれた、ただの一般人の桜木ユリ。
皆がそれぞれ素晴らしいスキルを持っている中、桜木の持つスキルは【石を出す程度の力】しかなく、余りにも貧相なそれは皆に笑われて城から金だけ受け取り追い出される。
この国ではもう直ぐ戦争が始まるらしい……。
召喚された3人は戦うスキルを持っていて、桜木だけが【石を出す程度の能力】……。
確かに貧相だけれど――と思っていたが、意外と強いスキルだったようで!?
「こうなったらこの国を抜け出して平和な国で就職よ!」
気合いを入れ直した桜木は、商業ギルド相手に提案し、国を出て違う場所で新生活を送る事になるのだが、辿り着いた国にて、とある家族と出会う事となる――。
★暫く書き溜めが結構あるので、一日三回更新していきます! 応援よろしくお願いします!
★カクヨム・小説家になろう・アルファポリスで連載中です。
中国でコピーされていたので自衛です。
「天安門事件」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる