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第四章 学院生活(中等部編)
4ー31 螺鈿と蒔絵
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王都には一日だけ滞在し、直ぐにロデアルに向けて出発いたしました。
五日後、我が家に到着、家族の元気な姿を見て安心しました。
翌日には、オルト・ゴートに出向いて、お爺様と御婆様にご挨拶です。
王都の話や、ブルボン領訪問のお話をしてきましたよ。
お二人とも御歳は召されたのですが、元気でしたよ。
そうしてこのお二人には、密かに私(ヴィオラ)の魔法で健康を維持できるようにもしているんです。
私(ヴィオラ)は神様ではありませんから、延命にも限度がありますけれどね。
身内にはできるだけ元気でいて欲しいという気持ちはあります。
但し、余り干渉するのは良くないとも思っています。
平均年齢以上に多少長生きするのは構いませんけれど、例えばそれが百年以上も続くとなれば周囲の者が不気味に思ってしまいますからね。
何事にも限度というものがあります。
いずれ祖父母ともお別れの日が来ます。
それが人の定めというものだと理解しています。
◇◇◇◇
ブルボン家における製紙業の起業についても一応の検討はしました。
但し、職人に教えて長らく放置しておいたのですけれど、ロデアルでは思いのほか製紙業が盛んになっているんです。
これをブルボン家に技術指導することは可能ですけれど、ロデアルよりもブルボンの方が立地条件が良すぎて、競合するとロデアルが負けてしまいそうです。
ですから、当面はブルボン家からエルグンド家に対して何らかの依頼がなされるまでは放置しましょう。
その辺の判断は、領主であるおとうさまがすべきです。
一方で塩については、お父様に相談する必要もないでしょう。
私(ヴィオラ)の嫁入り後の事業の一つとして考えておきましょうね。
マーガレットお義母様に贈る『ニス』の方は、種々試行錯誤の結果、瓶詰容器の蓋を工夫することにより、製造日から概ね30日から40日間の品質維持が可能となりました。
従って、開封してからは早目に使わねばならないという点では同じでも、少なくとも輸送にかかる日数によるデメリットを克服できたと思います。
この特殊な蓋の封印方法を我が家の職人に教え込みましたので、以後は国内であればどの領域にでも移出ができるようになると思います。
ニスについては、私(ヴィオラ)が寄木細工の三段引き出しの小物入れを作り、その表面をニスで塗装したもののを見本として、マーガレットお義母あてにニスの瓶詰を10本分ほど送りました。
今一つ、ブルボンから入手した漆の応用については、若干手間暇がかかります。
『螺鈿細工を施すための箱』、『蒔絵細工を施すための箱』、さらに『螺鈿細工と蒔絵細工の両方を施す箱』の三種類の木地をかなり小さ目に造ったのですけれど、それからの手間暇がかかりました。
一番大変なのはやはりデザインなのでしょうねぇ。
前世の和風デザインを取り入れても良いのかもしれませんが、螺鈿細工や蒔絵細工をブルボンに住んでいる漆職人に受け入れてもらえるには、やはりこのセリヴェル世界に合わせたものが必要だと思いました。
ですから和風のものを紹介するのは、別の機会にいたしましょう
そんなことでセリヴェル世界の人々が受け入れやすい教会形式のデザインを選びました。
実はセリヴェル世界の神々は十三柱なのですが、いずれの教会にもよく知られているのは十柱の神々だけなんです。
前にも説明したかもしれませんが、十柱の神々のうち九柱の神々、すなわち、知恵・工芸の神であるワイヤル様、軍神・武神であるマレス様、水神・海神であるパルギウス様、地母神・農業神であるアグレス様、火神・鍛冶神であるグニフェル様、天候神・雷神であるサイゼス様、風神であるシュデーム様、植物及び樹木の神であるドルディア様、光の神であるライゼン様はいずれも人々に加護や恩寵を与える神々として知られており、またその頭領でもある創生神・全能神であるヴェルエル様も教会で語り継がれる神話の上でよく知られています。
ところが、闇の神であるフラギストン様、運命神であるジャンバル様、時空神であるティメル様は、原則として加護も恩寵も与えることをしない神様であり、神話にも登場しない神々なので誰もその存在を知らないのです。
このため、教会の壁画やステンドグラスにあしらわれているのは、よく知られている十柱の神々だけになっています。
面白いのはその図案で、結構奇抜なデザインとなっており、教会によってもお顔が違っていたりしますが、なぜか色合いはそれぞれの神々独特のものとして統一されているんです。
例えば、創生神・全能神であるヴェルエル様の場合は金と銀に青がモチーフとして使われており、数多の異なる教会でも色合いは金と銀に青に統一されています。
尤も、各教会によって、衣装が金色であったり、髪の色が金色であったり、持っている錫杖のようなものが金色であったりと少しずつ違いますし、表現されるお顔も違うのですけれど、色合いに『金』・『銀』・『青』が使われていればヴェルエル様とわかるようになっているのです。
ですから少々デフォルメさせた十柱の神々のデザインでも色合いさえ間違えなければ、それとわかるようになっています。
もう一つは十柱の神々それぞれを表すシンボルがあります。
ワイヤル様は梟、マレス様は剣と楯、パルギウス様は水龍、アグレス様は葡萄と麦穂、グニフェル様は火炎と酒、サイゼス様は稲光と雷雲、シュデーム様は竜巻、ドルディア様は樹木、ライゼン様は十六の光(旭日旗に近いイメージで赤色が黄色)、創生神・全能神であるヴェルエル様は多重の光輪です。
残念ながら、フラギストン様、ジャンバル様、ティメル様の三柱の神々についてはシンボルもありません。
今回はその中でもワイヤル様のシンボルを螺鈿細工の箱に、アグレス様のシンボルを蒔絵細工の箱に、ヴェリエル様のお姿を螺鈿と蒔絵を組み合わせた箱に採用しました。
それぞれの神々の色合いを使うことで、暗示的に表現するものです
デザインが決まると、螺鈿の場合は、魔石の砕片又は粉末、鼈甲、琥珀等を漆器の表面に嵌め込んだり、貼り付けたりして装飾します。
螺鈿細工の箱の場合は、梟のステンドグラスをヒントにデザインしています。
前世の螺鈿細工では、貝殻の内側にある真珠層を切り出して、漆器などの表面に嵌め込んだり、貼り付けたりして装飾する技法なのですが、生憎とライヒベルゼン王国の場合、内陸国で海が無いために白蝶貝、黒蝶貝などの入手が難しいのです。
そのために取り敢えず使えるのは、貝殻以外の琥珀と鼈甲になるのですが、このほかに、この世界独特のものとしては魔石が使えそうです。
魔石にも硬いものと柔らかいものがあり、その柔らかい魔石を使って模様を形作ることができそうです。
魔石を薄く切って形どり、または切り取った後の残片を粉砕して粉状にすることによって装飾用の蒔絵粉としても使えそうです。
木地は漆器の箱ですから漆は綺麗に塗っているわけで、その上に切り取った破片等を組み合わせて梟の姿を嵌め込み、若しくは接着し、その上に漆を塗って保護します。
その上で研磨をかけ、さらに漆を塗るのが、螺鈿細工になります。
蒔絵の場合は、下絵(葡萄と麦穂のシンボリックな絵)をなぞって漆で描き、必要な色付けを蒔絵粉で行い、その上に漆を重ね塗りします。
この際に、研ぎをかける技法もありますが、今回は省きます。
できればその手法を職人さんが工夫して見つけてほしいからです。
ブルボンでは、漆の重ね塗りの際にでこぼこした表面を研ぐ工程が有ったので、いずれ蒔絵を研ぐ工法も自力で見つけると思うのです。
螺鈿と蒔絵の組み合わせは両方の技法で私の知っているヴェリエル様のお顔をモディファイしたデザインで作りました。
いずれの場合でも、工程の中でどうしても塗った漆を固定するために、特定の温度及び湿度を保った部屋もしくは箱に入れて時間をかける必要があります。
このことを前世の職人さんは『漆風呂(うるしぶろ)』と言っていたようです。
漆でできた風呂桶という意味ではなく、漆を固定させるために、漆器を温度が20度~25度、湿度が70%~85%の部屋又は空間に置いて固める必要があるのです。
この漆風呂という工程が一つの作品を作る過程において何度も出てくることから、漆器制作には大変手間と時間がかかるのです。
因みに季節により漆風呂の時間は変化しますが、漆風呂の一回分で最低でも一日程度の時間が必要となります。
従って、工程数(漆を塗る工程や固める必要性)が多くなればなるほど、漆風呂の回数も増え、作業完了までの時間が増えることになります。
今回の場合、三つの箱を作るのに延べで四週間ほどの時間がかかりました。
レイノルズ様を通じてブルボン家の漆工芸職人に渡してもらう際には、それぞれの工程における注意事項を書いた『トリセツ』をつけることにしました。
いずれにしろ、他にもやることが有りましたから、ロデアルでこの宿題は完了せずに、王都に戻ってからも他生の夜なべ作業になりました。
徹夜して一挙にできるというものでもないですから、慌てず慎重に作業を進めるのが一番ですね。
私の亜空間で時間を進めてもあまり意味がありません。
実際に作業を行えば結構な時間がかかるはずなのです。
例えば何も図柄を描いていない漆器の箱を作るだけでも、普通は二週間ほどはかかってもおかしくないのです。
私が王都に戻って、一月ぐらいしてからレイノルズ様にお渡しするのが一番怪しまれずに済む時間帯だと思います。
ということで、この案件は、王都へ持ち越しになりました。
ロデアルでやっておかねばならないことは、更なる職人の養成ですね。
今居る職人への引継ぎを含めて技量の向上を目指します。
私が比較的自由でいられるのはせいぜい1年と少し、最長でも二年か三年でしょう。
その間にロデアルの秘蔵職人を自立させておかねばなりません。
現時点で、何人かの養成はできていますが、需要に応えるにはまだまだ職人の数が不足しています。
今年も孤児院やロデアル領内の村々を訪れ隠れた人材の発掘に努めています。
その際に、各地域で困っていることを聞いて回りできるだけ解決の道を探してあげるのが私の仕事の一つなのです。
五日後、我が家に到着、家族の元気な姿を見て安心しました。
翌日には、オルト・ゴートに出向いて、お爺様と御婆様にご挨拶です。
王都の話や、ブルボン領訪問のお話をしてきましたよ。
お二人とも御歳は召されたのですが、元気でしたよ。
そうしてこのお二人には、密かに私(ヴィオラ)の魔法で健康を維持できるようにもしているんです。
私(ヴィオラ)は神様ではありませんから、延命にも限度がありますけれどね。
身内にはできるだけ元気でいて欲しいという気持ちはあります。
但し、余り干渉するのは良くないとも思っています。
平均年齢以上に多少長生きするのは構いませんけれど、例えばそれが百年以上も続くとなれば周囲の者が不気味に思ってしまいますからね。
何事にも限度というものがあります。
いずれ祖父母ともお別れの日が来ます。
それが人の定めというものだと理解しています。
◇◇◇◇
ブルボン家における製紙業の起業についても一応の検討はしました。
但し、職人に教えて長らく放置しておいたのですけれど、ロデアルでは思いのほか製紙業が盛んになっているんです。
これをブルボン家に技術指導することは可能ですけれど、ロデアルよりもブルボンの方が立地条件が良すぎて、競合するとロデアルが負けてしまいそうです。
ですから、当面はブルボン家からエルグンド家に対して何らかの依頼がなされるまでは放置しましょう。
その辺の判断は、領主であるおとうさまがすべきです。
一方で塩については、お父様に相談する必要もないでしょう。
私(ヴィオラ)の嫁入り後の事業の一つとして考えておきましょうね。
マーガレットお義母様に贈る『ニス』の方は、種々試行錯誤の結果、瓶詰容器の蓋を工夫することにより、製造日から概ね30日から40日間の品質維持が可能となりました。
従って、開封してからは早目に使わねばならないという点では同じでも、少なくとも輸送にかかる日数によるデメリットを克服できたと思います。
この特殊な蓋の封印方法を我が家の職人に教え込みましたので、以後は国内であればどの領域にでも移出ができるようになると思います。
ニスについては、私(ヴィオラ)が寄木細工の三段引き出しの小物入れを作り、その表面をニスで塗装したもののを見本として、マーガレットお義母あてにニスの瓶詰を10本分ほど送りました。
今一つ、ブルボンから入手した漆の応用については、若干手間暇がかかります。
『螺鈿細工を施すための箱』、『蒔絵細工を施すための箱』、さらに『螺鈿細工と蒔絵細工の両方を施す箱』の三種類の木地をかなり小さ目に造ったのですけれど、それからの手間暇がかかりました。
一番大変なのはやはりデザインなのでしょうねぇ。
前世の和風デザインを取り入れても良いのかもしれませんが、螺鈿細工や蒔絵細工をブルボンに住んでいる漆職人に受け入れてもらえるには、やはりこのセリヴェル世界に合わせたものが必要だと思いました。
ですから和風のものを紹介するのは、別の機会にいたしましょう
そんなことでセリヴェル世界の人々が受け入れやすい教会形式のデザインを選びました。
実はセリヴェル世界の神々は十三柱なのですが、いずれの教会にもよく知られているのは十柱の神々だけなんです。
前にも説明したかもしれませんが、十柱の神々のうち九柱の神々、すなわち、知恵・工芸の神であるワイヤル様、軍神・武神であるマレス様、水神・海神であるパルギウス様、地母神・農業神であるアグレス様、火神・鍛冶神であるグニフェル様、天候神・雷神であるサイゼス様、風神であるシュデーム様、植物及び樹木の神であるドルディア様、光の神であるライゼン様はいずれも人々に加護や恩寵を与える神々として知られており、またその頭領でもある創生神・全能神であるヴェルエル様も教会で語り継がれる神話の上でよく知られています。
ところが、闇の神であるフラギストン様、運命神であるジャンバル様、時空神であるティメル様は、原則として加護も恩寵も与えることをしない神様であり、神話にも登場しない神々なので誰もその存在を知らないのです。
このため、教会の壁画やステンドグラスにあしらわれているのは、よく知られている十柱の神々だけになっています。
面白いのはその図案で、結構奇抜なデザインとなっており、教会によってもお顔が違っていたりしますが、なぜか色合いはそれぞれの神々独特のものとして統一されているんです。
例えば、創生神・全能神であるヴェルエル様の場合は金と銀に青がモチーフとして使われており、数多の異なる教会でも色合いは金と銀に青に統一されています。
尤も、各教会によって、衣装が金色であったり、髪の色が金色であったり、持っている錫杖のようなものが金色であったりと少しずつ違いますし、表現されるお顔も違うのですけれど、色合いに『金』・『銀』・『青』が使われていればヴェルエル様とわかるようになっているのです。
ですから少々デフォルメさせた十柱の神々のデザインでも色合いさえ間違えなければ、それとわかるようになっています。
もう一つは十柱の神々それぞれを表すシンボルがあります。
ワイヤル様は梟、マレス様は剣と楯、パルギウス様は水龍、アグレス様は葡萄と麦穂、グニフェル様は火炎と酒、サイゼス様は稲光と雷雲、シュデーム様は竜巻、ドルディア様は樹木、ライゼン様は十六の光(旭日旗に近いイメージで赤色が黄色)、創生神・全能神であるヴェルエル様は多重の光輪です。
残念ながら、フラギストン様、ジャンバル様、ティメル様の三柱の神々についてはシンボルもありません。
今回はその中でもワイヤル様のシンボルを螺鈿細工の箱に、アグレス様のシンボルを蒔絵細工の箱に、ヴェリエル様のお姿を螺鈿と蒔絵を組み合わせた箱に採用しました。
それぞれの神々の色合いを使うことで、暗示的に表現するものです
デザインが決まると、螺鈿の場合は、魔石の砕片又は粉末、鼈甲、琥珀等を漆器の表面に嵌め込んだり、貼り付けたりして装飾します。
螺鈿細工の箱の場合は、梟のステンドグラスをヒントにデザインしています。
前世の螺鈿細工では、貝殻の内側にある真珠層を切り出して、漆器などの表面に嵌め込んだり、貼り付けたりして装飾する技法なのですが、生憎とライヒベルゼン王国の場合、内陸国で海が無いために白蝶貝、黒蝶貝などの入手が難しいのです。
そのために取り敢えず使えるのは、貝殻以外の琥珀と鼈甲になるのですが、このほかに、この世界独特のものとしては魔石が使えそうです。
魔石にも硬いものと柔らかいものがあり、その柔らかい魔石を使って模様を形作ることができそうです。
魔石を薄く切って形どり、または切り取った後の残片を粉砕して粉状にすることによって装飾用の蒔絵粉としても使えそうです。
木地は漆器の箱ですから漆は綺麗に塗っているわけで、その上に切り取った破片等を組み合わせて梟の姿を嵌め込み、若しくは接着し、その上に漆を塗って保護します。
その上で研磨をかけ、さらに漆を塗るのが、螺鈿細工になります。
蒔絵の場合は、下絵(葡萄と麦穂のシンボリックな絵)をなぞって漆で描き、必要な色付けを蒔絵粉で行い、その上に漆を重ね塗りします。
この際に、研ぎをかける技法もありますが、今回は省きます。
できればその手法を職人さんが工夫して見つけてほしいからです。
ブルボンでは、漆の重ね塗りの際にでこぼこした表面を研ぐ工程が有ったので、いずれ蒔絵を研ぐ工法も自力で見つけると思うのです。
螺鈿と蒔絵の組み合わせは両方の技法で私の知っているヴェリエル様のお顔をモディファイしたデザインで作りました。
いずれの場合でも、工程の中でどうしても塗った漆を固定するために、特定の温度及び湿度を保った部屋もしくは箱に入れて時間をかける必要があります。
このことを前世の職人さんは『漆風呂(うるしぶろ)』と言っていたようです。
漆でできた風呂桶という意味ではなく、漆を固定させるために、漆器を温度が20度~25度、湿度が70%~85%の部屋又は空間に置いて固める必要があるのです。
この漆風呂という工程が一つの作品を作る過程において何度も出てくることから、漆器制作には大変手間と時間がかかるのです。
因みに季節により漆風呂の時間は変化しますが、漆風呂の一回分で最低でも一日程度の時間が必要となります。
従って、工程数(漆を塗る工程や固める必要性)が多くなればなるほど、漆風呂の回数も増え、作業完了までの時間が増えることになります。
今回の場合、三つの箱を作るのに延べで四週間ほどの時間がかかりました。
レイノルズ様を通じてブルボン家の漆工芸職人に渡してもらう際には、それぞれの工程における注意事項を書いた『トリセツ』をつけることにしました。
いずれにしろ、他にもやることが有りましたから、ロデアルでこの宿題は完了せずに、王都に戻ってからも他生の夜なべ作業になりました。
徹夜して一挙にできるというものでもないですから、慌てず慎重に作業を進めるのが一番ですね。
私の亜空間で時間を進めてもあまり意味がありません。
実際に作業を行えば結構な時間がかかるはずなのです。
例えば何も図柄を描いていない漆器の箱を作るだけでも、普通は二週間ほどはかかってもおかしくないのです。
私が王都に戻って、一月ぐらいしてからレイノルズ様にお渡しするのが一番怪しまれずに済む時間帯だと思います。
ということで、この案件は、王都へ持ち越しになりました。
ロデアルでやっておかねばならないことは、更なる職人の養成ですね。
今居る職人への引継ぎを含めて技量の向上を目指します。
私が比較的自由でいられるのはせいぜい1年と少し、最長でも二年か三年でしょう。
その間にロデアルの秘蔵職人を自立させておかねばなりません。
現時点で、何人かの養成はできていますが、需要に応えるにはまだまだ職人の数が不足しています。
今年も孤児院やロデアル領内の村々を訪れ隠れた人材の発掘に努めています。
その際に、各地域で困っていることを聞いて回りできるだけ解決の道を探してあげるのが私の仕事の一つなのです。
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