38 / 39
アダムside
10話 募る気持ち(21話後)
しおりを挟む
以前、僕の正体を知らないシェリーに避けられている相談をしたときに、シェリーへの恋心を自覚してしまった。そして、互いに正体が分かり出した今、シェリーに対する恋心はどんどん大きくなっている。
もうここ最近の僕のシェリーへの想いは、好きになったばかりの頃とはレベルが違う。毎日シェリーが可愛すぎるのだ。店で楽しそうに働く彼女を見ていると、自然と心が癒される。
本当に今回ばかりは仮面を付けていて良かったと思う。仕事中に情けない顔をさらけ出してしまわなくて済むからだ。
彼女は正体が分かった今でも、クッキーをプレゼントしてくれる。申し訳なくてこっそり置いていたと後で聞いたが、今でも習慣としてシェリーはクッキーをくれる。
僕はそのお礼として、少しでも彼女に喜んでもらえたらと、彼女がいつも綺麗だと言ってくれる花のミニブーケを作ってプレゼントした。今回は即席ではなく、ちゃんとレースや包装紙を用意して、花屋のものを参考にして用意した。
するとシェリーは頬を赤らめ、それは嬉しそうに笑いながら喜んでくれた。もっと彼女のことが好きになってしまった。
そんな彼女がある日、手芸用の作業台が見つからないと相談してきた。僕は自分の家の家具を色々と使いやすい様に改良したり、作ったりする。だから、もし僕でも作れそうなものなら作ってあげようと思って、彼女に欲しい机のデザインを描いてもらった。
そして、僕は彼女に描いてもらったデザインに目を通した。ざっくり目を通し、作業スペースを一時的に広げられるようにする折り畳みの机に、手芸用品を入れる引き出しを付けている台が欲しいのだと分かった。
また、引き出しのサイズや引き出しの中も色々と凝っているようだ。でも、作り自体はそこそこ単純なため、僕でも作れそうなデザインだった。
――作ったらシェリーは喜んでくれるかな?
こういうところでデキる男だってアピールして、シェリーに少しでも好かれるように努力しないと!
そう思い、製作を引き受け彼女のための作業台を作った。すると、彼女は夢のようだと飛び跳ねて喜んでくれた。
ちょっと一部難しいところもあって大変だったけど、作ること自体も楽しかった。何より、シェリーはとても喜んでくれたし、彼女のために何かできたという時点で満足だった。
それに、シェリーが働いている間に作っていたのに、シェリーはわざわざ自身の休憩中に差し入れを持って来てくれた。僕が惚れさせたいのに、僕の方がもっと彼女に惚れてしまった。
そして作り終えた後、彼女はお金を払うというが僕は要らないと言って、初めて彼女と言い合った。正直言い合いというレベルではないが、結局半分だけ料金をもらった。正直自己満足でしたことだったのに悪いなと思っていたのに、シェリーはさらに手袋と靴下までくれた。
手袋は替え時で今年は買わないといけないと思っていたからすごく助かるし、冬にこの暖かい靴下は最高だ。手袋も靴下も重宝するものだから、本当に嬉しかった。
それに何より、僕はシェリーの編み物や刺繍の完成度に驚いた。既製品並みどころか、既製品の中でもかなり上等な品のレベルだった。彼女はたくさんの才能があるのだなと、僕は改めてシェリーのことを尊敬した。
そんな彼女は、自分では気づいていないようだが結構客にモテる。彼女目当てで来る客もたまにいるくらいだ
彼女目当てで来るのは客だけじゃない。品の材料を配達しに来る若い男のうち数人もシェリーに気があるようだ。特にクリスは僕にとって要注意人物だ。隙あらばシェリーに何かと話しかけている。
シェリーが働き始めて何か月か経つが、もう完璧に喫茶店の看板娘という感じになっている。それほどまでにシェリーがこの店に馴染んでくれたんだと嬉しい気持ちになる。だけど、何だか寂しさも感じてしまう。
思ってはいけないということは分かっている。ただ、僕だけが彼女の魅力を知っているという優越感を奪われるような感覚になってしまうときがあるのだ。
でも、僕は他の男性陣たちとは違い、シェリーと一緒にご飯を食べて出勤したり、一緒に晩御飯を食べて帰ったり、本を交換したり、他愛無い話をしたりして楽しんでいる。それもあり、次第に彼女を奪われていると思う感覚は消えていった。
彼女の魅力を知っている男がたくさんいる中で、彼女に選んでもらうことが大事なのだ。そう考えられるようになった。
本格的に寒い季節になり、メアリーさんの誘いで晩御飯を4人で食べることが増えた。この4人で過ごす時間に至っては、もはや家族みたいな感覚だ。
――この時間がずっと続けばいいな……。
ふと、そう思った。僕はシェリーと一緒に居る時が一番幸せだと感じる。そのたびに、やっぱり僕は彼女のことが好きなんだと自覚させられた。
この関係を崩したくないけど、シェリーは日が経つごとに他の男たちに気に入られ好かれている。中には彼女に告白した人もいたようだ。
一部の人は、たまに発動する彼女の天然発言で告白したことにすら気付かれていないようだが、このままでは、あっという間に知らない男に彼女が取られるかもしれない。
――よし、告白しよう!
僕はそう決心した。
もうここ最近の僕のシェリーへの想いは、好きになったばかりの頃とはレベルが違う。毎日シェリーが可愛すぎるのだ。店で楽しそうに働く彼女を見ていると、自然と心が癒される。
本当に今回ばかりは仮面を付けていて良かったと思う。仕事中に情けない顔をさらけ出してしまわなくて済むからだ。
彼女は正体が分かった今でも、クッキーをプレゼントしてくれる。申し訳なくてこっそり置いていたと後で聞いたが、今でも習慣としてシェリーはクッキーをくれる。
僕はそのお礼として、少しでも彼女に喜んでもらえたらと、彼女がいつも綺麗だと言ってくれる花のミニブーケを作ってプレゼントした。今回は即席ではなく、ちゃんとレースや包装紙を用意して、花屋のものを参考にして用意した。
するとシェリーは頬を赤らめ、それは嬉しそうに笑いながら喜んでくれた。もっと彼女のことが好きになってしまった。
そんな彼女がある日、手芸用の作業台が見つからないと相談してきた。僕は自分の家の家具を色々と使いやすい様に改良したり、作ったりする。だから、もし僕でも作れそうなものなら作ってあげようと思って、彼女に欲しい机のデザインを描いてもらった。
そして、僕は彼女に描いてもらったデザインに目を通した。ざっくり目を通し、作業スペースを一時的に広げられるようにする折り畳みの机に、手芸用品を入れる引き出しを付けている台が欲しいのだと分かった。
また、引き出しのサイズや引き出しの中も色々と凝っているようだ。でも、作り自体はそこそこ単純なため、僕でも作れそうなデザインだった。
――作ったらシェリーは喜んでくれるかな?
こういうところでデキる男だってアピールして、シェリーに少しでも好かれるように努力しないと!
そう思い、製作を引き受け彼女のための作業台を作った。すると、彼女は夢のようだと飛び跳ねて喜んでくれた。
ちょっと一部難しいところもあって大変だったけど、作ること自体も楽しかった。何より、シェリーはとても喜んでくれたし、彼女のために何かできたという時点で満足だった。
それに、シェリーが働いている間に作っていたのに、シェリーはわざわざ自身の休憩中に差し入れを持って来てくれた。僕が惚れさせたいのに、僕の方がもっと彼女に惚れてしまった。
そして作り終えた後、彼女はお金を払うというが僕は要らないと言って、初めて彼女と言い合った。正直言い合いというレベルではないが、結局半分だけ料金をもらった。正直自己満足でしたことだったのに悪いなと思っていたのに、シェリーはさらに手袋と靴下までくれた。
手袋は替え時で今年は買わないといけないと思っていたからすごく助かるし、冬にこの暖かい靴下は最高だ。手袋も靴下も重宝するものだから、本当に嬉しかった。
それに何より、僕はシェリーの編み物や刺繍の完成度に驚いた。既製品並みどころか、既製品の中でもかなり上等な品のレベルだった。彼女はたくさんの才能があるのだなと、僕は改めてシェリーのことを尊敬した。
そんな彼女は、自分では気づいていないようだが結構客にモテる。彼女目当てで来る客もたまにいるくらいだ
彼女目当てで来るのは客だけじゃない。品の材料を配達しに来る若い男のうち数人もシェリーに気があるようだ。特にクリスは僕にとって要注意人物だ。隙あらばシェリーに何かと話しかけている。
シェリーが働き始めて何か月か経つが、もう完璧に喫茶店の看板娘という感じになっている。それほどまでにシェリーがこの店に馴染んでくれたんだと嬉しい気持ちになる。だけど、何だか寂しさも感じてしまう。
思ってはいけないということは分かっている。ただ、僕だけが彼女の魅力を知っているという優越感を奪われるような感覚になってしまうときがあるのだ。
でも、僕は他の男性陣たちとは違い、シェリーと一緒にご飯を食べて出勤したり、一緒に晩御飯を食べて帰ったり、本を交換したり、他愛無い話をしたりして楽しんでいる。それもあり、次第に彼女を奪われていると思う感覚は消えていった。
彼女の魅力を知っている男がたくさんいる中で、彼女に選んでもらうことが大事なのだ。そう考えられるようになった。
本格的に寒い季節になり、メアリーさんの誘いで晩御飯を4人で食べることが増えた。この4人で過ごす時間に至っては、もはや家族みたいな感覚だ。
――この時間がずっと続けばいいな……。
ふと、そう思った。僕はシェリーと一緒に居る時が一番幸せだと感じる。そのたびに、やっぱり僕は彼女のことが好きなんだと自覚させられた。
この関係を崩したくないけど、シェリーは日が経つごとに他の男たちに気に入られ好かれている。中には彼女に告白した人もいたようだ。
一部の人は、たまに発動する彼女の天然発言で告白したことにすら気付かれていないようだが、このままでは、あっという間に知らない男に彼女が取られるかもしれない。
――よし、告白しよう!
僕はそう決心した。
17
あなたにおすすめの小説
冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない
彩空百々花
恋愛
誰もが恐れ、羨み、その瞳に映ることだけを渇望するほどに高貴で気高い、今世紀最強の見目麗しき完璧な神様。
酔いしれるほどに麗しく美しい女たちの愛に溺れ続けていた神様は、ある日突然。
「今日からこの女がおれの最愛のひと、ね」
そんなことを、言い出した。
優しすぎる王太子に妃は現れない
七宮叶歌
恋愛
『優しすぎる王太子』リュシアンは国民から慕われる一方、貴族からは優柔不断と見られていた。
没落しかけた伯爵家の令嬢エレナは、家を救うため王太子妃選定会に挑み、彼の心を射止めようと決意する。
だが、選定会の裏には思わぬ陰謀が渦巻いていた。翻弄されながらも、エレナは自分の想いを貫けるのか。
国が繁栄する時、青い鳥が現れる――そんな伝承のあるフェラデル国で、優しすぎる王太子と没落令嬢の行く末を、青い鳥は見守っている。
女王は若き美貌の夫に離婚を申し出る
小西あまね
恋愛
「喜べ!やっと離婚できそうだぞ!」「……は?」
政略結婚して9年目、32歳の女王陛下は22歳の王配陛下に笑顔で告げた。
9年前の約束を叶えるために……。
豪胆果断だがどこか天然な女王と、彼女を敬愛してやまない美貌の若き王配のすれ違い離婚騒動。
「月と雪と温泉と ~幼馴染みの天然王子と最強魔術師~」の王子の姉の話ですが、独立した話で、作風も違います。
本作は小説家になろうにも投稿しています。
白詰草は一途に恋を秘め、朝露に濡れる
瀬月 ゆな
恋愛
ロゼリエッタは三歳年上の婚約者クロードに恋をしている。
だけど、その恋は決して叶わないものだと知っていた。
異性に対する愛情じゃないのだとしても、妹のような存在に対する感情なのだとしても、いつかは結婚して幸せな家庭を築ける。それだけを心の支えにしていたある日、クロードから一方的に婚約の解消を告げられてしまう。
失意に沈むロゼリエッタに、クロードが隣国で行方知れずになったと兄が告げる。
けれど賓客として訪れた隣国の王太子に付き従う仮面の騎士は過去も姿形も捨てて、別人として振る舞うクロードだった。
愛していると言えなかった騎士と、愛してくれているのか聞けなかった令嬢の、すれ違う初恋の物語。
他サイト様でも公開しております。
イラスト 灰梅 由雪(https://twitter.com/haiumeyoshiyuki)様
【完結済】春を迎えに~番という絆に導かれて~
廻野 久彩
恋愛
辺境の村から王都の星環教会へやってきた研修生アナベル・ウィンダーミア。
門で出会った王族直属騎士団副団長ルシアン・ヴァルセインと握手を交わした瞬間、二人の手首に金色の光が浮かび上がる。
それは"番"——神が定めた魂の半身の証。
物語の中でしか聞いたことのない奇跡的な出会いに胸を躍らせるアナベルだったが、ルシアンの口から告げられたのは冷酷な現実だった。
「俺には……すでに婚約者がいる」
その婚約者こそ、名門ルヴェリエ家の令嬢セレナ。国境の緊張が高まる中、彼女との政略結婚は王国の命運を左右する重要な政治的意味を持っていた。
番の衝動に身を焼かれながらも、決して越えてはならない一線を守ろうとするルシアン。
想い人を諦めきれずにいながら、彼の立場を理解しようと努めるアナベル。
そして、すべてを知りながらも優雅に微笑み続けるセレナ。
三人の心は複雑に絡み合い、それぞれが異なる痛みを抱えながら日々を過ごしていく。
政略と恋情、義務と本心、誠実さと衝動——
揺れ動く想いの果てに、それぞれが下す選択とは。
番という絆に翻弄されながらも、最後に自分自身の意志で道を選び取る三人の物語。
愛とは選ぶこと。
幸せとは、選んだ道を自分の足で歩くこと。
番の絆を軸に描かれる、大人のファンタジーロマンス。
全20話完結。
**【キーワード】**
番・運命の相手・政略結婚・三角関係・騎士・王都・ファンタジー・恋愛・完結済み・ハッピーエンド
婚約破棄された夜、最強魔導師に「番」だと告げられました
有賀冬馬
恋愛
学院の祝宴で告げられた、無慈悲な婚約破棄。
魔力が弱い私には、価値がないという現実。
泣きながら逃げた先で、私は古代の遺跡に迷い込む。
そこで目覚めた彼は、私を見て言った。
「やっと見つけた。私の番よ」
彼の前でだけ、私の魔力は輝く。
奪われた尊厳、歪められた運命。
すべてを取り戻した先にあるのは……
魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました
iru
恋愛
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。
両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。
両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。
しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。
魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。
自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。
一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。
初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。
恋人になりたいが、年上で雇い主。
もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。
そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。
そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。
レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか?
両片思いのすれ違いのお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる