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退院
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よく見ると、カバンの右下に鍋のマークの刺繍が入っていて、どこかで見たな?と思いながらも思い出せないので、まあいいかと必要な分の薬を入れて早速かけてみる。
それに合わせてか、玲と秋彪兄弟からは同じメーカーの財布。
宮司夫妻からはサイズ違いのブックカバーのセットを貰った。
みんなにお礼を言うと、魚屋さんは刺身が祝いだと言い、棟梁も手摺が……といい、みんなにお礼を言って先に部屋へと戻り、少し寝ろと祖父に言われ横になる。
気づいたらもう外は真っ暗で、夜の八時を過ぎていた。
「起こしてよー!」ととりあえず立ち、車椅子でトイレに向かって、囲炉裏の部屋を見るとお酒を飲みながら、ウトウトとしているおじいさんがいた。
「風邪ひくよ?」
「あ、起きたのか!婆さん!雪翔が起きたぞー」
「もう、酔ってるの?大丈夫?」
「まだまだ飲み始めじゃ。腹は減ってないか?」
「少し」
「こっちで食べるといい。板の間の方はもう片付けてしまったからな」
「起こしてくれたら良かったのに。それに、僕の部屋エアコンついてる……二部屋とも。こっちにはないのに」
「儂等は暑さには強いからいいんじゃ。あっちの部屋に用意してもらうから先に行きなさい」
「うん」
車椅子から降りて、テーブルにお茶を置く。
栞と那智に秋彪、玲も一緒に入ってきて、持ってきてもらった素麺を食べながら、横でみんなが飲んでいるのが不思議な光景に見えてしまう。
「なぁ雪翔よ。儂等は一旦戻るが、定期的に来ようと思うんじゃ。構わんか?」
「うん、なんでそんなこと聞くの?」
「何となくじゃよ。困ったことがあれば、すぐにみんなを頼るんじゃよ?」
「分かった」
「雪翔、その薬飲んだら眠くなるんだろ?」
「慣れるまでって聞いたよ?」
「飲んだ後外に出るなよ?那智がうるさいから」
「うるさいのは秋彪だろう?」
「でも僕、明日商店街行きたいんだ……」
「帰ってきたばかりよ?」
「なにか思い出せるかなって……」
「無理するなよ。自然に思い出すさ……」
「そう、俺なんてしよっちゅう物忘れしてるぞ?」
「兄貴は忘れすぎ!」
「だったら、明日の買い物の時に一緒に行きます。まだ車椅子も慣れてないだろうし」
「でも……」
「でもは無し!膝の上に荷物置いちゃおうかしら?」
「それなら雪翔も手伝いになるからいいじゃろう」
結局遅くまで寝てしまったので、夜の22時過ぎまで話、最後の日だからと祖父母と一緒に寝ることにした。布団を敷くのを少し手伝い、あちらの家にいる冬弥の兄のことを聞く。
「心配しておるよ?忙しくてこちらに来れなかったのを謝っておった。嫁もな、こちらにと思ったんじゃが、あちらから出たことがないから辞めておいたんじゃ」
「そうなの。みんながこちらのことを知ってる訳じゃないのよ?」
「僕が人間で、養子になるのに手続きをしてくれたって聞いて、挨拶はしないとと思ってて……」
「もう少し良くなったら来たらいい。みんな会いたがっておるよ?おお、そうじゃ!何かいらない本があったら欲しいと言われておったんじゃ」
「どんなの読むの?」
「儂にはさっぱりわからん!」
「なんだったかしら?前に市場で人間界の本を買って読んだって言ってたわねぇ。ドラマの作品とか言ってたわねぇ」
「いくつかあるから、明日持ってって。僕もう読んだから」
「そうか?」
その後は大きないびきが聞こえてきたが、薬が効くと眠気に逆らえないのでそのまま寝る。
それに合わせてか、玲と秋彪兄弟からは同じメーカーの財布。
宮司夫妻からはサイズ違いのブックカバーのセットを貰った。
みんなにお礼を言うと、魚屋さんは刺身が祝いだと言い、棟梁も手摺が……といい、みんなにお礼を言って先に部屋へと戻り、少し寝ろと祖父に言われ横になる。
気づいたらもう外は真っ暗で、夜の八時を過ぎていた。
「起こしてよー!」ととりあえず立ち、車椅子でトイレに向かって、囲炉裏の部屋を見るとお酒を飲みながら、ウトウトとしているおじいさんがいた。
「風邪ひくよ?」
「あ、起きたのか!婆さん!雪翔が起きたぞー」
「もう、酔ってるの?大丈夫?」
「まだまだ飲み始めじゃ。腹は減ってないか?」
「少し」
「こっちで食べるといい。板の間の方はもう片付けてしまったからな」
「起こしてくれたら良かったのに。それに、僕の部屋エアコンついてる……二部屋とも。こっちにはないのに」
「儂等は暑さには強いからいいんじゃ。あっちの部屋に用意してもらうから先に行きなさい」
「うん」
車椅子から降りて、テーブルにお茶を置く。
栞と那智に秋彪、玲も一緒に入ってきて、持ってきてもらった素麺を食べながら、横でみんなが飲んでいるのが不思議な光景に見えてしまう。
「なぁ雪翔よ。儂等は一旦戻るが、定期的に来ようと思うんじゃ。構わんか?」
「うん、なんでそんなこと聞くの?」
「何となくじゃよ。困ったことがあれば、すぐにみんなを頼るんじゃよ?」
「分かった」
「雪翔、その薬飲んだら眠くなるんだろ?」
「慣れるまでって聞いたよ?」
「飲んだ後外に出るなよ?那智がうるさいから」
「うるさいのは秋彪だろう?」
「でも僕、明日商店街行きたいんだ……」
「帰ってきたばかりよ?」
「なにか思い出せるかなって……」
「無理するなよ。自然に思い出すさ……」
「そう、俺なんてしよっちゅう物忘れしてるぞ?」
「兄貴は忘れすぎ!」
「だったら、明日の買い物の時に一緒に行きます。まだ車椅子も慣れてないだろうし」
「でも……」
「でもは無し!膝の上に荷物置いちゃおうかしら?」
「それなら雪翔も手伝いになるからいいじゃろう」
結局遅くまで寝てしまったので、夜の22時過ぎまで話、最後の日だからと祖父母と一緒に寝ることにした。布団を敷くのを少し手伝い、あちらの家にいる冬弥の兄のことを聞く。
「心配しておるよ?忙しくてこちらに来れなかったのを謝っておった。嫁もな、こちらにと思ったんじゃが、あちらから出たことがないから辞めておいたんじゃ」
「そうなの。みんながこちらのことを知ってる訳じゃないのよ?」
「僕が人間で、養子になるのに手続きをしてくれたって聞いて、挨拶はしないとと思ってて……」
「もう少し良くなったら来たらいい。みんな会いたがっておるよ?おお、そうじゃ!何かいらない本があったら欲しいと言われておったんじゃ」
「どんなの読むの?」
「儂にはさっぱりわからん!」
「なんだったかしら?前に市場で人間界の本を買って読んだって言ってたわねぇ。ドラマの作品とか言ってたわねぇ」
「いくつかあるから、明日持ってって。僕もう読んだから」
「そうか?」
その後は大きないびきが聞こえてきたが、薬が効くと眠気に逆らえないのでそのまま寝る。
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