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江戸屋敷
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「後聞いたぞ?土間で朝餉の支度を手伝ったとか」
「いつもしてたからつい。怒らないであげてよ」
「雪翔のしたいようにすれば良い。神社はどうじゃ?」
「気持ちよかった」
「そうか!とにかく城に行くのにその格好でいいが、城まで飛んでいく。車椅子は置いていくしかないし、周太郎も連れていけんのじゃ」
「這って歩いてくよ」
「前は会うだけじゃと言うておったのに、いきなり条件付きとは、すまんの」
「お爺ちゃんのせいじゃ無いもん。何か考えがあるのかも。いつ行くの?」
直ぐじゃと言い、このままでいいならとカバンに薬が入ってあるのを確認して、そのまま城まで飛んでもらう。
「大丈夫?」
「このくらいはな。みてみろこの階段。毎回ウンザリじゃよ」
その後腰に手を回してまたかなり長い階段を飛んでくれる。
「凄い。山のてっぺんにある感じ?」
「まあな。天狐は御簾の後ろにいる。顔を見せることはまずないだろう。冬弥がいれば影は六つ。居なければ五つじゃ。準備はいいか?」
「う、うん。」
兵に書状を見せ中に通してもらい、すぐに面会となった。
「そなたが雪翔か。たしかに不思議な力を持っておるの。話は聞いておる、こちらでゆっくりするが良かろう」
「あ、ありがとうございます……」
「して、この子供どうするつもりじゃ?」
「今日はいきなり本題じゃの?どうもせん。儂の孫じゃ。家族で面倒見ていく」
「ここに住みその力我らに貸す気は無いか?」
「力って言っても僕は何もできません」
「雪翔は遊びに来たんじゃ。それをいきなり面会にしおって……」
「前から決めておったことじゃ。元天狐は黙って居れ」
「あの、お爺ちゃんにそんなこと言わなくてもいいと思います。僕は人間だし、今は記憶はないし、いろんなこと言われても困るし、夏休み中に遊びに来ただけなので、用事がそれだけなら、僕帰ります」
お爺ちゃんに帰ろうと言って部屋を出るのに襖を開けようとするがびくともしない。
「座れ」と、男性の低い声がしたが、座らずに御簾の影を数える。
5人だから冬弥さんはいないのだろう。
「もう一度だけ言う。そこに座れ!」
「嫌です!」
怒ったからか、ピシッといくつか音が鳴る。
「無自覚か。まぁ良い。そのうち嫌でも頼ってくるのはそなたじゃ。その時は助けぬが良いのか?」
はい!そう答えて部屋を出る。
「お爺ちゃんごめんね?僕、あんな言い方嫌いだったから」
「構うものか。あいつらとは昔から合わなんだ。雪翔が嫌な思いをする方がよっぽど嫌じゃよ。しかしまぁ、そんなにはっきりと言える子だとも思わなんだ」
「___僕、前にもこんなことがあった気がするんだ」
「そうか……」捕まっておれと言われて、しがみついて家まで帰ると、横になってた方がいいと言われ、畳に座っていて疲れた足を周太郎がマッサージしてくれる。
「周太郎さん、ここはお狐様の世界だよね?お殿様とかいるの?」
「城は中心の山頂にありますけど、そこにはいつも天狐様が交代で居るようになっただけで、殿様はいませんが、狐界のことを考えて動いてくださるので、殿様といえばそう見えるかも知れませんが……」
「仕組みがイマイチ分からないよ。まだ読んでる途中だけど」
その本を読めばだいたいんかると言われ、マッサージが終わってから、また読み始める。
「いつもしてたからつい。怒らないであげてよ」
「雪翔のしたいようにすれば良い。神社はどうじゃ?」
「気持ちよかった」
「そうか!とにかく城に行くのにその格好でいいが、城まで飛んでいく。車椅子は置いていくしかないし、周太郎も連れていけんのじゃ」
「這って歩いてくよ」
「前は会うだけじゃと言うておったのに、いきなり条件付きとは、すまんの」
「お爺ちゃんのせいじゃ無いもん。何か考えがあるのかも。いつ行くの?」
直ぐじゃと言い、このままでいいならとカバンに薬が入ってあるのを確認して、そのまま城まで飛んでもらう。
「大丈夫?」
「このくらいはな。みてみろこの階段。毎回ウンザリじゃよ」
その後腰に手を回してまたかなり長い階段を飛んでくれる。
「凄い。山のてっぺんにある感じ?」
「まあな。天狐は御簾の後ろにいる。顔を見せることはまずないだろう。冬弥がいれば影は六つ。居なければ五つじゃ。準備はいいか?」
「う、うん。」
兵に書状を見せ中に通してもらい、すぐに面会となった。
「そなたが雪翔か。たしかに不思議な力を持っておるの。話は聞いておる、こちらでゆっくりするが良かろう」
「あ、ありがとうございます……」
「して、この子供どうするつもりじゃ?」
「今日はいきなり本題じゃの?どうもせん。儂の孫じゃ。家族で面倒見ていく」
「ここに住みその力我らに貸す気は無いか?」
「力って言っても僕は何もできません」
「雪翔は遊びに来たんじゃ。それをいきなり面会にしおって……」
「前から決めておったことじゃ。元天狐は黙って居れ」
「あの、お爺ちゃんにそんなこと言わなくてもいいと思います。僕は人間だし、今は記憶はないし、いろんなこと言われても困るし、夏休み中に遊びに来ただけなので、用事がそれだけなら、僕帰ります」
お爺ちゃんに帰ろうと言って部屋を出るのに襖を開けようとするがびくともしない。
「座れ」と、男性の低い声がしたが、座らずに御簾の影を数える。
5人だから冬弥さんはいないのだろう。
「もう一度だけ言う。そこに座れ!」
「嫌です!」
怒ったからか、ピシッといくつか音が鳴る。
「無自覚か。まぁ良い。そのうち嫌でも頼ってくるのはそなたじゃ。その時は助けぬが良いのか?」
はい!そう答えて部屋を出る。
「お爺ちゃんごめんね?僕、あんな言い方嫌いだったから」
「構うものか。あいつらとは昔から合わなんだ。雪翔が嫌な思いをする方がよっぽど嫌じゃよ。しかしまぁ、そんなにはっきりと言える子だとも思わなんだ」
「___僕、前にもこんなことがあった気がするんだ」
「そうか……」捕まっておれと言われて、しがみついて家まで帰ると、横になってた方がいいと言われ、畳に座っていて疲れた足を周太郎がマッサージしてくれる。
「周太郎さん、ここはお狐様の世界だよね?お殿様とかいるの?」
「城は中心の山頂にありますけど、そこにはいつも天狐様が交代で居るようになっただけで、殿様はいませんが、狐界のことを考えて動いてくださるので、殿様といえばそう見えるかも知れませんが……」
「仕組みがイマイチ分からないよ。まだ読んでる途中だけど」
その本を読めばだいたいんかると言われ、マッサージが終わってから、また読み始める。
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