91 / 102
全ての始まりと終わり
.
しおりを挟む
「そんなことを言われるのかい?」
「聞こえてくるんだ……こそこそ話とか。前まで聞こえなかったのに、大声で話してるように聞こえる時があって。聞こえない時もあるけど」
「うーん……金と銀の成長も関係あるのかな?それか雪翔の力が現れだしているか」
「どうしたらいい?」
「私も調べておくから、分かるまでは気にしないようにね。それと、ほら前を向いて!」
食事を終えて、食器は京弥が運んで行ってくれた。
薬を飲んで、こちらのテレビが見たいと言うので、二時間サスペンスをつける。
「お爺ちゃんも見てたよ?」
「こういったものは向こうにはないので、やはり興味はあるんでしょうね」
ドラマを見ている横で宿題をして、遅くなっても行けないから寝なさいと言われて布団に潜る。
「行ってきます」
朝、海都と共に学校へと行き、ホームルームが始まる前に辞書を持ってきてくれた。
「なぁ、何か見られてないか?」
「上級生が来たからじゃないかな?」
「ならいいけどさ……何かあれば俺のクラスに逃げてこいよ?」
「そんなことにはならないと思うけど、覚えておくね」
じゃあな!と海都が走って行ってから、先生が来るまで本を読む。
『また本読んでるよ?余裕じゃない?』
『頭いいこと見せびらかしてるんだよ』
そんな声が聞こえたので、いくつかの固まっているグループを見るがそれらしい雰囲気のグループはない。
また本に目を落とし、しばらく読んでいると先生が来たので本を机にしまい、出席確認が済んだ後にすぐに授業が始まる。
お昼をすぎても何事もなく、トイレに行ってから職員室へと行く。
「先生、プリントなんですけど」
「ああ、朝取りに行けばよかったんだが済まないな」
「いえ……今日はリハビリがあるので。後、昨日渡し忘れた夏休みの問題集何ですけど、やってみたので見てもらってもいいですか?答えがついてなかったので……」
「短時間で頑張ったな。次の補習までに見ておくよ」
二階までエレベーターで上がって教室に行き、午後の授業を受け帰りの支度をする。
カバンに全部入れて後ろに掛けてから、ゆっくりと教室を出る。
学園前から病院までバスが出ているので、それに乗ればいいと分かっていながら、時刻表を見てくるのを忘れた事を後悔する。
エレベーターの横に階段。その横に連絡通路があるので人が少なくなってから乗ろうと少し後ろに下がって待っていると、「早乙女君ちょっといいかな?」と病院に来てくれた委員長達が話しかけてきた。
───ドン
ガシャッ!ガラガラガラッ──
え?と思った時には車椅子から投げ出されていて、踊り場に落ちた時には上に車椅子が降ってきて体の上に落ちてくる。
藍狐が頭などを守ってくれたのか、打った感じはしなかったが、周りからはキャー!っと声が上がる。
降りてきた委員長達は介抱する振りをして「あなたが悪いのよ?でも戻ってきてくれてありがとう」と分からないことを言ってくる。
「クラスのあの不良達を追い出してくれたのは感謝してるよ。でもな、クラスには誰かいじめられ役嫌われ役がいるんだ。それがお前なの。わかる?」
「じゃないと、勉強に集中できないし、自分たちがいつターゲットにされるか分からないから、いつも一人のあんたが1番適任なのよ」
「どうして……夏にあった時にはそんなこと何も言ってなかったのに」
「早く来てねは、私達誰かの代わりになってねって意味よ?」
「待ってるって言うのも同じ。入学してからあいつらに目を付けられてたから俺たち安全だったのに、怪我して大事にしたからさ、俺達がしばらく的になってたんだよ」
「聞こえてくるんだ……こそこそ話とか。前まで聞こえなかったのに、大声で話してるように聞こえる時があって。聞こえない時もあるけど」
「うーん……金と銀の成長も関係あるのかな?それか雪翔の力が現れだしているか」
「どうしたらいい?」
「私も調べておくから、分かるまでは気にしないようにね。それと、ほら前を向いて!」
食事を終えて、食器は京弥が運んで行ってくれた。
薬を飲んで、こちらのテレビが見たいと言うので、二時間サスペンスをつける。
「お爺ちゃんも見てたよ?」
「こういったものは向こうにはないので、やはり興味はあるんでしょうね」
ドラマを見ている横で宿題をして、遅くなっても行けないから寝なさいと言われて布団に潜る。
「行ってきます」
朝、海都と共に学校へと行き、ホームルームが始まる前に辞書を持ってきてくれた。
「なぁ、何か見られてないか?」
「上級生が来たからじゃないかな?」
「ならいいけどさ……何かあれば俺のクラスに逃げてこいよ?」
「そんなことにはならないと思うけど、覚えておくね」
じゃあな!と海都が走って行ってから、先生が来るまで本を読む。
『また本読んでるよ?余裕じゃない?』
『頭いいこと見せびらかしてるんだよ』
そんな声が聞こえたので、いくつかの固まっているグループを見るがそれらしい雰囲気のグループはない。
また本に目を落とし、しばらく読んでいると先生が来たので本を机にしまい、出席確認が済んだ後にすぐに授業が始まる。
お昼をすぎても何事もなく、トイレに行ってから職員室へと行く。
「先生、プリントなんですけど」
「ああ、朝取りに行けばよかったんだが済まないな」
「いえ……今日はリハビリがあるので。後、昨日渡し忘れた夏休みの問題集何ですけど、やってみたので見てもらってもいいですか?答えがついてなかったので……」
「短時間で頑張ったな。次の補習までに見ておくよ」
二階までエレベーターで上がって教室に行き、午後の授業を受け帰りの支度をする。
カバンに全部入れて後ろに掛けてから、ゆっくりと教室を出る。
学園前から病院までバスが出ているので、それに乗ればいいと分かっていながら、時刻表を見てくるのを忘れた事を後悔する。
エレベーターの横に階段。その横に連絡通路があるので人が少なくなってから乗ろうと少し後ろに下がって待っていると、「早乙女君ちょっといいかな?」と病院に来てくれた委員長達が話しかけてきた。
───ドン
ガシャッ!ガラガラガラッ──
え?と思った時には車椅子から投げ出されていて、踊り場に落ちた時には上に車椅子が降ってきて体の上に落ちてくる。
藍狐が頭などを守ってくれたのか、打った感じはしなかったが、周りからはキャー!っと声が上がる。
降りてきた委員長達は介抱する振りをして「あなたが悪いのよ?でも戻ってきてくれてありがとう」と分からないことを言ってくる。
「クラスのあの不良達を追い出してくれたのは感謝してるよ。でもな、クラスには誰かいじめられ役嫌われ役がいるんだ。それがお前なの。わかる?」
「じゃないと、勉強に集中できないし、自分たちがいつターゲットにされるか分からないから、いつも一人のあんたが1番適任なのよ」
「どうして……夏にあった時にはそんなこと何も言ってなかったのに」
「早く来てねは、私達誰かの代わりになってねって意味よ?」
「待ってるって言うのも同じ。入学してからあいつらに目を付けられてたから俺たち安全だったのに、怪我して大事にしたからさ、俺達がしばらく的になってたんだよ」
0
あなたにおすすめの小説
辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました
腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。
しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
【12月末日公開終了】有能女官の赴任先は辺境伯領
たぬきち25番
恋愛
辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26)
ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。
そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。
そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。
だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。
仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!?
そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく……
※お待たせしました。
※他サイト様にも掲載中
冷徹宰相様の嫁探し
菱沼あゆ
ファンタジー
あまり裕福でない公爵家の次女、マレーヌは、ある日突然、第一王子エヴァンの正妃となるよう、申し渡される。
その知らせを持って来たのは、若き宰相アルベルトだったが。
マレーヌは思う。
いやいやいやっ。
私が好きなのは、王子様じゃなくてあなたの方なんですけど~っ!?
実家が無害そう、という理由で王子の妃に選ばれたマレーヌと、冷徹宰相の恋物語。
(「小説家になろう」でも公開しています)
そのご寵愛、理由が分かりません
秋月真鳥
恋愛
貧乏子爵家の長女、レイシーは刺繍で家計を支える庶民派令嬢。
幼いころから前世の夢を見ていて、その技術を活かして地道に慎ましく生きていくつもりだったのに——
「君との婚約はなかったことに」
卒業パーティーで、婚約者が突然の裏切り!
え? 政略結婚しなくていいの? ラッキー!
領地に帰ってスローライフしよう!
そう思っていたのに、皇帝陛下が現れて——
「婚約破棄されたのなら、わたしが求婚してもいいよね?」
……は???
お金持ちどころか、国ごと背負ってる人が、なんでわたくしに!?
刺繍を褒められ、皇宮に連れて行かれ、気づけば妃教育まで始まり——
気高く冷静な陛下が、なぜかわたくしにだけ甘い。
でもその瞳、どこか昔、夢で見た“あの少年”に似ていて……?
夢と現実が交差する、とんでもスピード婚約ラブストーリー!
理由は分からないけど——わたくし、寵愛されてます。
※毎朝6時、夕方18時更新!
※他のサイトにも掲載しています。
【完結】以上をもちまして、終了とさせていただきます
楽歩
恋愛
異世界から王宮に現れたという“女神の使徒”サラ。公爵令嬢のルシアーナの婚約者である王太子は、簡単に心奪われた。
伝承に語られる“女神の使徒”は時代ごとに現れ、国に奇跡をもたらす存在と言われている。婚約解消を告げる王、口々にルシアーナの処遇を言い合う重臣。
そんな混乱の中、ルシアーナは冷静に状況を見据えていた。
「王妃教育には、国の内部機密が含まれている。君がそれを知ったまま他家に嫁ぐことは……困難だ。女神アウレリア様を祀る神殿にて、王家の監視のもと、一生を女神に仕えて過ごすことになる」
神殿に閉じ込められて一生を過ごす? 冗談じゃないわ。
「お話はもうよろしいかしら?」
王族や重臣たち、誰もが自分の思惑通りに動くと考えている中で、ルシアーナは静かに、己の存在感を突きつける。
※39話、約9万字で完結予定です。最後までお付き合いいただけると嬉しいですm(__)m
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる