黄泉津役所

祭り

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「いつもの道でいいか？」

「うん、僕もいいこーって出来たら良いのにな」

「仕方ないよ。俺達には俺たちにしかできないことあるんだし……あ、そこ右に行かないのか？」

「いつも真っ直ぐ」

回ってこの道にまた出るのかと風太と歩いて神社に行くと、緑色の着物を着た人。

猿田さんに用事の神様かな？

美形はみんな神様と思う自分が悲しいよ！

かと言って声をかけるのも失礼かなと、池の方に行こうとしたら、「お前が丈史か？」と声をかけられる。

ゾワッとして、リードを引っ張って少し下がる。

「誰ですか？」

「猿田彦神はこの辺りには居ないようだ」

「役所に……います。神様なら役所知ってますよね？」

「ならば好都合というもの」

突然風が吹いて、砂が顔にかかるので腕で顔を隠していると、体全体が動かなくなる。

「たけー！」

「風太、家に帰れ！」

「やだっ」

「いいから帰れ！」

向かって行こうとしたので「帰れ！」と言うと、ピクっとした後に来た道を走り出す。

それを見て、「犬には用はない」と聞こえた後に目の前が真っ暗になる。