黄泉津役所

新しい生活へ

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「美味かったと伝えて欲しい。改めて謝罪に……」

「いいって。美味しかったって言ってたって伝えたらわかると思うから」

今日はもう帰るねと大宜都さんに連れて行ってもらって裏口からでてのんびりと歩いて帰ると、「おかえり丈史」と祖母が台所で何かを作っていて、「丈史、あんたリハビリがてらに毎日お弁当届けに行きなさい」と言われて「はぁぁぁ？」とソファに項垂れる。

「帰りきつかったからバスある時間にしてよ」とせめて昼時にして欲しいと頼む。

LINEで大宜都さんに昼をお弁当を持っていくことは可能かと聞くと、健康面には問題は無いということで了承され、そのままバスの時間を調べる。

祖父が桃ちゃんをお風呂に入れていたのか、ホクホクとした桃ちゃんが、「おにーちゃんと、おにーちゃんは仲良しなったの？」と聞かれたので、「喧嘩なんてしてないよ」と言うと、「なかよしは好き」と何故か二階へ。

「最近は部屋にも慣れたようでな、寝る前に絵本を読んでいるみたいだ」

「へー。何読んでるんだろ」

「この前は塔の上から髪の毛を垂らす……外国の本だったな」

「あー、分かるのに名前が出てこない」

本は沢山あるので今度見せてもらおうと言いながら、風呂に入ってしまえと言われてビニールを巻く。

「湯船に浸かりたいっ！」

文句を言いながらもお風呂に入ってさっぱりしたところで風太の文句が！

「僕も行きたかった」

「元気になるまで無理だよ」

「ご飯食べれたら元気だもん」

「そうだけど、人と神様とは違うのかもしれないし。明日言ったら聞いてみるから」

「ほんと？」

「本当に聞くから！バイト戻ったらまた食堂で遊べるし拗ねるなよ」

プイッとしながらもお気に入りのクッションの上に乗っかったので、今日は涼しいリビングで寝るつもりかと二階へと上がる。