転生DKは、オーガさんのお気に入り~姉の婚約者に嫁ぐことになったんだが、こんなに溺愛されるとは聞いてない!~

トモモト ヨシユキ

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1 努力は、俺を裏切らない!

1ー4 魔法

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 1ー4 魔法

 「よいですかな、シャル坊っちゃん。魔法とは、ようするにイメージです。いかに、強く想像できるかが大切なのです」
 俺とディナが師事することとなった魔法の教師ラグナ・サザールは、俺たちにそう、教えてくれた。
 ラグナは、一見すると小柄で萎れた爺さんだったが、実は、すごい人なのらしい。
 なんでも母上の剣と魔法の師匠だとか。
 魔族の父親と人の母を持つラグナは、どこか前世のスペースファンタジー映画に出てくるマスターみたいな印象がある外見をしている。
 水属性である俺にも手を抜くこと無く教えてくれるが、主に、剣術の方に力が入っているような気がするのは、仕方ないことか。
 本当ならなかなか魔力で物質を作り出すことは難しいのだが、ラグナの教え方がいいからか俺は、ラグナの教えを受けるようになってすぐに水を生成できるようになった。
 これは、嬉しかった。
 だって、初めてディナに勝ったので。
 ディナは、なかなか物質化ができなかったのだ。
 まあ、火属性と生活魔法といわれる水属性の違いもあるのかもしれないが。
 ラグナは、水を生成できるようになった俺にとにかく大量の水を作らせた。
 毎日、魔力切れになるまで水の生成を続けさせられている内に俺は、言葉に出すこと無く考えただけで水を出せるようになっていた。
 もともと、この世界の魔法には詠唱なんてものはなかったのだが、言葉にせずに魔法を使えるのはなかなか珍しかったようだ。
 「無言で魔法を使えるとは、なかなかに才能をお持ちのようだ」
 ラグナは、某マスターのような大きな瞳を細めて俺を見た。
 才能があるとはいえ、しょせん水魔法。
 いくら褒められても俺が魔法で戦えるようになることなんてない、とみんな思っているようだった。
 そのせいか、ラグナは、俺には、水の生成の他には魔法を教えてはくれず、代わりに剣を指南してくれた。
 最近の俺とディナは、午前中は、座学の勉強。午後は、走り込みの後、ディナは、魔法の鍛練。俺は、剣術の鍛練と別れて修行していた。
 ラグナは、俺の太刀筋を褒めてくれたけど、やっぱり俺は、悔しかった。
 ずっと一緒に修行してきたディナに差をつけられているのもそうだが、水魔法は、水の生成の他に学ぶことがないというのが辛かった。
 俺は、眠る前に自分の部屋で水の玉を作ってそれを操る練習をしながら考えた。
 魔法の鍛練は、ラグナの教えではなかったが、俺が何かできないかと思ってしていることだった。
 毎夜、水の玉で空中に動物や人の像を作っている内に俺の魔法錬成速度は、素早くなっていった。
 だけど、それだけ。
 このままじゃ、魔族とは戦えそうにない。
 
 
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