転生したら本でした~スパダリ御主人様の溺愛っぷりがすごいんです~

トモモト ヨシユキ

文字の大きさ
18 / 28

17 あなたもそうなんですか?

しおりを挟む
    「ロイドのことだが」
    クリスが渋い顔をして言った。
    「ネシウス公国でロキシス皇太子の従者となるまでの足跡がまったくつかめない」
    「本当ですか?」
    ロザがクリスにきいた。
    「我が国の諜報能力をもってしてもダメだとは、あの男は、いったい何者なんでしょうか?」
   「わからん」
    クリスが眉根をよせて頭を振った。
   「天から降ったか、地からわいたか。まったく奇妙な話だって、ちょっと、お前たち、いい加減にしろよ?」
   「はい?」
    クリスの執務室のソファで俺を膝の上に抱いてキスしていたアークにクリスが喚いた。
   「お前たちは、少し時と場所を考えて盛れよな!」
   「すまん。ちょっと止められなくなって」
    アークが俺を膝の上に抱いたまま言うのを見て、ロザが静かに笑った。
   「ほんとに。私の定期連絡のためにわざわざ転移ゲートを開いてくださるというから、お願いしたのですが、まさか、こんなイチャイチャすることが目的だったとは」
    「違うよ!これは、ご、誤解なんだ!」
    俺は、乱れたドレスの裾を直してアークの膝から降りようとしたが、アークにしっかりと抱き止められてしまう。
    「アーク!ダメ、だって」
    「まったく、このバカップルは」
    クリスが溜め息をつく。
   「ところで、ロキシス皇子に気に入られたんだって?」
   「気に入られたというか・・」
    俺が言葉を濁そうとするのをロザが満面の笑みで言った。
   「あれは、だいぶ気に入られてますね。というか、愛されちゃってますよね」
    「そうなのか?ユウ」
    アークにきかれて、俺は、慌てて言った。
   「そんなこと、ないよ」
    「でも、会う度にプロポーズされてますよね?ユウレスカ様」
    ロザがくすっと笑って言ったのをきいて、アークが俺を抱いて立ち上がった。
   「少し、外す。15分ぐらいで戻る」
    「ちょっ・・ユウレスカ様?」
    「アーク!」
     俺は、アークの腕の中で暴れたが、アークは、かまわず部屋を出ていった。
       「ちょっと待って!」
    「待てない」
     ここは、クーナの山城でネシウス公国に比べると明らかに空気が冷たくって、俺は、少し、震えた。
    「寒い?ユウ」
     「うん」
    「すぐに暖めてやるよ」
     アークは、俺を自分の部屋へと連れていくとベッドの上にそっと横たえた。
   部屋の中は、暖炉に火が明々と燃えていて暖かかった。
   アークは、上着を脱ぐとシャツも脱ぎ捨て、上半身裸になった。
   「時間がないから、ユウは、脱がせられないな」
    アークが俺のドレスの裾を捲りあげて俺の下半身へと触れてきた。そこは、もう、少し固くなっていて、俺は、頬が熱くなった。
   「ネシウス公国に行ってから、一人でしてたのか?」
   「ま、まさか」
    俺は、ふるふると頭を振った。
   「そんなこと、してない」
    「マジで?」
    アークが俺の下着を脱がせてピョコンと顔を出した俺自身を口に含んでヂュウっと吸った。
   「あぁっ!・・で、出ちゃう!」
    俺は、アークの口淫に、すぐに達してしまいアークの口の中へと精を放ってしまった。アークは、俺の吐いたものを口に含んだまま俺にキスして、それを俺の口中にへと流し込んだ。
    「んぅっ!」
     「飲んで、ユウ」
     俺は、それを飲み込むと涙目でアークを見上げた。
   「かわいい、ユウ」
    アークが俺の開かれた両足の間に体を入れて、俺の膝を折り曲げ奥のすぼまりを暴いた。
   「ここは、どうかな?」
   アークが俺の後孔へと顔を近づけるとそこに舌を這わせた。
   「あぁっ!だめぇっ!そんなとこ、舐めちゃ・・」
    アークは、躊躇なく俺のそこを舐め、舌を差し込んできた。ぴちゃぴちゃという水音が辺りに響いて、俺は、口許を押さえて体を震わせた。
       「ユウ、ダメだろう?声を聞かせてくれないと」
   アークが俺の両手を捕らえて言った。
   「ん・・でも・・」
    「でも、じゃない」
    アークは、俺の手を離すとカチャカチャと音をたててベルトを外すと、ズボンと下着を一緒に下ろした。
    アークの熱く、固い高ぶりが俺の後孔へと推し当てられた。
   「まだ、固いか」
    アークが俺の後孔へと指を入れて言うと、ベッドの脇のテーブルの上にあった小さな瓶をとると、その中身を俺の下半身へとたらした。ひんやりとした液体が俺の下半身を濡らしていくのが感じられた。
   「冷たい・・」
    「我慢して、ユウ」
    アークが俺のそこへと指を入れて液体を塗り込めた。
   「ふぁ・・んぅっ・・」
    俺の前は、立ち上がってきて先走りに濡れていた。アークは、俺のものの根元をきゅうっと手で掴んで言った。
   「いっちゃダメだぞ、ユウ。ドレスが汚れてしまう」
   「んぅっ!で、でも・・」
   アークがその猛り立ったものを俺の中へと一気に突き入れてきた。俺は、その圧迫感に呻いた。俺は、中を擦られて、呆気なくいってしまった。だけど、アークが根元を掴んでいたから精を放つことはできなかった。
    俺は、アークに奥を突かれながら、喘いだ。
  「ふっ・・も・・いきた・・」
   「ダメ、だ、ユウ」
    いきたくて、苦しくって、俺は、哭いていた。
   「アーク・・も、いかせ、て・・」
   アークは、俺の奥を小刻みに突きながら言った。
   「もう少し、待って、ユウ」
   「あぁっ!も・・だめぇっ!」
    俺の最奥へとアークが熱いものを吐いたと同時に、アークは、俺の根元を掴んでいた手を離した。
    「あっ!あぁっ!」
    俺は、迸りと共に、意識を手放した。

       次に気がつくと、俺は、ドレスを脱がされてベッドに寝かされていた。
   ここは?
   俺は、微睡みの中で考えた。
   アーク、は?
   「お前の番なら、ここにはいない」
   低い男の声がきこえて、俺は、はっと飛び起きた。
   暗闇の中からきらりと光る瞳が俺を見つめていた。
   「だ、誰?」
   「俺か?俺は、お前と同じもの、だ」
   男が俺の方へと歩み寄ってきた。
   窓から差し込む月明かりに男の姿が照らし出される。
   「・・ロイド?」
   「そうだ。・・ユウレスカ、いや、ヨシュア」
   ロイドが俺をそう、呼んだ。
   俺をその名で呼ぶものは、『R』の関係者だけだ。
   「あんた、『R』の関係者なのか?」
    「関係者、か」
    ロイドがにっと笑った。
   「俺の本当の名は、『Rー7』だ」
    マジか。
   「『Rー7』・・お前も俺と同じ?」
   「そうだ。『Rー15』よ」
    ロイドは、静かな声で俺に言った。
   「なぜ、お前がここに潜り込んでいるのかは知らんが、ロキシス殿下に危害を加えるつもりなら、例え、お前が『Rー15』であろうとも、ただではすまない」
    「あんたこそ」
    俺は、言った。
   「なんで、ロキシス殿下のもとにいる?」
    「それは」
    ロイドが目を閉じた。
    「昔の約束のためだ」
       「約束?」
    「そうだ」
    ロイドは、目を閉じたまま、少し微笑んだ。
   「かつて、交わした約束のために、俺は、ここにいる」
   「なんだよ、約束って?」
   俺は、なおも訊ねた。
   「俺は、皇子を守るためにアストラル王国から来たんだ」
    「ならなんで、皇子を騙している?」
   俺は、びくっと体を強ばらせた。ロイドは、続けた。
   「皇子は、遺憾ながら、お前に夢中だ。だが、お前は、契約によりすでに番を持っている」
   「それは」
    「皇子を騙して、傷つけようとしているではないか」
    ロイドが言った。
   「あの方を傷つけるものは、全て、俺の敵、だ」
   「それは」
   俺は、ロイドに訴えた。
  「騙しているのは悪かったけど、俺が皇子を守るためにここに来たのは、本当のことだ」
   「ならば」
   ロイドがかっと目を開いて俺を睨んだ。
   「これ以上、皇子の中へ踏み込むな、『Rー15』よ」
   ロイドの姿がゆっくりと消えていく。
   「いいか?ユウレスカ姫、よ」
   奴の姿が完全に闇の中へと溶け込んでしまうのを、俺は、見つめていた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

神様の手違いで死んだ俺、チート能力を授かり異世界転生してスローライフを送りたかったのに想像の斜め上をいく展開になりました。

篠崎笙
BL
保育園の調理師だった凛太郎は、ある日事故死する。しかしそれは神界のアクシデントだった。神様がお詫びに好きな加護を与えた上で異世界に転生させてくれるというので、定年後にやってみたいと憧れていたスローライフを送ることを願ったが……。 

異世界転生したと思ったら、悪役令嬢(男)だった

カイリ
BL
16年間公爵令息として何不自由ない生活を送ってきたヴィンセント。 ある日突然、前世の記憶がよみがえってきて、ここがゲームの世界であると知る。 俺、いつ死んだの?! 死んだことにも驚きが隠せないが、何より自分が転生してしまったのは悪役令嬢だった。 男なのに悪役令嬢ってどういうこと? 乙女げーのキャラクターが男女逆転してしまった世界の話です。 ゆっくり更新していく予定です。 設定等甘いかもしれませんがご容赦ください。

「隠れ有能主人公が勇者パーティから追放される話」(作者:オレ)の無能勇者に転生しました

湖町はの
BL
バスの事故で亡くなった高校生、赤谷蓮。 蓮は自らの理想を詰め込んだ“追放もの“の自作小説『勇者パーティーから追放された俺はチートスキル【皇帝】で全てを手に入れる〜後悔してももう遅い〜』の世界に転生していた。 だが、蓮が転生したのは自分の名前を付けた“隠れチート主人公“グレンではなく、グレンを追放する“無能勇者“ベルンハルト。 しかもなぜかグレンがベルンハルトに執着していて……。 「好きです。命に変えても貴方を守ります。だから、これから先の未来も、ずっと貴方の傍にいさせて」 ――オレが書いてたのはBLじゃないんですけど⁈ __________ 追放ものチート主人公×当て馬勇者のラブコメ 一部暗いシーンがありますが基本的には頭ゆるゆる (主人公たちの倫理観もけっこうゆるゆるです) ※R成分薄めです __________ 小説家になろう(ムーンライトノベルズ)にも掲載中です o,+:。☆.*・+。 お気に入り、ハート、エール、コメントとても嬉しいです\( ´ω` )/ ありがとうございます!! BL大賞ありがとうございましたm(_ _)m

転生悪役弟、元恋人の冷然騎士に激重執着されています

柚吉猫
BL
生前の記憶は彼にとって悪夢のようだった。 酷い別れ方を引きずったまま転生した先は悪役令嬢がヒロインの乙女ゲームの世界だった。 性悪聖ヒロインの弟に生まれ変わって、過去の呪縛から逃れようと必死に生きてきた。 そんな彼の前に現れた竜王の化身である騎士団長。 離れたいのに、皆に愛されている騎士様は離してくれない。 姿形が違っても、魂でお互いは繋がっている。 冷然竜王騎士団長×過去の呪縛を背負う悪役弟 今度こそ、本当の恋をしよう。

ラスボス推しなので! 魔王の破滅フラグ折って溺愛されます!??

モト
BL
ゲーマーである“ホツ”は、大ハマリ中のオンラインゲーム内に召喚されてしまう。推しであるラスボスに出会い、切磋琢磨、彼の破滅フラグを折ろうとする。……が、如何せんホツはただの一般人。魔法も使えなければ、家が大好きなただのゲーマー。体力もあまりない。 推しからはすぐに嫁認定されます。 推しに推されて??モフモフ……ふぁわ、ねこちゃん……モフモフ…………。 不憫なラスボスの境遇、破滅フラグを折る為にホツがしてきたことは。 何故、ホツは楽観的なのにひたすらに彼を守ろうとするのか、違和感はラストに。ムーンライトノベルズでも投稿しております。 一日2回更新です

聖女の力を搾取される偽物の侯爵令息は本物でした。隠された王子と僕は幸せになります!もうお父様なんて知りません!

竜鳴躍
BL
密かに匿われていた王子×偽物として迫害され『聖女』の力を搾取されてきた侯爵令息。 侯爵令息リリー=ホワイトは、真っ白な髪と白い肌、赤い目の美しい天使のような少年で、類まれなる癒しの力を持っている。温和な父と厳しくも優しい女侯爵の母、そして母が養子にと引き取ってきた凛々しい少年、チャーリーと4人で幸せに暮らしていた。 母が亡くなるまでは。 母が亡くなると、父は二人を血の繋がらない子として閉じ込め、使用人のように扱い始めた。 すぐに父の愛人が後妻となり娘を連れて現れ、我が物顔に侯爵家で暮らし始め、リリーの力を娘の力と偽って娘は王子の婚約者に登り詰める。 実は隣国の王子だったチャーリーを助けるために侯爵家に忍び込んでいた騎士に助けられ、二人は家から逃げて隣国へ…。 2人の幸せの始まりであり、侯爵家にいた者たちの破滅の始まりだった。

婚約破棄されてヤケになって戦に乱入したら、英雄にされた上に美人で可愛い嫁ができました。

零壱
BL
自己肯定感ゼロ×圧倒的王太子───美形スパダリ同士の成長と恋のファンタジーBL。 鎖国国家クルシュの第三王子アースィムは、結婚式目前にして長年の婚約を一方的に破棄される。 ヤケになり、賑やかな幼馴染み達を引き連れ無関係の戦場に乗り込んだ結果───何故か英雄に祭り上げられ、なぜか嫁(男)まで手に入れてしまう。 「自分なんかがこんなどちゃくそ美人(男)を……」と悩むアースィム(攻)と、 「この私に不満があるのか」と詰め寄る王太子セオドア(受)。 互いを想い合う二人が紡ぐ、恋と成長の物語。 他にも幼馴染み達の一抹の寂寥を切り取った短篇や、 両想いなのに攻めの鈍感さで拗れる二人の恋を含む全四篇。 フッと笑えて、ギュッと胸が詰まる。 丁寧に読みたい、大人のためのファンタジーBL。 他サイトでも公開しております。

婚約破棄されるなり5秒で王子にプロポーズされて溺愛されてます!?

野良猫のらん
BL
侯爵家次男のヴァン・ミストラルは貴族界で出来損ない扱いされている。 なぜならば精霊の国エスプリヒ王国では、貴族は多くの精霊からの加護を得ているのが普通だからだ。 ところが、ヴァンは風の精霊の加護しか持っていない。 とうとうそれを理由にヴァンは婚約破棄されてしまった。 だがその場で王太子ギュスターヴが現れ、なんとヴァンに婚約を申し出たのだった。 なんで!? 初対面なんですけど!?!?

処理中です...