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2 王立モスキュラード学園
2ー5 『変化の鏡』
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2ー5 『変化の鏡』
試験が始まって、辺りが静まり返る。
一段高くなっている闘技場において2人づつが組になって対戦するようだ。
誰と組になるかは、直前までわからないようで、みな、ざわついていた。
しばらくして少し離れたところから歓声が聞こえた。
どうやらアンドレア王女が戦っているらしい。
がんばれ!
俺は、心の中で励ましの言葉を呟く。
まあ、アンドレア王女のことだ。
心配はないだろう。
「エドワード。エドワード・フォン・レイダール」
不意に名前を呼ばれて俺は、声の方を向く。俺は、もとの名前を捨て、今は、アンドレア王女に頂いたレイダール男爵姓を名乗っている。
試験官らしい若い女の人が俺のことを見つめていた。
「前に」
人混みを抜けて俺は、前にある闘技場へと上がる。
すでに俺の他の3人が闘技場に立っていた。
「よろしく、エドワード君」
どうやら俺のパートナーは、さっき会ったクレアのようだった。
俺も頭を下げた。
「よろしく、クレア」
「はやく用意しろよ、グズ!」
背が高い体格のいい茶髪の男が俺に偉そうに言うと、そのパートナーらしい金髪の美少女が嗜める。
「エリオット!」
「なんだよ?」
エリオットと呼ばれた男は、パートナーの美少女を横柄な態度で見下す。
「平民は、大人しくしてろ!」
うん?
俺は、2人を『魔眼』で見た。
『エリオット・フォン・ライゼンハウア(17)
ライゼンハウア子爵家の嫡男。平民を見下している。性格が悪い。魔道具は、『風の剣』』
『エリュメ・ライゾソープ(17)
ライゾソープ商会の会頭の次女。冒険者。リューズの使い魔である『リヌ』を連れている。魔道具は、『水の剣』』
風と水、か。
魔道具の相性は、そんなに悪くないようだが。
俺は、ちらっとパートナーであるクレアのことをうかがう。
クレアは、ちょっとおどおどしているようだ。
『変化の鏡』
その魔道具は、なかなか変わった力を持っている。
鏡に写ったものを変化させる力。
だが、クレアは、自分の魔道具のほんとの力に気づいてはいないようだ。
試験官が合図をして試験が始まる。
『風の剣』を抜いたエリオットが猪突猛進に俺たちの方へと突き進むのを見て俺は、クレアを前に押し出す。
「情けない奴だな!女を盾にするとは!」
エリオットがバカにしたように笑うが気にしない。
俺は、震えているクレアの鏡に触れてそれを前に向ける。
鏡にエリオットが写った時、俺は、クレアに囁いた。
「君は、どうしたい?」
「わた、わたし、は…」
クレアが涙ぐみながら叫んだ。
「消えちゃえっ!」
クレアが叫んだ瞬間、エリオットの持っていた剣が消えた。
「何?」
エリオットが動きを止める。
クレアもキョトンとしている。
その隙をついて、俺は、『魔法書』を前に差し出した。
「魔獣召喚」
エリオットの足元が光って、透明な巨大なスライムが現れエリオットをとぷん、と飲み込む。
「な、なんだとぉっ!」
エリオットがスライムの中に閉じ込められるのを見て彼のパートナーであるエリュメがちっと舌打ちした。
「使えない!」
エリュメは、腰につけていた小さな籠を開く。
「リヌ!」
びよぉん、と籠から大きな黒猫のような魔物が現れて俺たちとエリュメの間に降り立つ。
試験が始まって、辺りが静まり返る。
一段高くなっている闘技場において2人づつが組になって対戦するようだ。
誰と組になるかは、直前までわからないようで、みな、ざわついていた。
しばらくして少し離れたところから歓声が聞こえた。
どうやらアンドレア王女が戦っているらしい。
がんばれ!
俺は、心の中で励ましの言葉を呟く。
まあ、アンドレア王女のことだ。
心配はないだろう。
「エドワード。エドワード・フォン・レイダール」
不意に名前を呼ばれて俺は、声の方を向く。俺は、もとの名前を捨て、今は、アンドレア王女に頂いたレイダール男爵姓を名乗っている。
試験官らしい若い女の人が俺のことを見つめていた。
「前に」
人混みを抜けて俺は、前にある闘技場へと上がる。
すでに俺の他の3人が闘技場に立っていた。
「よろしく、エドワード君」
どうやら俺のパートナーは、さっき会ったクレアのようだった。
俺も頭を下げた。
「よろしく、クレア」
「はやく用意しろよ、グズ!」
背が高い体格のいい茶髪の男が俺に偉そうに言うと、そのパートナーらしい金髪の美少女が嗜める。
「エリオット!」
「なんだよ?」
エリオットと呼ばれた男は、パートナーの美少女を横柄な態度で見下す。
「平民は、大人しくしてろ!」
うん?
俺は、2人を『魔眼』で見た。
『エリオット・フォン・ライゼンハウア(17)
ライゼンハウア子爵家の嫡男。平民を見下している。性格が悪い。魔道具は、『風の剣』』
『エリュメ・ライゾソープ(17)
ライゾソープ商会の会頭の次女。冒険者。リューズの使い魔である『リヌ』を連れている。魔道具は、『水の剣』』
風と水、か。
魔道具の相性は、そんなに悪くないようだが。
俺は、ちらっとパートナーであるクレアのことをうかがう。
クレアは、ちょっとおどおどしているようだ。
『変化の鏡』
その魔道具は、なかなか変わった力を持っている。
鏡に写ったものを変化させる力。
だが、クレアは、自分の魔道具のほんとの力に気づいてはいないようだ。
試験官が合図をして試験が始まる。
『風の剣』を抜いたエリオットが猪突猛進に俺たちの方へと突き進むのを見て俺は、クレアを前に押し出す。
「情けない奴だな!女を盾にするとは!」
エリオットがバカにしたように笑うが気にしない。
俺は、震えているクレアの鏡に触れてそれを前に向ける。
鏡にエリオットが写った時、俺は、クレアに囁いた。
「君は、どうしたい?」
「わた、わたし、は…」
クレアが涙ぐみながら叫んだ。
「消えちゃえっ!」
クレアが叫んだ瞬間、エリオットの持っていた剣が消えた。
「何?」
エリオットが動きを止める。
クレアもキョトンとしている。
その隙をついて、俺は、『魔法書』を前に差し出した。
「魔獣召喚」
エリオットの足元が光って、透明な巨大なスライムが現れエリオットをとぷん、と飲み込む。
「な、なんだとぉっ!」
エリオットがスライムの中に閉じ込められるのを見て彼のパートナーであるエリュメがちっと舌打ちした。
「使えない!」
エリュメは、腰につけていた小さな籠を開く。
「リヌ!」
びよぉん、と籠から大きな黒猫のような魔物が現れて俺たちとエリュメの間に降り立つ。
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