魔道具頼みの異世界でモブ転生したのだがチート魔法がハンパない!~できればスローライフを楽しみたいんだけど周りがほっといてくれません!~

トモモト ヨシユキ

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2 王立モスキュラード学園

2ー6 勝利

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 2ー6 勝利

 ぐるる、とリューズは、俺たちを牽制するように唸り声を上げる。
 不思議なことに恐怖心よりも美しいと思う気持ちが強かった。
 つやつやと輝く黒いきれいな毛並みをしたその魔物は、俺たちのことをその赤い石のような瞳でじっと見つめている。
 俺は、クレアを背後に庇うとリューズに対峙した。
 「リヌ、敵は、男の方よ!」
 「がるっ!」
 エリュメの指示にリューズが俺に飛びかかってくる。
 俺は、とっさに全面に障壁を張り、リューズは、びたん、と音をたてて鼻から障壁にぶつかって転げ落ちてきゅぅっと声をあげた。
 俺たちが魔物に気をとられている間にエリュメが短剣を手に俺たちの脇から突っ込んでくる。
 クレアが悲鳴を上げて、鏡を前に差し出しそれにエリュメの姿が写り込んだ。
 「クレア!」
 「あ、あのっ!助けてっ!」
 エリュメの剣から発せられる冷気がクレアを包み込みクレアの足元が凍りつく。
 まずいっ!
 俺は、エリュメとクレアの間に入ると『魔法書』で炎の壁を出してエリュメからクレアを離した。
 「ちっ!」
 エリュメの舌打ちが聞こえる。
 そうしていると背後からリューズが牙を向いて俺に向かってきた。
 「魔封包籠!」
 俺の『魔法』がリューズの足に絡み付き全身を籠のように閉じ込める。
 「リヌ!」
 エリュメが使い魔に気を取られた瞬間にクレアの鏡がエリュメの姿をとらえたのを俺は、見逃さなかった。
 「クレア、好きな動物は?」
 「えっ?」
 パニック状態のクレアが俺の質問に反射的に答える。
 「ね、猫?」
 「ひぁっ!」
 エリュメが悲鳴を上げた。
 鏡に写ったエリュメの姿が吸い込まれる。
 後には、エリュメの着ていた服と一匹の金色の可愛らしい猫が残された。
 「…勝負あり!レイダール、ミルドレッド組の勝利!」
 勝利宣言にも辺りは、しん、と水を打ったように静まり返っている。
 俺は、闘技場を囲んでいる受験者たちを見回した。
 みな、呆然と俺たちのことを見上げている。
 「はやく、撤収して」
 試験官に促されて俺は、エリオットとエリュメの使い魔を解放した。
 「お、覚えてろよ!」
 すごくありがちな捨て台詞を吐いてエリオットが走り去る。
 リューズもそっと猫になったエリュメを咥え上げると闘技場から飛び去っていく。
 俺もエリュメに凍らされたクレアの足元の氷を溶かすとクレアを連れて闘技場から立ち去った。
 
 
 
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