魔道具頼みの異世界でモブ転生したのだがチート魔法がハンパない!~できればスローライフを楽しみたいんだけど周りがほっといてくれません!~

トモモト ヨシユキ

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5 ダンジョン攻略と甘い生活

5ー3 ラスボス

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 5ー3 ラスボス

 みな、あっという間にちりぢりになって逃げ去っていく。
 なんか、恐ろしい化物になってしまったような気がして気分が悪いことこの上ないし!
 「だいぶ魔道具集まったな」
 俺は、みんなを振り向いて見回した。
 ロドニーがくぃっとメガネを持ち上げて応える。
 「全部で200器ある」
 「そっか」
 俺は、にこっと笑った。
 たぶん、この野外訓練でこれだけの魔道具を集めたチームは、ほかにあるまい。
 「じゃ、野外訓練は、このぐらいでいいかな?」
 俺は、昨日みつけた転移魔方陣のところに向かった。
 大昔の壁画みたいに薄くなってるけど間違いなく人の、もしくはそれ以上の何かによって造られたものだ。
 俺は、もう一度、みんなを振り向く。
 「ほんとに行くのか?後悔しないか?」
 「今日、行かない方が後悔する!」
 アントニーが言うとみなが頷く。
 俺も頷くと壁画へ手を伸ばす。
 「ここは、金剛力士たちに守らせよう」
 俺は、壁に手を触れ魔力を流し込む。
 この壁画に何かあれば、ここにもどれなくなるかもしれないからな。
 壁画の転移魔方陣が青く輝く。
 「行くぞ!」
 「「「「おうっ!」」」」
 そして。
 俺たちは、起動された転移魔方陣へと身を踊らせた。

 次に目を開くと、俺たちは、見知らぬ場所に立っていた。
 「ここ、は?」
 辺りを見る。
 薄暗い闇の中に何かの気配があるのを感じた。
 禍々しくて、人知を越えた何か。
 「みんな、そろってる?」
 俺は、小声で囁く。
 「います!」
 クレアが震える声で囁き返す。
 すぐ側でエリュメも応えた。
 「わたしもいる」
 「俺も」
 「僕も、いる!」
 俺は、ふぅっと呼吸を整える。
 「いくぞ!ラスボス戦!」
 俺は、『魔法書』を手にして前に差し出す。
 かっと光が差し、辺りが真昼のように照らし出される。
 そこは、むき出しの巨石に囲まれた空間だった。
 あちこちに魔物の死骸らしきものが転がっていて不気味なことこの上ない。
 だが。
 俺たちの目は、岩場の奥に燃えている赤い二つの瞳に釘付けになっていた。
 ぐるる、と低い唸り声が聞こえドラゴンが俺たちをとらえた。
 今までに感じたことがないほどの昂りを感じて俺は、息を飲んだ。 
 背筋がぞくぞくする。
 これは!
 俺は、背後にいる仲間たちの体温を感じていた。
 俺たちは、生まれて始めて感じる圧倒的な強者の存在にその場に立ち尽くすしかなくて。
 「行くしかない…」
 エリュメが囁く。
 アントニーも頷いた。
 「やろう!」
 「そうだな!」
 俺は、『魔法書』を握る手に力を込める。
 戦闘開始、だ!
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