魔道具頼みの異世界でモブ転生したのだがチート魔法がハンパない!~できればスローライフを楽しみたいんだけど周りがほっといてくれません!~

トモモト ヨシユキ

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5 ダンジョン攻略と甘い生活

5ー2 金剛力士

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 5ー2 金剛力士

 翌日。
 俺が目覚めるとエリュメが俺に深刻そうな顔をして告げた。
 「まずいことになってるかもしれないの」
 うん?
 俺は、眠い目を擦りながらエリュメの話をきく。
 すると、俺たちの噂をききつけた他の有象無象の輩たちが俺たちを倒そうと集まってきているとのことだった。
 俺は、アントニーたちが見下ろしている崖の縁から下を見た。
 下では、まあまあの大軍となった王立学園の生徒のみなさんが集まってきて俺たちを待ち構えているし!
 「どうする?エドワード」
 アントニーが珍しく弱気なことをいうので俺は、笑ってしまう。
 「笑い事じゃないぞ!」
 「そうか」
 俺は、にっと口許を歪める。
 「魔道具を捧げるためにこんなにも集まってくれたんだ。全部まるっといただこうじゃないか」
 「しかし、この人数は…」
 「問題ない」
 俺は、下にいる連中とまともに戦うつもりはない。
 「それにしても集まったもんだな」
 俺が屈み込んで下を覗き込んでいるとクレアが声をかけてくる。
 「朝御飯ですよぉっ!」
 俺たちは、クレアが作ってくれた朝食をおいしくいただくと荷物をまとめて崖の縁に立った。
 「どうするつもり?」
 エリュメに問われて俺は、にっこりと微笑むと『魔法書』を取り出した。
 「せっかく集まってもらったんだ。ぜひ、お相手をしなくてはね」
 俺は、本を読み上げる。
 「金剛力士よ、出でて我を守護せよ」
 これは、この世界の言葉ではない。
 前世に俺が生きた世界の、日本の言葉だ。
 だから、俺が何を言ってるのかは俺以外の誰にもわからない。
 俺の言葉を受けた大地が震えて低く蠢く。
 下の連中がざわめき出すがもう遅い!
 連中の足元が盛り上がり2体の土でできたゴーレムが現れる。
 下の連中は、わあわあ言って逃げ惑っている。
 中にはゴーレムに対峙しようとしている者もいたが、敵うわけがないし。
 ゴーレムは、数十分で下の連中を制圧した。
 俺たちが全てが片付いたところにリヌに乗って降りていくとゴーレムが集めた魔道具の山に近づいていく。
 それは、圧巻だった。
 俺は、魔道具屋でもこんな大量の魔道具を見たことはない。
 それは、ロドニーたちでも同じだったようで。
 「ともかく片付けよう」
 ロドニーとクレアを手伝ってみんなで魔道具を空間収納の中へと入れていく。
 ふと、石が投げつけられて俺は、そっちを見た。
 見知らぬ赤毛の女の子が俺たちに石を投げつけようとしている?
 「何?」
 俺が聞くと女の子は、石を取り落としてうつむく。
 「いい気になってんじゃねぇぞ…」
 誰かが小さな消え入りそうな声で呟く。
 俺は、にかっと笑った。
 「俺たちに何か用が?」
 びくっとその場の空気が凍りつく。
 
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