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第15章 魔王国
15ー2 わたしは、幸せだった。
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15ー2 わたしは、幸せだった。
気がつくとわたしの頬は涙に濡れていた。
あれは。
わたしの物語なのだ。
この聖樹が覚えているわたしの両親の物語。
「あなたの母であるロベルタ様は、イーサ王国、つまり魔王国からこの国の王弟のもとへと嫁いでこられた方でした。叔父は、たいそうあなたの母君を愛し、そして、二人の子であるあなたを大切にされていました。あなたは、生まれたときから『光の乙女』となることが決まっていました。生まれたときに守護である猫竜がついておられた」
「それって、マオのことですよね?」
わたしは、涙を拭いながら訊ねた。
クロノフさんは、頷いた。
「猫竜もまた幼く、まだ、あなたを傷つけてしまう恐れがあったため、しばらくは、別の場所で育てられていました。ところが、あなたが誘拐されてすぐに、猫竜が姿を消したのです。我々は、あなたがもしかしたら殺されてしまったのではないかと危ぶみました。しかし、遠見の者があなたが生きて人間たちの大陸にいることを予知しました。だが猫竜に守られて無事に生きておられることはわかりましたが、どこでどうしているのかがまったく遠見の者にも見えませんでした」
クロノフさんがわたしに告げた。
「我々にわかったのは、あなたが魔法をかけられて人間として生きているということ、そして、そのそばには猫竜がいるということだけだったのです」
クロノフさんが表情を曇らせる。
「もしも、孤児院で暮らしていることがわかればすぐに探し出せたのですが。私も当時は、まだ人の大陸で商人の修行を始めたばかりだったのであなたを探し出すこともできませんでした。そのため、あなたには、辛い思いをさせてしまいました」
「そうでもないです」
わたしは、笑顔でクロノフさんに応じた。
「わたしは、決して不幸ではなかったです。辛いことだってあったけど、マオがいてくれたし。それに聖女様の騎士になれたし、ルドクリフ辺境伯のもとに引き取られてからは、とてもよくしていただきました」
わたしは、遠く離れた場所にいるアルタス様とウルティア様のことを思っていた。
「わたしは、幸せだったんです」
気がつくとわたしの頬は涙に濡れていた。
あれは。
わたしの物語なのだ。
この聖樹が覚えているわたしの両親の物語。
「あなたの母であるロベルタ様は、イーサ王国、つまり魔王国からこの国の王弟のもとへと嫁いでこられた方でした。叔父は、たいそうあなたの母君を愛し、そして、二人の子であるあなたを大切にされていました。あなたは、生まれたときから『光の乙女』となることが決まっていました。生まれたときに守護である猫竜がついておられた」
「それって、マオのことですよね?」
わたしは、涙を拭いながら訊ねた。
クロノフさんは、頷いた。
「猫竜もまた幼く、まだ、あなたを傷つけてしまう恐れがあったため、しばらくは、別の場所で育てられていました。ところが、あなたが誘拐されてすぐに、猫竜が姿を消したのです。我々は、あなたがもしかしたら殺されてしまったのではないかと危ぶみました。しかし、遠見の者があなたが生きて人間たちの大陸にいることを予知しました。だが猫竜に守られて無事に生きておられることはわかりましたが、どこでどうしているのかがまったく遠見の者にも見えませんでした」
クロノフさんがわたしに告げた。
「我々にわかったのは、あなたが魔法をかけられて人間として生きているということ、そして、そのそばには猫竜がいるということだけだったのです」
クロノフさんが表情を曇らせる。
「もしも、孤児院で暮らしていることがわかればすぐに探し出せたのですが。私も当時は、まだ人の大陸で商人の修行を始めたばかりだったのであなたを探し出すこともできませんでした。そのため、あなたには、辛い思いをさせてしまいました」
「そうでもないです」
わたしは、笑顔でクロノフさんに応じた。
「わたしは、決して不幸ではなかったです。辛いことだってあったけど、マオがいてくれたし。それに聖女様の騎士になれたし、ルドクリフ辺境伯のもとに引き取られてからは、とてもよくしていただきました」
わたしは、遠く離れた場所にいるアルタス様とウルティア様のことを思っていた。
「わたしは、幸せだったんです」
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