32 / 38
32 聖女の正体
しおりを挟む
「おい、まだ、怒ってるのか?ハジメ」
街道を歩く俺の後ろをついてきながらイオルグが俺に話しかけてきた。
「でも、俺たち、気も合うし、結婚するにはピッタリ、ングッ!」
イオルグの頭上からなぜか、タライが落ちてきて、イオルグが頭を抱えてしゃがみ込む。
俺は、それを横目で見て、そのまま歩き続けた。
ざまあみろっつうの!
だが、イオルグは、負けていない。
すぐに立ち直ると、奴は、俺の肩を抱いて耳元で囁いた。
「俺、基本、ネコなんだけど、お前のことは、攻められそうな気がするんだ」
「なんの告白だよ!」
俺は、イオルグを振り払った。
街道には、昼間だというのに人気もなく、静まり返っている。
俺たちだけが、わぁわぁ言っていた。
その時、何か物音がきこえて、俺は、立ち止まった。
「どうした?ハジメ」
イオルグがきいた。俺は、素っ気なく答えた。
「なんかの気配がする」
「ああ?」
イオルグが辺りを見回した。
「何もいねぇぞ?」
「どこからかは、わからないけど、嫌な感じがする」
俺も辺りを見回した。
ここは、奴等のダンジョンとは、目と鼻の先だ。そして、あの連中が誘拐とかすることの多いポイントでもあった。
イオルグは、にやりと笑って大声で言った。
「誰かは知らねぇが、俺の邪魔をする奴は、皆殺す!」
「だめだよ、イオルグ」
俺は、そっとイオルグに小声で言った。
「俺たち、大人しく誘拐されに来たんじゃないか」
「あ、そうか」
イオルグが言ったとき、不意に頭上から網が降ってきた。
「うわっ!」
俺たちは、網にかかって身動きがとれなかった。
遠くから女の甲高い笑い声がきこえてきた。
「ほほほっ、ざまぁごらん。大人しく私たちの元に下らないからこういう目にあうのよ、ルファス」
あ、あの人だ。
俺は、イオルグと視線を交わした。
「大人しくしなさい、欲望の魔王 ルファスとその手下!」
「誰が、手下、だ!」
怒るイオルグを俺は、止めた。
「イオルグ!」
イオルグがチッと舌打ちした。
俺たちは、そのままダンジョンへと運ばれた。
奴等は、俺たちを玉座の間の床に放り投げた。
酷い扱いだな。
俺は、とさにイオルグがかばってくれたから、たいした怪我もなかった。
ちょっと、イオルグが体を撫で回してるのが気になったけど、この際、仕方ない。
「ふふふっ、どう?力が入らなくなってるでしょ?」
アイリが網に捕らわれている俺たちを見下ろして言った。
「この網には、聖女である私が聖別した魔石を編み込んでいる。だから、お前たち、魔族の力を封じることができるのよ」
アイリは、勝ち誇ったように笑った。
「さあ、ルファスよ、我々の軍門へ下るがいいわ」
「軍門って・・」
俺が呟くと、アイリがイラついた様子でわめいた。
「口答えするな!これから、お前たちは、我々の手下になって、死ぬまで我々に尽くすのよ!」
「そんなの嫌だ。お、こ、と、わ、り」
俺が言うと、アイリは、チッと舌打ちして、残忍な笑みを浮かべた。
「仕方がないわね。こんなことしたくはなかったけど。カイル、テイラー!あれを」
「マジでか?アイリ」
カイルがアイリにきいた。
「本気でこんなことするのか?」
「止めとこうぜ、アイリ。こいつは、一応、俺たちの弟でもあるんだし」
テイラーが言うと、アイリは、すごい形相で2人を睨み付けた。
「私の命令に逆らうつもり?いいから、やるのよ!」
カイルとテイラーが頷いて、手下どもに何やら命じると、そいつらが炎が燃ている中に差し込まれている赤く焼けた焼き印を取り出してアイリに渡した。
「この焼き印は、奴隷紋よ。呪術がかけられているから、これを押されたものは、主人に逆らうことはできなくなるのよ」
マジかよ。
俺は、ごくりと息を飲んだ。
なんて、悪どいことを。
アイリは、邪悪な微笑みを浮かべた。
「さあ、家畜のように焼き印を押されるがいいわ、欲望の魔王 ルファスよ」
アイリが俺の額に奴隷の焼き印を押そうとしたとき、時間が止まった。
「なんだ?どうしたんだ?」
イオルグがきいたので、俺は、手に持った巨大なハサミで網を切り裂きながら答えた。
「時間魔法が使えるようになったみたいだ。今のうちに脱出しよう」
「これ、何よ!」
時間が戻ったとたん、アイリが騒ぎだした。
「なんのつもり?」
アイリは、ぐるぐる巻きに縛られて床の上に転がされて喚いていた。隣には、魔石の編み込まれた網で縛られたカイルとテイラーがいて、俺たちに向かって言った。
「これは・・いつの間に?」
「まさか、時間魔法、か?」
カイルがきいた。
「こんな魔法をルファスが使える訳がない。お前は、何者だ?」
「俺か?俺はな」
俺は、不適な笑いを浮かべて、3人に向かって言った。
「きいて驚け!欲望の魔王 ルファスこと、聖女 ハジメ、だ!」
「聖女?」
3人がきょとんとする。
「魔王が?というか、ルファスは、男の筈なのに?」
「今は、女だ」
イオルグが、なぜか、偉そうに言った。
「そして、俺の婚約者、だ」
「嘘ばっか、言うな!」
俺は、イオルグに言うと、聖女アイリに向かってにんまり、と笑い掛けた。
「奴隷紋、だっけ?」
アイリがはっと顔をあげて俺たちを見た。
「な、何をするつもり?」
「何って」
俺は、真っ赤に焼けた奴隷紋をアイリに向けた。
「さっき、あんたがしようとしたことをするだけだよ」
「やめて!」
アイリが青ざめて叫んだ。
「なんでもするから、それだけは、やめて!」
「なら、聖女の力を放棄するか?」
俺は、きいた。
「力を封じられるのと、奴隷として生きるの、とっちを選ぶんだ?」
「力を・・」
アイリは、涙ぐんだ。
「力を封じてください」
「わかった」
俺は、アイリの力を封じるための首輪を思い浮かべた。
すると、アイリの首元に黒い鋼鉄の首輪が現れた。
「ああ・・」
アイリが小さく叫んだ。
途端に、アイリの姿が揺らめいて変容していく。
あれ?
俺は、目を擦った。
アイリが、縮んでいく?
アイリは、15才ぐらいの小柄なソバカスだらけの灰色の髪の少女に変化していった。
「アイリ?」
カイルとテイラーにまじまじと見つめられて、アイリが顔をそらした。
「見ないで!」
「それが、お前の正体、か」
イオルグが言った。
「こんな地味なガキんちょだったとは」
「あ、あたし・・こんな醜い姿・・みんなに見られて・・」
アイリがわっと泣き出した。
カイルとテイラーが気まずそうにお互いを見ていた。
力を封じられたアイリと戦意を喪失した億劫の魔王 テイラーと睡魔の魔王 カイルを解放すると俺たちは、ダンジョンコアの部屋へと向かった。
このダンジョンは、なんと20階層になっていた。
すごいじゃないか。
俺は、感心した。
こんなダンジョンがあるなら、なんとでも生活を建て直せるな。
ちなみにダンジョンの主は、億劫の魔王 テイラーだという。
俺は、テイラーとカイルに言った。
「しばらくは、俺がお前たちを支援してやるよ。もう、悪さはするな」
「ああ」
テイラーが頷いた。
「もう、こんなことはしない」
「ほんとに、どうかしてたんだ、俺たち」
カイルも言った。
「あんな子供に騙されて」
子供のせい、ね。
俺は、ふん、と鼻を鳴らした。
こいつら、まだ、反省してないな。
まあ、いい。
俺は、思っていた。
ゆっくりと改心させていけばいいか。
俺たちが玉座の間に戻ると、アイリは、まだ泣いていてイオルグが持て余していた。
「なんとかしてくれよ、ハジメ」
俺は、溜め息をついた。
「お前、これからどうするつもりだ?」
俺が訊ねると、アイリは、しゃくりあげながら答えた。
「うっくっ・・も、あたし・・何も、できない、し・・どうしたらいいか、わからない・・」
しょうがないなぁ。
俺は、アイリにきいた。
「俺たちと『魔王の杜』ダンジョンに来るか?」
「えっ?」
アイリが涙と鼻水でベタベタになっている顔を上げて俺を見つめた。
「あ、あたし、いっぱい、あなたたちに酷いことしたのに・・」
「いいから」
俺は、アイリに言った。
「その代わり、悪さをしたら許さないぞ?」
こうして俺とイオルグは、アイリを連れ帰ることにしたのだった。
街道を歩く俺の後ろをついてきながらイオルグが俺に話しかけてきた。
「でも、俺たち、気も合うし、結婚するにはピッタリ、ングッ!」
イオルグの頭上からなぜか、タライが落ちてきて、イオルグが頭を抱えてしゃがみ込む。
俺は、それを横目で見て、そのまま歩き続けた。
ざまあみろっつうの!
だが、イオルグは、負けていない。
すぐに立ち直ると、奴は、俺の肩を抱いて耳元で囁いた。
「俺、基本、ネコなんだけど、お前のことは、攻められそうな気がするんだ」
「なんの告白だよ!」
俺は、イオルグを振り払った。
街道には、昼間だというのに人気もなく、静まり返っている。
俺たちだけが、わぁわぁ言っていた。
その時、何か物音がきこえて、俺は、立ち止まった。
「どうした?ハジメ」
イオルグがきいた。俺は、素っ気なく答えた。
「なんかの気配がする」
「ああ?」
イオルグが辺りを見回した。
「何もいねぇぞ?」
「どこからかは、わからないけど、嫌な感じがする」
俺も辺りを見回した。
ここは、奴等のダンジョンとは、目と鼻の先だ。そして、あの連中が誘拐とかすることの多いポイントでもあった。
イオルグは、にやりと笑って大声で言った。
「誰かは知らねぇが、俺の邪魔をする奴は、皆殺す!」
「だめだよ、イオルグ」
俺は、そっとイオルグに小声で言った。
「俺たち、大人しく誘拐されに来たんじゃないか」
「あ、そうか」
イオルグが言ったとき、不意に頭上から網が降ってきた。
「うわっ!」
俺たちは、網にかかって身動きがとれなかった。
遠くから女の甲高い笑い声がきこえてきた。
「ほほほっ、ざまぁごらん。大人しく私たちの元に下らないからこういう目にあうのよ、ルファス」
あ、あの人だ。
俺は、イオルグと視線を交わした。
「大人しくしなさい、欲望の魔王 ルファスとその手下!」
「誰が、手下、だ!」
怒るイオルグを俺は、止めた。
「イオルグ!」
イオルグがチッと舌打ちした。
俺たちは、そのままダンジョンへと運ばれた。
奴等は、俺たちを玉座の間の床に放り投げた。
酷い扱いだな。
俺は、とさにイオルグがかばってくれたから、たいした怪我もなかった。
ちょっと、イオルグが体を撫で回してるのが気になったけど、この際、仕方ない。
「ふふふっ、どう?力が入らなくなってるでしょ?」
アイリが網に捕らわれている俺たちを見下ろして言った。
「この網には、聖女である私が聖別した魔石を編み込んでいる。だから、お前たち、魔族の力を封じることができるのよ」
アイリは、勝ち誇ったように笑った。
「さあ、ルファスよ、我々の軍門へ下るがいいわ」
「軍門って・・」
俺が呟くと、アイリがイラついた様子でわめいた。
「口答えするな!これから、お前たちは、我々の手下になって、死ぬまで我々に尽くすのよ!」
「そんなの嫌だ。お、こ、と、わ、り」
俺が言うと、アイリは、チッと舌打ちして、残忍な笑みを浮かべた。
「仕方がないわね。こんなことしたくはなかったけど。カイル、テイラー!あれを」
「マジでか?アイリ」
カイルがアイリにきいた。
「本気でこんなことするのか?」
「止めとこうぜ、アイリ。こいつは、一応、俺たちの弟でもあるんだし」
テイラーが言うと、アイリは、すごい形相で2人を睨み付けた。
「私の命令に逆らうつもり?いいから、やるのよ!」
カイルとテイラーが頷いて、手下どもに何やら命じると、そいつらが炎が燃ている中に差し込まれている赤く焼けた焼き印を取り出してアイリに渡した。
「この焼き印は、奴隷紋よ。呪術がかけられているから、これを押されたものは、主人に逆らうことはできなくなるのよ」
マジかよ。
俺は、ごくりと息を飲んだ。
なんて、悪どいことを。
アイリは、邪悪な微笑みを浮かべた。
「さあ、家畜のように焼き印を押されるがいいわ、欲望の魔王 ルファスよ」
アイリが俺の額に奴隷の焼き印を押そうとしたとき、時間が止まった。
「なんだ?どうしたんだ?」
イオルグがきいたので、俺は、手に持った巨大なハサミで網を切り裂きながら答えた。
「時間魔法が使えるようになったみたいだ。今のうちに脱出しよう」
「これ、何よ!」
時間が戻ったとたん、アイリが騒ぎだした。
「なんのつもり?」
アイリは、ぐるぐる巻きに縛られて床の上に転がされて喚いていた。隣には、魔石の編み込まれた網で縛られたカイルとテイラーがいて、俺たちに向かって言った。
「これは・・いつの間に?」
「まさか、時間魔法、か?」
カイルがきいた。
「こんな魔法をルファスが使える訳がない。お前は、何者だ?」
「俺か?俺はな」
俺は、不適な笑いを浮かべて、3人に向かって言った。
「きいて驚け!欲望の魔王 ルファスこと、聖女 ハジメ、だ!」
「聖女?」
3人がきょとんとする。
「魔王が?というか、ルファスは、男の筈なのに?」
「今は、女だ」
イオルグが、なぜか、偉そうに言った。
「そして、俺の婚約者、だ」
「嘘ばっか、言うな!」
俺は、イオルグに言うと、聖女アイリに向かってにんまり、と笑い掛けた。
「奴隷紋、だっけ?」
アイリがはっと顔をあげて俺たちを見た。
「な、何をするつもり?」
「何って」
俺は、真っ赤に焼けた奴隷紋をアイリに向けた。
「さっき、あんたがしようとしたことをするだけだよ」
「やめて!」
アイリが青ざめて叫んだ。
「なんでもするから、それだけは、やめて!」
「なら、聖女の力を放棄するか?」
俺は、きいた。
「力を封じられるのと、奴隷として生きるの、とっちを選ぶんだ?」
「力を・・」
アイリは、涙ぐんだ。
「力を封じてください」
「わかった」
俺は、アイリの力を封じるための首輪を思い浮かべた。
すると、アイリの首元に黒い鋼鉄の首輪が現れた。
「ああ・・」
アイリが小さく叫んだ。
途端に、アイリの姿が揺らめいて変容していく。
あれ?
俺は、目を擦った。
アイリが、縮んでいく?
アイリは、15才ぐらいの小柄なソバカスだらけの灰色の髪の少女に変化していった。
「アイリ?」
カイルとテイラーにまじまじと見つめられて、アイリが顔をそらした。
「見ないで!」
「それが、お前の正体、か」
イオルグが言った。
「こんな地味なガキんちょだったとは」
「あ、あたし・・こんな醜い姿・・みんなに見られて・・」
アイリがわっと泣き出した。
カイルとテイラーが気まずそうにお互いを見ていた。
力を封じられたアイリと戦意を喪失した億劫の魔王 テイラーと睡魔の魔王 カイルを解放すると俺たちは、ダンジョンコアの部屋へと向かった。
このダンジョンは、なんと20階層になっていた。
すごいじゃないか。
俺は、感心した。
こんなダンジョンがあるなら、なんとでも生活を建て直せるな。
ちなみにダンジョンの主は、億劫の魔王 テイラーだという。
俺は、テイラーとカイルに言った。
「しばらくは、俺がお前たちを支援してやるよ。もう、悪さはするな」
「ああ」
テイラーが頷いた。
「もう、こんなことはしない」
「ほんとに、どうかしてたんだ、俺たち」
カイルも言った。
「あんな子供に騙されて」
子供のせい、ね。
俺は、ふん、と鼻を鳴らした。
こいつら、まだ、反省してないな。
まあ、いい。
俺は、思っていた。
ゆっくりと改心させていけばいいか。
俺たちが玉座の間に戻ると、アイリは、まだ泣いていてイオルグが持て余していた。
「なんとかしてくれよ、ハジメ」
俺は、溜め息をついた。
「お前、これからどうするつもりだ?」
俺が訊ねると、アイリは、しゃくりあげながら答えた。
「うっくっ・・も、あたし・・何も、できない、し・・どうしたらいいか、わからない・・」
しょうがないなぁ。
俺は、アイリにきいた。
「俺たちと『魔王の杜』ダンジョンに来るか?」
「えっ?」
アイリが涙と鼻水でベタベタになっている顔を上げて俺を見つめた。
「あ、あたし、いっぱい、あなたたちに酷いことしたのに・・」
「いいから」
俺は、アイリに言った。
「その代わり、悪さをしたら許さないぞ?」
こうして俺とイオルグは、アイリを連れ帰ることにしたのだった。
6
あなたにおすすめの小説
悪役令息物語~呪われた悪役令息は、追放先でスパダリたちに愛欲を注がれる~
トモモト ヨシユキ
BL
魔法を使い魔力が少なくなると発情しちゃう呪いをかけられた僕は、聖者を誘惑した罪で婚約破棄されたうえ辺境へ追放される。
しかし、もと婚約者である王女の企みによって山賊に襲われる。
貞操の危機を救ってくれたのは、若き辺境伯だった。
虚弱体質の呪われた深窓の令息をめぐり対立する聖者と辺境伯。
そこに呪いをかけた邪神も加わり恋の鞘当てが繰り広げられる?
エブリスタにも掲載しています。
転生したらスパダリに囲われていました……え、違う?
米山のら
BL
王子悠里。苗字のせいで“王子さま”と呼ばれ、距離を置かれてきた、ぼっち新社会人。
ストーカーに追われ、車に轢かれ――気づけば豪奢なベッドで目を覚ましていた。
隣にいたのは、氷の騎士団長であり第二王子でもある、美しきスパダリ。
「愛してるよ、私のユリタン」
そう言って差し出されたのは、彼色の婚約指輪。
“最難関ルート”と恐れられる、甘さと狂気の狭間に立つ騎士団長。
成功すれば溺愛一直線、けれど一歩誤れば廃人コース。
怖いほどの執着と、甘すぎる愛の狭間で――悠里の新しい人生は、いったいどこへ向かうのか?
……え、違う?
【本編完結】転生先で断罪された僕は冷酷な騎士団長に囚われる
ゆうきぼし/優輝星
BL
断罪された直後に前世の記憶がよみがえった主人公が、世界を無双するお話。
・冤罪で断罪された元侯爵子息のルーン・ヴァルトゼーレは、処刑直前に、前世が日本のゲームプログラマーだった相沢唯人(あいざわゆいと)だったことを思い出す。ルーンは魔力を持たない「ノンコード」として家族や貴族社会から虐げられてきた。実は彼の魔力は覚醒前の「コードゼロ」で、世界を書き換えるほどの潜在能力を持つが、転生前の記憶が封印されていたため発現してなかったのだ。
・間一髪のところで魔力を発動させ騎士団長に救い出される。実は騎士団長は呪われた第三王子だった。ルーンは冤罪を晴らし、騎士団長の呪いを解くために奮闘することを決める。
・惹かれあう二人。互いの魔力の相性が良いことがわかり、抱き合う事で魔力が循環し活性化されることがわかるが……。
寄るな。触るな。近付くな。
きっせつ
BL
ある日、ハースト伯爵家の次男、であるシュネーは前世の記憶を取り戻した。
頭を打って?
病気で生死を彷徨って?
いいえ、でもそれはある意味衝撃な出来事。人の情事を目撃して、衝撃のあまり思い出したのだ。しかも、男と男の情事で…。
見たくもないものを見せられて。その上、シュネーだった筈の今世の自身は情事を見た衝撃で何処かへ行ってしまったのだ。
シュネーは何処かに行ってしまった今世の自身の代わりにシュネーを変態から守りつつ、貴族や騎士がいるフェルメルン王国で生きていく。
しかし問題は山積みで、情事を目撃した事でエリアスという侯爵家嫡男にも目を付けられてしまう。シュネーは今世の自身が帰ってくるまで自身を守りきれるのか。
ーーーーーーーーーーー
初めての投稿です。
結構ノリに任せて書いているのでかなり読み辛いし、分かり辛いかもしれませんがよろしくお願いします。主人公がボーイズでラブするのはかなり先になる予定です。
※ストックが切れ次第緩やかに投稿していきます。
溺愛の加速が尋常じゃない!?~味方作りに全振りしたら兄たちに溺愛されました~
液体猫(299)
BL
毎日投稿だけど時間は不定期
【《血の繋がりは"絶対"ではない。》この言葉を胸にクリスがひたすら愛され、大好きな兄と暮らす】
アルバディア王国の第五皇子クリスは冤罪によって処刑されてしまう。
次に目を覚ましたとき、九年前へと戻っていた。
巻き戻す前の世界とは異なるけれど同じ場所で、クリスは生き残るために知恵を振り絞る。
かわいい末っ子が過保護な兄たちに可愛がられ、溺愛されていく。
やり直しもほどほどに。罪を着せた者への復讐はついで。そんな気持ちで新たな人生を謳歌する、コミカル&シリアスなハッピーエンド確定物語。
主人公は後に18歳へと成長します(*・ω・)*_ _)ペコリ
⚠️濡れ場のサブタイトルに*のマークがついてます。冒頭のみ重い展開あり。それ以降はコミカルでほのぼの✌
⚠️本格的な塗れ場シーンは三章(18歳になって)からとなります。
お前らの目は節穴か?BLゲーム主人公の従者になりました!
MEIKO
BL
本編完結しています。お直し中。第12回BL大賞奨励賞いただきました。
僕、エリオット・アノーは伯爵家嫡男の身分を隠して公爵家令息のジュリアス・エドモアの従者をしている。事の発端は十歳の時…家族から虐げられていた僕は、我慢の限界で田舎の領地から家を出て来た。もう二度と戻る事はないと己の身分を捨て、心機一転王都へやって来たものの、現実は厳しく死にかける僕。薄汚い格好でフラフラと彷徨っている所を救ってくれたのが完璧貴公子ジュリアスだ。だけど初めて会った時、不思議な感覚を覚える。えっ、このジュリアスって人…会ったことなかったっけ?その瞬間突然閃く!
「ここって…もしかして、BLゲームの世界じゃない?おまけに僕の最愛の推し〜ジュリアス様!」
知らぬ間にBLゲームの中の名も無き登場人物に転生してしまっていた僕は、命の恩人である坊ちゃまを幸せにしようと奔走する。そして大好きなゲームのイベントも近くで楽しんじゃうもんね〜ワックワク!
だけど何で…全然シナリオ通りじゃないんですけど。坊ちゃまってば、僕のこと大好き過ぎない?
※貴族的表現を使っていますが、別の世界です。ですのでそれにのっとっていない事がありますがご了承下さい。
【Amazonベストセラー入りしました】僕の処刑はいつですか?欲しがり義弟に王位を追われ身代わりの花嫁になったら溺愛王が待っていました。
美咲アリス
BL
「国王陛下!僕は偽者の花嫁です!どうぞ、どうぞ僕を、処刑してください!!」「とりあえず、落ち着こうか?(笑)」意地悪な義母の策略で義弟の代わりに辺境国へ嫁いだオメガ王子のフウル。正直な性格のせいで嘘をつくことができずに命を捨てる覚悟で夫となる国王に真実を告げる。だが美貌の国王リオ・ナバはなぜかにっこりと微笑んだ。そしてフウルを甘々にもてなしてくれる。「きっとこれは処刑前の罠?」不幸生活が身についたフウルはビクビクしながら城で暮らすが、実は国王にはある考えがあって⋯⋯?(Amazonベストセラー入りしました。1位。1/24,2024)
捨てられΩ、癒しの異能で獣人将軍に囲われてます!?
めがねあざらし
BL
役立たずと追放されたΩのリオン。
治癒師の家に生まれながら癒しの力もないと見放された彼を拾ったのは、獣人国ザイファルの将軍であり、冷徹と名高い王太子・ガルハルトだった。
だが、彼の傷を“舐めた”瞬間、リオンの秘められた異能が覚醒する。
その力は、獣人たちにとって“聖なる奇跡”。
囲い込まれ、離されず、戸惑いながらも、ガルハルトの腕の中で心は揺れて──偽りの関係が、いつしか嘘では済まなくなっていく。
異能×政治×恋愛。
運命が交錯する王宮オメガバースファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる