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2 狂愛の宴
2ー6 ヴェルデ
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2ー6 ヴェルデ
「名前がないのか?」
僕が獣に訊ねると獣はこくりと頷いた。
「みな、俺のこと、『邪神』とか、そんな名で呼ぶ」
そうなの?
僕は、いづれこの獣にも名前が必要だろうと思ったのでまた、今度名前をつけてやることにした。
「今がいい」
獣は、俺をじっと見つめた。
「今、お前に名を呼ばれたい」
今?
僕は、うーん、と呻いた。
「じゃあ、『ヴェルデ』は?」
ヴェルデというのは、この国の大抵の子供が知っている物語に出てくる魔法使いの名前だ。
僕も子供の頃には、彼に憧れて魔法使いになりたいとか思ったこともあった。
「ヴェルデ・・・」
獣が口の中で転がすように名を繰り返した。
「俺、ヴェルデ」
そう獣が告げたとき。
獣の体が輝きを放った。
辺りに金色の粒が降り注ぎ獣の体が変化していく?
獣は、みるみる内に変身して人の姿となった。
逞しい筋肉質の無駄のない美しい肉体を持つ男が僕の傍らに立っていた。
だが。
男の金色の髪に飾られた頭には大きな黒い獣の耳があったし、長くてふさふさした尻尾はそのままだった。
獣人の姿になった?
呆然として見つめている僕をぐぃっと抱き寄せると男は、僕の額に口づけした。
「マクシアが名前、くれたから、俺、変わった」
ふわっと強い魅惑の香りに包み込まれて僕は、意識が揺らぐ。
が、すぐにはっと気付いて僕は、彼から体を離そうとした。
ロナが見ているんだから!
「ヴェルデ、この障壁を解いて!」
僕が頼むと彼は、しぶしぶ感を隠そうともせずに防御障壁を解いた。
「マクシア様!」
駆け寄ってくるロナに僕は、ヴェルデの尻尾をぎゅっと引っ張って体を隠そうとしヴェルデが瞑れたカエルみたいな声を上げる。
「ご、ごめん。痛かったのか?」
僕は、ヴェルデの黒いふさふさした尻尾を抱き締めて体を隠したままヴェルデを覗き込んだ。
ヴェルデは、僕を抱き寄せるとぎゅっと両腕の中に閉じ込める。
「これ、何?」
ヴェルデは、ロナを指差した。
「殺す、いいか?」
「ダメだ!」
僕は、ヴェルデに抱き締められたまま、どんどんと厚い胸板を両手の拳で叩く。
「ロナを傷つけたりしたらお前を許さないからな!」
僕は、ヴェルデに抱かれたままロナを振り返るとヴェルデを押し返しながらロナに紹介した。
「これは、ヴェルデ。ここの主だ」
「主?」
ロナが身構えるのがわかる。
僕は、慌ててロナに告げた。
「大丈夫、こいつ、そんな悪い奴じゃないから!」
「しかし!」
ロナは、ヴェルデを胡散臭げな目で見つめて僕に訊ねた。
「この者は、その、マクシア様に無体を働いたのでは?」
僕は、自分の現状を思い出して全身が燃えるように火照ってくるのを止められなかった。
だって!
僕もヴェルデも裸で、しかも、あきらかに愛し合った痕跡を残していたし!
「名前がないのか?」
僕が獣に訊ねると獣はこくりと頷いた。
「みな、俺のこと、『邪神』とか、そんな名で呼ぶ」
そうなの?
僕は、いづれこの獣にも名前が必要だろうと思ったのでまた、今度名前をつけてやることにした。
「今がいい」
獣は、俺をじっと見つめた。
「今、お前に名を呼ばれたい」
今?
僕は、うーん、と呻いた。
「じゃあ、『ヴェルデ』は?」
ヴェルデというのは、この国の大抵の子供が知っている物語に出てくる魔法使いの名前だ。
僕も子供の頃には、彼に憧れて魔法使いになりたいとか思ったこともあった。
「ヴェルデ・・・」
獣が口の中で転がすように名を繰り返した。
「俺、ヴェルデ」
そう獣が告げたとき。
獣の体が輝きを放った。
辺りに金色の粒が降り注ぎ獣の体が変化していく?
獣は、みるみる内に変身して人の姿となった。
逞しい筋肉質の無駄のない美しい肉体を持つ男が僕の傍らに立っていた。
だが。
男の金色の髪に飾られた頭には大きな黒い獣の耳があったし、長くてふさふさした尻尾はそのままだった。
獣人の姿になった?
呆然として見つめている僕をぐぃっと抱き寄せると男は、僕の額に口づけした。
「マクシアが名前、くれたから、俺、変わった」
ふわっと強い魅惑の香りに包み込まれて僕は、意識が揺らぐ。
が、すぐにはっと気付いて僕は、彼から体を離そうとした。
ロナが見ているんだから!
「ヴェルデ、この障壁を解いて!」
僕が頼むと彼は、しぶしぶ感を隠そうともせずに防御障壁を解いた。
「マクシア様!」
駆け寄ってくるロナに僕は、ヴェルデの尻尾をぎゅっと引っ張って体を隠そうとしヴェルデが瞑れたカエルみたいな声を上げる。
「ご、ごめん。痛かったのか?」
僕は、ヴェルデの黒いふさふさした尻尾を抱き締めて体を隠したままヴェルデを覗き込んだ。
ヴェルデは、僕を抱き寄せるとぎゅっと両腕の中に閉じ込める。
「これ、何?」
ヴェルデは、ロナを指差した。
「殺す、いいか?」
「ダメだ!」
僕は、ヴェルデに抱き締められたまま、どんどんと厚い胸板を両手の拳で叩く。
「ロナを傷つけたりしたらお前を許さないからな!」
僕は、ヴェルデに抱かれたままロナを振り返るとヴェルデを押し返しながらロナに紹介した。
「これは、ヴェルデ。ここの主だ」
「主?」
ロナが身構えるのがわかる。
僕は、慌ててロナに告げた。
「大丈夫、こいつ、そんな悪い奴じゃないから!」
「しかし!」
ロナは、ヴェルデを胡散臭げな目で見つめて僕に訊ねた。
「この者は、その、マクシア様に無体を働いたのでは?」
僕は、自分の現状を思い出して全身が燃えるように火照ってくるのを止められなかった。
だって!
僕もヴェルデも裸で、しかも、あきらかに愛し合った痕跡を残していたし!
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