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4.瘴気の壁
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順調に旅は進み、今日は街に立ち寄ることになった。
街の入り口でおすすめの宿屋を教えてもらいそこへ向かった。久しぶりに野営ではなく宿での宿泊だ。
到着した宿屋はおすすめだと紹介されるだけあって、女将さんもいい人だったし部屋も綺麗だった。四人部屋というのがないので、二人で一部屋ずつを借りる。
宿で止まる時は大体こんな感じだ。しかもダグラスとシャノンで一部屋を使うとなったため、自然に俺とフェリクスでペアとなる。
「風呂があってよかったー」
「ソウタは本当に風呂が好きだな」
「日本人とは切っても切れないものなんだよ」
毎日浄化魔法を使っているから汚れていないとはいえ、やっぱり風呂に入ると疲れが取れる。これは風呂ならではの恩恵だ。最高。
宿によっては風呂がないところもあるが、俺が風呂好きだと知っているみんなはなるべく風呂がある宿を選んでくれる。
風呂にこだわらなければもっと安いところもあるのだが、それなら野営した方がマシだというのがみんなの意見だ。……どれだけ酷い宿なんだろ。逆に気になる。
宿に併設されている食堂で食事も済ませると、明日も早朝からの出発のため早々に部屋へと下がる。部屋の灯りを落としベッドへ入れば、疲れているためすぐに眠気はやってきた。
少し肌寒いような気はするが、まぁ我慢できるくらいだしこのまま寝てしまおう。
そう思っている内に俺は夢の世界へと旅立った。
「ソウタ」と呼ばれて目が覚める。どうやら朝が来たようだ。もう少し眠りたいところだが、そういうわけにもいかない。ベッドから降りて身支度を整えようとするが、なぜか体が動かなかった。
「え? え!? フェリクス!? 何やってんの!?」
「おはよう、ソウタ。昨晩は少し肌寒かったから、ソウタが風邪をひかないように一緒に寝たんだ。温かかっただろう?」
なんと、俺はフェリクスに後ろからぎゅっと抱きつかれていたのだ。お腹に回された腕があったから身動き取れなかったのか。
いやしかし、男とこんな風にくっついて寝る必要ある!? 確かに肌寒さを感じていたし、今もぽかぽかして温かいけど!
「野営時も寒い時はこうして身を寄せ合って暖を取り合うこともあるから、何もおかしなことではないよ。魔王を討伐するまでは体調管理は必要不可欠なんだ。これからも肌寒い時は私が温めるから安心して」
「……ソウデスカ」
いや、別にくっつかなくても服を着こめばよくない? しかも野営みたいに外じゃなくて室内なんだし。
そうツッコもうかと思ったけど、フェリクスの慈愛に満ちた微笑みを見てその言葉は吞み込んだ。……まぁこいつは親切心でやってくれたことだし、実際あったかくてぐっすり眠れたのは間違いじゃないし。
驚くことがありつつも、俺たちは魔王討伐に向かって出発した。
そして魔王討伐の旅に出てから約二か月。俺たちはついに魔王がいるという森に到着する。
「うえぇっ……なんすかこの瘴気っ……オエェッ……」
魔王がいる森では、瘴気というものが非常に濃く蔓延していて息ができない。少しでも瘴気が触れると吐き気や頭痛がするし、このまま侵され続けたら精神が錯乱しそうだ。
ずっと鳥肌と悪寒が治まらず、とにかく近寄りたくない。
「おそらく以前は、ここまで酷くはなかったのだろうっ……魔王をそのままにして数年で、ここまで瘴気が濃くなって、しまったのだろうなっ……! ハァッ!」
「それにしてもっ、魔物の数がっ、多すぎるっすよ! てぃやっ!」
魔王のいる森に近付けば近付くほど、魔物の数が尋常じゃない。瘴気の濃度もすごいしみんなつらそうだ。それをなんとか耐えて魔物の襲撃を押し返してはいるものの、このままだとジリ貧だろう。
瘴気をなんとかできればいいんだけど……瘴気……瘴気……あ! そうか!
「効果あってくれよ! 浄化!」
聖女が瘴気を払うっていうのも漫画やアニメでは定番だった。マイナスイオンマシマシの清涼な空気になるようイメージして浄化魔法を発動。すると一瞬で気持ち悪い瘴気が吹き飛び体が楽になる。それと同時に魔物の動きが悪くなった。魔物は浄化の魔法に弱いのか。
「さっすが『賢者様』っす! 最高っすね!」
俺たちを中心に小さい範囲だが瘴気を浄化することに成功。だが魔物が次々と襲ってくるため状況は変わらない。浄化された空間を取り囲むように結界魔法を発動させ、魔物の侵入を拒んだ。これで一旦落ち着ける。
「ダグラス、怪我の具合は!?」
「ああ、大したことではない。が、すまない。ありがとう」
タンクのダグラスは大量の魔物の攻撃の全てを防ぐことはできず怪我を負ってしまった。大きな怪我じゃなくてよかった。治癒魔法でさっと治せば治療完了だ。
「ソウタ、どうする? このままでは魔王のいる場所まで辿りつけなさそうだ」
「それに魔王がどの辺りにいるかもわからないっすもんね~……」
魔王がいる森というのは広大で簡単に迷子になりそうなところだ。今は森全体が瘴気で侵されてしまっているからやみくもに歩くのもやめた方がいいだろう。
魔物の襲撃を押し返しながら進み、魔王に出会ったころにみんなが疲労困憊なんてシャレにならん。
まずは魔王がいるところを見つけたいところだ。
「ソウタ?」
俺は目を瞑って森全体に魔力を薄く広げてみた。すると魔物の反応が森全体にあることがわかり、その奥へ進むと一際強い魔物の反応があった。おそらくこれが魔王なのだろう。他の魔物と比べても反応の強さが尋常じゃない。
「……見つけた。魔王だ」
「え!? どういうことっすか!?」
みんなに俺が今やったことを説明すると「ソウタがすごすぎて意味がわからない」と言われてしまった。攻撃魔法しかなかった世界からすれば、俺の魔法や魔力の使い方がおかしいんだろうな。
「とりあえず一旦退避しよう」
この森に来るずっと手前に馬車を隠してある。とにかくそこまで戻って作戦会議だ。ということで、俺は転移魔法を使って全員を馬車まで転移させた。
「……うお! これが転移魔法……ソウタ殿は本当に規格外だな」
「さすがはソウタだ。あなたと出会えたことはこれ以上にない幸運だ」
感動したのかフェリクスは俺をぎゅうぎゅうと強く抱きしめる。喜んでくれて嬉しいが、今は魔王の元までたどり着く作戦を考えないと。
もう一度馬車の周りを囲むように結界を張り、みんなに浄化魔法をかけると食事の準備を始めた。腹が減っては戦はできぬと言うからね。
「ソウタさんってこんな時でもいつも通りっすね」
「へこんだり落ち込んだりしても状況は変わらないからな」
みんなは魔王へ簡単には近付けないことと、魔物の数が多すぎてどうすればいいのかと表情は暗い。本当にこの世界の人たちだけではどうしようもなかったんだな、と本当の意味でそれを知る。
ご飯を食べてお腹が膨れたからか、みんなの顔から悲壮感が薄れてきた。やっぱりちゃんと食べるって大事だよな。
「ところでソウタ殿が魔王を見つけたところまではいいが、そこからどうする?」
「あの瘴気がすごくて森に入れないっすもんね~」
「あの魔物の数では魔王の場所まで走り抜けるのも困難そうだったな」
俺も魔王のところまで結界を張って一直線に走り抜けるっていう方法を考えたけど、どうせならもっと楽に辿り着きたいよな。みんなが万全な状態で魔王と対峙しておきたい。
「うーん……ちょっと実験してみるか」
「ソウタ?」
俺は魔王の森でやったみたいに薄く魔力を巡らせる。ここから少し離れたところに一体魔物の反応があった。この魔物の上に転移して足元に結界を張って足場を作れれば落ちることはないだろう。よし。
「フェリクス、ちょっとついてきてくれ」
「ん? いいが、一体どこへ?」
「とりあえず空中へ転移するから俺から離れるなよ」
フェリクスの腕を掴み目的の場所へ転移。すると一瞬で景色が変わり、俺たちは空中に出現する。すぐに足元に結界を張って足場を作り落下を阻止。
「……たしかにソウタから離れたら私は下へ真っ逆さまだったな」
「驚かせてごめん。まぁフェリクスだったら何かあっても大丈夫と思って連れてきたんだけど」
「そこまで信頼してもらえて嬉しいよ、ソウタ。とりあえずは下にいる魔物を倒してしまおう」
フェリクスはバリバリっと雷魔法を発動させると、下から俺たちを食べよう鼻息荒い魔物に向かって魔法を放った。一瞬で魔物は黒焦げになり討伐完了だ。
「フェリクスおつかれさん。じゃ戻るか」
そしてまたみんなのいるところへ転移で戻る。するとダグラスとシャノンが「いきなりいなくなるからびっくりした!」と俺たちに怪我はないかと心配してくれる。
本当にこの討伐メンバーは人がよくて俺は大好きだ。
「え!? ソウタさん、そんなことができるんすか!?」
「うん。実験してみたらできたからこれで魔王のところまで行こう」
俺が立てた作戦はさっき魔物の上へ転移したやり方だ。とにかく魔王の頭上へ転移して結界を張って足場を張る。そこから魔王を取り囲むように大きく結界を張って、中を浄化。
おそらく魔王の近くにも魔物がたくさんいるだろうし、結界内の魔物は俺の広範囲の魔法で討伐。その後、魔王の体から生み出される魔物はシャノンが、魔王はフェリクスが主体で倒すことに決まった。
ダグラスは俺を守ることが主になるが、状況次第ではフェリクスを守ることを優先してもらおう。
あとは状況次第で臨機応変に動くってことで作戦は決まった。
「これは本当にソウタ殿がいなければ立てられない作戦だな」
「無理やり召喚したというのにここまで力を貸してくれたこと、本当に感謝しかない。ありがとう、ソウタ」
「いやいやいや、それは本当に魔王を倒してから言ってくれ」
とりあえず今日はこのまま休んで、魔王討伐は明日決行することになった。
街の入り口でおすすめの宿屋を教えてもらいそこへ向かった。久しぶりに野営ではなく宿での宿泊だ。
到着した宿屋はおすすめだと紹介されるだけあって、女将さんもいい人だったし部屋も綺麗だった。四人部屋というのがないので、二人で一部屋ずつを借りる。
宿で止まる時は大体こんな感じだ。しかもダグラスとシャノンで一部屋を使うとなったため、自然に俺とフェリクスでペアとなる。
「風呂があってよかったー」
「ソウタは本当に風呂が好きだな」
「日本人とは切っても切れないものなんだよ」
毎日浄化魔法を使っているから汚れていないとはいえ、やっぱり風呂に入ると疲れが取れる。これは風呂ならではの恩恵だ。最高。
宿によっては風呂がないところもあるが、俺が風呂好きだと知っているみんなはなるべく風呂がある宿を選んでくれる。
風呂にこだわらなければもっと安いところもあるのだが、それなら野営した方がマシだというのがみんなの意見だ。……どれだけ酷い宿なんだろ。逆に気になる。
宿に併設されている食堂で食事も済ませると、明日も早朝からの出発のため早々に部屋へと下がる。部屋の灯りを落としベッドへ入れば、疲れているためすぐに眠気はやってきた。
少し肌寒いような気はするが、まぁ我慢できるくらいだしこのまま寝てしまおう。
そう思っている内に俺は夢の世界へと旅立った。
「ソウタ」と呼ばれて目が覚める。どうやら朝が来たようだ。もう少し眠りたいところだが、そういうわけにもいかない。ベッドから降りて身支度を整えようとするが、なぜか体が動かなかった。
「え? え!? フェリクス!? 何やってんの!?」
「おはよう、ソウタ。昨晩は少し肌寒かったから、ソウタが風邪をひかないように一緒に寝たんだ。温かかっただろう?」
なんと、俺はフェリクスに後ろからぎゅっと抱きつかれていたのだ。お腹に回された腕があったから身動き取れなかったのか。
いやしかし、男とこんな風にくっついて寝る必要ある!? 確かに肌寒さを感じていたし、今もぽかぽかして温かいけど!
「野営時も寒い時はこうして身を寄せ合って暖を取り合うこともあるから、何もおかしなことではないよ。魔王を討伐するまでは体調管理は必要不可欠なんだ。これからも肌寒い時は私が温めるから安心して」
「……ソウデスカ」
いや、別にくっつかなくても服を着こめばよくない? しかも野営みたいに外じゃなくて室内なんだし。
そうツッコもうかと思ったけど、フェリクスの慈愛に満ちた微笑みを見てその言葉は吞み込んだ。……まぁこいつは親切心でやってくれたことだし、実際あったかくてぐっすり眠れたのは間違いじゃないし。
驚くことがありつつも、俺たちは魔王討伐に向かって出発した。
そして魔王討伐の旅に出てから約二か月。俺たちはついに魔王がいるという森に到着する。
「うえぇっ……なんすかこの瘴気っ……オエェッ……」
魔王がいる森では、瘴気というものが非常に濃く蔓延していて息ができない。少しでも瘴気が触れると吐き気や頭痛がするし、このまま侵され続けたら精神が錯乱しそうだ。
ずっと鳥肌と悪寒が治まらず、とにかく近寄りたくない。
「おそらく以前は、ここまで酷くはなかったのだろうっ……魔王をそのままにして数年で、ここまで瘴気が濃くなって、しまったのだろうなっ……! ハァッ!」
「それにしてもっ、魔物の数がっ、多すぎるっすよ! てぃやっ!」
魔王のいる森に近付けば近付くほど、魔物の数が尋常じゃない。瘴気の濃度もすごいしみんなつらそうだ。それをなんとか耐えて魔物の襲撃を押し返してはいるものの、このままだとジリ貧だろう。
瘴気をなんとかできればいいんだけど……瘴気……瘴気……あ! そうか!
「効果あってくれよ! 浄化!」
聖女が瘴気を払うっていうのも漫画やアニメでは定番だった。マイナスイオンマシマシの清涼な空気になるようイメージして浄化魔法を発動。すると一瞬で気持ち悪い瘴気が吹き飛び体が楽になる。それと同時に魔物の動きが悪くなった。魔物は浄化の魔法に弱いのか。
「さっすが『賢者様』っす! 最高っすね!」
俺たちを中心に小さい範囲だが瘴気を浄化することに成功。だが魔物が次々と襲ってくるため状況は変わらない。浄化された空間を取り囲むように結界魔法を発動させ、魔物の侵入を拒んだ。これで一旦落ち着ける。
「ダグラス、怪我の具合は!?」
「ああ、大したことではない。が、すまない。ありがとう」
タンクのダグラスは大量の魔物の攻撃の全てを防ぐことはできず怪我を負ってしまった。大きな怪我じゃなくてよかった。治癒魔法でさっと治せば治療完了だ。
「ソウタ、どうする? このままでは魔王のいる場所まで辿りつけなさそうだ」
「それに魔王がどの辺りにいるかもわからないっすもんね~……」
魔王がいる森というのは広大で簡単に迷子になりそうなところだ。今は森全体が瘴気で侵されてしまっているからやみくもに歩くのもやめた方がいいだろう。
魔物の襲撃を押し返しながら進み、魔王に出会ったころにみんなが疲労困憊なんてシャレにならん。
まずは魔王がいるところを見つけたいところだ。
「ソウタ?」
俺は目を瞑って森全体に魔力を薄く広げてみた。すると魔物の反応が森全体にあることがわかり、その奥へ進むと一際強い魔物の反応があった。おそらくこれが魔王なのだろう。他の魔物と比べても反応の強さが尋常じゃない。
「……見つけた。魔王だ」
「え!? どういうことっすか!?」
みんなに俺が今やったことを説明すると「ソウタがすごすぎて意味がわからない」と言われてしまった。攻撃魔法しかなかった世界からすれば、俺の魔法や魔力の使い方がおかしいんだろうな。
「とりあえず一旦退避しよう」
この森に来るずっと手前に馬車を隠してある。とにかくそこまで戻って作戦会議だ。ということで、俺は転移魔法を使って全員を馬車まで転移させた。
「……うお! これが転移魔法……ソウタ殿は本当に規格外だな」
「さすがはソウタだ。あなたと出会えたことはこれ以上にない幸運だ」
感動したのかフェリクスは俺をぎゅうぎゅうと強く抱きしめる。喜んでくれて嬉しいが、今は魔王の元までたどり着く作戦を考えないと。
もう一度馬車の周りを囲むように結界を張り、みんなに浄化魔法をかけると食事の準備を始めた。腹が減っては戦はできぬと言うからね。
「ソウタさんってこんな時でもいつも通りっすね」
「へこんだり落ち込んだりしても状況は変わらないからな」
みんなは魔王へ簡単には近付けないことと、魔物の数が多すぎてどうすればいいのかと表情は暗い。本当にこの世界の人たちだけではどうしようもなかったんだな、と本当の意味でそれを知る。
ご飯を食べてお腹が膨れたからか、みんなの顔から悲壮感が薄れてきた。やっぱりちゃんと食べるって大事だよな。
「ところでソウタ殿が魔王を見つけたところまではいいが、そこからどうする?」
「あの瘴気がすごくて森に入れないっすもんね~」
「あの魔物の数では魔王の場所まで走り抜けるのも困難そうだったな」
俺も魔王のところまで結界を張って一直線に走り抜けるっていう方法を考えたけど、どうせならもっと楽に辿り着きたいよな。みんなが万全な状態で魔王と対峙しておきたい。
「うーん……ちょっと実験してみるか」
「ソウタ?」
俺は魔王の森でやったみたいに薄く魔力を巡らせる。ここから少し離れたところに一体魔物の反応があった。この魔物の上に転移して足元に結界を張って足場を作れれば落ちることはないだろう。よし。
「フェリクス、ちょっとついてきてくれ」
「ん? いいが、一体どこへ?」
「とりあえず空中へ転移するから俺から離れるなよ」
フェリクスの腕を掴み目的の場所へ転移。すると一瞬で景色が変わり、俺たちは空中に出現する。すぐに足元に結界を張って足場を作り落下を阻止。
「……たしかにソウタから離れたら私は下へ真っ逆さまだったな」
「驚かせてごめん。まぁフェリクスだったら何かあっても大丈夫と思って連れてきたんだけど」
「そこまで信頼してもらえて嬉しいよ、ソウタ。とりあえずは下にいる魔物を倒してしまおう」
フェリクスはバリバリっと雷魔法を発動させると、下から俺たちを食べよう鼻息荒い魔物に向かって魔法を放った。一瞬で魔物は黒焦げになり討伐完了だ。
「フェリクスおつかれさん。じゃ戻るか」
そしてまたみんなのいるところへ転移で戻る。するとダグラスとシャノンが「いきなりいなくなるからびっくりした!」と俺たちに怪我はないかと心配してくれる。
本当にこの討伐メンバーは人がよくて俺は大好きだ。
「え!? ソウタさん、そんなことができるんすか!?」
「うん。実験してみたらできたからこれで魔王のところまで行こう」
俺が立てた作戦はさっき魔物の上へ転移したやり方だ。とにかく魔王の頭上へ転移して結界を張って足場を張る。そこから魔王を取り囲むように大きく結界を張って、中を浄化。
おそらく魔王の近くにも魔物がたくさんいるだろうし、結界内の魔物は俺の広範囲の魔法で討伐。その後、魔王の体から生み出される魔物はシャノンが、魔王はフェリクスが主体で倒すことに決まった。
ダグラスは俺を守ることが主になるが、状況次第ではフェリクスを守ることを優先してもらおう。
あとは状況次第で臨機応変に動くってことで作戦は決まった。
「これは本当にソウタ殿がいなければ立てられない作戦だな」
「無理やり召喚したというのにここまで力を貸してくれたこと、本当に感謝しかない。ありがとう、ソウタ」
「いやいやいや、それは本当に魔王を倒してから言ってくれ」
とりあえず今日はこのまま休んで、魔王討伐は明日決行することになった。
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