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10歳〜アストレカ大陸編【戴冠式と入学試験】
戴冠式〜ガーランドの置き土産〜
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「只今より戴冠式を開催する!」
遂に始まった。本当なら、お父様やお母様やお兄様やマリルにも、戴冠式に出席して欲しかった。でも、アストレカ大陸の国々との国交が回復していない以上、余計な混乱を避けるべきだろう。幸い、シンシアさんがこの出来事を彼女目線で録画してくれている。その映像を映せる魔石を貰い、帰還したら皆に見せよう。
「王都に住んでいる者達は既に気づいていると思うが、アストレカ大陸出身8歳の人間の少女が、1ヶ月前に起きた帝国の窮地を救ってくれた。Sランクの魔物すら従えるシャーロットならば、帝国の王として申し分ない。皆も賛成だよな?」
拡声魔法により、ソーマさんの声が帝都中に優しく響く。それに呼応し、歓声が地響きのように蠢く。見物人の多くが従魔の強さを理解しているからか、《今後の帝国は安泰だ~!》と叫び合っているが、ここで私本来の強さを見せなくてはいけない。
「まずは、次期帝王のシャーロットに入場してもらおう」
いよいよ私の登場か。
出席者全員、私の用意した半透明バルコニーに慣れたのか、平常状態に戻っている。皆のおかげで、私の緊張も解けている。
私がバルコニー中央を堂々と歩を進めていくと、ソーマさんの時以上の大歓声が沸き起こる。私の身長のことを考慮してか、中庭には白い白線が描かれており、そこから城の内側には騎士団しかいない。あの白線が、ギリギリのラインなのだろう。私は皆に御辞儀をしていき、ソーマさんの真横で止まる。帝王といっても8歳である以上、最低限の礼儀を弁えないとね。
「この子がシャーロットだ。この群衆の中には、1ヶ月前の事件を直て見ていない者も多くいるだろう。そこで次期帝王のシャーロットに、私と同等かそれ以上の王としての強さと風格を、この場で披露してもらう」
ソーマさんが私を見る。
ここからは、私がその強さを披露すればいい。
私は事前に、トキワさん・アッシュさん・リリヤさん・ドールマクスウェル・ドレイク達と話し合い、何か要望がないかを聞いている。すると、マクスウェルが…
《私の部下達がシャーロット様を一目見たいと言っています。召喚してもよろしいでしょうか?》と言ってきたので、私は…
《私が従魔召喚する際、マクスウェルも観客のいない敷地に彼らを召喚すればいいよ》と許可を出しておいた。ただし、マクスウェルの部下であって、私の従魔ではない。だから……
《数も多いだろうから、Cランク以上で50体限定だからね!》
ときつく厳命している。
ドレイクも、旧友のドラゴン達8体が上空から戴冠式を見学したいとの要請を受けているらしく、その許可を私に求めてきた。
こちらも、《人様に迷惑をかけなければ良いよ》と許可を出しておいた。
ドラゴンの場合8体もいるけど、皆が上空から見学する形をとるため、地上の見学者達も圧倒されるだろうけど、大きな迷惑とならないだろう。これまでの戴冠式でも、新たな帝王が従魔(ドラゴンやグリフォン、キマイラなど)を召喚して、国民達に披露している。少し数が多いけど、トキワさんや帝国の人達も許可してくれたので問題ない。
ただ、ヌイグルミ達は異色揃いのため、違った意味で目立つと思うから召喚しない。
「皆さん、シャーロット・エルバランです。あの事件を機に、私が次期帝王となります。今この場で、帝王として相応しい強さをお見せしましょう。まずは、私の契約した従魔やお友達をご紹介します。【召喚】!」
私の合図と共に、上空から大きな雄叫びが舞い上がる。この雄叫びは帝都中に響き渡っているだろう。私の真上に出現したのが、フロストドラゴンのドレイクとライトニングドラゴン形態のカムイ、私の左側クロイス女王の少し後方に死神のデッドスクリーム、巨大化した大和人形のドールマクスウェルと市松人形のドールXX、私の右側エメルダさんの少し後方に西洋人形のドールXやリ○ちゃん人形のマテリアルドール達が召喚陣から現れる。全員が、この敷地内の会場に合わせた大きさへと変化している。あまり大きすぎると、私が目立たないからね。
ここからが本番、私の用意した【とっておき】を見せようか!
………ってあれ?
何やら、地上付近が騒がしい。
「シャーロット、君の従魔や友達は何体いるんだ? 既に、100を超えているぞ?」
ソーマさんが、とんでもない質問を投げかけてきた。
「え!?」
出席者全員の様子もおかしい。クロイス女王やシンシア王太子妃は、口をパクパク動かしながら自分達の後方を見ている。アーク国王陛下・アトカさん・クレイグ王太子・エメルダさん達は、上空を見ている。
【炎を纏うフラーマドラゴン】
【風を纏うウェントゥスドラゴン】
【土属性のテッラドラゴン】
……最高位のSランクのドラゴン達が、次々と上空に召喚されている。ドラゴン召喚はドレイクから聞いているけど、1体1体が物凄く大きく、迫力と威圧感が半端ない! ただ、召喚された8体のドラゴン達は、地上の人達の迷惑にならないよう、一定の高さを保持しており、敵意なども全く見せていないので問題ない。
重要視されるのは、バルコニーの左右の敷地に出現している大勢の魔物達だ!
再度左右を見渡すと、デッドスクリームやドールX達以外にも、鉄・銅・鉛製の身長180cmくらいのマネキンドール達が続々と召喚されていく。両脇の敷地内に入りきらないマネキン達が空中に浮遊していき、現在進行形でどんどん上へ上へと積み重なっていく。
マクスウェル~~、50体限定と厳命したのに、なにやってるのよ!?
バルコニー周辺部は、もう完全に【マネキンの城壁】と化している!
観客側から見れば、私のいるバルコニーが敷地中央やや高い位置にあり、その周囲を高さ40メートル程のぶ厚いマネキンドール城壁と従魔達に囲まれている状態となるのか!?
どんな絵面だよ!?
召喚陣が全て消えると、ランクも上に行く程向上しており、高さ30メートル付近からは【白のマネキンドール】だけとなっている。あ…少数ではあるけど、ミスリル製(水色)やアダマンタイト製(黒色)のマネキンドール達もいるか。
マネキンドール達が、何処か期待を帯びた眼差しで私をじ~~っと見ている。
上下左右から感じるマネキン数千体の視線が痛い。
クロイス女王達は、それを見て明らかにひいている。
観客がいるためか、怯えを一切外に見せず、じっと席から微動だにしていない。
「シャーロット様~~~我々に個性を~~~~」「個性を~~~~」
え、何処からか哀愁漂う声が響いてくる。
個性?
「シャーロット様~~~個性を~~~」「個性を~~~」「個性を~~~」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」…………
ぎゃあああああああ~~~~~!!
数千体のマネキン達が私を見つめて、【個性を!】と連呼してくる~~~!!!
しかも、バラバラだから頭に響く~~!!!!
「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」……
さすがの王族達も、あまりの音量で耳を塞いでいる!
これは、身体に響くよ!
ちょっと魔力を込めて一喝しよう!
「静かに~~~~~! 話を聞くから、懇願するのやめ~~~~い!」
すると、頭の奥に響いてくる声が唐突に鎮まる。
「マクスウェル、どういうことなの? 50体限定と言ったでしょ!? この数は何なの? 動かなくていいから、その場でみんなに聞こえるよう説明して!」
動いた瞬間、マネキンドールの城壁が崩れると思う。
「申し訳ありません! この者達は、全大陸の地上に棲むCランク以上のドール族達です」
「え、全大陸!?」
全大陸のドール達が、なんで次々と召喚されているの!
「最高位のドールマクスウェルは、【ネットワーク】スキルを持っており、世界各地にいる同ランクの者達と記憶を共有しております。この者達は、各地に潜むドール族達を束ねており、記憶も共有しております。私がシャーロット様の従魔となった後、大陸中の皆々が私の姿と強さを気に入り、《私》を全ドール族のトップと認めてくれたのです!」
その内容なら、私も以前聞いている。部下の数が万を超えているからこそ、50体限定と厳命したんだ。多分、何も事情を知らない出席者達のため説明してくれているんだね。
「Cランク以上のドール族は、太古から《大きな悩み》を抱えております。今回50体だけ召喚許可が下りたため、その50体限定で悩みを解消してもらおうと思ったのです。しかし、抽選に漏れた他の者達が不満を爆発させ、召喚陣に雪崩れ込んできたことで、私の制御が追いつかなくなりました。そのため、急遽部下達の魔力を借りることで、全員を召喚した次第となります」
彼らの切実な悩みに関しても、同時期に聞いている。
こういった機会でないと聞いてもらえないと思い、暴走しちゃったのか。
「マクスウェル……皆が事情を知らないので、ドール族の悩みを教えてあげて」
多分、みんなも薄々気づいていると思うけど。
「BランクのドールX以上の人形達は、はっきり言いまして他の魔物達と違い、個性が殆どありません。99%以上の者達は同じ形態の《白》で、全員が自分の姿に嫌気を指しています」
あはは……そう、これが彼らの悩みだ。
こうやって見渡すと、Cランク以上のドール族達の基本は、女性マネキンドール形態だ。【Cランクのマテリアルドール】は歪な形をしており、鉄や銅製のためか、小汚い暗めの色がベースとなっており、一応の個性はある。
でも、【Bランク以上】からは形も綺麗なマネキンで、しかも白しかいない。いや、ほんの少数ミスリルやアダマンタイトといった既知の金属のマネキンドールもいるけど、99%以上が白だ。Bランク以上からは、個性を全く感じさせない。ここから見た限り、姿だけじゃあB・A・Sとの区別ができない。初めて出会ったドールマクスウェル達は、突然変異種だったからこそ姿も少し違っていて、個性も一応あった。
そして、Bランク以上のドール達には、【トランスフォーム】を習得している者もいる。しかし、個性に拘っている為、別の魔物や人間などに変身したくない。彼らはランクに関係なく、唯一無二のオリジナル魔物になりたいのだ。彼らの不満を解消させるには、私が【トランスフォーム】で、彼らをオリジナル魔物へと変身させるしかない。
でもね……はっきり言うよ。
【世界に1体しかいないオリジナル魔物を、数千種類もイメージできるか!】
しかも、彼らは日本の市松人形のような気品ある形態を望んでいる。
【そこまで、ネタがあるわけないでしょ! 途中で尽きるよ!】
こうなったのも、全部ガーランド様の責任だ。
魔物の形態を考えるのが面倒いと思って、《もうこれでいいや》という感じで適当に創り、そのまま放置した。その恨み辛みが蓄積されていき、今回の暴走に至ったんだ。
神ガーランドのいい加減さには、無性に腹が立つ!
あの馬鹿神~、とんでもない【置き土産】を残していったよ!
彼らの不満を先延ばしにした私も悪いけどさ、どう考えてもあの馬鹿神の所為だ!
この惑星を離れても、まだ私に迷惑をかけてくるのか!?
なんで、あの神の尻拭いを毎回毎回、私がやるんだよ!
ミスラテル様も、システムチェックしているだろうから呆れているはずだ!
どうする?
彼らの悩みは奥深く、不満も限界に近い。
《これになりたい!》という願望だってあるはずだ。それなら……
「マクスウェル、個性を強調した数千体の変身となると、私1人だと厳しい。ここにいるみんなも、《こうなりたい》と思う願望があるはずだよね。その願望を絵にしてから、【トランスフォーム】で変身させればいい」
「なるほど、その手がありましたか!」
「ただ、このアイデアを実現させるには、その地に住む人々の協力が必要不可欠なの。これからは、地上に住む人達に攻撃しないこと。それさえできれば、あなた達の望みは叶う」
「なんと!? 【人】と協力体制をとれば、積年の鬱憤が晴れる!? 絵を描ける画家は、全大陸に大勢いますから実現可能です! お前達、シャーロット様のアイデアを聞いたな。我々の不満を解消させてくれるのは、【人】しかいない! 今後【人】に敵対するな! 戴冠式後、人々の邪魔にならないところで、今後の相談をしていくぞ~~~」
積もりに積もった鬱憤が人の手で晴れるのならば、各大陸にいるドール族全ても、今後その地に住む人々を攻撃しないだろう。
「「「「シャーロット帝王~バンザ~~イ、バンザ~~イ、バンザ~~イ」」」」
ノオオ~~~マネキン達がハモって、万歳三唱か!
頭に響く~~~~!
城壁となったマネキン達がバンザイと両手を上げる度にグラつくから、私としても崩れないか非常に怖いんですけど!?
もうこの際だから、この異常事態を利用させてもらおう。
「皆さん、聞いてください! ここにいる千を超えるドール族達は、私の配下です。今日以降、彼らは皆さんに《新たな姿を描いてくれ》と懇願してくるはずです。その願いの見返りとして、今後全大陸のドール族達は、人族に対して敵対しないでしょう。ですから、冒険者の皆さん、あなた方が山や森などで窮地に陥った場合、初めにドール族を探しなさい。彼らが、あなた達を助け出してくれます。そして、その地にいるドール族の悩みを解決できれば、従魔にできるかもしれません!」
出席者達全員が、私の言葉にギョッとして私を見る。
群衆達はシ~ンとなっているけど、状況を理解したのか、十秒程でドール族達と一緒に《ドッ》と歓声をあげる。魔物も人も歓喜の声をあげているせいで、その声量がここまでビリビリと伝わってくる。
ふう~これで解決だ。よし、次はドラゴンの方だ!
かなり煩いから、通信で話し合おう。
『ドレイク、上空のドラゴン達があなたの旧友なんだね?』
『はい。彼らが、ハーモニック大陸に古くから棲んでいる古参のドラゴン達です。私がこの大陸の歴史の齟齬を調査した際、彼等とも話し合いました。水属性を極めた私は、最高位ドラゴンの中でもまだ若輩者であるため、力も弱かったのですが、急激に強くなった私を見て、皆がシャーロット様に興味を持ったのです』
見学に来たドラゴン全てがSランクだ。当初、ドレイクだけがAランクだったのね。
うん? フラーマドラゴンが、歓声を上げている群衆達を見ている。
「煩いぞ小童共~~!」
おお、さすがドラゴン。
あの大歓声が、一斉に鎮まったよ。
フラーマドラゴンの轟く声に威圧されたのか、大群衆の人達は、ドラゴンの群れを凝視したまま動かない。というか、恐怖で動けないのか?
「ドレイク、ランダルキア大陸で恐れられた其方が、子供の従魔に成り果てたと聞いた時は心底呆れた。……が、彼女を見て納得した。其方がドレイクの主人か?」
ここには、各国の王族達もいる。私の行動が試されているといってもいい。落ち着け、まずはフラーマドラゴンの真意を探ろう。あっちは、数百年以上も生きている経験豊富な魔物達だ。下手な駆け引きなど通用しない。彼等を怒らせないためにも、煽ることなく単刀直入に私の疑問を投げかけてみよう。
「はじめまして、ドレイクの主人、シャーロット・エルバランです。皆様、戴冠式に来て頂きありがとうございます。1つ確認したいのですが、地上の大群衆の中には、私に戦いを挑みたい者もいるそうです。あなた方も、それを望みますか?」
言い方次第で煽っているように聞こえるから、ここは素直かつ純粋な気持ちで質問しよう。
「小さき王よ…その胆力、気に入った! 質問に答えよう。其方から感じる魔力の上限が、全く読めん。我々全員が一斉に戦いを挑んだとしても、瞬殺されるのが関の山だ」
ネーベリックと同じSランクだけど、話し方が全然違う。ゆっくりとした速度で丁寧に話
し、一つ一つの言葉に重みがある。彼らが、好戦的な性格でなくて良かった。
「ここに来た目的、ドレイクの主人となった人間の心を知ること、この1点のみ! 我々は各属性の高みを極めた誇り高きドラゴン。そのドラゴンの1体を力と心で屈服させた其方を見たかった!」
単に、興味本位で私を見にきただけなんだ。
「ケルビウム大森林南部地域で感じたネーベリックをも大きく超える巨大魔力、その主は其方で間違いない。魔力と気配から感じる純粋さ、上限不明の巨大魔力、驕りを見せない心、我々の風貌に臆することなく話す胆力、それら全てが気に入った! 我ら高位のドラゴン族も、其方の帝王即位を祝福しよう」
フラーマドラゴンが話し終えると同時に、上空にいる全てのドラゴン達が一斉に嘶く(いななく)。怒号といったものではなく、心に安らぎを与えるような高く響く声だ。
多分、彼等なりの賛辞なのだろう。
「王となる以上、私自身が抑止力となります。愚かな戦争などを起こさず、平和を貫いてみせましょう!」
「抑止力…か。其方が戦争に関われば、最悪大陸自体が沈む。各国の王達もわかっているようだな。我々も、魔物大発生などの厄災が起こる時、ドレイクを介して各国の王に進言することを誓おう」
ハーモニック大陸に棲むドラゴン族達も、私の味方になってくれると受け取っていいよね!
全ての魔物が、瘴気の憎しみに囚われているわけではない。強い負の感情に打ち克ち、個の存在を強く認識した者達もいる。高位のドール族やドラゴン族がそうだ。彼等が部下達を束ねあげることで、下位ランクの者達も【個】として強く認識する。
「ありがとうございます!」
「我々がこのまま滞在すれば、式にも大きく影響しよう。これで失礼する! さらばだ、小さき若き王よ!」
ドラゴン達は大きな翼をゆっくりと羽ばたかせ、更なる上空へと舞い上がり、帝都から離れていく。
緊張した~~ドール族の多さといい、ドラゴン族の大きさといい、ちょっと想定外だったよ。
ドラゴン達がいなくなったことで、緊張も緩和されたけど、次はどうする?
小声でソーマさんに相談してみよう。
「ソーマさん、王冠譲渡後、私が幻惑魔法【幻夢】で、王都全土にアレを見せる予定なんですが………大丈夫でしょうか?」
「外で実物を見ていないが、室内で見させてもらった限り、実に幻想的だった。ドラゴンはいいとして、ドール族の突発的事象を皆の記憶から拭い去りたい。できるか?」
一度室内を暗くして見せたら、全員から高評価だった。
私のイメージ通りにいけば、皆も感動してくれるはずだ。
「できます!」
「よし! シャーロット、皆の緊張を解すためにも、王としての言葉を頼む。王冠譲渡後、実行してくれ」
「わかりました」
戴冠式という特別な式典だからか、想定外の出来事が立て続けに起きてしまった。まだ、ドール族の壁があるけど、ドラゴン程の威圧感はない。
最後の締めといきますか!
「皆さん、今後は高位のドラゴン達に出会っても、不用意に戦いを挑まないで下さい。彼等も、私の味方となってくれました。そしてお気づきのように、彼等も私を【帝王】として認めてくれました! 今後、シャーロット・エルバランが各国の王達と協力し合い、ハーモニック大陸全土を戦争の起きない豊かな世界へと導いていきましょう!」
私の言葉は、皆の心に届いているだろうか?
シ~ンと静まる王都、でも誰かがパチパチと称賛の拍手を贈ってくれる。音の主は、トキワさん・アッシュさん・リリヤさんだ。3人の拍手がキッカケとなり、大勢の人々が拍手を贈り、私の名前が紡ぎ出されてゆく。
抗議の声は聞こえず、私を称賛してくれるものばかりだ。
「皆の者~~~、シャーロットの強さは魔物達も畏怖する程だ。ここにいる千を超えるドール族達と先程のドラゴン達がそれを証明している! 彼女の帝王としての器は、私以上にある! 今ここで、この王冠をシャーロットに引き継ぐ!」
ソーマさんが頭の冠を外し、私に付けてくれた。サイズ調整スキルが付与されているのか、自動的に私の頭のサイズへと変化していく。
「私は新たな帝王となりました! 帝王からのプレゼントを皆さんに差し上げましょう!」
私の言葉と同時に、帝都一帯が暗くなり、帝都から少し離れた位置に一筋の黄色い光線と《ヒュ~~~~~~》という音が舞い上がる。
皆が音のする方向へ向いた瞬間、それは起こる。
《ドーーーーーーン》
空高く舞い上がった光が不意に消えると、衝撃音と共に、綺麗な正円を描いた星屑が空を駆け巡る。それは1発だけではない。
帝都入口付近の方向に見えたものは、そこから徐々に左右へと広がり…
《ドーーーーーーン》
《ドーーーーーーン》
《ドーーーーーーン》
と綺麗な正円形の星屑となり、滝のように地上へと降り注ぐ。皆がその光景を凝視し、その美しさに見惚れていく。
私の用意したサプライズドッキリ……それは幻惑魔法による【花火】だ。
帝都全土を薄い暗闇にし、幻惑による花火を打ち上げる。花火自体は、少なくともハーモニック大陸のどの国家でも開発されていない。前座のプチドッキリ、王族の皆は高所恐怖症ではないものの、高さに驚いていたのは事実だ。少しでも不快感を拭い去るために用意したのが、本番の【花火】だ。
日本の花火の場合、途中煙で見にくくなったりするけど、これは魔法であるため、幻想的な光景がいつまでも続く。ただ、ずっと同じ花火だと飽きられるので、時折形を変化させていく。
「皆さん、これは幻惑魔法によるものです。名付けるとするならば、【花火】が的確でしょう。私考案の花火をしばしの間、ご鑑賞ください」
ある程度の熟練者であれば、この作業を私1人で実行しているのがわかる。これで、皆も私の魔法技術や強さに感嘆するはずだ。
花火は連発で次々と舞い上がり、暗闇の帝都を照らす。15分程続いたところで、魔法を止め、帝都全体を明るくした。あまりに美しく幻想的な光景だったからか、王族達も観客達も、花火の上がっていた空をいつまでも見つめ続けている。
数分程経過すると、ソーマさんが我に返り、戴冠式の終わりを告げる。
「シャーロット帝王の誕生だ~~~~全員、歌え~~踊れ~~騒げ~~! 新たな帝王誕生祭を始めろ~~~」
ソーマさんの合図と共に、千を超えるドール族達、地上にいる群衆達、そして出席者全員が私に盛大な拍手を贈る。
ここからは、【帝王誕生祭】が始まる。王宮内では、バイキング形式での祝賀会が始まり、帝都の方では多くの露天が出店され、歌え踊れのドンチャン騒ぎが起こる。ちょっとしたハプニングもあって混乱したけど、私にとっても、一生記憶に残る戴冠式となったよ。
○○○
戴冠式後に行われた帝王誕生祭は、盛大なものとなった。
戴冠式において、シャーロット自身から滲み出る魔力の強さと、彼女を慕う数千の魔物達や最後の花火もあって、半信半疑であった冒険者達の野望も潰えた。また、各国の王族達や国民達は、シャーロットと従魔だけで大陸、いや世界を征服できる程の力を持っていると即座に理解する。
しかし、当の本人が平和主義で、大陸制覇や世界征服などの野望を微塵も持っていないこともあり、長期間の平和がハーモニック大陸に訪れることを、皆が認識する。そのため、王宮内や外の祭りは何の気兼ねもなく催された。祭りが終わるまで、人々の笑顔が絶えることはなかった。
王宮内の祝賀祭においても、王族達の皆が笑顔で、今後の行く末を話し合う。バードピア王国の王族達は、ドールマクスウェルを護衛として借りることで、後にどんな見返りを要求されるのか内心不安を抱えていたものの、クロイス女王やアーク国王からシャーロットの関与した事件を直接聞き、《彼女自身が事件解決による見返りを何も求めなかった》と知ったことで、【シャーロット・エルバラン】に対する信頼度を更に向上させる。
彼女の求める大陸間の国交回復に関しては現状達成できていないが、少しずつではあるものの、両大陸における差別意識も薄まりつつある。特に、ハーモニック大陸ではこの誕生祭で話し合ったこともあり、国交回復の準備が着々と整いつつある。彼女の願いも、近い将来達成されるかもしれない。
……帝王誕生際後、シャーロットは安寧を求めた。
そのため、1ヶ月後に開催されたアストレカ大陸の大陸会議も成功し、彼女自身が成人するまでは、【ただの公爵令嬢】という扱いとなり、教会ではなくエルバラン領本邸で住むことに正式に決まった。教会の聖女としての役割は、聖女代理であるフレヤが務めることになったものの、国をも揺るがす緊急事態が発生した場合に限り、シャーロットが動くことになる。国王の正式決定に、当初国民達も当惑していたものの、大陸全土を揺るがす大事件の解決方法や、ヒール系回復魔法の普及が進んでいたこともあって、《些細な事件程度で、聖女様を動かすのもどうだろうか?》という声も高まり、皆がこの決定に納得した。
シャーロット・エルバランの冒険譚は、ここで一区切りを迎えることとなる。
○○○作者からの一言
読者様から、【《、》などが多く、少し読みにくい】という御指摘がありました。
そのため、3/5 13時45分に修正しておきました。
次回更新予定日は、3/12(火)朝10時40分となります。
次回からは、シャーロット10歳の物語が始まります(^ω^)
遂に始まった。本当なら、お父様やお母様やお兄様やマリルにも、戴冠式に出席して欲しかった。でも、アストレカ大陸の国々との国交が回復していない以上、余計な混乱を避けるべきだろう。幸い、シンシアさんがこの出来事を彼女目線で録画してくれている。その映像を映せる魔石を貰い、帰還したら皆に見せよう。
「王都に住んでいる者達は既に気づいていると思うが、アストレカ大陸出身8歳の人間の少女が、1ヶ月前に起きた帝国の窮地を救ってくれた。Sランクの魔物すら従えるシャーロットならば、帝国の王として申し分ない。皆も賛成だよな?」
拡声魔法により、ソーマさんの声が帝都中に優しく響く。それに呼応し、歓声が地響きのように蠢く。見物人の多くが従魔の強さを理解しているからか、《今後の帝国は安泰だ~!》と叫び合っているが、ここで私本来の強さを見せなくてはいけない。
「まずは、次期帝王のシャーロットに入場してもらおう」
いよいよ私の登場か。
出席者全員、私の用意した半透明バルコニーに慣れたのか、平常状態に戻っている。皆のおかげで、私の緊張も解けている。
私がバルコニー中央を堂々と歩を進めていくと、ソーマさんの時以上の大歓声が沸き起こる。私の身長のことを考慮してか、中庭には白い白線が描かれており、そこから城の内側には騎士団しかいない。あの白線が、ギリギリのラインなのだろう。私は皆に御辞儀をしていき、ソーマさんの真横で止まる。帝王といっても8歳である以上、最低限の礼儀を弁えないとね。
「この子がシャーロットだ。この群衆の中には、1ヶ月前の事件を直て見ていない者も多くいるだろう。そこで次期帝王のシャーロットに、私と同等かそれ以上の王としての強さと風格を、この場で披露してもらう」
ソーマさんが私を見る。
ここからは、私がその強さを披露すればいい。
私は事前に、トキワさん・アッシュさん・リリヤさん・ドールマクスウェル・ドレイク達と話し合い、何か要望がないかを聞いている。すると、マクスウェルが…
《私の部下達がシャーロット様を一目見たいと言っています。召喚してもよろしいでしょうか?》と言ってきたので、私は…
《私が従魔召喚する際、マクスウェルも観客のいない敷地に彼らを召喚すればいいよ》と許可を出しておいた。ただし、マクスウェルの部下であって、私の従魔ではない。だから……
《数も多いだろうから、Cランク以上で50体限定だからね!》
ときつく厳命している。
ドレイクも、旧友のドラゴン達8体が上空から戴冠式を見学したいとの要請を受けているらしく、その許可を私に求めてきた。
こちらも、《人様に迷惑をかけなければ良いよ》と許可を出しておいた。
ドラゴンの場合8体もいるけど、皆が上空から見学する形をとるため、地上の見学者達も圧倒されるだろうけど、大きな迷惑とならないだろう。これまでの戴冠式でも、新たな帝王が従魔(ドラゴンやグリフォン、キマイラなど)を召喚して、国民達に披露している。少し数が多いけど、トキワさんや帝国の人達も許可してくれたので問題ない。
ただ、ヌイグルミ達は異色揃いのため、違った意味で目立つと思うから召喚しない。
「皆さん、シャーロット・エルバランです。あの事件を機に、私が次期帝王となります。今この場で、帝王として相応しい強さをお見せしましょう。まずは、私の契約した従魔やお友達をご紹介します。【召喚】!」
私の合図と共に、上空から大きな雄叫びが舞い上がる。この雄叫びは帝都中に響き渡っているだろう。私の真上に出現したのが、フロストドラゴンのドレイクとライトニングドラゴン形態のカムイ、私の左側クロイス女王の少し後方に死神のデッドスクリーム、巨大化した大和人形のドールマクスウェルと市松人形のドールXX、私の右側エメルダさんの少し後方に西洋人形のドールXやリ○ちゃん人形のマテリアルドール達が召喚陣から現れる。全員が、この敷地内の会場に合わせた大きさへと変化している。あまり大きすぎると、私が目立たないからね。
ここからが本番、私の用意した【とっておき】を見せようか!
………ってあれ?
何やら、地上付近が騒がしい。
「シャーロット、君の従魔や友達は何体いるんだ? 既に、100を超えているぞ?」
ソーマさんが、とんでもない質問を投げかけてきた。
「え!?」
出席者全員の様子もおかしい。クロイス女王やシンシア王太子妃は、口をパクパク動かしながら自分達の後方を見ている。アーク国王陛下・アトカさん・クレイグ王太子・エメルダさん達は、上空を見ている。
【炎を纏うフラーマドラゴン】
【風を纏うウェントゥスドラゴン】
【土属性のテッラドラゴン】
……最高位のSランクのドラゴン達が、次々と上空に召喚されている。ドラゴン召喚はドレイクから聞いているけど、1体1体が物凄く大きく、迫力と威圧感が半端ない! ただ、召喚された8体のドラゴン達は、地上の人達の迷惑にならないよう、一定の高さを保持しており、敵意なども全く見せていないので問題ない。
重要視されるのは、バルコニーの左右の敷地に出現している大勢の魔物達だ!
再度左右を見渡すと、デッドスクリームやドールX達以外にも、鉄・銅・鉛製の身長180cmくらいのマネキンドール達が続々と召喚されていく。両脇の敷地内に入りきらないマネキン達が空中に浮遊していき、現在進行形でどんどん上へ上へと積み重なっていく。
マクスウェル~~、50体限定と厳命したのに、なにやってるのよ!?
バルコニー周辺部は、もう完全に【マネキンの城壁】と化している!
観客側から見れば、私のいるバルコニーが敷地中央やや高い位置にあり、その周囲を高さ40メートル程のぶ厚いマネキンドール城壁と従魔達に囲まれている状態となるのか!?
どんな絵面だよ!?
召喚陣が全て消えると、ランクも上に行く程向上しており、高さ30メートル付近からは【白のマネキンドール】だけとなっている。あ…少数ではあるけど、ミスリル製(水色)やアダマンタイト製(黒色)のマネキンドール達もいるか。
マネキンドール達が、何処か期待を帯びた眼差しで私をじ~~っと見ている。
上下左右から感じるマネキン数千体の視線が痛い。
クロイス女王達は、それを見て明らかにひいている。
観客がいるためか、怯えを一切外に見せず、じっと席から微動だにしていない。
「シャーロット様~~~我々に個性を~~~~」「個性を~~~~」
え、何処からか哀愁漂う声が響いてくる。
個性?
「シャーロット様~~~個性を~~~」「個性を~~~」「個性を~~~」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」…………
ぎゃあああああああ~~~~~!!
数千体のマネキン達が私を見つめて、【個性を!】と連呼してくる~~~!!!
しかも、バラバラだから頭に響く~~!!!!
「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」「個性を」……
さすがの王族達も、あまりの音量で耳を塞いでいる!
これは、身体に響くよ!
ちょっと魔力を込めて一喝しよう!
「静かに~~~~~! 話を聞くから、懇願するのやめ~~~~い!」
すると、頭の奥に響いてくる声が唐突に鎮まる。
「マクスウェル、どういうことなの? 50体限定と言ったでしょ!? この数は何なの? 動かなくていいから、その場でみんなに聞こえるよう説明して!」
動いた瞬間、マネキンドールの城壁が崩れると思う。
「申し訳ありません! この者達は、全大陸の地上に棲むCランク以上のドール族達です」
「え、全大陸!?」
全大陸のドール達が、なんで次々と召喚されているの!
「最高位のドールマクスウェルは、【ネットワーク】スキルを持っており、世界各地にいる同ランクの者達と記憶を共有しております。この者達は、各地に潜むドール族達を束ねており、記憶も共有しております。私がシャーロット様の従魔となった後、大陸中の皆々が私の姿と強さを気に入り、《私》を全ドール族のトップと認めてくれたのです!」
その内容なら、私も以前聞いている。部下の数が万を超えているからこそ、50体限定と厳命したんだ。多分、何も事情を知らない出席者達のため説明してくれているんだね。
「Cランク以上のドール族は、太古から《大きな悩み》を抱えております。今回50体だけ召喚許可が下りたため、その50体限定で悩みを解消してもらおうと思ったのです。しかし、抽選に漏れた他の者達が不満を爆発させ、召喚陣に雪崩れ込んできたことで、私の制御が追いつかなくなりました。そのため、急遽部下達の魔力を借りることで、全員を召喚した次第となります」
彼らの切実な悩みに関しても、同時期に聞いている。
こういった機会でないと聞いてもらえないと思い、暴走しちゃったのか。
「マクスウェル……皆が事情を知らないので、ドール族の悩みを教えてあげて」
多分、みんなも薄々気づいていると思うけど。
「BランクのドールX以上の人形達は、はっきり言いまして他の魔物達と違い、個性が殆どありません。99%以上の者達は同じ形態の《白》で、全員が自分の姿に嫌気を指しています」
あはは……そう、これが彼らの悩みだ。
こうやって見渡すと、Cランク以上のドール族達の基本は、女性マネキンドール形態だ。【Cランクのマテリアルドール】は歪な形をしており、鉄や銅製のためか、小汚い暗めの色がベースとなっており、一応の個性はある。
でも、【Bランク以上】からは形も綺麗なマネキンで、しかも白しかいない。いや、ほんの少数ミスリルやアダマンタイトといった既知の金属のマネキンドールもいるけど、99%以上が白だ。Bランク以上からは、個性を全く感じさせない。ここから見た限り、姿だけじゃあB・A・Sとの区別ができない。初めて出会ったドールマクスウェル達は、突然変異種だったからこそ姿も少し違っていて、個性も一応あった。
そして、Bランク以上のドール達には、【トランスフォーム】を習得している者もいる。しかし、個性に拘っている為、別の魔物や人間などに変身したくない。彼らはランクに関係なく、唯一無二のオリジナル魔物になりたいのだ。彼らの不満を解消させるには、私が【トランスフォーム】で、彼らをオリジナル魔物へと変身させるしかない。
でもね……はっきり言うよ。
【世界に1体しかいないオリジナル魔物を、数千種類もイメージできるか!】
しかも、彼らは日本の市松人形のような気品ある形態を望んでいる。
【そこまで、ネタがあるわけないでしょ! 途中で尽きるよ!】
こうなったのも、全部ガーランド様の責任だ。
魔物の形態を考えるのが面倒いと思って、《もうこれでいいや》という感じで適当に創り、そのまま放置した。その恨み辛みが蓄積されていき、今回の暴走に至ったんだ。
神ガーランドのいい加減さには、無性に腹が立つ!
あの馬鹿神~、とんでもない【置き土産】を残していったよ!
彼らの不満を先延ばしにした私も悪いけどさ、どう考えてもあの馬鹿神の所為だ!
この惑星を離れても、まだ私に迷惑をかけてくるのか!?
なんで、あの神の尻拭いを毎回毎回、私がやるんだよ!
ミスラテル様も、システムチェックしているだろうから呆れているはずだ!
どうする?
彼らの悩みは奥深く、不満も限界に近い。
《これになりたい!》という願望だってあるはずだ。それなら……
「マクスウェル、個性を強調した数千体の変身となると、私1人だと厳しい。ここにいるみんなも、《こうなりたい》と思う願望があるはずだよね。その願望を絵にしてから、【トランスフォーム】で変身させればいい」
「なるほど、その手がありましたか!」
「ただ、このアイデアを実現させるには、その地に住む人々の協力が必要不可欠なの。これからは、地上に住む人達に攻撃しないこと。それさえできれば、あなた達の望みは叶う」
「なんと!? 【人】と協力体制をとれば、積年の鬱憤が晴れる!? 絵を描ける画家は、全大陸に大勢いますから実現可能です! お前達、シャーロット様のアイデアを聞いたな。我々の不満を解消させてくれるのは、【人】しかいない! 今後【人】に敵対するな! 戴冠式後、人々の邪魔にならないところで、今後の相談をしていくぞ~~~」
積もりに積もった鬱憤が人の手で晴れるのならば、各大陸にいるドール族全ても、今後その地に住む人々を攻撃しないだろう。
「「「「シャーロット帝王~バンザ~~イ、バンザ~~イ、バンザ~~イ」」」」
ノオオ~~~マネキン達がハモって、万歳三唱か!
頭に響く~~~~!
城壁となったマネキン達がバンザイと両手を上げる度にグラつくから、私としても崩れないか非常に怖いんですけど!?
もうこの際だから、この異常事態を利用させてもらおう。
「皆さん、聞いてください! ここにいる千を超えるドール族達は、私の配下です。今日以降、彼らは皆さんに《新たな姿を描いてくれ》と懇願してくるはずです。その願いの見返りとして、今後全大陸のドール族達は、人族に対して敵対しないでしょう。ですから、冒険者の皆さん、あなた方が山や森などで窮地に陥った場合、初めにドール族を探しなさい。彼らが、あなた達を助け出してくれます。そして、その地にいるドール族の悩みを解決できれば、従魔にできるかもしれません!」
出席者達全員が、私の言葉にギョッとして私を見る。
群衆達はシ~ンとなっているけど、状況を理解したのか、十秒程でドール族達と一緒に《ドッ》と歓声をあげる。魔物も人も歓喜の声をあげているせいで、その声量がここまでビリビリと伝わってくる。
ふう~これで解決だ。よし、次はドラゴンの方だ!
かなり煩いから、通信で話し合おう。
『ドレイク、上空のドラゴン達があなたの旧友なんだね?』
『はい。彼らが、ハーモニック大陸に古くから棲んでいる古参のドラゴン達です。私がこの大陸の歴史の齟齬を調査した際、彼等とも話し合いました。水属性を極めた私は、最高位ドラゴンの中でもまだ若輩者であるため、力も弱かったのですが、急激に強くなった私を見て、皆がシャーロット様に興味を持ったのです』
見学に来たドラゴン全てがSランクだ。当初、ドレイクだけがAランクだったのね。
うん? フラーマドラゴンが、歓声を上げている群衆達を見ている。
「煩いぞ小童共~~!」
おお、さすがドラゴン。
あの大歓声が、一斉に鎮まったよ。
フラーマドラゴンの轟く声に威圧されたのか、大群衆の人達は、ドラゴンの群れを凝視したまま動かない。というか、恐怖で動けないのか?
「ドレイク、ランダルキア大陸で恐れられた其方が、子供の従魔に成り果てたと聞いた時は心底呆れた。……が、彼女を見て納得した。其方がドレイクの主人か?」
ここには、各国の王族達もいる。私の行動が試されているといってもいい。落ち着け、まずはフラーマドラゴンの真意を探ろう。あっちは、数百年以上も生きている経験豊富な魔物達だ。下手な駆け引きなど通用しない。彼等を怒らせないためにも、煽ることなく単刀直入に私の疑問を投げかけてみよう。
「はじめまして、ドレイクの主人、シャーロット・エルバランです。皆様、戴冠式に来て頂きありがとうございます。1つ確認したいのですが、地上の大群衆の中には、私に戦いを挑みたい者もいるそうです。あなた方も、それを望みますか?」
言い方次第で煽っているように聞こえるから、ここは素直かつ純粋な気持ちで質問しよう。
「小さき王よ…その胆力、気に入った! 質問に答えよう。其方から感じる魔力の上限が、全く読めん。我々全員が一斉に戦いを挑んだとしても、瞬殺されるのが関の山だ」
ネーベリックと同じSランクだけど、話し方が全然違う。ゆっくりとした速度で丁寧に話
し、一つ一つの言葉に重みがある。彼らが、好戦的な性格でなくて良かった。
「ここに来た目的、ドレイクの主人となった人間の心を知ること、この1点のみ! 我々は各属性の高みを極めた誇り高きドラゴン。そのドラゴンの1体を力と心で屈服させた其方を見たかった!」
単に、興味本位で私を見にきただけなんだ。
「ケルビウム大森林南部地域で感じたネーベリックをも大きく超える巨大魔力、その主は其方で間違いない。魔力と気配から感じる純粋さ、上限不明の巨大魔力、驕りを見せない心、我々の風貌に臆することなく話す胆力、それら全てが気に入った! 我ら高位のドラゴン族も、其方の帝王即位を祝福しよう」
フラーマドラゴンが話し終えると同時に、上空にいる全てのドラゴン達が一斉に嘶く(いななく)。怒号といったものではなく、心に安らぎを与えるような高く響く声だ。
多分、彼等なりの賛辞なのだろう。
「王となる以上、私自身が抑止力となります。愚かな戦争などを起こさず、平和を貫いてみせましょう!」
「抑止力…か。其方が戦争に関われば、最悪大陸自体が沈む。各国の王達もわかっているようだな。我々も、魔物大発生などの厄災が起こる時、ドレイクを介して各国の王に進言することを誓おう」
ハーモニック大陸に棲むドラゴン族達も、私の味方になってくれると受け取っていいよね!
全ての魔物が、瘴気の憎しみに囚われているわけではない。強い負の感情に打ち克ち、個の存在を強く認識した者達もいる。高位のドール族やドラゴン族がそうだ。彼等が部下達を束ねあげることで、下位ランクの者達も【個】として強く認識する。
「ありがとうございます!」
「我々がこのまま滞在すれば、式にも大きく影響しよう。これで失礼する! さらばだ、小さき若き王よ!」
ドラゴン達は大きな翼をゆっくりと羽ばたかせ、更なる上空へと舞い上がり、帝都から離れていく。
緊張した~~ドール族の多さといい、ドラゴン族の大きさといい、ちょっと想定外だったよ。
ドラゴン達がいなくなったことで、緊張も緩和されたけど、次はどうする?
小声でソーマさんに相談してみよう。
「ソーマさん、王冠譲渡後、私が幻惑魔法【幻夢】で、王都全土にアレを見せる予定なんですが………大丈夫でしょうか?」
「外で実物を見ていないが、室内で見させてもらった限り、実に幻想的だった。ドラゴンはいいとして、ドール族の突発的事象を皆の記憶から拭い去りたい。できるか?」
一度室内を暗くして見せたら、全員から高評価だった。
私のイメージ通りにいけば、皆も感動してくれるはずだ。
「できます!」
「よし! シャーロット、皆の緊張を解すためにも、王としての言葉を頼む。王冠譲渡後、実行してくれ」
「わかりました」
戴冠式という特別な式典だからか、想定外の出来事が立て続けに起きてしまった。まだ、ドール族の壁があるけど、ドラゴン程の威圧感はない。
最後の締めといきますか!
「皆さん、今後は高位のドラゴン達に出会っても、不用意に戦いを挑まないで下さい。彼等も、私の味方となってくれました。そしてお気づきのように、彼等も私を【帝王】として認めてくれました! 今後、シャーロット・エルバランが各国の王達と協力し合い、ハーモニック大陸全土を戦争の起きない豊かな世界へと導いていきましょう!」
私の言葉は、皆の心に届いているだろうか?
シ~ンと静まる王都、でも誰かがパチパチと称賛の拍手を贈ってくれる。音の主は、トキワさん・アッシュさん・リリヤさんだ。3人の拍手がキッカケとなり、大勢の人々が拍手を贈り、私の名前が紡ぎ出されてゆく。
抗議の声は聞こえず、私を称賛してくれるものばかりだ。
「皆の者~~~、シャーロットの強さは魔物達も畏怖する程だ。ここにいる千を超えるドール族達と先程のドラゴン達がそれを証明している! 彼女の帝王としての器は、私以上にある! 今ここで、この王冠をシャーロットに引き継ぐ!」
ソーマさんが頭の冠を外し、私に付けてくれた。サイズ調整スキルが付与されているのか、自動的に私の頭のサイズへと変化していく。
「私は新たな帝王となりました! 帝王からのプレゼントを皆さんに差し上げましょう!」
私の言葉と同時に、帝都一帯が暗くなり、帝都から少し離れた位置に一筋の黄色い光線と《ヒュ~~~~~~》という音が舞い上がる。
皆が音のする方向へ向いた瞬間、それは起こる。
《ドーーーーーーン》
空高く舞い上がった光が不意に消えると、衝撃音と共に、綺麗な正円を描いた星屑が空を駆け巡る。それは1発だけではない。
帝都入口付近の方向に見えたものは、そこから徐々に左右へと広がり…
《ドーーーーーーン》
《ドーーーーーーン》
《ドーーーーーーン》
と綺麗な正円形の星屑となり、滝のように地上へと降り注ぐ。皆がその光景を凝視し、その美しさに見惚れていく。
私の用意したサプライズドッキリ……それは幻惑魔法による【花火】だ。
帝都全土を薄い暗闇にし、幻惑による花火を打ち上げる。花火自体は、少なくともハーモニック大陸のどの国家でも開発されていない。前座のプチドッキリ、王族の皆は高所恐怖症ではないものの、高さに驚いていたのは事実だ。少しでも不快感を拭い去るために用意したのが、本番の【花火】だ。
日本の花火の場合、途中煙で見にくくなったりするけど、これは魔法であるため、幻想的な光景がいつまでも続く。ただ、ずっと同じ花火だと飽きられるので、時折形を変化させていく。
「皆さん、これは幻惑魔法によるものです。名付けるとするならば、【花火】が的確でしょう。私考案の花火をしばしの間、ご鑑賞ください」
ある程度の熟練者であれば、この作業を私1人で実行しているのがわかる。これで、皆も私の魔法技術や強さに感嘆するはずだ。
花火は連発で次々と舞い上がり、暗闇の帝都を照らす。15分程続いたところで、魔法を止め、帝都全体を明るくした。あまりに美しく幻想的な光景だったからか、王族達も観客達も、花火の上がっていた空をいつまでも見つめ続けている。
数分程経過すると、ソーマさんが我に返り、戴冠式の終わりを告げる。
「シャーロット帝王の誕生だ~~~~全員、歌え~~踊れ~~騒げ~~! 新たな帝王誕生祭を始めろ~~~」
ソーマさんの合図と共に、千を超えるドール族達、地上にいる群衆達、そして出席者全員が私に盛大な拍手を贈る。
ここからは、【帝王誕生祭】が始まる。王宮内では、バイキング形式での祝賀会が始まり、帝都の方では多くの露天が出店され、歌え踊れのドンチャン騒ぎが起こる。ちょっとしたハプニングもあって混乱したけど、私にとっても、一生記憶に残る戴冠式となったよ。
○○○
戴冠式後に行われた帝王誕生祭は、盛大なものとなった。
戴冠式において、シャーロット自身から滲み出る魔力の強さと、彼女を慕う数千の魔物達や最後の花火もあって、半信半疑であった冒険者達の野望も潰えた。また、各国の王族達や国民達は、シャーロットと従魔だけで大陸、いや世界を征服できる程の力を持っていると即座に理解する。
しかし、当の本人が平和主義で、大陸制覇や世界征服などの野望を微塵も持っていないこともあり、長期間の平和がハーモニック大陸に訪れることを、皆が認識する。そのため、王宮内や外の祭りは何の気兼ねもなく催された。祭りが終わるまで、人々の笑顔が絶えることはなかった。
王宮内の祝賀祭においても、王族達の皆が笑顔で、今後の行く末を話し合う。バードピア王国の王族達は、ドールマクスウェルを護衛として借りることで、後にどんな見返りを要求されるのか内心不安を抱えていたものの、クロイス女王やアーク国王からシャーロットの関与した事件を直接聞き、《彼女自身が事件解決による見返りを何も求めなかった》と知ったことで、【シャーロット・エルバラン】に対する信頼度を更に向上させる。
彼女の求める大陸間の国交回復に関しては現状達成できていないが、少しずつではあるものの、両大陸における差別意識も薄まりつつある。特に、ハーモニック大陸ではこの誕生祭で話し合ったこともあり、国交回復の準備が着々と整いつつある。彼女の願いも、近い将来達成されるかもしれない。
……帝王誕生際後、シャーロットは安寧を求めた。
そのため、1ヶ月後に開催されたアストレカ大陸の大陸会議も成功し、彼女自身が成人するまでは、【ただの公爵令嬢】という扱いとなり、教会ではなくエルバラン領本邸で住むことに正式に決まった。教会の聖女としての役割は、聖女代理であるフレヤが務めることになったものの、国をも揺るがす緊急事態が発生した場合に限り、シャーロットが動くことになる。国王の正式決定に、当初国民達も当惑していたものの、大陸全土を揺るがす大事件の解決方法や、ヒール系回復魔法の普及が進んでいたこともあって、《些細な事件程度で、聖女様を動かすのもどうだろうか?》という声も高まり、皆がこの決定に納得した。
シャーロット・エルバランの冒険譚は、ここで一区切りを迎えることとなる。
○○○作者からの一言
読者様から、【《、》などが多く、少し読みにくい】という御指摘がありました。
そのため、3/5 13時45分に修正しておきました。
次回更新予定日は、3/12(火)朝10時40分となります。
次回からは、シャーロット10歳の物語が始まります(^ω^)
13
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