12 / 76
1章 家族との別離(前世)
11話 ルウリからの告白
しおりを挟む
お父さん、お母さん、悠太。
私が冒険者になって一週間、それなりに充実した日々を送っています。商人アマンガムさんから、《猫カフェのためにも、街中に住む猫たちの教育を徹底してほしい》という指名依頼が私に入ったことで、猫たちの溜まり場で毎日教育を施しています。日本と違い、意思疎通が出来る分、私も猫たちも楽しくやっているんだよ。
そして時間が空いている時、私は誰もやりたがらない動物関係の依頼を引き受けています。《鶏小屋の掃除》や《牛の糞掃除》といったものもあって、掃除をしながら皆の抱える不平不満を聞き、依頼主に伝えたりしているの。動物も人も喜んでくれるから、私も嬉しい。そういったことを続けているうちに、私は次第に注目されていたようで、いつの間にか《動物関係で悩んでいる人は咲耶に頼れ》という情報まで飛び交ってしまう始末です。
仕事面だけでなく、日常面でも一つの変化が起こりました。それは、私にお友達ができたことです。ベイツさんが偶に立ち寄る定食屋さんの娘で、名前はリットって言うの。少し人見知りする傾向のある私と違い、彼女は底抜けに明るく、性別関係なく、どんな年齢の人でも、怖がらず話し合える凄い女の子なんだよ。あの子を見ていたら、私も見習わないといけないなって最近思うようになりました。
仕事面と日常面共に充実した生活を送れていることもあり、冒険者や住民の方々とも仲良くなれているのだけど、肝心のこの女の子に関する情報は一切なく、心の中にいるはずのこの子とも未だに話し合えていません。憑依しているのなら、必ず話し合えるはずだから、今後も諦めずに呼びかけようと思います。
○○○
今日の昼前になって、一つの変化が訪れた。
私は仕事の合間や早朝を使い、毎日基礎体力を鍛える訓練を実施し、ベイツさんにしごかれているけど、それが終わリ休憩していると、ルウリが私のもとに飛んできて、とんでもない言葉を発した。
「ルウリ、本当に教えてくれるの!?」
「ああ、本当さ。君の魂もかなり安定してきたし、もう少しでスキルも目覚める。子供である今の間に、自分の身に起きたことを、きちんと把握しておいた方がいい。そのためにも、まずは咲耶自身に起きた出来事を僕に詳しく教えて」
ルウリだけが、私の身に何が起きたのかを知っている。
冒険者になって日も浅いけど、私の力を認めてくれたのかな。
でも……不思議だ。
私の心自体は凄く嬉しいと思っているのだけど、何故か【知りたくない!!】という自分も心の何処かに存在している。でも、知らないと前へ進めない。だから、私は覚悟を決めて、自分の身に起きた現象を話していく。
「なるほどね、全て理解できたよ。その上で、君に真実を告げよう」
真実、どうして知らない女の子に憑依しているのか、その理由がやっとわかる。
「【倉木咲耶】という人物は、既に死亡している。君は生まれ変わって、今の姿になっているんだよ」
え……死亡?
私は、あの災害で死んでいるの?
「で…でも気づいたら、この子になっていたんだよ? これって憑依ていう現象なんじゃあ?」
嘘だよ…死んじゃってたら、もうお父さんやお母さんや悠太に会えないってことだよね? 嫌だ…嫌だ…そんなの嫌だ。でも、そう聞いてしまうと、納得している自分も何処かにいる。
「違うよ。話を聞いた限り、多分君は弟を助けた後、背後から襲ってきた障害物に激突して、そのまま押し流されてしまい死んでしまったんだと思う。物事を常識的に考えよう。激流の中、弟を助けただけでも奇跡的なことなんだ。そこに、障害物と激突して助かると思う?」
……思わない。
私は死んでしまったの?
ルウリの言う通り、あんな状況で助かる方がおかしいもの。
お父さん、お母さん、悠太には…もう二度と会えないの?
その思いが私の心の奥に浸透していくと、涙が目から溢れ出てきた。
「会いたい…会いたいよ…家族に会いたいよ」
別れの言葉だって言ってないし、何よりも弟は助かったのかな?
せめて、それだけでも知りたい。
「ごめんね。僕も、真実を告げるか迷ったよ。稀にだけど、前世の記憶を思い出したとしても、死を受け入れられない者はいる。そういった人たちに対して、死に関わる事項を伝える際は、細心の注意が払われる。時期とタイミングを間違えると、魂自体が壊れる危険性があるからだ。君と出会い、その人柄を一週間見守ったことで、落ち着いた今の時期こそが最も適切と考え、僕は君の死を告げたんだよ」
時期を間違えたら、魂が壊れる…か。
もし、出会った当初に今と同じことを言われたら、私は混乱して、その場から逃げたかもしれない。そういった事態にならないよう、ルウリはずっと私を見守りながら、告げるタイミングを計っていたんだ。
ルウリの目は真剣そのもの……私は死に異世界へ転生した。
なんだろう?
今まで欠けていた何かが、埋まったような感覚がする。
自分の死を受け入れなきゃいけないのはわかる。
でも……
「私は…死んだんだね。死を…受け入れたとしても…家族には…会いたい…せめて別れの言葉だけでも伝えたい」
「僕は霊鳥フェアリーバード、現世と常世を行き来できる鳥だ。だから、上の方とも繋がりがある。君の事情を話したら、前世と今世共に同じ10歳で大きな不幸に見舞われたことが考慮されて、特別な許可が下りた」
え、特別な許可?
「今、地球の日本は《お盆》という時期で、数日間だけ常世の霊は現世へ降りることができる。その道を利用して、君の霊体を12時間だけ家族の下へ行かせる。そこできちんと話し合い、今生の別れを告げてくるんだ」
それって、家族と会えるってこと!?
嬉しい…嬉しいよ。
でも…死んでしまったことを理解した悲しさと、家族と再会できる嬉しさが混在して、心が混乱してるよ。
でも、私が死んだのなら、どうして今になって記憶が蘇ったのかな?
私がルウリに質問すると、納得のいく答えが返ってきた。
「君のいた地球だと、転生したら前世の記憶は抹消される。でも、この世界の場合、[年齢が15歳未満][理不尽な死][魂の清浄度80以上]という3点をクリアすれば、記憶を現世の身体に移行できる。ただし、コレはあくまで【バックアップ】として脳内に保管されるだけなんだ。そこから記憶を表に引き出すには、《死に等しい事象が現世の心に起きた時》という条件をクリアしなければならない」
そうなると、現世の私に何かが起きて、前世の私が表に出てきたってことだよね? 誰も住んでいない山の上流から流れてきたのだから、相当な何かが起きたんだ。だから、生まれてからの記憶を無くしているんだ。
「現世の君が何者なのか、それは聞いてはいけない規則だからわからないけど、多分そのバックアップ機能のせいで、現世の君は酷い目に遭ったんだと思う」
え、どういうこと?
「バックアップが搭載されている者は、たとえ記憶がなくても、皆優秀なんだよ。でも、それだと生まれた時点で、持っていない人と差が生じてしまう。だから、ハンデとして、祝福の効果が1~3年遅くなるよう設定されているんだ。君の年齢を考慮したら、スキルを持たない無能者だから、問答無用で捨てられたのだと思う」
それはなんとなく気づいていたけど、でもだからって、誰も住んでいない山の上流に、普通捨てるかな? 私を捨てた両親の常識を疑ってしまうわ。
「私…記憶を思い出したとしても、絶対家に帰りたくない」
人の心を持たない両親、自分の本当の名前を知りたいという気持ちもあるけど、そんな両親から付けられた名前なんていらない。
「それは、僕も同感だね。普通、無能者であっても、成人する15歳までは様子を見るものだ。それは、貴族であっても例外ではない。君は、この近辺で生活するのが得策だと思う。さて話は戻るけど、日本の世界だと、今は午前11時50分だ。正午になった時点で、君を日本に送る」
私の滞在時間は、正午~深夜0時までの12時間。
それだけあれば、家族と色々なお話もできる。
最後のお別れの言葉も……私の口から言える。
でも、それを考えると、私の心が軋む。
12時間を超えたら、もう二度と会えないのだから伝えるしかない。
絶対に伝えるんだ!!
「君がそっちに行っている間、この身体は眠っているから、ベッドに寝かせておくね。家の中にいるベイツには、君の置かれた状況を全て説明しておいたから安心して。ずっと彼を監視していたけど、彼にも君を育てたい明確な理由があるようだし、その覚悟も本物のようだから、今後人のいない場では、この国の言語で彼とも普通に会話をしていくよ」
良かった。
ベイツさんは私に対して、いつも親身になって考えてくれていたもの。
「ありがとう。私、家族と会って、きちんとお別れの言葉を告げてくる!!」
死んだ私がいつまでも泣いていたら、お父さん、お母さん、悠太も絶対悲しむ。
みんなの涙だけは、見たくない!!
お互いが笑顔でお別れできるよう、精一杯楽しもう!!
私が冒険者になって一週間、それなりに充実した日々を送っています。商人アマンガムさんから、《猫カフェのためにも、街中に住む猫たちの教育を徹底してほしい》という指名依頼が私に入ったことで、猫たちの溜まり場で毎日教育を施しています。日本と違い、意思疎通が出来る分、私も猫たちも楽しくやっているんだよ。
そして時間が空いている時、私は誰もやりたがらない動物関係の依頼を引き受けています。《鶏小屋の掃除》や《牛の糞掃除》といったものもあって、掃除をしながら皆の抱える不平不満を聞き、依頼主に伝えたりしているの。動物も人も喜んでくれるから、私も嬉しい。そういったことを続けているうちに、私は次第に注目されていたようで、いつの間にか《動物関係で悩んでいる人は咲耶に頼れ》という情報まで飛び交ってしまう始末です。
仕事面だけでなく、日常面でも一つの変化が起こりました。それは、私にお友達ができたことです。ベイツさんが偶に立ち寄る定食屋さんの娘で、名前はリットって言うの。少し人見知りする傾向のある私と違い、彼女は底抜けに明るく、性別関係なく、どんな年齢の人でも、怖がらず話し合える凄い女の子なんだよ。あの子を見ていたら、私も見習わないといけないなって最近思うようになりました。
仕事面と日常面共に充実した生活を送れていることもあり、冒険者や住民の方々とも仲良くなれているのだけど、肝心のこの女の子に関する情報は一切なく、心の中にいるはずのこの子とも未だに話し合えていません。憑依しているのなら、必ず話し合えるはずだから、今後も諦めずに呼びかけようと思います。
○○○
今日の昼前になって、一つの変化が訪れた。
私は仕事の合間や早朝を使い、毎日基礎体力を鍛える訓練を実施し、ベイツさんにしごかれているけど、それが終わリ休憩していると、ルウリが私のもとに飛んできて、とんでもない言葉を発した。
「ルウリ、本当に教えてくれるの!?」
「ああ、本当さ。君の魂もかなり安定してきたし、もう少しでスキルも目覚める。子供である今の間に、自分の身に起きたことを、きちんと把握しておいた方がいい。そのためにも、まずは咲耶自身に起きた出来事を僕に詳しく教えて」
ルウリだけが、私の身に何が起きたのかを知っている。
冒険者になって日も浅いけど、私の力を認めてくれたのかな。
でも……不思議だ。
私の心自体は凄く嬉しいと思っているのだけど、何故か【知りたくない!!】という自分も心の何処かに存在している。でも、知らないと前へ進めない。だから、私は覚悟を決めて、自分の身に起きた現象を話していく。
「なるほどね、全て理解できたよ。その上で、君に真実を告げよう」
真実、どうして知らない女の子に憑依しているのか、その理由がやっとわかる。
「【倉木咲耶】という人物は、既に死亡している。君は生まれ変わって、今の姿になっているんだよ」
え……死亡?
私は、あの災害で死んでいるの?
「で…でも気づいたら、この子になっていたんだよ? これって憑依ていう現象なんじゃあ?」
嘘だよ…死んじゃってたら、もうお父さんやお母さんや悠太に会えないってことだよね? 嫌だ…嫌だ…そんなの嫌だ。でも、そう聞いてしまうと、納得している自分も何処かにいる。
「違うよ。話を聞いた限り、多分君は弟を助けた後、背後から襲ってきた障害物に激突して、そのまま押し流されてしまい死んでしまったんだと思う。物事を常識的に考えよう。激流の中、弟を助けただけでも奇跡的なことなんだ。そこに、障害物と激突して助かると思う?」
……思わない。
私は死んでしまったの?
ルウリの言う通り、あんな状況で助かる方がおかしいもの。
お父さん、お母さん、悠太には…もう二度と会えないの?
その思いが私の心の奥に浸透していくと、涙が目から溢れ出てきた。
「会いたい…会いたいよ…家族に会いたいよ」
別れの言葉だって言ってないし、何よりも弟は助かったのかな?
せめて、それだけでも知りたい。
「ごめんね。僕も、真実を告げるか迷ったよ。稀にだけど、前世の記憶を思い出したとしても、死を受け入れられない者はいる。そういった人たちに対して、死に関わる事項を伝える際は、細心の注意が払われる。時期とタイミングを間違えると、魂自体が壊れる危険性があるからだ。君と出会い、その人柄を一週間見守ったことで、落ち着いた今の時期こそが最も適切と考え、僕は君の死を告げたんだよ」
時期を間違えたら、魂が壊れる…か。
もし、出会った当初に今と同じことを言われたら、私は混乱して、その場から逃げたかもしれない。そういった事態にならないよう、ルウリはずっと私を見守りながら、告げるタイミングを計っていたんだ。
ルウリの目は真剣そのもの……私は死に異世界へ転生した。
なんだろう?
今まで欠けていた何かが、埋まったような感覚がする。
自分の死を受け入れなきゃいけないのはわかる。
でも……
「私は…死んだんだね。死を…受け入れたとしても…家族には…会いたい…せめて別れの言葉だけでも伝えたい」
「僕は霊鳥フェアリーバード、現世と常世を行き来できる鳥だ。だから、上の方とも繋がりがある。君の事情を話したら、前世と今世共に同じ10歳で大きな不幸に見舞われたことが考慮されて、特別な許可が下りた」
え、特別な許可?
「今、地球の日本は《お盆》という時期で、数日間だけ常世の霊は現世へ降りることができる。その道を利用して、君の霊体を12時間だけ家族の下へ行かせる。そこできちんと話し合い、今生の別れを告げてくるんだ」
それって、家族と会えるってこと!?
嬉しい…嬉しいよ。
でも…死んでしまったことを理解した悲しさと、家族と再会できる嬉しさが混在して、心が混乱してるよ。
でも、私が死んだのなら、どうして今になって記憶が蘇ったのかな?
私がルウリに質問すると、納得のいく答えが返ってきた。
「君のいた地球だと、転生したら前世の記憶は抹消される。でも、この世界の場合、[年齢が15歳未満][理不尽な死][魂の清浄度80以上]という3点をクリアすれば、記憶を現世の身体に移行できる。ただし、コレはあくまで【バックアップ】として脳内に保管されるだけなんだ。そこから記憶を表に引き出すには、《死に等しい事象が現世の心に起きた時》という条件をクリアしなければならない」
そうなると、現世の私に何かが起きて、前世の私が表に出てきたってことだよね? 誰も住んでいない山の上流から流れてきたのだから、相当な何かが起きたんだ。だから、生まれてからの記憶を無くしているんだ。
「現世の君が何者なのか、それは聞いてはいけない規則だからわからないけど、多分そのバックアップ機能のせいで、現世の君は酷い目に遭ったんだと思う」
え、どういうこと?
「バックアップが搭載されている者は、たとえ記憶がなくても、皆優秀なんだよ。でも、それだと生まれた時点で、持っていない人と差が生じてしまう。だから、ハンデとして、祝福の効果が1~3年遅くなるよう設定されているんだ。君の年齢を考慮したら、スキルを持たない無能者だから、問答無用で捨てられたのだと思う」
それはなんとなく気づいていたけど、でもだからって、誰も住んでいない山の上流に、普通捨てるかな? 私を捨てた両親の常識を疑ってしまうわ。
「私…記憶を思い出したとしても、絶対家に帰りたくない」
人の心を持たない両親、自分の本当の名前を知りたいという気持ちもあるけど、そんな両親から付けられた名前なんていらない。
「それは、僕も同感だね。普通、無能者であっても、成人する15歳までは様子を見るものだ。それは、貴族であっても例外ではない。君は、この近辺で生活するのが得策だと思う。さて話は戻るけど、日本の世界だと、今は午前11時50分だ。正午になった時点で、君を日本に送る」
私の滞在時間は、正午~深夜0時までの12時間。
それだけあれば、家族と色々なお話もできる。
最後のお別れの言葉も……私の口から言える。
でも、それを考えると、私の心が軋む。
12時間を超えたら、もう二度と会えないのだから伝えるしかない。
絶対に伝えるんだ!!
「君がそっちに行っている間、この身体は眠っているから、ベッドに寝かせておくね。家の中にいるベイツには、君の置かれた状況を全て説明しておいたから安心して。ずっと彼を監視していたけど、彼にも君を育てたい明確な理由があるようだし、その覚悟も本物のようだから、今後人のいない場では、この国の言語で彼とも普通に会話をしていくよ」
良かった。
ベイツさんは私に対して、いつも親身になって考えてくれていたもの。
「ありがとう。私、家族と会って、きちんとお別れの言葉を告げてくる!!」
死んだ私がいつまでも泣いていたら、お父さん、お母さん、悠太も絶対悲しむ。
みんなの涙だけは、見たくない!!
お互いが笑顔でお別れできるよう、精一杯楽しもう!!
248
あなたにおすすめの小説
滅びる異世界に転生したけど、幼女は楽しく旅をする!
白夢
ファンタジー
何もしないでいいから、世界の終わりを見届けてほしい。
そう言われて、異世界に転生することになった。
でも、どうせ転生したなら、この異世界が滅びる前に観光しよう。
どうせ滅びる世界なら、思いっきり楽しもう。
だからわたしは旅に出た。
これは一人の幼女と小さな幻獣の、
世界なんて救わないつもりの放浪記。
〜〜〜
ご訪問ありがとうございます。
可愛い女の子が頼れる相棒と美しい世界で旅をする、幸せなファンタジーを目指しました。
ファンタジー小説大賞エントリー作品です。気に入っていただけましたら、ぜひご投票をお願いします。
お気に入り、ご感想、応援などいただければ、とても喜びます。よろしくお願いします!
23/01/08 表紙画像を変更しました
子育てスキルで異世界生活 ~かわいい子供たち(人外含む)と楽しく暮らしてます~
九頭七尾
ファンタジー
子供を庇って死んだアラサー女子の私、新川沙織。
女神様が異世界に転生させてくれるというので、ダメもとで願ってみた。
「働かないで毎日毎日ただただ可愛い子供と遊んでのんびり暮らしたい」
「その願い叶えて差し上げましょう!」
「えっ、いいの?」
転生特典として与えられたのは〈子育て〉スキル。それは子供がどんどん集まってきて、どんどん私に懐き、どんどん成長していくというもので――。
「いやいやさすがに育ち過ぎでしょ!?」
思ってたよりちょっと性能がぶっ壊れてるけど、お陰で楽しく暮らしてます。
『しろくま通りのピノ屋さん 〜転生モブは今日もお菓子を焼く〜』
miigumi
ファンタジー
前世では病弱で、病室の窓から空を見上げることしかできなかった私。
そんな私が転生したのは、魔法と剣があるファンタジーの世界。
……とはいえ、勇者でも聖女でもなく、物語に出てこない“モブキャラ”でした。
貴族の家に生まれるも馴染めず、破門されて放り出された私は、街の片隅――
「しろくま通り」で、小さなお菓子屋さんを開くことにしました。
相棒は、拾ったまんまるのペンギンの魔物“ピノ”。
季節の果物を使って、前世の記憶を頼りに焼いたお菓子は、
気づけばちょっぴり評判に。
できれば平和に暮らしたいのに、
なぜか最近よく現れるやさしげな騎士さん――
……って、もしかして勇者パーティーの人なんじゃ?!
静かに暮らしたい元病弱転生モブと、
彼女の焼き菓子に癒される人々の、ちょっと甘くて、ほんのり騒がしい日々の物語。
『追放令嬢は薬草(ハーブ)に夢中 ~前世の知識でポーションを作っていたら、聖女様より崇められ、私を捨てた王太子が泣きついてきました~』
とびぃ
ファンタジー
追放悪役令嬢の薬学スローライフ ~断罪されたら、そこは未知の薬草宝庫(ランクS)でした。知識チートでポーション作ってたら、王都のパンデミックを救う羽目に~
-第二部(11章~20章)追加しました-
【あらすじ】
「貴様を追放する! 魔物の巣窟『霧深き森』で、朽ち果てるがいい!」
王太子の婚約者ソフィアは、卒業パーティーで断罪された。 しかし、その顔に絶望はなかった。なぜなら、その「断罪劇」こそが、彼女の完璧な計画だったからだ。
彼女の魂は、前世で薬学研究に没頭し過労死した、日本の研究者。 王妃の座も権力闘争も、彼女には退屈な枷でしかない。 彼女が求めたのはただ一つ——誰にも邪魔されず、未知の植物を研究できる「アトリエ」だった。
追放先『霧深き森』は「死の土地」。 だが、チート能力【植物図鑑インターフェイス】を持つソフィアにとって、そこは未知の薬草が群生する、最高の「研究フィールド(ランクS)」だった!
石造りの廃屋を「アトリエ」に改造し、ガラクタから蒸留器を自作。村人を救い、薬師様と慕われ、理想のスローライフ(研究生活)が始まる。 だが、その平穏は長く続かない。 王都では、王宮薬師長の陰謀により、聖女の奇跡すら効かないパンデミック『紫死病』が発生していた。 ソフィアが開発した『特製回復ポーション』の噂が王都に届くとき、彼女の「研究成果」を巡る、新たな戦いが幕を開ける——。
【主な登場人物】
ソフィア・フォン・クライネルト 本作の主人公。元・侯爵令嬢。魂は日本の薬学研究者。 合理的かつ冷徹な思考で、スローライフ(研究)を妨げる障害を「薬学」で排除する。未知の薬草の解析が至上の喜び。
ギルバート・ヴァイス 王宮魔術師団・研究室所属の魔術師。 ソフィアの「科学(薬学)」に魅了され、助手(兼・共同研究者)としてアトリエに入り浸る知的な理解者。
アルベルト王太子 ソフィアの元婚約者。愚かな「正義」でソフィアを追放した張本人。王都の危機に際し、薬を強奪しに来るが……。
リリア 無力な「聖女」。アルベルトに庇護されるが、本物の災厄の前では無力な「駒」。
ロイド・バルトロメウス 『天秤と剣(スケイル&ソード)商会』の会頭。ソフィアに命を救われ、彼女の「薬学」の価値を見抜くビジネスパートナー。
【読みどころ】
「悪役令嬢追放」から始まる、痛快な「ざまぁ」展開! そして、知識チートを駆使した本格的な「薬学(ものづくり)」と、理想の「アトリエ」開拓。 科学と魔法が融合し、パンデミックというシリアスな災厄に立ち向かう、読み応え抜群の薬学ファンタジーをお楽しみください。
魔晶石ハンター ~ 転生チート少女の数奇な職業活動の軌跡
サクラ近衛将監
ファンタジー
女神様のミスで事故死したOLの大滝留美は、地球世界での転生が難しいために、神々の伝手により異世界アスレオールに転生し、シルヴィ・デルトンとして生を受けるが、前世の記憶は11歳の成人の儀まで封印され、その儀式の最中に前世の記憶ととともに職業を神から告げられた。
シルヴィの与えられた職業は魔晶石採掘師と魔晶石加工師の二つだったが、シルヴィはその職業を知らなかった。
シルヴィの将来や如何に?
毎週木曜日午後10時に投稿予定です。
婚約破棄されたので森の奥でカフェを開いてスローライフ
あげは
ファンタジー
「私は、ユミエラとの婚約を破棄する!」
学院卒業記念パーティーで、婚約者である王太子アルフリードに突然婚約破棄された、ユミエラ・フォン・アマリリス公爵令嬢。
家族にも愛されていなかったユミエラは、王太子に婚約破棄されたことで利用価値がなくなったとされ家を勘当されてしまう。
しかし、ユミエラに特に気にした様子はなく、むしろ喜んでいた。
これまでの生活に嫌気が差していたユミエラは、元孤児で転生者の侍女ミシェルだけを連れ、その日のうちに家を出て人のいない森の奥に向かい、森の中でカフェを開くらしい。
「さあ、ミシェル! 念願のスローライフよ! 張り切っていきましょう!」
王都を出るとなぜか国を守護している神獣が待ち構えていた。
どうやら国を捨てユミエラについてくるらしい。
こうしてユミエラは、転生者と神獣という何とも不思議なお供を連れ、優雅なスローライフを楽しむのであった。
一方、ユミエラを追放し、神獣にも見捨てられた王国は、愚かな王太子のせいで混乱に陥るのだった――。
なろう・カクヨムにも投稿
転生したら神だった。どうすんの?
埼玉ポテチ
ファンタジー
転生した先は何と神様、しかも他の神にお前は神じゃ無いと天界から追放されてしまった。僕はこれからどうすれば良いの?
人間界に落とされた神が天界に戻るのかはたまた、地上でスローライフを送るのか?ちょっと変わった異世界ファンタジーです。
侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました
下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。
ご都合主義のSS。
お父様、キャラチェンジが激しくないですか。
小説家になろう様でも投稿しています。
突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる