10歳で記憶喪失になったけど、チート従魔たちと異世界ライフを楽しみます(リメイク版)

犬社護

文字の大きさ
34 / 76
3章 異世界交流

32話 亡くなった姉との交流 *光希視点

しおりを挟む
う~ん、文章を入力すれば、本当に咲耶お姉ちゃんから返事が返ってくるのかな? 学校の先生が、こういうのには[なりすまし]がいるから注意するようにって教えてくれた。

《初めまして、私は小学1年生の倉木光希です。あなたは、咲耶お姉ちゃんですか? それとも、[なりすまし]ですか? 咲耶お姉ちゃんと証明できる何かを教えてください》

これで良いよね。

「あ、既読って付いた!!」

ドキドキする、どんな返事が来るのかな?

《光希、こんにちは……で合っているのかな? ここと日本の時間の違いがわからないのだけど、私はあなたの知る咲耶お姉ちゃんです。8月15日のお盆で一緒に遊んだのが、記憶に新しいね。お父さん、お母さん、悠太とは、仲良く暮らせていますか? 私の描いた絵も、その後どうなっているのかな?》

これ、絶対お姉ちゃんだ!!
日にちも合ってるし、絵の作者に関しては誰にも明かしてないもん!!

《咲耶お姉ちゃんが来てくれて以降、みんなが明るくなったの!! 絵も3万円もする頑丈な額縁の中に入っていて、リビングに飾られているよ》

《3万円の額縁!? 本当に、家宝にする気なのかな?》

間違いないよ、絶対咲耶お姉ちゃんだ!!
あの絵が家宝って、誰にも言ってないもん!!

《うん、そのつもりだよ。あのね、私のタブレットに[異世界交流]ていうアプリがあったの。そこに、咲耶お姉ちゃんの名前と人物絵の横に、旧名リリアーナ・フェルデナンドって記載されていたの》

《そっちでは、私の姿が表示されているんだね。私の方も、あれから色々あってね。少しだけ現世の記憶を取り戻したの。今日になって、急に[異世界交流]ていうスキルを入手したんだ。異世界の1人だけと交流できるから、多分だけど家族たちも見ることはできても、メッセージの入力に関しては光希にしか出来ないと思う》

そうなの?
私のタブレットをお兄ちゃんたちに渡したら、普通に入力できると思うけど?
それに、同じアプリをダウンロードしたら、お母さんたちも交流できると思うけどな。

《今から試してみる!!》
《今から!?》

私は、お母さんの部屋に行くと、案の定デスクトップパソコンと睨めっこしていて、私の存在に気づいていない。

「お母さ~~ん」

私が呼びかけると、やっと私の方を見てくれた。

「あ、光希、帰っていたのね。ごめんね、気づかなくて」
「別にいいよ。それより、このアプリの文章を見れる?」

私が自分のタブレットを渡すと、お母さんはさっきまで交流していた咲耶お姉ちゃんとの交流掲示板を見た。

「文章? ……え? これって、まさか…相手は咲耶なの?」
「うん、そうだよ。お母さん、咲耶お姉ちゃんに何か送ってみる?」

「え、ちょっと待って!! 本当に咲耶!? アプリ名は[異世界交流]? こんなアプリ、あったかしら? とりあえず、文章を………え、どうして?」

お母さんの後ろに移動して、どんな文章を送るのか見ていたけど、お母さんが何をやっても、文字が入力されることはなかった。

「咲耶お姉ちゃんの言った通りだ。あのね、互いの異世界の1人にしか交流を持てないんだって。私は文章を入力できるの。ちょっと、やってみるね」

お母さんからタブレットをもらい、私は文章を入力していく。

《今、お母さんに見てもらったの。やっぱり、見ることはできても、入力ができなかったよ。交流できるのは、私だけだよ》

お姉ちゃんは、ずっと見てくれていたのか、すぐに返事が返ってきた。

《そっか、お母さんたちとは直接交流できないんだね。それは残念だけど、光希を通すことで交流できるから良いかな。私の方だと、4人のうち誰か1人を選ばないといけなかったから、一番自由時間の多い光希を選んだの。お父さんは会社、お母さんは小説、悠太は受験勉強で忙しいから、多分光希が一番寂しく感じているはずと思ったんだ》

お姉ちゃん、凄い!!
私の思っていることが、なんでわかるの!?

「本当に咲耶だわ。文章だけで、あの子の性格が伝わってくる。あの子は、いつも自分より私たちを気にかけてくれるから、光希のことを気にしてくれていたのね。まさか、こんな方法で異世界にいる咲耶と連絡を取り合えるなんて夢見たいだわ。光希、猫関係のことで、何か困ったことが起きていないか聞いてみて」

「わかった」

私が猫関係で質問すると、すぐに返事が来た。

《猫カフェに設置予定のキャットウォークが作れないの。私の理想とするものは、半透明で下から猫のお腹を覗けるもの。この世界には、アクリルのような頑強で半透明な物品自体がないんだって。普通に、木製で作るしかないのかな?》

キャットウォークという言葉の意味がわからなかったけど、お母さんが教えてくれた。動物の番組で偶に出てくる猫カフェのお店に設置されている猫専用の遊歩道のことなんだね。

「なるほど、技術がないのなら作れば良いのよ。異世界小説を書いているお母さんに任せない‼︎」

私がそのまま文章にして送ると、咲耶お姉ちゃんも驚いたようで、[!!!]がいっぱいあった。

しおりを挟む
感想 52

あなたにおすすめの小説

滅びる異世界に転生したけど、幼女は楽しく旅をする!

白夢
ファンタジー
 何もしないでいいから、世界の終わりを見届けてほしい。  そう言われて、異世界に転生することになった。  でも、どうせ転生したなら、この異世界が滅びる前に観光しよう。  どうせ滅びる世界なら、思いっきり楽しもう。  だからわたしは旅に出た。  これは一人の幼女と小さな幻獣の、  世界なんて救わないつもりの放浪記。 〜〜〜  ご訪問ありがとうございます。    可愛い女の子が頼れる相棒と美しい世界で旅をする、幸せなファンタジーを目指しました。    ファンタジー小説大賞エントリー作品です。気に入っていただけましたら、ぜひご投票をお願いします。  お気に入り、ご感想、応援などいただければ、とても喜びます。よろしくお願いします! 23/01/08 表紙画像を変更しました

子育てスキルで異世界生活 ~かわいい子供たち(人外含む)と楽しく暮らしてます~

九頭七尾
ファンタジー
 子供を庇って死んだアラサー女子の私、新川沙織。  女神様が異世界に転生させてくれるというので、ダメもとで願ってみた。 「働かないで毎日毎日ただただ可愛い子供と遊んでのんびり暮らしたい」 「その願い叶えて差し上げましょう!」 「えっ、いいの?」  転生特典として与えられたのは〈子育て〉スキル。それは子供がどんどん集まってきて、どんどん私に懐き、どんどん成長していくというもので――。 「いやいやさすがに育ち過ぎでしょ!?」  思ってたよりちょっと性能がぶっ壊れてるけど、お陰で楽しく暮らしてます。

『しろくま通りのピノ屋さん 〜転生モブは今日もお菓子を焼く〜』

miigumi
ファンタジー
前世では病弱で、病室の窓から空を見上げることしかできなかった私。 そんな私が転生したのは、魔法と剣があるファンタジーの世界。 ……とはいえ、勇者でも聖女でもなく、物語に出てこない“モブキャラ”でした。 貴族の家に生まれるも馴染めず、破門されて放り出された私は、街の片隅―― 「しろくま通り」で、小さなお菓子屋さんを開くことにしました。 相棒は、拾ったまんまるのペンギンの魔物“ピノ”。 季節の果物を使って、前世の記憶を頼りに焼いたお菓子は、 気づけばちょっぴり評判に。 できれば平和に暮らしたいのに、 なぜか最近よく現れるやさしげな騎士さん―― ……って、もしかして勇者パーティーの人なんじゃ?! 静かに暮らしたい元病弱転生モブと、 彼女の焼き菓子に癒される人々の、ちょっと甘くて、ほんのり騒がしい日々の物語。

『追放令嬢は薬草(ハーブ)に夢中 ~前世の知識でポーションを作っていたら、聖女様より崇められ、私を捨てた王太子が泣きついてきました~』

とびぃ
ファンタジー
追放悪役令嬢の薬学スローライフ ~断罪されたら、そこは未知の薬草宝庫(ランクS)でした。知識チートでポーション作ってたら、王都のパンデミックを救う羽目に~ -第二部(11章~20章)追加しました- 【あらすじ】 「貴様を追放する! 魔物の巣窟『霧深き森』で、朽ち果てるがいい!」 王太子の婚約者ソフィアは、卒業パーティーで断罪された。 しかし、その顔に絶望はなかった。なぜなら、その「断罪劇」こそが、彼女の完璧な計画だったからだ。 彼女の魂は、前世で薬学研究に没頭し過労死した、日本の研究者。 王妃の座も権力闘争も、彼女には退屈な枷でしかない。 彼女が求めたのはただ一つ——誰にも邪魔されず、未知の植物を研究できる「アトリエ」だった。 追放先『霧深き森』は「死の土地」。 だが、チート能力【植物図鑑インターフェイス】を持つソフィアにとって、そこは未知の薬草が群生する、最高の「研究フィールド(ランクS)」だった! 石造りの廃屋を「アトリエ」に改造し、ガラクタから蒸留器を自作。村人を救い、薬師様と慕われ、理想のスローライフ(研究生活)が始まる。 だが、その平穏は長く続かない。 王都では、王宮薬師長の陰謀により、聖女の奇跡すら効かないパンデミック『紫死病』が発生していた。 ソフィアが開発した『特製回復ポーション』の噂が王都に届くとき、彼女の「研究成果」を巡る、新たな戦いが幕を開ける——。 【主な登場人物】 ソフィア・フォン・クライネルト 本作の主人公。元・侯爵令嬢。魂は日本の薬学研究者。 合理的かつ冷徹な思考で、スローライフ(研究)を妨げる障害を「薬学」で排除する。未知の薬草の解析が至上の喜び。 ギルバート・ヴァイス 王宮魔術師団・研究室所属の魔術師。 ソフィアの「科学(薬学)」に魅了され、助手(兼・共同研究者)としてアトリエに入り浸る知的な理解者。 アルベルト王太子 ソフィアの元婚約者。愚かな「正義」でソフィアを追放した張本人。王都の危機に際し、薬を強奪しに来るが……。 リリア 無力な「聖女」。アルベルトに庇護されるが、本物の災厄の前では無力な「駒」。 ロイド・バルトロメウス 『天秤と剣(スケイル&ソード)商会』の会頭。ソフィアに命を救われ、彼女の「薬学」の価値を見抜くビジネスパートナー。 【読みどころ】 「悪役令嬢追放」から始まる、痛快な「ざまぁ」展開! そして、知識チートを駆使した本格的な「薬学(ものづくり)」と、理想の「アトリエ」開拓。 科学と魔法が融合し、パンデミックというシリアスな災厄に立ち向かう、読み応え抜群の薬学ファンタジーをお楽しみください。

魔晶石ハンター ~ 転生チート少女の数奇な職業活動の軌跡

サクラ近衛将監
ファンタジー
 女神様のミスで事故死したOLの大滝留美は、地球世界での転生が難しいために、神々の伝手により異世界アスレオールに転生し、シルヴィ・デルトンとして生を受けるが、前世の記憶は11歳の成人の儀まで封印され、その儀式の最中に前世の記憶ととともに職業を神から告げられた。  シルヴィの与えられた職業は魔晶石採掘師と魔晶石加工師の二つだったが、シルヴィはその職業を知らなかった。  シルヴィの将来や如何に?  毎週木曜日午後10時に投稿予定です。

婚約破棄されたので森の奥でカフェを開いてスローライフ

あげは
ファンタジー
「私は、ユミエラとの婚約を破棄する!」 学院卒業記念パーティーで、婚約者である王太子アルフリードに突然婚約破棄された、ユミエラ・フォン・アマリリス公爵令嬢。 家族にも愛されていなかったユミエラは、王太子に婚約破棄されたことで利用価値がなくなったとされ家を勘当されてしまう。 しかし、ユミエラに特に気にした様子はなく、むしろ喜んでいた。 これまでの生活に嫌気が差していたユミエラは、元孤児で転生者の侍女ミシェルだけを連れ、その日のうちに家を出て人のいない森の奥に向かい、森の中でカフェを開くらしい。 「さあ、ミシェル! 念願のスローライフよ! 張り切っていきましょう!」 王都を出るとなぜか国を守護している神獣が待ち構えていた。 どうやら国を捨てユミエラについてくるらしい。 こうしてユミエラは、転生者と神獣という何とも不思議なお供を連れ、優雅なスローライフを楽しむのであった。 一方、ユミエラを追放し、神獣にも見捨てられた王国は、愚かな王太子のせいで混乱に陥るのだった――。 なろう・カクヨムにも投稿

転生したら神だった。どうすんの?

埼玉ポテチ
ファンタジー
転生した先は何と神様、しかも他の神にお前は神じゃ無いと天界から追放されてしまった。僕はこれからどうすれば良いの? 人間界に落とされた神が天界に戻るのかはたまた、地上でスローライフを送るのか?ちょっと変わった異世界ファンタジーです。

侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました

下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。 ご都合主義のSS。 お父様、キャラチェンジが激しくないですか。 小説家になろう様でも投稿しています。 突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!

処理中です...