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5章 猫の恩返し
57話 見世物と謎のお肉 *ミケーネ視点
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挨拶も終わり、人間や他の種族たちが次々と小型マジックバッグの受取所へとやって来る。さて、ここからが私の出番ね。怪しい奴がいないか、調査していきましょう。私がバッグの置かれているテーブルへとジャンプすると、さっきの二人組が次々とバッグを手に取り、参加者へ渡していく。
こうやってバッグを見ると、中々洒落たデザインじゃないの。まあ、猫の目から見ても、これは女の子向けに見えるのよね。その証拠に、手渡される男性陣は手に取ると、顔を少し歪め、女性陣はバッグのデザインを見てお洒落~と言って結構喜んでいるもの。私の目に惹くのは、バッグの外側中央に埋め込まれている2つの魔石ね。魔石そのものに、奇妙な紋様が刻まれていて、それがバッグのデザインと見事に調和しているのよ。
『かなりの数が用意されているから、どさくさに紛れて盗む輩が現れるんじゃないの? 肉なんて、空に放り上げて火魔法をぶちかませば、毒ガスが発生しても、風で周囲に散らせるもの』
「こらミケーネ、物騒なことを言わないの」
誰も聞き取れないと思っていた私の独り言を、咲耶がちゃっかり聞き取っていたわ。
『私は心配しているのよ。魔石に浮かぶ奇妙な紋様とデザインが見事に調和している小型バッグ、盗む奴が絶対現れるわよ』
返品する奴なんて、1人もいないんじゃない?
「そこは、オルバイン伯爵様がきちんと考えています。3日経過して返却されない場合、大音量のベルが鳴り響く仕掛けなの」
大音量のベルね。
一応、対策が練られているのなら問題ないなさそうね。
『咲耶は、今からあの子たちと見世物を開くの?』
「そうだよ。朝に2回、お昼に4回ね。準備万端だから、早速始めるわ。ミケーネも、頑張ってね」
咲耶が手を振り、マナリオの社の横に配備されている露店へと入っていく。
「思った以上の成果だ。用意した200人分のバッグ全てが貸し出されたぞ」
「俺らも、次の任務に行くか」
二人組の男たちは、貸し出された人の名前を記載しているノートをテーブルに置きっ放しにして、テントを出て行ったわ。というか、あいつらは肝心のノートを主催者側の責任者に渡さずに去っていったけど、これっていいの? こういうズボラな連中って、絶対何かヘマをするのよね。
『スパイに関係なさそうだし、怪しい動きをする者もいなかった。これからどうしようかしら?』
とりあえず、咲耶とあの子たちの見世物を見てから行動しようかな。
○○○
遠目から咲耶と部下たちの見世物を見ているけど、あの子たちも器用にこなせるもんだわ。3つの大きい玉に乗りバランスをとりながら前へ進んでいく3匹の猫がいれば、その隣では大縄跳びでリズムに合わせて跳ぶ7匹の猫がいる。おまけに、2匹の猫が台に乗って大縄を噛んで、器用に動かしているわ。
それらが終了すると、見学者たちは拍手喝采で、しかも1匹の猫がシルクハットを咥えて、そこには《面白いと思った人は私たちにお捻りを頂戴ね(๑>◡<๑)》というメモが貼られている。目当てのおやつを貰おうと、ペロチュールの前まで行って、「にゃ~お(これだよ、これ‼︎)」と鳴き、足でアピールもしている。見学人の何人かは、単品販売されているぺロチュールを数本購入しているし、中には1箱(20本入り)を購入してくれる豪気な人もいるわね。その後も、猫たちが色々な芸を披露して、[私を飼ってください‼︎][私に高級キャットフードを‼︎]と言った感じで、地面に置かれている小型コミニュケーションボードを器用に使いこなして、人間と会話しているわ。この子たちは日常生活レベルの法術も行使できるから、もしかしたら12匹中何匹かは誰かに飼われるかもしれないわね。
ふう、咲耶と猫の見世物を見ながら3時間近く周囲を警戒しているけど、な~んにも起こらないし、怪しい人物もいない。咲耶とユウキも猫の疲労を考慮して、見世物の時間は1時間1回の間隔で実施しているわね。咲耶とユウキは、それ以外の時間を猫カフェのような猫とのくつろぎタイムにしている。お客様にはドリンクだけを提供し、猫用の物品を色々と勧めているわ。
『あら? あの2人、どこに行くのかしら?』
テントのテーブルに置かれている置き時計の時刻が、ピッタリ12時を指しているわ。集中していたせいか気づかなかったけど、いつの間にかお昼になっていたのね。お昼休憩の1時間、この間に咲耶とユウキはフリード様と共にマナリオのもとへ行き、愚痴を聞きながら昼食を食べる予定のはずよ。元いた場所を見ると、どうやら私を含めた13匹の猫たち用の昼食も、きっちり人数分用意されているわ。肝心の猫たちは自由時間だから、食べている者もいれば、玩具で遊んでいる子たちもいる。まあ、2人がいてもいなくても、あの子たちにとっては自由時間のようなものだけど。
『お~いミケーネ~、こっち来てみろよ~。面白い物があるぞ~』
咲耶のいる露店から声をかけてきたのは、白猫のシロだわ。咲耶に自分の玉を握られ、スパッと切られてしまったと思い込み、友達に確認をとっていたのが記憶に新しいわ。今でも思い出して、つい笑っちゃうのよね。
『なによ、何があるの?』
シロは、真っ先に昼食を食べ終えたようね。
私の分も用意してくれているから、話を聞きながら食べようかな。
『誰かが、見世物の御礼なのか、肉を置いていってくれたんだけど、俺たちの知らないものなんだ』
お客様の御礼か、どんな肉なのかしら?
『わかったわ』
私が露店に到着すると、1台のテーブルの上に、ポツンと巨大な白い物体が鎮座している。テーブルに飛び乗り、そのお肉をまじまじと見てみる。白一色とばかり思っていたけど、紫の紋様が所々にあるわね。それに、奇妙な円形の凹みが幾つもある。その横には、小型マジックバッグが置かれているけど、咲耶の匂いがするから、これは彼女の物ね。あの子、重要なバッグを置き忘れたらダメじゃないの。というか、猫たちを信用して、ここに置きっぱなしに……流石にそれはないか。そのうち、バッグに気づいて、こっちに戻ってくるわね。
『大きい。これ……お肉なの?』
肉が、分厚いヌメヌメして気持ち悪い物体に覆われているけど、お肉で間違い無いのよね?
『分厚いヌメヌメしたものに覆われているけど、肉だと思う』
スキルで爪を伸ばしてツンツンとつつくと、ヌメヌメして気持ち気持ち悪いものが爪に纏わりつく。我慢して奥に入れていくと、爪先に柔らかくぷにっとしたものを感じた。
『この感触は、確かに肉だわ』
こんな肉を見るのは、生まれて初めてだわ。ヌメヌメしたもので覆われているせいか、肉自体の匂いを一切感じないから、美味しいものなのか判別つかないわね。
『まずは、このヌメヌメしたものを除去しないとね』
『こういうのって、水とかで洗い流せないのかな?』
『う~ん、どうかしら?』
シロは[水]と[風]の属性を所持しているから、水魔法で洗浄することも可能だけど、あのヌメヌメしたものは落ちないでしょうね。
というか、このヌメヌメしたものから嫌悪感を感じるわ。
もう2度と触れたくない。
『そうだわ。フリード様から教わったあのスキルを試してみるわ』
『フリード様から何を教わったの?』
『ふふふ、これはかなりのレアスキルよ。私自身の奥底に眠っていたものを、フリード様が呼び覚ましてくれたのよ。これを使えば、こんなヌメリなんて怖くないわ』
私もお昼を食べたいところだけど、まずはこの謎肉の対処が先決かしら。
こうやってバッグを見ると、中々洒落たデザインじゃないの。まあ、猫の目から見ても、これは女の子向けに見えるのよね。その証拠に、手渡される男性陣は手に取ると、顔を少し歪め、女性陣はバッグのデザインを見てお洒落~と言って結構喜んでいるもの。私の目に惹くのは、バッグの外側中央に埋め込まれている2つの魔石ね。魔石そのものに、奇妙な紋様が刻まれていて、それがバッグのデザインと見事に調和しているのよ。
『かなりの数が用意されているから、どさくさに紛れて盗む輩が現れるんじゃないの? 肉なんて、空に放り上げて火魔法をぶちかませば、毒ガスが発生しても、風で周囲に散らせるもの』
「こらミケーネ、物騒なことを言わないの」
誰も聞き取れないと思っていた私の独り言を、咲耶がちゃっかり聞き取っていたわ。
『私は心配しているのよ。魔石に浮かぶ奇妙な紋様とデザインが見事に調和している小型バッグ、盗む奴が絶対現れるわよ』
返品する奴なんて、1人もいないんじゃない?
「そこは、オルバイン伯爵様がきちんと考えています。3日経過して返却されない場合、大音量のベルが鳴り響く仕掛けなの」
大音量のベルね。
一応、対策が練られているのなら問題ないなさそうね。
『咲耶は、今からあの子たちと見世物を開くの?』
「そうだよ。朝に2回、お昼に4回ね。準備万端だから、早速始めるわ。ミケーネも、頑張ってね」
咲耶が手を振り、マナリオの社の横に配備されている露店へと入っていく。
「思った以上の成果だ。用意した200人分のバッグ全てが貸し出されたぞ」
「俺らも、次の任務に行くか」
二人組の男たちは、貸し出された人の名前を記載しているノートをテーブルに置きっ放しにして、テントを出て行ったわ。というか、あいつらは肝心のノートを主催者側の責任者に渡さずに去っていったけど、これっていいの? こういうズボラな連中って、絶対何かヘマをするのよね。
『スパイに関係なさそうだし、怪しい動きをする者もいなかった。これからどうしようかしら?』
とりあえず、咲耶とあの子たちの見世物を見てから行動しようかな。
○○○
遠目から咲耶と部下たちの見世物を見ているけど、あの子たちも器用にこなせるもんだわ。3つの大きい玉に乗りバランスをとりながら前へ進んでいく3匹の猫がいれば、その隣では大縄跳びでリズムに合わせて跳ぶ7匹の猫がいる。おまけに、2匹の猫が台に乗って大縄を噛んで、器用に動かしているわ。
それらが終了すると、見学者たちは拍手喝采で、しかも1匹の猫がシルクハットを咥えて、そこには《面白いと思った人は私たちにお捻りを頂戴ね(๑>◡<๑)》というメモが貼られている。目当てのおやつを貰おうと、ペロチュールの前まで行って、「にゃ~お(これだよ、これ‼︎)」と鳴き、足でアピールもしている。見学人の何人かは、単品販売されているぺロチュールを数本購入しているし、中には1箱(20本入り)を購入してくれる豪気な人もいるわね。その後も、猫たちが色々な芸を披露して、[私を飼ってください‼︎][私に高級キャットフードを‼︎]と言った感じで、地面に置かれている小型コミニュケーションボードを器用に使いこなして、人間と会話しているわ。この子たちは日常生活レベルの法術も行使できるから、もしかしたら12匹中何匹かは誰かに飼われるかもしれないわね。
ふう、咲耶と猫の見世物を見ながら3時間近く周囲を警戒しているけど、な~んにも起こらないし、怪しい人物もいない。咲耶とユウキも猫の疲労を考慮して、見世物の時間は1時間1回の間隔で実施しているわね。咲耶とユウキは、それ以外の時間を猫カフェのような猫とのくつろぎタイムにしている。お客様にはドリンクだけを提供し、猫用の物品を色々と勧めているわ。
『あら? あの2人、どこに行くのかしら?』
テントのテーブルに置かれている置き時計の時刻が、ピッタリ12時を指しているわ。集中していたせいか気づかなかったけど、いつの間にかお昼になっていたのね。お昼休憩の1時間、この間に咲耶とユウキはフリード様と共にマナリオのもとへ行き、愚痴を聞きながら昼食を食べる予定のはずよ。元いた場所を見ると、どうやら私を含めた13匹の猫たち用の昼食も、きっちり人数分用意されているわ。肝心の猫たちは自由時間だから、食べている者もいれば、玩具で遊んでいる子たちもいる。まあ、2人がいてもいなくても、あの子たちにとっては自由時間のようなものだけど。
『お~いミケーネ~、こっち来てみろよ~。面白い物があるぞ~』
咲耶のいる露店から声をかけてきたのは、白猫のシロだわ。咲耶に自分の玉を握られ、スパッと切られてしまったと思い込み、友達に確認をとっていたのが記憶に新しいわ。今でも思い出して、つい笑っちゃうのよね。
『なによ、何があるの?』
シロは、真っ先に昼食を食べ終えたようね。
私の分も用意してくれているから、話を聞きながら食べようかな。
『誰かが、見世物の御礼なのか、肉を置いていってくれたんだけど、俺たちの知らないものなんだ』
お客様の御礼か、どんな肉なのかしら?
『わかったわ』
私が露店に到着すると、1台のテーブルの上に、ポツンと巨大な白い物体が鎮座している。テーブルに飛び乗り、そのお肉をまじまじと見てみる。白一色とばかり思っていたけど、紫の紋様が所々にあるわね。それに、奇妙な円形の凹みが幾つもある。その横には、小型マジックバッグが置かれているけど、咲耶の匂いがするから、これは彼女の物ね。あの子、重要なバッグを置き忘れたらダメじゃないの。というか、猫たちを信用して、ここに置きっぱなしに……流石にそれはないか。そのうち、バッグに気づいて、こっちに戻ってくるわね。
『大きい。これ……お肉なの?』
肉が、分厚いヌメヌメして気持ち悪い物体に覆われているけど、お肉で間違い無いのよね?
『分厚いヌメヌメしたものに覆われているけど、肉だと思う』
スキルで爪を伸ばしてツンツンとつつくと、ヌメヌメして気持ち気持ち悪いものが爪に纏わりつく。我慢して奥に入れていくと、爪先に柔らかくぷにっとしたものを感じた。
『この感触は、確かに肉だわ』
こんな肉を見るのは、生まれて初めてだわ。ヌメヌメしたもので覆われているせいか、肉自体の匂いを一切感じないから、美味しいものなのか判別つかないわね。
『まずは、このヌメヌメしたものを除去しないとね』
『こういうのって、水とかで洗い流せないのかな?』
『う~ん、どうかしら?』
シロは[水]と[風]の属性を所持しているから、水魔法で洗浄することも可能だけど、あのヌメヌメしたものは落ちないでしょうね。
というか、このヌメヌメしたものから嫌悪感を感じるわ。
もう2度と触れたくない。
『そうだわ。フリード様から教わったあのスキルを試してみるわ』
『フリード様から何を教わったの?』
『ふふふ、これはかなりのレアスキルよ。私自身の奥底に眠っていたものを、フリード様が呼び覚ましてくれたのよ。これを使えば、こんなヌメリなんて怖くないわ』
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