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本編
9話 カーバンクルの加護
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読経を終え、恐る恐る目を開けると、正面に見えていたシールド、大きな鎖、黒い触手は消えていて、そこには先代長だけが同じ姿勢のまま佇んでおり、一定のリズムで息をしているから眠っているだけだと思う。成功したのかなと思い後ろを振り向くと、そこはモフモフでいっぱいになっていた。皆が目を輝かせ、私を見て尻尾を振っている。
「長、成功したんですか?」
鋭い目つきの長を見ると、彼も私を尊敬の眼差しで見ている。
「ああ、大成功だ。あのような魔法を見るのは初めてだったこともあり、多少不安だったが、あれだけの怨念に対して、あれ程の劇的な効果を表すとは正直思ってもいなかった。呪縛は、完全に解かれた。今頃、王都にいる貴族共も相当焦っているだろう」
これ以上私を巻き込ませたくないのか、みんなはその[貴族]の名前を絶対に言わない。王都にいる何処かの貴族だし、私とは会う機会もないから、別に知る必要もないかな。
「ユミルは、我々カーバンクルの救世主だ。……ありがとう」
「「「ありがとう」」」
みんなが、一斉に私にお礼を言ってくれた!?
えへへ、頑張った甲斐があったよ。
私も不安だったけど、全ての呪縛を除去できたんだ。
大勝利だ!!
伝統魔法[永代供養]って、凄いな。
【精霊カーバンクルとの使役契約が、正式なものへ移行しました。精霊カーバンクルの加護を取得しました。エレメンタルスキル[反射]のレベルがDから最大のSへと上昇しました】
何…これ?
いきなりステータス画面が出てきた。
「ユミル、どうした?」
「長、カーバンクルの加護と、エレメンタルスキル[反射]のレベルがSになったの」
使役はわかるけど、加護との差は何だろう?
「はははは、ユミルは俺だけでなく、先代長にも認められたようだな。まだ眠っているが、無意識下で我々の話を聞いていたのか」
ほえ、どういうこと?
「【加護】とは、聖域にいる同種族の精霊全てに認められ、愛される者に与えられる称号だ。召喚魔法では、カーバンクル最強の長、つまり私をいつでも何処でも召喚でき、個人でエレメンタルスキル[反射]を理論上、私と同レベルのSまで行使可能となる。更に、加護の影響でユミル自身の器も大きくなり、魔力量も大幅に上がる。君は、我々カーバンクルに愛される存在となったのだ」
ほおおおおお~~~いいの!? それって、凄いことだよね?
モフモフに愛される存在……凄く嬉しい!!
「みんな、ありがとう!!」
「ユミル、我々精霊との使役関係は、魂の絆で繋がっている」
「魂の絆?」
長の言う言葉の意味がわからない。
「そうだ。ユミルまたは我々のどちらかが危機に瀕した時、それぞれの体力や魔力を分け与えることもできるし、ユミルが私を召喚できるように、我々もユミルを召喚することが可能となる。何処にいようともだ。この関係性を覚えておくんだ」
「魂の絆、関係性…わかりました!!」
魂の絆による関係性…嬉しいな。
一人ぼっちになってからの初めてのお友達だ。
私は、カーバンクルの好意を絶対に裏切らない。
そのためにも、エレメンタルスキル[反射]の扱い方を学ばないといけない。まだ自分で殆ど扱ったことがないから、実際のレベルは最弱のDと同じだもの。
「長、反射のレベルSって、何処まで行使可能なんですか?」
「その事だが、[反射]は非常に危険なスキルであることを理解してほしい」
ほえ? 危険? どこが?
「その顔、やはり理解していないな。簡単に言えば、この力は物理攻撃や魔法を反射させる効果を持つが、もう少し詳しく話すと、力のベクトルを反転させることを反射という」
反転……もしかして、本来もつ力の流れをあらゆる方向に変化させることが可能ってこと? 威力は魔力量次第とトーイから教えてもらったけど、最高レベルのSなら生物に対して直接実行することも可能なんじゃあ?
あ、危険って意味がわかった気がする。
「長……感情を取り乱したら、スキルが暴走するかもって皆から教わりました。もし反射が暴走したら……」
「賢いな、もう危険性を理解したか。暴走したら、君が相手に触れた瞬間、反射が適用されて、最悪死に至るだろう」
やっぱり~~~~~、超危険なスキルだよ~~~~。
今の私じゃあ、絶対使いこなせないよ~~~~。
「安心しろ。レベルCまでの用途しか扱えないよう、私の方から封印を施した」
良かった~~~一安心だ。
「今の段階では、その力のベクトルの真髄だけを教えておこう」
「真髄?」
「そうだ。既に、その断片をトーイたちか聞いているはずだ。この力は目に見えるものだけが全てではない。ユミルの心の在り方、心が拒絶すれば、拒絶したあらゆるものを反射できる。[S]だと、あらゆるものが対象となる故、自分の心の完全制御が必須なのだ」
説明を受けたことで、私は絶句してしまう。全ては私の心の有り様、もし[S]の状態で暴走すれば、全てを反射させる場合もある。そうなると、どんな被害が生じるのかわからない。だって反射だもの、イメージ次第で相手を壊せる。
「レベルC、対象は人や魔物、物品、大地の外壁部のみ、ユミルの心に一定値以上の乱れが生じた場合、全ての力を防御に回すようユミル用として設定した。暴走による人への殺傷はないとだけ言っておこう」
「あ…ありがとうございます!!」
あとは、私次第だ。
誰かに攻撃する際、私が相手に怪我を負わせる覚悟を持たないといけない。
この世界で生きていく以上、私自身が戦闘に巻き込まれる可能性って、いつか絶対に訪れるもの。
「トーイよ」
突然、長がトーイの方を向いた。
「はい」
トーイが、私の横に来てくれた。
「今後、お前はユミルの仲間となり、彼女を護れ。スキル[鑑定]を授け、スキル[反射]のレベルをC→Aに引き上げる。彼女の身に危険が生じた場合、その二つを使い撃退しろ。ただし、人前ではその姿を見せるな。ここ100年、我々は人間に姿を見せていないから、その存在自体が貴重とされている以上、捕獲される可能性が高い。街中では、必ず人化しろ」
通常、精霊は人に見えないけど、精霊の方から見えるように調節することも可能だし、その気になれば人化して行動することもできるって、トーイが言ってた。この国には、先代長に隷属契約を施した貴族もいるから、街中では獣形態の姿を見せちゃいけないよね。
エレメンタルスキル[反射(C)]の扱い方も、トーイから習って自信を付けていこう。
「了解です!! 僕も心配だったので、これで堂々とユミルと行動できます」
やった、トーイが仲間になってくれた!!
私一人でこの森を抜けたり、街で生活するのは正直心細かった。
これで旅も楽しくなりそう!!
「長、成功したんですか?」
鋭い目つきの長を見ると、彼も私を尊敬の眼差しで見ている。
「ああ、大成功だ。あのような魔法を見るのは初めてだったこともあり、多少不安だったが、あれだけの怨念に対して、あれ程の劇的な効果を表すとは正直思ってもいなかった。呪縛は、完全に解かれた。今頃、王都にいる貴族共も相当焦っているだろう」
これ以上私を巻き込ませたくないのか、みんなはその[貴族]の名前を絶対に言わない。王都にいる何処かの貴族だし、私とは会う機会もないから、別に知る必要もないかな。
「ユミルは、我々カーバンクルの救世主だ。……ありがとう」
「「「ありがとう」」」
みんなが、一斉に私にお礼を言ってくれた!?
えへへ、頑張った甲斐があったよ。
私も不安だったけど、全ての呪縛を除去できたんだ。
大勝利だ!!
伝統魔法[永代供養]って、凄いな。
【精霊カーバンクルとの使役契約が、正式なものへ移行しました。精霊カーバンクルの加護を取得しました。エレメンタルスキル[反射]のレベルがDから最大のSへと上昇しました】
何…これ?
いきなりステータス画面が出てきた。
「ユミル、どうした?」
「長、カーバンクルの加護と、エレメンタルスキル[反射]のレベルがSになったの」
使役はわかるけど、加護との差は何だろう?
「はははは、ユミルは俺だけでなく、先代長にも認められたようだな。まだ眠っているが、無意識下で我々の話を聞いていたのか」
ほえ、どういうこと?
「【加護】とは、聖域にいる同種族の精霊全てに認められ、愛される者に与えられる称号だ。召喚魔法では、カーバンクル最強の長、つまり私をいつでも何処でも召喚でき、個人でエレメンタルスキル[反射]を理論上、私と同レベルのSまで行使可能となる。更に、加護の影響でユミル自身の器も大きくなり、魔力量も大幅に上がる。君は、我々カーバンクルに愛される存在となったのだ」
ほおおおおお~~~いいの!? それって、凄いことだよね?
モフモフに愛される存在……凄く嬉しい!!
「みんな、ありがとう!!」
「ユミル、我々精霊との使役関係は、魂の絆で繋がっている」
「魂の絆?」
長の言う言葉の意味がわからない。
「そうだ。ユミルまたは我々のどちらかが危機に瀕した時、それぞれの体力や魔力を分け与えることもできるし、ユミルが私を召喚できるように、我々もユミルを召喚することが可能となる。何処にいようともだ。この関係性を覚えておくんだ」
「魂の絆、関係性…わかりました!!」
魂の絆による関係性…嬉しいな。
一人ぼっちになってからの初めてのお友達だ。
私は、カーバンクルの好意を絶対に裏切らない。
そのためにも、エレメンタルスキル[反射]の扱い方を学ばないといけない。まだ自分で殆ど扱ったことがないから、実際のレベルは最弱のDと同じだもの。
「長、反射のレベルSって、何処まで行使可能なんですか?」
「その事だが、[反射]は非常に危険なスキルであることを理解してほしい」
ほえ? 危険? どこが?
「その顔、やはり理解していないな。簡単に言えば、この力は物理攻撃や魔法を反射させる効果を持つが、もう少し詳しく話すと、力のベクトルを反転させることを反射という」
反転……もしかして、本来もつ力の流れをあらゆる方向に変化させることが可能ってこと? 威力は魔力量次第とトーイから教えてもらったけど、最高レベルのSなら生物に対して直接実行することも可能なんじゃあ?
あ、危険って意味がわかった気がする。
「長……感情を取り乱したら、スキルが暴走するかもって皆から教わりました。もし反射が暴走したら……」
「賢いな、もう危険性を理解したか。暴走したら、君が相手に触れた瞬間、反射が適用されて、最悪死に至るだろう」
やっぱり~~~~~、超危険なスキルだよ~~~~。
今の私じゃあ、絶対使いこなせないよ~~~~。
「安心しろ。レベルCまでの用途しか扱えないよう、私の方から封印を施した」
良かった~~~一安心だ。
「今の段階では、その力のベクトルの真髄だけを教えておこう」
「真髄?」
「そうだ。既に、その断片をトーイたちか聞いているはずだ。この力は目に見えるものだけが全てではない。ユミルの心の在り方、心が拒絶すれば、拒絶したあらゆるものを反射できる。[S]だと、あらゆるものが対象となる故、自分の心の完全制御が必須なのだ」
説明を受けたことで、私は絶句してしまう。全ては私の心の有り様、もし[S]の状態で暴走すれば、全てを反射させる場合もある。そうなると、どんな被害が生じるのかわからない。だって反射だもの、イメージ次第で相手を壊せる。
「レベルC、対象は人や魔物、物品、大地の外壁部のみ、ユミルの心に一定値以上の乱れが生じた場合、全ての力を防御に回すようユミル用として設定した。暴走による人への殺傷はないとだけ言っておこう」
「あ…ありがとうございます!!」
あとは、私次第だ。
誰かに攻撃する際、私が相手に怪我を負わせる覚悟を持たないといけない。
この世界で生きていく以上、私自身が戦闘に巻き込まれる可能性って、いつか絶対に訪れるもの。
「トーイよ」
突然、長がトーイの方を向いた。
「はい」
トーイが、私の横に来てくれた。
「今後、お前はユミルの仲間となり、彼女を護れ。スキル[鑑定]を授け、スキル[反射]のレベルをC→Aに引き上げる。彼女の身に危険が生じた場合、その二つを使い撃退しろ。ただし、人前ではその姿を見せるな。ここ100年、我々は人間に姿を見せていないから、その存在自体が貴重とされている以上、捕獲される可能性が高い。街中では、必ず人化しろ」
通常、精霊は人に見えないけど、精霊の方から見えるように調節することも可能だし、その気になれば人化して行動することもできるって、トーイが言ってた。この国には、先代長に隷属契約を施した貴族もいるから、街中では獣形態の姿を見せちゃいけないよね。
エレメンタルスキル[反射(C)]の扱い方も、トーイから習って自信を付けていこう。
「了解です!! 僕も心配だったので、これで堂々とユミルと行動できます」
やった、トーイが仲間になってくれた!!
私一人でこの森を抜けたり、街で生活するのは正直心細かった。
これで旅も楽しくなりそう!!
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