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23話 ユイのおねだり
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アリステア様とお友達になったこともあり、私は改めてセリーナ様の生活状況を聞いてみた。彼女は生身でいられる時間は、スキルレベルが向上したこともあり、現在は3~4時間程度。残りは幽体離脱して、生き霊でいる。彼女はかなり前向きな性格のようで、アリステア様やエミリアさんと協力することで、生き霊と生身どちらの状態でも常に魔力を消費させ、魔力量をMAXの1/3を維持させている。13歳になった今、幽体離脱だけでは病気の進行を抑えきれないので、スキルや魔法を使い、3つ程度同時発動させている。その影響で、体内の魔力量が少しずつ向上しているみたい。
「セリーナ、聖女様への取り次ぎに関しては、私に任せて。同じ学園の先輩後輩の間柄で、偶にだけど話し合ったこともあるから、早い段階でここへ来れると思う」
2人は幼馴染の関係で親友でもあると聞いているから、こういった私的の場では言葉遣いもタメで話せるけど、公の場だと身分の関係上、どうしても敬語を使わないといけないから面倒だと2人して言ってた。それだけ、仲が良い証拠だよ。
「そうね。陛下や上層部を経由したら、もっと時間がかかるもの。アリステア、お願いするわね」
「任せて。話が教皇様や枢機卿様たちに伝わっても、私から仮説として提唱すれば、ある程度納得してくれると思う。荒唐無稽と笑われるかもだけど、あの人たちに馬鹿にされても、どうってことないわ」
聖女様はわかるけど、教皇と枢機卿って何? 知らない言葉だけど、なんだか偉い人のような気がする。私の直感で言った内容が大事になっているけど、ここからは私の手の離れたところで進行することだから、私から口を挟まない方がいいよね。
「こうして完治に向けて1歩進めたのは、ユイのおかげ、何か御礼をしたいのだけど、今の時点で望みはある?」
「え、望みですか? 突然言われても…う~ん、リオンは何かある?」
急に言われて、何も浮かばないから、ついリオンに振ってしまう。
「え、俺に振るの!? 俺の望みを言っても、意味ないだろ? せっかくだし、自分の望む何かを遠慮なく言えばいい。冒険者になって間もないんだから、生活のためにお金を言っても問題ないと思う」
お金……現実的な考えだけど、なんだかがめつく思われて嫌だな。それに20万ゴルドの貯金もあって、今は余裕もある。う~ん…あ、そういえば冒険者の人たちと冒険者ギルドで話し合っていた時に、何かの話で色々と盛り上がっていたような……。
「戦闘の神童だ!!」
私が突然叫ぶものだから、みんなが驚く。
「ユイ…何故【戦闘の神童】が…出てくるんだ?」
ロイドさんが何故か、少し狼狽えている。なんで?
「あのね、この間の新人教育訓練で知り合ったランクFの人たちと話し合っている時、戦闘の神童の話題になったんです。私と同じ11歳で冒険者ランクBの女の子、しかも気品ある貴族!! 貴族という身分で、どうやってそこまでの強さを得られたのか、みんながすっごく興味を持って、いっぱい話し合ったの」
新人教育訓練で知り合った仲間の中でも、獣人のリリー、ハーフエルフのアルトリウスとエルーザの3人も私に興味を持ってくれて、年齢が近いこともあって、お互い仲良くなれた。あの子たちと冒険者ギルドで色々と話し合っている時に、戦闘の神童の話題になったんだ。今の今まで、完全にその話題を忘れてたよ。
「特に、獣人のリリーとリオンが興味を持っていて、もし戦闘の神童がここに来る機会があれば、模擬戦を申し込みたいと言ってました。私やアルトリウス、エルーザは戦いたいというより、どうやってそんな強さを身に付けたのかが気になりました」
あれ? どうして、ロイドさん、エミリアさん、アリステア様、セリーナ様も複雑な笑みを浮かべているの?
「まさか、知らされていない? いや…そうか…気遣って、子供たちには言ってないのか」
言ってない? 何を言ってないの、ロイドさん?
なんか、突っ込んではいけないような雰囲気だ。
「セリーナ様、私の望みは、『戦闘の神童をここへ招待して、その強さの秘訣を教えて欲しい』…かな」
あれ? ロイドさんが何故か、心底嫌そうな表情を浮かべているけど、なんで? そこまで露骨に嫌そうな顔をするのも珍しい。戦闘の神童って、性格が悪い子なのかな?
「ユイ、私とアリステアは戦闘の神童と呼ばれている[ウィステリット・ヴァンカース]伯爵令嬢と友人関係よ。彼女は…その…色々と問題児なのよ。王都でも、頻繁に問題を起こしているの」
問題児? 貴族なのに?
「問題児でも構いません。戦っても絶対に勝てないのは、百も承知です。単に、どうやってそこまでの強さを手に入れたのか、その秘訣を知りたいだけです」
リリーやリオンだって、格上とどこまでやり合えるのかを知りたいだろうけど、まずはウィステリット様という人間が、どんな闘い方をするのか、どんな実績を持っているのかが気になるはずだ。戦闘の神童と呼ばれる由縁をきちんと認識してから、模擬戦を申し込めば良いんだよ。
「彼女をここへ招待することは可能だけど…その…ロイド様はいいんですか? あの子のことだから…多分…」
ロイドさんの眉間に、めっちゃ皺が寄ってる!
彼女って、そこまでの問題児なの?
私と同じ11歳なのに?
「それがユイの望んでいることなら、私たちも覚悟を決めましょう」
私たち? 11歳の貴族の子供を招待するだけで、どうしてそこまで力が入っているの?
「わかりました。今日中にヴァンカース家に通信を入れ、招待を受けるかの有無を確認しておきます」
やった! どんな子かわからないけど、せっかくだからお友達になりたいな。
「戦闘の神童…単独で下位竜種のワイバーンを討伐した強者だ。その子が、ここへ来るのか? あはは、なんか楽しくなってきた」
リオンがこれだけ楽しい表情を浮かべているところを、初めて見る。そのせいか、私もワクワクしてきた。
「だよね! 正式に決まったら、リリーたちにも教えてあげようよ」
「ああ」
ロイドさんとセリーナ様は、何かを隠しているかのような印象を受けるけど、アリステア様だけはそんな2人を見て、何か面白そうな笑みを浮かべている。
「ユイ、私からは何も言わないでおくわね」
「アリステア様?」
「今回、ユイという不確定要素がいるから、どんな展開になるのか、私でも読めない。面白い…面白いわ。どんな結末になるのかが判明するまで、滞在期間を延長させないとね」
やっぱり、3人は戦闘の神童のことで、何かを隠している。
一体、何を隠しているの?
「セリーナ、聖女様への取り次ぎに関しては、私に任せて。同じ学園の先輩後輩の間柄で、偶にだけど話し合ったこともあるから、早い段階でここへ来れると思う」
2人は幼馴染の関係で親友でもあると聞いているから、こういった私的の場では言葉遣いもタメで話せるけど、公の場だと身分の関係上、どうしても敬語を使わないといけないから面倒だと2人して言ってた。それだけ、仲が良い証拠だよ。
「そうね。陛下や上層部を経由したら、もっと時間がかかるもの。アリステア、お願いするわね」
「任せて。話が教皇様や枢機卿様たちに伝わっても、私から仮説として提唱すれば、ある程度納得してくれると思う。荒唐無稽と笑われるかもだけど、あの人たちに馬鹿にされても、どうってことないわ」
聖女様はわかるけど、教皇と枢機卿って何? 知らない言葉だけど、なんだか偉い人のような気がする。私の直感で言った内容が大事になっているけど、ここからは私の手の離れたところで進行することだから、私から口を挟まない方がいいよね。
「こうして完治に向けて1歩進めたのは、ユイのおかげ、何か御礼をしたいのだけど、今の時点で望みはある?」
「え、望みですか? 突然言われても…う~ん、リオンは何かある?」
急に言われて、何も浮かばないから、ついリオンに振ってしまう。
「え、俺に振るの!? 俺の望みを言っても、意味ないだろ? せっかくだし、自分の望む何かを遠慮なく言えばいい。冒険者になって間もないんだから、生活のためにお金を言っても問題ないと思う」
お金……現実的な考えだけど、なんだかがめつく思われて嫌だな。それに20万ゴルドの貯金もあって、今は余裕もある。う~ん…あ、そういえば冒険者の人たちと冒険者ギルドで話し合っていた時に、何かの話で色々と盛り上がっていたような……。
「戦闘の神童だ!!」
私が突然叫ぶものだから、みんなが驚く。
「ユイ…何故【戦闘の神童】が…出てくるんだ?」
ロイドさんが何故か、少し狼狽えている。なんで?
「あのね、この間の新人教育訓練で知り合ったランクFの人たちと話し合っている時、戦闘の神童の話題になったんです。私と同じ11歳で冒険者ランクBの女の子、しかも気品ある貴族!! 貴族という身分で、どうやってそこまでの強さを得られたのか、みんながすっごく興味を持って、いっぱい話し合ったの」
新人教育訓練で知り合った仲間の中でも、獣人のリリー、ハーフエルフのアルトリウスとエルーザの3人も私に興味を持ってくれて、年齢が近いこともあって、お互い仲良くなれた。あの子たちと冒険者ギルドで色々と話し合っている時に、戦闘の神童の話題になったんだ。今の今まで、完全にその話題を忘れてたよ。
「特に、獣人のリリーとリオンが興味を持っていて、もし戦闘の神童がここに来る機会があれば、模擬戦を申し込みたいと言ってました。私やアルトリウス、エルーザは戦いたいというより、どうやってそんな強さを身に付けたのかが気になりました」
あれ? どうして、ロイドさん、エミリアさん、アリステア様、セリーナ様も複雑な笑みを浮かべているの?
「まさか、知らされていない? いや…そうか…気遣って、子供たちには言ってないのか」
言ってない? 何を言ってないの、ロイドさん?
なんか、突っ込んではいけないような雰囲気だ。
「セリーナ様、私の望みは、『戦闘の神童をここへ招待して、その強さの秘訣を教えて欲しい』…かな」
あれ? ロイドさんが何故か、心底嫌そうな表情を浮かべているけど、なんで? そこまで露骨に嫌そうな顔をするのも珍しい。戦闘の神童って、性格が悪い子なのかな?
「ユイ、私とアリステアは戦闘の神童と呼ばれている[ウィステリット・ヴァンカース]伯爵令嬢と友人関係よ。彼女は…その…色々と問題児なのよ。王都でも、頻繁に問題を起こしているの」
問題児? 貴族なのに?
「問題児でも構いません。戦っても絶対に勝てないのは、百も承知です。単に、どうやってそこまでの強さを手に入れたのか、その秘訣を知りたいだけです」
リリーやリオンだって、格上とどこまでやり合えるのかを知りたいだろうけど、まずはウィステリット様という人間が、どんな闘い方をするのか、どんな実績を持っているのかが気になるはずだ。戦闘の神童と呼ばれる由縁をきちんと認識してから、模擬戦を申し込めば良いんだよ。
「彼女をここへ招待することは可能だけど…その…ロイド様はいいんですか? あの子のことだから…多分…」
ロイドさんの眉間に、めっちゃ皺が寄ってる!
彼女って、そこまでの問題児なの?
私と同じ11歳なのに?
「それがユイの望んでいることなら、私たちも覚悟を決めましょう」
私たち? 11歳の貴族の子供を招待するだけで、どうしてそこまで力が入っているの?
「わかりました。今日中にヴァンカース家に通信を入れ、招待を受けるかの有無を確認しておきます」
やった! どんな子かわからないけど、せっかくだからお友達になりたいな。
「戦闘の神童…単独で下位竜種のワイバーンを討伐した強者だ。その子が、ここへ来るのか? あはは、なんか楽しくなってきた」
リオンがこれだけ楽しい表情を浮かべているところを、初めて見る。そのせいか、私もワクワクしてきた。
「だよね! 正式に決まったら、リリーたちにも教えてあげようよ」
「ああ」
ロイドさんとセリーナ様は、何かを隠しているかのような印象を受けるけど、アリステア様だけはそんな2人を見て、何か面白そうな笑みを浮かべている。
「ユイ、私からは何も言わないでおくわね」
「アリステア様?」
「今回、ユイという不確定要素がいるから、どんな展開になるのか、私でも読めない。面白い…面白いわ。どんな結末になるのかが判明するまで、滞在期間を延長させないとね」
やっぱり、3人は戦闘の神童のことで、何かを隠している。
一体、何を隠しているの?
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