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第一章
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「イザベラっ!」
「お、お姉さまっ!」
屋敷にたどり着き、私は自室で整理をしている時、姉が乗り込んで来た。
姉は私を抱きしめ、離れないというように、きつく絡みつく。
「イーちゃんが苦しそうだよ?」
「お前、その変にしとけ。」
「テレーゼお義姉さま、お兄さま。」
あけ放たれた扉からテレーゼお義姉さまとお兄さまが入ってくる。
そして、お兄さまは扉とカギをかける。
「それにしても、大変だったな。」
「まさか、魔族が直接イーちゃんの所に行くだなんて誰も予想していなかったよ。」
「……だが、騎士団の失態だ。」
苦々しく言うお姉さまだけど、その手は決して私から離れようとしない。
「なのに、何故こちらに咎がないというのだ。」
確実に目に見える敵がいれば斬り伏せかねないお姉さまに私は苦笑いしか出ない。
「イーちゃんはミナちゃんの姿で旅に出るの?」
「はい、ヒースも他の方もいますので。」
「「……。」」
お姉さまとお兄さまは互いに黙り込む。
「ヒーちゃんは気づいていないんだよね~。」
「あの未熟者が…。」
「……。」
お姉さまから低い声が漏れ、お兄さまからは呆れとも怒りともとれるような何かが発せられていた。
「愛する家族なら見破れるだろう。」
「うーん、でも、普通の人なら分からないと思うけどな~。」
「愛があれば十分だろうっ!」
根性論のような事を言う姉に私はあきれるばかりだ。
「イーちゃん、あの女の子と一緒だけど大丈夫?」
「変わりありません、私がすることはミナを取り戻す事ですから。」
「そっか~。」
テレーゼお義姉さまは私の決意が伝わったのか、複雑な顔をしていた。
安心もしている、だけど、不安もあるというようなそんな顔だった。
「荷造りもあるし、クラくん、出て行こうね。」
「おいっ!」
お兄さまとしてはまだ話したかったのだろうけど、テレーゼお義姉さまには逆らえないので、そのまま押しやられてしまっていた。
「……イザベラ。」
「はい。」
「本当は言いたい事がいっぱいある。」
「はい。」
「でも、これだけは約束してくれ。」
「何をですか?」
「生きてくれ。帰ってこなくてもいい、生きていてくれ。」
「お姉様…。」
姉はギュッと抱きしめる。
「あの愚弟と代われるのなら代わりたい、だけど、それは、ダメなんだ…。」
「はい、お姉さまにはお姉さまのお立場がありますから。」
私は姉の背中に手を回す。
「約束いたします、私は生きます、天命を全ういたします。」
「ああ。」
しばらく抱きしめ合っていた私たちだけど、外から独特のノック音が聞こえた。
「……もう時間のようだ、イザベラ、愛しているよ、可愛い妹。」
お姉さまはそう言うと、私の頬にキスをする。
姉は凛と背を伸ばし、悠然と歩き出す。
凛としたカッコいい姉。
だけど、その背は今にも泣きそうだった。
私はミナを助け出すために、旅に出る。
大切な人の思いを置いて。
旅の先に何が待っているのか分からない。
だけど、私は決して一人ではなかった。
「お、お姉さまっ!」
屋敷にたどり着き、私は自室で整理をしている時、姉が乗り込んで来た。
姉は私を抱きしめ、離れないというように、きつく絡みつく。
「イーちゃんが苦しそうだよ?」
「お前、その変にしとけ。」
「テレーゼお義姉さま、お兄さま。」
あけ放たれた扉からテレーゼお義姉さまとお兄さまが入ってくる。
そして、お兄さまは扉とカギをかける。
「それにしても、大変だったな。」
「まさか、魔族が直接イーちゃんの所に行くだなんて誰も予想していなかったよ。」
「……だが、騎士団の失態だ。」
苦々しく言うお姉さまだけど、その手は決して私から離れようとしない。
「なのに、何故こちらに咎がないというのだ。」
確実に目に見える敵がいれば斬り伏せかねないお姉さまに私は苦笑いしか出ない。
「イーちゃんはミナちゃんの姿で旅に出るの?」
「はい、ヒースも他の方もいますので。」
「「……。」」
お姉さまとお兄さまは互いに黙り込む。
「ヒーちゃんは気づいていないんだよね~。」
「あの未熟者が…。」
「……。」
お姉さまから低い声が漏れ、お兄さまからは呆れとも怒りともとれるような何かが発せられていた。
「愛する家族なら見破れるだろう。」
「うーん、でも、普通の人なら分からないと思うけどな~。」
「愛があれば十分だろうっ!」
根性論のような事を言う姉に私はあきれるばかりだ。
「イーちゃん、あの女の子と一緒だけど大丈夫?」
「変わりありません、私がすることはミナを取り戻す事ですから。」
「そっか~。」
テレーゼお義姉さまは私の決意が伝わったのか、複雑な顔をしていた。
安心もしている、だけど、不安もあるというようなそんな顔だった。
「荷造りもあるし、クラくん、出て行こうね。」
「おいっ!」
お兄さまとしてはまだ話したかったのだろうけど、テレーゼお義姉さまには逆らえないので、そのまま押しやられてしまっていた。
「……イザベラ。」
「はい。」
「本当は言いたい事がいっぱいある。」
「はい。」
「でも、これだけは約束してくれ。」
「何をですか?」
「生きてくれ。帰ってこなくてもいい、生きていてくれ。」
「お姉様…。」
姉はギュッと抱きしめる。
「あの愚弟と代われるのなら代わりたい、だけど、それは、ダメなんだ…。」
「はい、お姉さまにはお姉さまのお立場がありますから。」
私は姉の背中に手を回す。
「約束いたします、私は生きます、天命を全ういたします。」
「ああ。」
しばらく抱きしめ合っていた私たちだけど、外から独特のノック音が聞こえた。
「……もう時間のようだ、イザベラ、愛しているよ、可愛い妹。」
お姉さまはそう言うと、私の頬にキスをする。
姉は凛と背を伸ばし、悠然と歩き出す。
凛としたカッコいい姉。
だけど、その背は今にも泣きそうだった。
私はミナを助け出すために、旅に出る。
大切な人の思いを置いて。
旅の先に何が待っているのか分からない。
だけど、私は決して一人ではなかった。
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