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第二章
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「ここなら大丈夫でしょう。」
焼けた臭いもかなり離れたここならばもう臭わなかった。
「なあ、メイカ。」
「……。」
ボラリスク様が彼に声をかけるが、彼はそれを無視して黙々と水筒を取り出し、メイカに渡したり自分の仕事を続ける。
「凄いな、お前は火の使い手なんだな。」
「……。」
「一度勝負をしてくれないか?」
「……。」
「自分の実力を測ってみたいと思っているんだ。」
「……。」
黙殺しているアルファードに食らいつくように話しかけるボラリスク様に私は呆れながら見つめる。
「まさか、貴殿があそこまでの実力者だなんて、何故早くに言ってくれなかったんだ。」
「……。」
「知っていれば、もっと早くに手合わせをお願いしていたというのに。」
「……申し訳ございませんが、致しかねます。わたしの剣は殿下を守る剣であり、誰かと競うような剣ではありません。」
「いいではないか、一勝負だけでも。」
「申し訳ございません。」
丁寧に頭を下げる彼にボラリスク様は眉を下げる。
「どうしても無理か?」
「致しかねます。」
「そうか…。」
ボラリスク様はどんなに言ってもアルファードが頷くことはないと理解したのか、残念そうに言う。
「……もし、気が変わって手合わせしたいと思ってくれたのならいつでも言ってくれ。」
「……。」
無言の返事をするアルファードにボラリスク様はこれ以上何も言わなかった。
さて、問題はこちらだろう。
「……。」
何も言わずに座り込むホリアムット男爵令嬢は正直言って怖かった。
いつもなら私にあれこれするように命令してくるのに、今のところそれがなかった。
「…変な物でも食ったのか?」
ヒースが思わずそんな言葉を口にして、怪訝な顔でホリアムット男爵令嬢を見ている。
「ヒース、流石にそれはないよ。」
ツェリベ様も彼女の様子を気にかけているが、理由までは分かっていない。
何せ今まで色々な戦いを見てもどこか平然としていた彼女がまさか魔族との戦いを見て意気消沈しているとは思いつかないようだった。
彼らにしたら魔族とは自分たちの敵。
だから、殺しても罪悪感は家畜並みにない。
だけど、ホリアムット男爵令嬢にしたら人同士が争っているようにしか思えないのだろう。
私は「前」が「前」だから、どちらの気持ちも分かる気がする。
だけど、同情はしない。
だって、それがいま生きる私の世界だから。
だから、それを受け入れて自分の気持ちに正直に生きるしかないのだから。
「お水いりますか?」
「……。」
私が声をかけると彼女はのろのろと顔を上げる。
「………どうして人が死んだのに、平然としてられるの?」
「……あれは魔族です。」
「でも、人でしょ?」
「人型の魔族です。」
「……。」
「魔族と人は異なります、そう学校でも習いましたでしょ?」
「知らない。」
「……。」
彼女の言葉に私は目を見張り、ため息を吐く。
「私たち人は両親がいて子が生まれる、そうやって命を繋いでいきます。
ですが、魔族は魔王が生み出します。その方法は多様にありますが、一つの方法として核を作ってから魔族を作ります。」
その方法はまんまミナとメイカと同じだ。
だけど、ミナたちは魔族とは違い人を殺そうという気持ちがまずない。
どちらかと言えば、ミナたちはクローンに近いと思う、クローンと違うのは完全に私たちの記憶を引き継いでいる人格である事。
「魔族は人と違い魔力で生きています、そして、その方法として人を食べる事もあります。」
「……。」
「だから、人と魔族は相容れぬのです。」
「……。」
「分かり合えると口で言うのは簡単でしょう、そう言って幾人もの人が亡くなりました。
結局、彼らとの領域を分けても、諍いはなくなることはないのです。」
「それでも…。」
「彼らはイザベラ様をさらい、私たちは自分たちの領域に入り込んで魔族を殺しております。
彼らだって引くことのない所まで来ているのです、この旅の先に立っているものが勝者なのです。」
ホリアムット男爵令嬢は何か言いたそうな顔をした、だけど、結局言葉は出なかった。
「もし、何か尋ねたい事がありましたら、お声がけください。」
これ以上彼女に何かを言ってもパンクするだけだと思った。
だから、私は一度引くことにした。
焼けた臭いもかなり離れたここならばもう臭わなかった。
「なあ、メイカ。」
「……。」
ボラリスク様が彼に声をかけるが、彼はそれを無視して黙々と水筒を取り出し、メイカに渡したり自分の仕事を続ける。
「凄いな、お前は火の使い手なんだな。」
「……。」
「一度勝負をしてくれないか?」
「……。」
「自分の実力を測ってみたいと思っているんだ。」
「……。」
黙殺しているアルファードに食らいつくように話しかけるボラリスク様に私は呆れながら見つめる。
「まさか、貴殿があそこまでの実力者だなんて、何故早くに言ってくれなかったんだ。」
「……。」
「知っていれば、もっと早くに手合わせをお願いしていたというのに。」
「……申し訳ございませんが、致しかねます。わたしの剣は殿下を守る剣であり、誰かと競うような剣ではありません。」
「いいではないか、一勝負だけでも。」
「申し訳ございません。」
丁寧に頭を下げる彼にボラリスク様は眉を下げる。
「どうしても無理か?」
「致しかねます。」
「そうか…。」
ボラリスク様はどんなに言ってもアルファードが頷くことはないと理解したのか、残念そうに言う。
「……もし、気が変わって手合わせしたいと思ってくれたのならいつでも言ってくれ。」
「……。」
無言の返事をするアルファードにボラリスク様はこれ以上何も言わなかった。
さて、問題はこちらだろう。
「……。」
何も言わずに座り込むホリアムット男爵令嬢は正直言って怖かった。
いつもなら私にあれこれするように命令してくるのに、今のところそれがなかった。
「…変な物でも食ったのか?」
ヒースが思わずそんな言葉を口にして、怪訝な顔でホリアムット男爵令嬢を見ている。
「ヒース、流石にそれはないよ。」
ツェリベ様も彼女の様子を気にかけているが、理由までは分かっていない。
何せ今まで色々な戦いを見てもどこか平然としていた彼女がまさか魔族との戦いを見て意気消沈しているとは思いつかないようだった。
彼らにしたら魔族とは自分たちの敵。
だから、殺しても罪悪感は家畜並みにない。
だけど、ホリアムット男爵令嬢にしたら人同士が争っているようにしか思えないのだろう。
私は「前」が「前」だから、どちらの気持ちも分かる気がする。
だけど、同情はしない。
だって、それがいま生きる私の世界だから。
だから、それを受け入れて自分の気持ちに正直に生きるしかないのだから。
「お水いりますか?」
「……。」
私が声をかけると彼女はのろのろと顔を上げる。
「………どうして人が死んだのに、平然としてられるの?」
「……あれは魔族です。」
「でも、人でしょ?」
「人型の魔族です。」
「……。」
「魔族と人は異なります、そう学校でも習いましたでしょ?」
「知らない。」
「……。」
彼女の言葉に私は目を見張り、ため息を吐く。
「私たち人は両親がいて子が生まれる、そうやって命を繋いでいきます。
ですが、魔族は魔王が生み出します。その方法は多様にありますが、一つの方法として核を作ってから魔族を作ります。」
その方法はまんまミナとメイカと同じだ。
だけど、ミナたちは魔族とは違い人を殺そうという気持ちがまずない。
どちらかと言えば、ミナたちはクローンに近いと思う、クローンと違うのは完全に私たちの記憶を引き継いでいる人格である事。
「魔族は人と違い魔力で生きています、そして、その方法として人を食べる事もあります。」
「……。」
「だから、人と魔族は相容れぬのです。」
「……。」
「分かり合えると口で言うのは簡単でしょう、そう言って幾人もの人が亡くなりました。
結局、彼らとの領域を分けても、諍いはなくなることはないのです。」
「それでも…。」
「彼らはイザベラ様をさらい、私たちは自分たちの領域に入り込んで魔族を殺しております。
彼らだって引くことのない所まで来ているのです、この旅の先に立っているものが勝者なのです。」
ホリアムット男爵令嬢は何か言いたそうな顔をした、だけど、結局言葉は出なかった。
「もし、何か尋ねたい事がありましたら、お声がけください。」
これ以上彼女に何かを言ってもパンクするだけだと思った。
だから、私は一度引くことにした。
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