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幕間
旅の終着点は帝都
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衝撃には備えたものの、どれだけ待っても予想していた衝撃は訪れなかった。防壁を張るために突き出した片手を下ろし、つい今し方まで皇帝が立っていた場所を見てみるが、既にそこには誰もいない。リーヴェ――と、ティラというあの女の姿もなかった。
足元には、リーヴェに巫術を授けた時に渡した守りの剣が落ちていた。淡く輝く様からは守りの術式が読み取れる。……衝撃が訪れなかったのは、これが皇帝の最後の一撃から守ってくれたためだろう。
「(……これを手放してでも、私とグリモアを守ろうとしたのか)」
この階にも階下にも、奴の気配は既にない。リュゼというあの男と合流し、首尾よく撤退したか。リーヴェと……ティラとかいうあの女を連れて。……あの女はグレイスではないのだが、リーヴェと共にいたことでそう思われたのかもしれないな。
「ヴァージャさーん! どこですかー!?」
階段の方から耳慣れた声が聞こえてくる。このよく通る声は……フィリアだな。気配から察するに、恐らくエルも一緒だろう。
「上だ」
「あ、よかった! 今行きますね!」
フィリアの明るい声色を聞いている限りでは、味方に大きな被害は出なかったのだろう。何かと正直なあの娘のことだ、もし仲間に何かがあればこれほど元気に声を張り上げているとは思えない。
程なくして駆け上がってきた二人の顔には微かな疲労はあれど、目立った外傷もないようだった。
「ヴァージャさん! 言われた通り、屋敷の中にいた人たちは全員外に――」
嬉しそうに駆け寄ってきたフィリアだったが、その後ろに続くエルと共にすぐに表情を強張らせた。それと同時に顔から血の気が引いていく。その視線を追ってみた先は――私が片腕に抱くグリモアだった。目は完全に伏せられていて、左腕が肩の辺りから失われている。呼吸をしているようにも見えない。
そのグリモアを目の当たりにして、エルは表情を曇らせ、フィリアは紫紺色の大きな目に涙を溜めた。あまりにも、見ていて痛々しい。
「お前はいつまで死んだフリをしているつもりだ」
「――いだいッ! ちょ、ちょっとヴァージャ様! 僕これでも怪我人なんだよ!?」
「「え?」」
傍目には死んでいるように見えても、私の目を誤魔化せると思ったら大間違いだ。刀身を消した森羅万象の鍔でグリモアの顔面を叩くと、奴はすぐに喧しい声を張り上げて猛抗議してきた。それを見て、フィリアとエルが揃って同じような声を洩らす。……それはそうだろう、どう見ても死んでいるようにしか見えない男が目の前で元気に声を張り上げたのだから。
グリモアから向けられる抗議に耳を貸さず、エルに改めて確認することにした。
「エル、全員避難できたか?」
「あ……は、はい、眠っている人たちは全員捕まえてあります、サンセールさんが見張ってるので大丈夫かと。貯蔵庫で姉さんも見つけました。この屋敷に残っているのは、今は僕たちだけです」
「そうか、……お前たちももう少しこちらに寄りなさい、その辺りも危ない」
先ほどまで聞こえていた争いの音は、今はまったく聞こえない。エルの言うように、この屋敷には私たち以外に残ってる者はもう誰もいないようだ。続いてそう声をかけると、どちらもやや戸惑いながら傍まで寄ってくる。……素直なところが、この子たちの本当にいいところだ。
身体から余計な力を抜くと同時に、周囲の屋敷全体が唸るような轟音を立てて見る見るうちに崩れ落ち、崩壊していく。両脇からフィリアとエルがそれぞれしがみついてきたが、倒壊に巻き込まれないよう防壁を張ってある。半径二メートル前後の場所なら問題ない。
支えを失った床は突き抜け、それに倣い壁は前後左右に倒れ、その上に屋根が折り重なるようにして崩れる。様々な調度品の数々や家具類は屋敷の倒壊に巻き込まれ、ほとんど見る影もなくなっていた。
轟音が止んで数拍――固まっていたエルが見晴らしのよくなった辺りを見回しながら、静かに身を離す。
「……ヴァージャさん、もしかして……屋敷が崩れないように、今までずっと支えてました……?」
「そうだよ。色々な攻撃を受けたから、屋敷を支えてる柱だってあちこちメチャクチャだっただろうからね。ヴァージャ様が支えてなかったらみんなとっくにペチャンコさ。……まあ、そっちの方に力を割かなきゃいけなかったお陰で、皇帝にいいようにやられちゃったけど」
「皇帝……!? って、グ、グリモアさん、大丈夫なんですか!? う、腕、腕が……ない、ですけど……」
皇帝の話に真っ先に反応したのはやはりフィリアだったが、それよりも気になるのはグリモアの容態のようだった。明らかに重傷人に見える男が饒舌に語る様は、非常に不気味なものだ。だが、グリモアはいつものように腹立たしい笑みを滲ませると、時間でも巻き戻しているかの如く失われたはずの腕を再生させた。そうして、襟元を軽く寛げて胸部なぞ見せつけてくる。そこには、透き通る紅色の宝玉が鎮座していた。
「そういえば、ヴァージャ様とリーヴェしか知らないんだっけ。僕は人造人間だからね、ここにある……この核を破壊されない限りは死なないし、こうやって自由に再生もできるから大丈夫だよ」
「は、爬虫類みたい……」
自由に再生できるならふざけていないで早々に戻せばいいものを……子供にグロテスクなものを見せるな。
防壁に包まれたままゆっくりと地上に降り立ったところで、そこでようやくフィリアとエルが安堵したように胸を撫で下ろした。それを見るなり、遠くからサクラが駆けてくる。その彼女の姿にいち早く気付いたフィリアは、一足先にそちらに向かった。
「……まいったねぇ、まさか皇帝が自らお出ましだなんてさ。眠らせるのは失敗だったかな」
「屋敷の者たちが眠っていなければ、こう簡単に制圧はできなかった。今以上に乱戦になっていただろう」
「おや珍しい、あのヴァージャ様がそんなお優しい言葉を僕にかけてくれるなんて。こりゃ明日は雹が降るかな、今夜のうちに帝都まで向かった方がよさそうだ」
この男は、本当に口が減らない。いちいち相手にするのも面倒だ、神経が余計にすり減る。
足元に落ちていた守りの剣を拾い上げると、ほのかな輝きが全身に広がる。皇帝の刃に纏わりついていたカースの怨念の粒子が、全身から消えていくようだった。傍でそれを見ていたエルは、心配そうに口を開く。
「ヴァージャさん、リーヴェさんは……」
エルは賢い子だ、リーヴェがこの場にいないということが何を意味するのか――既に理解しているのだろう。今にも泣き出してしまいそうなエルの頭を軽くひと撫でしてから、南東の空へと視線を投じる。空は橙色に染まり始め、もうじき夜が訪れることを示していた。
「……大丈夫だ、これから迎えに行こう。明日には会える」
「そうだね、周りのことさえ気にしなければ皇帝に勝てるさ。ラピスのみんなは、ヴァージャ様だけを戦わせたりはしないだろうしね」
……そうだな、元はと言えば皇帝を倒すことはフィリアの願いでもある。止めても恐らく聞かない。できるだけ危険な目には遭わせたくないのだが、こればかりは仕方がないだろう。
手にしたままの森羅万象が、力を持て余すようにどくりとひとつ鼓動を打った。
足元には、リーヴェに巫術を授けた時に渡した守りの剣が落ちていた。淡く輝く様からは守りの術式が読み取れる。……衝撃が訪れなかったのは、これが皇帝の最後の一撃から守ってくれたためだろう。
「(……これを手放してでも、私とグリモアを守ろうとしたのか)」
この階にも階下にも、奴の気配は既にない。リュゼというあの男と合流し、首尾よく撤退したか。リーヴェと……ティラとかいうあの女を連れて。……あの女はグレイスではないのだが、リーヴェと共にいたことでそう思われたのかもしれないな。
「ヴァージャさーん! どこですかー!?」
階段の方から耳慣れた声が聞こえてくる。このよく通る声は……フィリアだな。気配から察するに、恐らくエルも一緒だろう。
「上だ」
「あ、よかった! 今行きますね!」
フィリアの明るい声色を聞いている限りでは、味方に大きな被害は出なかったのだろう。何かと正直なあの娘のことだ、もし仲間に何かがあればこれほど元気に声を張り上げているとは思えない。
程なくして駆け上がってきた二人の顔には微かな疲労はあれど、目立った外傷もないようだった。
「ヴァージャさん! 言われた通り、屋敷の中にいた人たちは全員外に――」
嬉しそうに駆け寄ってきたフィリアだったが、その後ろに続くエルと共にすぐに表情を強張らせた。それと同時に顔から血の気が引いていく。その視線を追ってみた先は――私が片腕に抱くグリモアだった。目は完全に伏せられていて、左腕が肩の辺りから失われている。呼吸をしているようにも見えない。
そのグリモアを目の当たりにして、エルは表情を曇らせ、フィリアは紫紺色の大きな目に涙を溜めた。あまりにも、見ていて痛々しい。
「お前はいつまで死んだフリをしているつもりだ」
「――いだいッ! ちょ、ちょっとヴァージャ様! 僕これでも怪我人なんだよ!?」
「「え?」」
傍目には死んでいるように見えても、私の目を誤魔化せると思ったら大間違いだ。刀身を消した森羅万象の鍔でグリモアの顔面を叩くと、奴はすぐに喧しい声を張り上げて猛抗議してきた。それを見て、フィリアとエルが揃って同じような声を洩らす。……それはそうだろう、どう見ても死んでいるようにしか見えない男が目の前で元気に声を張り上げたのだから。
グリモアから向けられる抗議に耳を貸さず、エルに改めて確認することにした。
「エル、全員避難できたか?」
「あ……は、はい、眠っている人たちは全員捕まえてあります、サンセールさんが見張ってるので大丈夫かと。貯蔵庫で姉さんも見つけました。この屋敷に残っているのは、今は僕たちだけです」
「そうか、……お前たちももう少しこちらに寄りなさい、その辺りも危ない」
先ほどまで聞こえていた争いの音は、今はまったく聞こえない。エルの言うように、この屋敷には私たち以外に残ってる者はもう誰もいないようだ。続いてそう声をかけると、どちらもやや戸惑いながら傍まで寄ってくる。……素直なところが、この子たちの本当にいいところだ。
身体から余計な力を抜くと同時に、周囲の屋敷全体が唸るような轟音を立てて見る見るうちに崩れ落ち、崩壊していく。両脇からフィリアとエルがそれぞれしがみついてきたが、倒壊に巻き込まれないよう防壁を張ってある。半径二メートル前後の場所なら問題ない。
支えを失った床は突き抜け、それに倣い壁は前後左右に倒れ、その上に屋根が折り重なるようにして崩れる。様々な調度品の数々や家具類は屋敷の倒壊に巻き込まれ、ほとんど見る影もなくなっていた。
轟音が止んで数拍――固まっていたエルが見晴らしのよくなった辺りを見回しながら、静かに身を離す。
「……ヴァージャさん、もしかして……屋敷が崩れないように、今までずっと支えてました……?」
「そうだよ。色々な攻撃を受けたから、屋敷を支えてる柱だってあちこちメチャクチャだっただろうからね。ヴァージャ様が支えてなかったらみんなとっくにペチャンコさ。……まあ、そっちの方に力を割かなきゃいけなかったお陰で、皇帝にいいようにやられちゃったけど」
「皇帝……!? って、グ、グリモアさん、大丈夫なんですか!? う、腕、腕が……ない、ですけど……」
皇帝の話に真っ先に反応したのはやはりフィリアだったが、それよりも気になるのはグリモアの容態のようだった。明らかに重傷人に見える男が饒舌に語る様は、非常に不気味なものだ。だが、グリモアはいつものように腹立たしい笑みを滲ませると、時間でも巻き戻しているかの如く失われたはずの腕を再生させた。そうして、襟元を軽く寛げて胸部なぞ見せつけてくる。そこには、透き通る紅色の宝玉が鎮座していた。
「そういえば、ヴァージャ様とリーヴェしか知らないんだっけ。僕は人造人間だからね、ここにある……この核を破壊されない限りは死なないし、こうやって自由に再生もできるから大丈夫だよ」
「は、爬虫類みたい……」
自由に再生できるならふざけていないで早々に戻せばいいものを……子供にグロテスクなものを見せるな。
防壁に包まれたままゆっくりと地上に降り立ったところで、そこでようやくフィリアとエルが安堵したように胸を撫で下ろした。それを見るなり、遠くからサクラが駆けてくる。その彼女の姿にいち早く気付いたフィリアは、一足先にそちらに向かった。
「……まいったねぇ、まさか皇帝が自らお出ましだなんてさ。眠らせるのは失敗だったかな」
「屋敷の者たちが眠っていなければ、こう簡単に制圧はできなかった。今以上に乱戦になっていただろう」
「おや珍しい、あのヴァージャ様がそんなお優しい言葉を僕にかけてくれるなんて。こりゃ明日は雹が降るかな、今夜のうちに帝都まで向かった方がよさそうだ」
この男は、本当に口が減らない。いちいち相手にするのも面倒だ、神経が余計にすり減る。
足元に落ちていた守りの剣を拾い上げると、ほのかな輝きが全身に広がる。皇帝の刃に纏わりついていたカースの怨念の粒子が、全身から消えていくようだった。傍でそれを見ていたエルは、心配そうに口を開く。
「ヴァージャさん、リーヴェさんは……」
エルは賢い子だ、リーヴェがこの場にいないということが何を意味するのか――既に理解しているのだろう。今にも泣き出してしまいそうなエルの頭を軽くひと撫でしてから、南東の空へと視線を投じる。空は橙色に染まり始め、もうじき夜が訪れることを示していた。
「……大丈夫だ、これから迎えに行こう。明日には会える」
「そうだね、周りのことさえ気にしなければ皇帝に勝てるさ。ラピスのみんなは、ヴァージャ様だけを戦わせたりはしないだろうしね」
……そうだな、元はと言えば皇帝を倒すことはフィリアの願いでもある。止めても恐らく聞かない。できるだけ危険な目には遭わせたくないのだが、こればかりは仕方がないだろう。
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