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共通ルート
20話 納得
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このままではいけない。やはり花音のことをそろそろなんとかしないと。
そんなことはわかっている。ちゃんとわかっているんだ。実際になんとかしようと思って何回か本人に注意している。
今、俺が好きなのは彩華さんで、花音にはもう未練が残ってないこともちゃんと言葉にして伝えた。
でも花音は全く聞く耳を持たない様子で、「あなたは三年間、私を想い続けていたんだから、私も三年間はあなたに片思いを続けて良いはず」といって譲らなかった。
そんな花音にそれ以上強く言うこともできず、俺はただ困り果てて手をこまねいていた訳だけど……。
「ところでさ」
「……うん?」
「あの子誰なの?」
ある日、いつものように彩華さんの自宅マンションでまったりとした時間を過ごしていた俺は、彩華さんのその一言で今までの自分の考えが安易だったことを思い知ることになった。
「あの子って……?」
「私が誰のことを言ってるか、わかるよね?」
彩華さんの表情や口調はいつもとそう変わらなかったけど、俺のことをまっすぐ見つめる彼女の視線は心なしかいつもより鋭い気がした。
「えっと……、最近よくお店に一人で来てる女の子のこと…で合ってる?」
恐る恐る確認をとる俺。俺がそれ以上誤魔化そうとせずに正直に言ったことがよかったのか、彩華さんの視線が少しだけ柔らかくなった。
「そう、その子。知り合いだよね?」
「あ……、うん。やっぱ分かる?」
「なんとなくね」
「そっか……。そうだよね」
「で、どういう関係なの?」
「……えっと、そうだね。どこから話せばいいんだろう」
そこから俺は言葉を選びながらも包み隠すことなく、花音との出会いから現在の二人の関係性まですべてを彩華さんに正直に話した。
真剣な表情で俺の話を最初から最後まで聞いてくれていた彩華さんは、ずっと疑問に思っていた点に対する納得できる答えを見つけたような、すっきりした表情になっていた。
「なるほどね。そういうことだったんだ」
「そういうことと言うと……?」
「こんなにカッコよくて、性格も良くて、もうモテる要素しかない颯太くんが今まで恋愛をしてこなかった理由がやっと分かったってこと。ずっと一人の子に片思いをしてたのね」
えっ、ヤバ、嬉しい。この人、いつもこうやって不意打ちで嬉しい言葉をかけてくるんだよね……。
「でも、いいの?」
「何が?」
「三年間、ずっと好きだったんでしょ? 本当にもう未練はないの?」
「ない。今、俺が好きなのは彩華さんだから」
俺の即答に彩華さんは少しだけ目を見開いて驚いていたが、次の瞬間には照れたような、少し困ったような様子で言葉を続けた。
「ありがとう。嬉しい。すごく嬉しい……。でもさ、もし颯太くんに他に好きな人ができたら……、その時はちゃんと言ってね?」
その言葉からは俺たちの関係はあくまでも「期間限定のパートナー」であり、俺に本気で好きな相手ができた時点で二人の関係を整理するという彩華さんのスタンスが全く変わっていないことが伝わってきた。
そのことが残念で、寂しくて、少しムッとした顔にしまった俺だったが……
「……っ!?」
次の瞬間、まるでサーバルキャットのような俊敏な動きで懐に飛び込んできた彩華さんに押し倒されるような形で突然のディープキスをされてしまった。
脳ミソが溶けてしまいそうな情熱的で激しいキスはしばらく続き……
「まあ、簡単には渡さないけどね」
長いキスの後、そう言って悪戯っぽく笑う彩華さんの目には、明らかに情欲の色が宿っていた。
そんなことはわかっている。ちゃんとわかっているんだ。実際になんとかしようと思って何回か本人に注意している。
今、俺が好きなのは彩華さんで、花音にはもう未練が残ってないこともちゃんと言葉にして伝えた。
でも花音は全く聞く耳を持たない様子で、「あなたは三年間、私を想い続けていたんだから、私も三年間はあなたに片思いを続けて良いはず」といって譲らなかった。
そんな花音にそれ以上強く言うこともできず、俺はただ困り果てて手をこまねいていた訳だけど……。
「ところでさ」
「……うん?」
「あの子誰なの?」
ある日、いつものように彩華さんの自宅マンションでまったりとした時間を過ごしていた俺は、彩華さんのその一言で今までの自分の考えが安易だったことを思い知ることになった。
「あの子って……?」
「私が誰のことを言ってるか、わかるよね?」
彩華さんの表情や口調はいつもとそう変わらなかったけど、俺のことをまっすぐ見つめる彼女の視線は心なしかいつもより鋭い気がした。
「えっと……、最近よくお店に一人で来てる女の子のこと…で合ってる?」
恐る恐る確認をとる俺。俺がそれ以上誤魔化そうとせずに正直に言ったことがよかったのか、彩華さんの視線が少しだけ柔らかくなった。
「そう、その子。知り合いだよね?」
「あ……、うん。やっぱ分かる?」
「なんとなくね」
「そっか……。そうだよね」
「で、どういう関係なの?」
「……えっと、そうだね。どこから話せばいいんだろう」
そこから俺は言葉を選びながらも包み隠すことなく、花音との出会いから現在の二人の関係性まですべてを彩華さんに正直に話した。
真剣な表情で俺の話を最初から最後まで聞いてくれていた彩華さんは、ずっと疑問に思っていた点に対する納得できる答えを見つけたような、すっきりした表情になっていた。
「なるほどね。そういうことだったんだ」
「そういうことと言うと……?」
「こんなにカッコよくて、性格も良くて、もうモテる要素しかない颯太くんが今まで恋愛をしてこなかった理由がやっと分かったってこと。ずっと一人の子に片思いをしてたのね」
えっ、ヤバ、嬉しい。この人、いつもこうやって不意打ちで嬉しい言葉をかけてくるんだよね……。
「でも、いいの?」
「何が?」
「三年間、ずっと好きだったんでしょ? 本当にもう未練はないの?」
「ない。今、俺が好きなのは彩華さんだから」
俺の即答に彩華さんは少しだけ目を見開いて驚いていたが、次の瞬間には照れたような、少し困ったような様子で言葉を続けた。
「ありがとう。嬉しい。すごく嬉しい……。でもさ、もし颯太くんに他に好きな人ができたら……、その時はちゃんと言ってね?」
その言葉からは俺たちの関係はあくまでも「期間限定のパートナー」であり、俺に本気で好きな相手ができた時点で二人の関係を整理するという彩華さんのスタンスが全く変わっていないことが伝わってきた。
そのことが残念で、寂しくて、少しムッとした顔にしまった俺だったが……
「……っ!?」
次の瞬間、まるでサーバルキャットのような俊敏な動きで懐に飛び込んできた彩華さんに押し倒されるような形で突然のディープキスをされてしまった。
脳ミソが溶けてしまいそうな情熱的で激しいキスはしばらく続き……
「まあ、簡単には渡さないけどね」
長いキスの後、そう言って悪戯っぽく笑う彩華さんの目には、明らかに情欲の色が宿っていた。
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