三年間片思いしていた同級生に振られたら、年上の綺麗なお姉さんにロックオンされた話

羽瀬川ルフレ

文字の大きさ
29 / 45
共通ルート

28話 両思い

しおりを挟む
「私が颯太くんに興味を持った理由、ちゃんと言ったことあったっけ?」
「いや、ないかな」
「だよね。たぶん言ってないよね」
「うん」
「顔だよ」
「はい?」
「私が颯太くんに興味を持った理由は、顔だよ。単純に顔がタイプだったの」
「そうなんだ……」

 これは喜ぶべきか、残念に思うべきか。

「昔から私、面食いでさ……。そしてそれもあって正直、颯太くんがここまで誠実な人だとは思わなかったんだよね」
「どういうこと?」
「颯太くん、これだけ顔がいいからさ、きっとすごいモテるんだろうなって。もっと失礼な言い方をすると遊びなれてるんじゃないかって思ってた。だからさ、そんな颯太くんなら私とも程よく遊んでくれるはずって思い込んでた」
「なるほど。……いや、ちょっと待って。ということは、彩華さんは最初、遊びのつもりだったってことだよね?」
「そうだよ。最低でしょ?」
「いや、まあ……」

 最低とまでは思わないけど、悲しいのは間違いないな。

「しかもさ、颯太くんのことをそういう人だって判断した理由が、颯太くんの顔だけなんだよね。颯太くんみたいなイケメンはみんな遊びまくってるんだろうなって勝手に決めつけてたから。……ほら、やっぱり最低でしょ?」
「……」
「でも颯太くんは私の想像とは全然違う人でさ。だから最初はセフレのつもりだったのに、気がついたら私も颯太くんのことが大好きになっちゃってた」
「……それならさ」
「両思いだし付き合っちゃえばいいじゃんって思うでしょ?」
「うん」
 
 俺のセリフは完璧に彩華さんの想定内だったらしい。

「それはね、ダメなの。颯太くんがこんなにも優しくて誠実な人だからこそ絶対にダメ」
「なんで……」
「だって私こんなだもん。絶対いつか颯太くんのことを傷つけるよ。自信がある」
「……」
「だからさ、たとえ両思いでも私は颯太くんの彼女にはなれないの。もちろん颯太くんのせいじゃないよ、私に問題があるの。私、自分のことが全く信用できないから。大好きな颯太くんにトラウマなんか残したくないし」
「……そっか」
「うん。だからさ、もうこれ以上私のことを好きにならないで」
「そんなことを言われても……」
「お願い。じゃないと私はもう、颯太くんと一緒にいられなくなるから」
「……」
「その代わり、私はこれからも本気で颯太くんのことを好きでいるから。私が颯太くんに片思いをしてるくらいの関係が私たちにはちょうど良いと思う」

 いやそれ、明らかに無理な要求じゃない? だって俺はもう本気であなたのことが……。

「急にこんなことを言われても難しいのは分かってるよ。人の感情ってそう簡単にコントロールできるものじゃないし。でも……」
「うん」
「せめて『彼女になって』という言葉は、その言葉だけは……、もう言わないでほしい。本当に申し訳ないけど、これからも『期間限定のパートナー』でお願いします」

 実現不可能な要求の次に出てきたのは、明確な拒絶な意思が込められた言葉だった。つら。

 正直受け入れられないし、受け入れたくない。でも今の言葉に対して俺にできる返事は……。

「……分かった」

 その一言しかなかった。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

会社のイケメン先輩がなぜか夜な夜な私のアパートにやって来る件について(※付き合っていません)

久留茶
恋愛
地味で陰キャでぽっちゃり体型の小森菜乃(24)は、会社の飲み会で女子一番人気のイケメン社員・五十嵐大和(26)を、ひょんなことから自分のアパートに泊めることに。 しかし五十嵐は表の顔とは別に、腹黒でひと癖もふた癖もある男だった。 「お前は俺の恋愛対象外。ヤル気も全く起きない安全地帯」 ――酷い言葉に、菜乃は呆然。二度と関わるまいと決める。 なのに、それを境に彼は夜な夜な菜乃のもとへ現れるようになり……? 溺愛×性格に難ありの執着男子 × 冴えない自分から変身する健気ヒロイン。 王道と刺激が詰まったオフィスラブコメディ! *全28話完結 *辛口で過激な発言あり。苦手な方はご注意ください。 *他誌にも掲載中です。

【完結】好きって言ってないのに、なぜか学園中にバレてる件。

東野あさひ
恋愛
「好きって言ってないのに、なんでバレてるんだよ!?」 ──平凡な男子高校生・真嶋蒼汰の一言から、すべての誤解が始まった。 購買で「好きなパンは?」と聞かれ、「好きです!」と答えただけ。 それなのにStarChat(学園SNS)では“告白事件”として炎上、 いつの間にか“七瀬ひよりと両想い”扱いに!? 否定しても、弁解しても、誤解はどんどん拡散。 気づけば――“誤解”が、少しずつ“恋”に変わっていく。 ツンデレ男子×天然ヒロインが織りなす、SNS時代の爆笑すれ違いラブコメ! 最後は笑って、ちょっと泣ける。 #誤解が本当の恋になる瞬間、あなたもきっとトレンド入り。

キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。

たかなしポン太
青春
   僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。  助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。  でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。 「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」 「ちょっと、確認しなくていいですから!」 「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」 「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」    天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。  異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー! ※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。 ※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

彼氏がヤンデレてることに気付いたのでデッドエンド回避します

恋愛
ヤンデレ乙女ゲー主人公に転生した女の子が好かれたいやら殺されたくないやらでわたわたする話。基本ほのぼのしてます。食べてばっかり。 なろうに別名義で投稿しています。 かなり昔に書いたものなので今と芸風(?)が違うのですが、楽しんでいただけると嬉しいです。 一部加筆修正しています。 2025/9/9完結しました。ありがとうございました。

クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について

沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。 かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。 しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。 現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。 その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。 「今日から私、あなたのメイドになります!」 なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!? 謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける! カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!

主人公の義兄がヤンデレになるとか聞いてないんですけど!?

玉響なつめ
恋愛
暗殺者として生きるセレンはふとしたタイミングで前世を思い出す。 ここは自身が読んでいた小説と酷似した世界――そして自分はその小説の中で死亡する、ちょい役であることを思い出す。 これはいかんと一念発起、いっそのこと主人公側について保護してもらおう!と思い立つ。 そして物語がいい感じで進んだところで退職金をもらって夢の田舎暮らしを実現させるのだ! そう意気込んでみたはいいものの、何故だかヒロインの義兄が上司になって以降、やたらとセレンを気にして――? おかしいな、貴方はヒロインに一途なキャラでしょ!? ※小説家になろう・カクヨムにも掲載

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

処理中です...