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花音ルート
29話 最低
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彩華さんから明確な拒絶の意思表示をされた日から半年の時間が経った。あの日から俺は、彩華さんの言葉に従って一度も「彼女になって」とは伝えていないが、だからといって俺の気持ちに変化があった訳ではなかった。
ダメだって分かっているのに止められない。無理だと頭では理解しているのにそれでも期待してしまう。どうしても諦められない。どうしても諦めきれない。
彩華さんと付き合いたい。彩華さんの彼氏になりたい。「期間限定のパートナー」なんていやだ。ずっと彩華さんと一緒にいたい。それこそ死がふたりを別つまで。
彩華さんが俺に好意を持っていないならともかく、彼女も俺のことを好きでいてくれているのにそれでも恋人同士になれないなんてあまりにも悲しい話だ。いくらなんでも悲しすぎる。
「やっぱり俺は、彩華さんのことが好き」
「……」
そして俺は諦めが悪いだけではなく、自分の気持ちをコントロールすることも上手にできない人間だった。だから結局こうなってしまう。
俺を見つめる彩華さんの表情は困ったような、悲しんでいるような感じだった。もうその時点で答えが出ていると思う。
やめとけって。無理だって。いいよって言ってもらえるはずがないって。
自分の中でもう一人の自分がそう言っているような気がした。そしてきっともう一人の俺が言っている言葉の方が正しいということを、俺は心のどこかで理解していた。
でも、それでも俺は自分を制御することができなかった。
「俺が最初から年齢を気にしてないのは分かってるよね? そして彩華さんの過去に何があったとしても、どんな過ちを犯したとしても、それも俺は気にしない。あと、将来何があっても俺は後悔しないよ。絶対に後悔しないって約束できる。彩華さんの警告を無視して踏み込もうとしてるのは俺だから。だから……」
「……」
「一度でいいから俺にチャンスをくれませんか。俺はどうしても彩華さんと付き合いたい。あなたのことが大好きなんです。心から愛してるんです!」
幸せをつかむための愛の告白のはずなのに、どこか悲壮感さえ漂っている俺の言葉を聞いた彩華さんは、先ほどよりもさらに複雑な表情になってしまった。
そしてしばらく無言で考え込んでいた彩華さんは……。
「少し考える時間をください」
無理やり絞り出したような声で、そんなことを言ってきた。
「……わかった」
「ごめんね。本当にごめん。颯太くんがここまで誠実で一途な人だって知ってたら私、こんなことしなかった。悲しい思いをさせて、傷つけちゃってごめんなさい。……あ、これはさっきの言葉への返事ではないから誤解しないでね。さっきの言葉に対する返事はこれからちゃんと考えるから」
「うん」
よかった。今回もちゃんと考えてはくれるみたい。
「最低……私、本当に最低」
しかしながらたぶん俺には聞こえない声のつもりで、でも混乱しているのか本人が思っているよりも大きめの声でそんなことを呟いている彩華さんの姿を見て、俺は彩華さんの中でもう結論は出ているのではないかと感じた。
そしてその結論はきっと俺にとって好ましいものではなく、結局は今回の告白もうまくいかない可能性が高いことを俺は悟っていた。
ダメだって分かっているのに止められない。無理だと頭では理解しているのにそれでも期待してしまう。どうしても諦められない。どうしても諦めきれない。
彩華さんと付き合いたい。彩華さんの彼氏になりたい。「期間限定のパートナー」なんていやだ。ずっと彩華さんと一緒にいたい。それこそ死がふたりを別つまで。
彩華さんが俺に好意を持っていないならともかく、彼女も俺のことを好きでいてくれているのにそれでも恋人同士になれないなんてあまりにも悲しい話だ。いくらなんでも悲しすぎる。
「やっぱり俺は、彩華さんのことが好き」
「……」
そして俺は諦めが悪いだけではなく、自分の気持ちをコントロールすることも上手にできない人間だった。だから結局こうなってしまう。
俺を見つめる彩華さんの表情は困ったような、悲しんでいるような感じだった。もうその時点で答えが出ていると思う。
やめとけって。無理だって。いいよって言ってもらえるはずがないって。
自分の中でもう一人の自分がそう言っているような気がした。そしてきっともう一人の俺が言っている言葉の方が正しいということを、俺は心のどこかで理解していた。
でも、それでも俺は自分を制御することができなかった。
「俺が最初から年齢を気にしてないのは分かってるよね? そして彩華さんの過去に何があったとしても、どんな過ちを犯したとしても、それも俺は気にしない。あと、将来何があっても俺は後悔しないよ。絶対に後悔しないって約束できる。彩華さんの警告を無視して踏み込もうとしてるのは俺だから。だから……」
「……」
「一度でいいから俺にチャンスをくれませんか。俺はどうしても彩華さんと付き合いたい。あなたのことが大好きなんです。心から愛してるんです!」
幸せをつかむための愛の告白のはずなのに、どこか悲壮感さえ漂っている俺の言葉を聞いた彩華さんは、先ほどよりもさらに複雑な表情になってしまった。
そしてしばらく無言で考え込んでいた彩華さんは……。
「少し考える時間をください」
無理やり絞り出したような声で、そんなことを言ってきた。
「……わかった」
「ごめんね。本当にごめん。颯太くんがここまで誠実で一途な人だって知ってたら私、こんなことしなかった。悲しい思いをさせて、傷つけちゃってごめんなさい。……あ、これはさっきの言葉への返事ではないから誤解しないでね。さっきの言葉に対する返事はこれからちゃんと考えるから」
「うん」
よかった。今回もちゃんと考えてはくれるみたい。
「最低……私、本当に最低」
しかしながらたぶん俺には聞こえない声のつもりで、でも混乱しているのか本人が思っているよりも大きめの声でそんなことを呟いている彩華さんの姿を見て、俺は彩華さんの中でもう結論は出ているのではないかと感じた。
そしてその結論はきっと俺にとって好ましいものではなく、結局は今回の告白もうまくいかない可能性が高いことを俺は悟っていた。
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