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それから数日後。
今日は綾音ちゃんと白石さんに裁縫を教える日だった。
白石さんのリボンは、ほぼ完成している。
後は飾りを付けるだけ――。
「すごい……! さすがです!」
ひと通り教え終わったあと、白石さんにリボンを見せると、彼女は目を輝かせた。
リボンの上部には、薄紅や白の撫子柄が柔らかく咲く部分を使い、下部は淡い桃色の無地を広く取り、柄を引き立てるようにした。
絹の光沢に包まれたそれは、可愛らしさの中に、しっとりとした上品さも感じられる仕上がりになった。
「そう言ってもらえてよかった」
白石さんの喜ぶ顔を見て、思わず頬がゆるむ。
「あとは、この揺れる飾りを付けるだけなんだけど――」
そう言って、座卓の上に色とりどりの硝子玉を並べた。
「白石さんには、この藤色が似合うかなと思ったんだけど……撫子に合わせて薄紅色も良いなって迷ってて。この中でどれが良いか、希望があれば教えてもらえる?」
「そうですね……。うん、これにします!」
リボンと硝子玉を見比べながら、白石さんは淡い藤色を選んだ。
「それじゃあ、今取り付けるから少し待っててね」
そう言って、飾りの金具をリボンの裏に作った小さい輪に引っ掛ける。
「この飾りは取り外しができるんだ。だから、華やかにしたいときは付けて、そうじゃない時は外して。良かったら使い分けてみて」
「わぁ、お気遣いありがとうございます! 相馬さん、本当に器用ですね」
「二通りの使い方ができるのはいいわね。気が利くじゃない」
「へへ、ありがとう」
その後、使い方を簡単に説明して、白石さんに実際に髪へ付けてもらった。
リボンには、髪を結うための細い紐を縫い付けてある。
まとめた髪に、その紐を通して結んだあと、リボンの向きを整える。
鏡を二枚使って後ろ姿を確かめた白石さんの顔が、ぱっと明るくなった。
「すごく素敵です! 相馬さんにお願いして本当に良かったです」
嬉しそうに言う声に、こちらまで嬉しくなる。
「……それで相馬さん、このリボンのお代なんですけど」
そう言われて、最初に頼まれたとき「お支払いします」と言われていたことを思い出す。
「そうだったね……。えっと、これくらいかな?」
僕は、紙に金額を書き込んだ。
硝子玉の飾りは五つまとめて買ったから、一つあたりの値はごくわずかだ。
一緒に買った紐も、リボンに使ったのはほんの少しだけ。
それぞれの材料費と布代――といっても、布は白石さんの布だから。
「「えっ!?」」
二人が同時に驚きの声を上げた。
「それだけでいいんですか?」
「そうよ、あのお店にあるリボンの五分の一の値段じゃない」
「そうだね。でも布は白石さんのものだし、硝子玉もまとめて買ったから安く済んだんだ。それに、これは初めて作ったものだし……この値段でいいよ」
「そんな、千尋さん……! 本当にありがとうございます!」
「僕も、喜んでもらえたなら嬉しい」
そのあとも、お茶を飲みながら、しばらく他愛もない話をした。
「そういえば千尋。最近、旦那とは上手くいってるの? 前に“少し優しくなった”って言ってたじゃない」
――そうだ、先週までは、そう思ってた。
けれど今は。
高瀬さんに向けた、あの穏やかな笑顔が脳裏に浮かんで、胸が苦しくなった。
「あぁ、うん……優しいよ。今も」
何となく言い出しづらくて、笑って答えた。
けれど、二人は顔を見合わせて心配そうな表情をする。
「大丈夫。ほんとに」
少しだけ声を張って言いながら、空になった湯呑を見つめる。
「……じゃあ、そろそろ良い時間だし、片付けようか」
そう言って笑い、話を終わらせた。
****
「相馬さん、本当にありがとうございました」
玄関で白石さんは深々と頭を下げ、先に出て行く。
その背中を、綾音ちゃんと二人で見送った。
角を曲がって姿が見えなくなったあと、綾音ちゃんがじっと僕を見た。
「……綾音ちゃん?」
「千尋、あんた、嘘つくのやめなさい」
いつもより低い声だった。
「え?」
「ばれてんのよ。あんな顔で“優しい”なんて言われて、誰が信じるのよ」
「……」
あの場では……言えなかった。
2人を心配させたくなかったからじゃない。
髪飾りを受け取って幸せそうに笑う白石さんを見たら――。
比べちゃいけないって分かってても、自分との違いが痛いほど突き刺さった。
「まぁ……泣きたいときは、胸貸すわよ」
優しいのか、照れ隠しなのか。
綾音ちゃんの声には、少しだけ笑いが混ざっていた。
でもその一言に、張りつめていたものがぷつりと切れる。
「……綾音ちゃん、僕、もう、だめかもしれない……」
その一言で、堰を切ったように涙があふれた。
「誠一さんの同僚の女性が、家に、来たんだ。高瀬さんって言って――」
言葉が詰まる。
「僕にくれた羽織紐……その人と、一緒に選んだみたいで……っ。僕、誠一さんが選んでくれたって、嬉しかったのに――」
「……最低ね、あんたの旦那」
綾音ちゃんが、低い声で呟く。
「でも、確証はないんだ。もしかしたら、僕の勘違いかも……。でも、どうしても……そう思えなくて」
僕は、あの日聞いた会話を、全部話した。
綾音ちゃんは言葉が詰まる僕の背中を優しく擦ってくれて、最後まで聞いてくれた。
ひとしきり泣いて、少し落ち着いたころ。
綾音ちゃんが、静かに切り出した。
「……千尋。あんた、このままじゃダメよ」
「え?」
「いつまでも、あの旦那に振り回されてちゃ。あんた、自分の力で生きていけるようにならなきゃ」
綾音ちゃんは、真剣な目で僕を見た。
「そういえば千尋、あの余った飾りは何かに使う予定あるの?」
「ううん、まだないよ」
鼻をすすりながら答える。
「それなら、澪さんのと同じリボンを、残りの硝子玉で作ってみたら?」
「え?」
「叔母さんから貰った布、余ってるんでしょ?」
「余ってるけど……。お母さんに聞いたの?」
「まあね。でも大体わかるわよ。最初の巾着は生絹だったし、叔母さんなら千尋に多めに布を渡すだろうってね」
「そっか。……綾音ちゃんには、なんでもお見通しなんだね」
ふっと少し笑えた。
胸の奥の重たさが、ほんの少しだけ軽くなる。
「でも、作ってどうするの?」
「鈍いわね。売るのよ」
「え!? 売る!?」
「そう。露店市に出すの。来週の土日にあるでしょ? 個人でもお店が出せるし、そこで販売すればいいのよ」
「で、でも……僕が作るのは、そんな大したものじゃ――」
「やってみなきゃ分かんないでしょ。誰かの目に留まるかもしれないじゃない。千尋、あんた、旦那に頼らず生きていけるようになりたいんでしょ?」
「う、うん」
「なら、なおさらよ。作ったものを人に見せて、ちゃんと価値にしていくの。ただし、値段はちゃんとつけなさいよ。澪さんに作った髪飾りみたいな“材料費だけ”の価格はダメ。利益を乗せて、その利益でまた次を作る。そうやって続けるの」
「そんなの……僕にできるかな……」
「できるわよ。それに、今は新しい材料を買う必要もないし、手元にあるもので試せるでしょ」
「……そうか。そうだね。うん、やってみるよ!」
「その意気よ。そうね……髪飾りが一つできたら見たいんだけど、次の裁縫の日までに見せに来てもらえる?」
「うん、わかった。作ったら持っていくね」
そこまで言って、思い出す。
日曜日は誠一が子供たちを呼ぶ日だ。
きっと露天市がある日も、勉強会は開催するだろう。
「あの……毎週日曜日は誠一さんの勉強会を手伝う予定で……」
「へぇ、あの旦那、そんなことしてんの。まぁそれなら、土曜だけでも出しに行きましょ。でも言えるなら言いなさいよ、“来週の勉強会は手伝えません”って。千尋の時間は千尋のもんなんだから」
誠一にそう言えるかは分からない。
けれど、それくらい強くならなきゃいけない――そう思った。
僕は静かに頷いた。
「……ありがとう、綾音ちゃん」
「なによ、急に」
「ううん。ただ……ちょっと救われた気がして」
「なら良かった。あんた、笑ってるほうが似合うわよ。でももし旦那に“がつん”と言ってほしい時は、いつでも言いなさい」
綾音ちゃんが拳を軽く握って、構えてみせた。
「そこまでしなくて大丈夫だよ」
「そう? まぁ、千尋がそう言うならいいけど。じゃ、とりあえず髪飾り、作ったら見せてよね」
「うん、わかった」
「それじゃ、またね」
そう言って綾音ちゃんは、いつものように颯爽と帰っていった。
今日は綾音ちゃんと白石さんに裁縫を教える日だった。
白石さんのリボンは、ほぼ完成している。
後は飾りを付けるだけ――。
「すごい……! さすがです!」
ひと通り教え終わったあと、白石さんにリボンを見せると、彼女は目を輝かせた。
リボンの上部には、薄紅や白の撫子柄が柔らかく咲く部分を使い、下部は淡い桃色の無地を広く取り、柄を引き立てるようにした。
絹の光沢に包まれたそれは、可愛らしさの中に、しっとりとした上品さも感じられる仕上がりになった。
「そう言ってもらえてよかった」
白石さんの喜ぶ顔を見て、思わず頬がゆるむ。
「あとは、この揺れる飾りを付けるだけなんだけど――」
そう言って、座卓の上に色とりどりの硝子玉を並べた。
「白石さんには、この藤色が似合うかなと思ったんだけど……撫子に合わせて薄紅色も良いなって迷ってて。この中でどれが良いか、希望があれば教えてもらえる?」
「そうですね……。うん、これにします!」
リボンと硝子玉を見比べながら、白石さんは淡い藤色を選んだ。
「それじゃあ、今取り付けるから少し待っててね」
そう言って、飾りの金具をリボンの裏に作った小さい輪に引っ掛ける。
「この飾りは取り外しができるんだ。だから、華やかにしたいときは付けて、そうじゃない時は外して。良かったら使い分けてみて」
「わぁ、お気遣いありがとうございます! 相馬さん、本当に器用ですね」
「二通りの使い方ができるのはいいわね。気が利くじゃない」
「へへ、ありがとう」
その後、使い方を簡単に説明して、白石さんに実際に髪へ付けてもらった。
リボンには、髪を結うための細い紐を縫い付けてある。
まとめた髪に、その紐を通して結んだあと、リボンの向きを整える。
鏡を二枚使って後ろ姿を確かめた白石さんの顔が、ぱっと明るくなった。
「すごく素敵です! 相馬さんにお願いして本当に良かったです」
嬉しそうに言う声に、こちらまで嬉しくなる。
「……それで相馬さん、このリボンのお代なんですけど」
そう言われて、最初に頼まれたとき「お支払いします」と言われていたことを思い出す。
「そうだったね……。えっと、これくらいかな?」
僕は、紙に金額を書き込んだ。
硝子玉の飾りは五つまとめて買ったから、一つあたりの値はごくわずかだ。
一緒に買った紐も、リボンに使ったのはほんの少しだけ。
それぞれの材料費と布代――といっても、布は白石さんの布だから。
「「えっ!?」」
二人が同時に驚きの声を上げた。
「それだけでいいんですか?」
「そうよ、あのお店にあるリボンの五分の一の値段じゃない」
「そうだね。でも布は白石さんのものだし、硝子玉もまとめて買ったから安く済んだんだ。それに、これは初めて作ったものだし……この値段でいいよ」
「そんな、千尋さん……! 本当にありがとうございます!」
「僕も、喜んでもらえたなら嬉しい」
そのあとも、お茶を飲みながら、しばらく他愛もない話をした。
「そういえば千尋。最近、旦那とは上手くいってるの? 前に“少し優しくなった”って言ってたじゃない」
――そうだ、先週までは、そう思ってた。
けれど今は。
高瀬さんに向けた、あの穏やかな笑顔が脳裏に浮かんで、胸が苦しくなった。
「あぁ、うん……優しいよ。今も」
何となく言い出しづらくて、笑って答えた。
けれど、二人は顔を見合わせて心配そうな表情をする。
「大丈夫。ほんとに」
少しだけ声を張って言いながら、空になった湯呑を見つめる。
「……じゃあ、そろそろ良い時間だし、片付けようか」
そう言って笑い、話を終わらせた。
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「相馬さん、本当にありがとうございました」
玄関で白石さんは深々と頭を下げ、先に出て行く。
その背中を、綾音ちゃんと二人で見送った。
角を曲がって姿が見えなくなったあと、綾音ちゃんがじっと僕を見た。
「……綾音ちゃん?」
「千尋、あんた、嘘つくのやめなさい」
いつもより低い声だった。
「え?」
「ばれてんのよ。あんな顔で“優しい”なんて言われて、誰が信じるのよ」
「……」
あの場では……言えなかった。
2人を心配させたくなかったからじゃない。
髪飾りを受け取って幸せそうに笑う白石さんを見たら――。
比べちゃいけないって分かってても、自分との違いが痛いほど突き刺さった。
「まぁ……泣きたいときは、胸貸すわよ」
優しいのか、照れ隠しなのか。
綾音ちゃんの声には、少しだけ笑いが混ざっていた。
でもその一言に、張りつめていたものがぷつりと切れる。
「……綾音ちゃん、僕、もう、だめかもしれない……」
その一言で、堰を切ったように涙があふれた。
「誠一さんの同僚の女性が、家に、来たんだ。高瀬さんって言って――」
言葉が詰まる。
「僕にくれた羽織紐……その人と、一緒に選んだみたいで……っ。僕、誠一さんが選んでくれたって、嬉しかったのに――」
「……最低ね、あんたの旦那」
綾音ちゃんが、低い声で呟く。
「でも、確証はないんだ。もしかしたら、僕の勘違いかも……。でも、どうしても……そう思えなくて」
僕は、あの日聞いた会話を、全部話した。
綾音ちゃんは言葉が詰まる僕の背中を優しく擦ってくれて、最後まで聞いてくれた。
ひとしきり泣いて、少し落ち着いたころ。
綾音ちゃんが、静かに切り出した。
「……千尋。あんた、このままじゃダメよ」
「え?」
「いつまでも、あの旦那に振り回されてちゃ。あんた、自分の力で生きていけるようにならなきゃ」
綾音ちゃんは、真剣な目で僕を見た。
「そういえば千尋、あの余った飾りは何かに使う予定あるの?」
「ううん、まだないよ」
鼻をすすりながら答える。
「それなら、澪さんのと同じリボンを、残りの硝子玉で作ってみたら?」
「え?」
「叔母さんから貰った布、余ってるんでしょ?」
「余ってるけど……。お母さんに聞いたの?」
「まあね。でも大体わかるわよ。最初の巾着は生絹だったし、叔母さんなら千尋に多めに布を渡すだろうってね」
「そっか。……綾音ちゃんには、なんでもお見通しなんだね」
ふっと少し笑えた。
胸の奥の重たさが、ほんの少しだけ軽くなる。
「でも、作ってどうするの?」
「鈍いわね。売るのよ」
「え!? 売る!?」
「そう。露店市に出すの。来週の土日にあるでしょ? 個人でもお店が出せるし、そこで販売すればいいのよ」
「で、でも……僕が作るのは、そんな大したものじゃ――」
「やってみなきゃ分かんないでしょ。誰かの目に留まるかもしれないじゃない。千尋、あんた、旦那に頼らず生きていけるようになりたいんでしょ?」
「う、うん」
「なら、なおさらよ。作ったものを人に見せて、ちゃんと価値にしていくの。ただし、値段はちゃんとつけなさいよ。澪さんに作った髪飾りみたいな“材料費だけ”の価格はダメ。利益を乗せて、その利益でまた次を作る。そうやって続けるの」
「そんなの……僕にできるかな……」
「できるわよ。それに、今は新しい材料を買う必要もないし、手元にあるもので試せるでしょ」
「……そうか。そうだね。うん、やってみるよ!」
「その意気よ。そうね……髪飾りが一つできたら見たいんだけど、次の裁縫の日までに見せに来てもらえる?」
「うん、わかった。作ったら持っていくね」
そこまで言って、思い出す。
日曜日は誠一が子供たちを呼ぶ日だ。
きっと露天市がある日も、勉強会は開催するだろう。
「あの……毎週日曜日は誠一さんの勉強会を手伝う予定で……」
「へぇ、あの旦那、そんなことしてんの。まぁそれなら、土曜だけでも出しに行きましょ。でも言えるなら言いなさいよ、“来週の勉強会は手伝えません”って。千尋の時間は千尋のもんなんだから」
誠一にそう言えるかは分からない。
けれど、それくらい強くならなきゃいけない――そう思った。
僕は静かに頷いた。
「……ありがとう、綾音ちゃん」
「なによ、急に」
「ううん。ただ……ちょっと救われた気がして」
「なら良かった。あんた、笑ってるほうが似合うわよ。でももし旦那に“がつん”と言ってほしい時は、いつでも言いなさい」
綾音ちゃんが拳を軽く握って、構えてみせた。
「そこまでしなくて大丈夫だよ」
「そう? まぁ、千尋がそう言うならいいけど。じゃ、とりあえず髪飾り、作ったら見せてよね」
「うん、わかった」
「それじゃ、またね」
そう言って綾音ちゃんは、いつものように颯爽と帰っていった。
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